Vol. 24

進化はここから生まれる。
コマツ コミュニケーション レポート
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
激動する時代、メーカーはどのようにこの変化に挑み、取り組んでいるのか。
コマツの製品をお使いのユーザーの方々をレポートしてご紹介いたします。
今回は、金属製のガスケットという従来とは全く発想の異なった画期的な
製品を生み出し、またその品質の高さと独創性により、お客様から高い評
価を得ている、埼玉県熊谷市の日本メタルガスケット株式会社様にお話を
お伺いしました。
Vol. 24
メタルガスケットのパイオニア
日本メタルガスケット株式会社
トップに聞く。
本社・工場 〒360-0843 埼玉県熊谷市三ヶ尻3308 TEL.048-532-0911(代)
設 立 1980(昭和55)年4月 代表取締役 植田 耕作 資本金 2億100万円 従業員数 103名 『限りある、資源を生かそう、無限の知恵で
皆で考え、付加価値創造』
現在、国内はもちろん海外にまで幅広く高
い評価を得られていらっしゃいますが、創
業からの経緯について、お聞かせ下さい。
もともとガスケットの製造を手掛けていた
社長が、金属製のガスケットを思い付き、何
とか製品として生み出したく、独立したのが
始まりです。
それまで世間に出回っていたガスケットは
全てソフトな素材というのが常識でしたから、
金属製のガスケットとなると当初は、なかな
か周囲に信用されませんでした。
そこで、まずその性能を世間に知っていた
だこうと思い、二輪車(オートバイ)のレース
用金属製シリンダヘッドガスケットの納入か
ら始めました。
その結果、弊社の金属製ガスケットを装着
した車が優勝し、ようやくその性能を二輪メ
ーカーに認めていただき、次第にそれまでの
ソフトなガスケットから金属製へと切り換え
られる様になり、二輪業界の中で注目を浴び
る事ができました。
その後、1983年∼85年頃には、四輪からも
常務取締役工場長
佐藤 豊 氏
声が掛かるようになってきました。
こちら(四輪)の方は、特許実施権許諾
契約を同業他社さんと結んだりして、技
術供与をしてまいりました。
二輪メーカーからの表賞。製品の性能を物語る。
すごく感じの良い会社だなという印象
を受けましたが、社員教育が行き届い
ているのですか?
弊社では、日頃から挨拶だけは、徹底
して指導しています。
ただ、社員教育は社内教育ですとどう
しても甘えが出てしまうので、外部で催
されている様々な教育に男女を問わず、
参加させています。
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
KTS-Net
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進化はここから生まれる。
現場を捉える。
自由な発想と豊かな創造力を発揮し、
卓越した技術力を持つエンジニア集団。
工場では徹底した品質管理と原価低減意識を持ち、
社員全員が一丸となって仕事に取り組んでいる。
さらにメーカーの信頼に応えるための積極的な技術
革新も推進している。
貴社は、まさに金属製ガスケットのパイ
オニア的存在ですが、どの様な生産体制
をとられているのですか。
日本国内での加工は本社工場と協力会社
4社を主体として行っています。
海外での展開としましては、台湾と上海
に工場を持っております。
カーメーカーが海外へ進出したことに
連れて、部品メーカーも進出しているため、
弊社としてもそれに合わせるために海外へ
進出しました。
あくまでも「安いから」という理由では
なく、「市場が拡がっている」ため、それ
に対応すべく海外進出に踏み切ったのです。
その他にも日本国内を初めとして、アメ
リカ・ドイツ・インド・韓国などの様々な
企業に対して技術供与をしております。
金属製ガスケットの特長やその加工の際
の特性などをお聞かせ下さい
そもそもガスケットというものは、従来
ソフトな素材で作られていました。
しかし、車の性能が急激に上がりそれに
伴い高性能エンジンに耐え得るガスケット
をということで、金属製ガスケットを生み
出したのです。
エンジンの高性能化や高出力化そして小
型軽量化が進んだ現在、それに対応できる
ガスケットとなるとやはり金属製となりま
す。
さらに近年騒がれております環境に対し
ても、金属製ならばリサイクルできるという
点からみて最適ではないでしょうか。 創業以来、常に金属ガスケットを主体に生
産してきた結果、その技術には自信を持って
おります。
金型の製作手法から製品の形状など様々な
技術力が要求されますが、やはり金型にこそ、
そのノウハウが詰まっていると思います。
弊社ではエンジンの開発段階からご提案を
させて頂いて、金型設計・製作、製品の加工
から組立、そしてコーティング、さらには品
質保証まで全て社内で一貫した生産体制を構
築して行っております。
工場内には、単発プレス、ロボットライン
そしてタンデムラインの設備がありますが
FEM解析
高速疲労試験機
冷熱シミュレーション試験機
先端設備を導入しシビアな要求をクリアした
製品をスピーディーに開発している。
メタルガスケットのパイオニア
日本メタルガスケット株式会社
マシニングセンター
この度ソリッドフレームプレスE1Wを
ご導入頂きましたが、その動機と実際に
ご使用されてみてのご感想をお聞かせ
下さい。
組立ロボットライン
これらは製品毎の生産量によって使い分けを
しております。
数量の少ない製品は単発で加工することに
より金型をシンプルにして型代を抑えます。
また数量の多い製品はタンデムラインにて
加工することにより、金型の数量は増えます
が、生産コストを下げることができるのです。
そしてお客様から信頼される製品づくりの
要となるのが品質管理と思います。そのため
にも最新の設備を備え、ISO9001の認証を取
得しました。さらに、アメリカ大手自動車メ
ーカーの品質管理基準であるQS9000シリーズ
の認証取得も視野に捉えています。
金属製ガスケットの加工にとって、口
開きという問題は、非常に重要です。
その点を考慮しますと、C型フレーム
よりも、当然4本柱のプレス機が適して
いるのですが、その分かなり高価である
という認識がありました。
ところが、コマツさんの営業マンから
門型フレームのE1Wならば、C型プレス
の感覚で4本柱のプレスが購入できると
進められ、導入に踏み切ったのです。
使用してみると予想通り、やはり4本
柱の特性で、まったく口開きの心配など
不要で非常に素晴らしい使い心地で精度
的にも満足しています。
3次元測定機
(真円度機能付)
コントレーサ
新しく導入されたコマツソリッドフレームプレス
E1W150。今後の活躍が期待される。
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KTS-Net
Vol. 24
進化はここから生まれる。
メタルガスケットのパイオニア
日本メタルガスケット株式会社
エンジンの小型・高性能化を支える高精度なメタルガスケット
この技術力が今後様々な分野で活かされる。
貴社の今後の展開についてお聞かせくだ
さい。
今後の課題となりますと、やはりコストの
削減という事が問題になってきます。
今までと同じことをやっていては、当然コ
ストを削減することなど不可能ですから、新
しい技術を投入することに加え、材料を如何
に安く仕入れるかという課題に取り組まなけ
ればなりません。
また、設立以来、弊社の主力として手掛け
てきた金属製ガスケットですが、二輪・四輪
のエンジンに関しては、殆ど拡がり尽くして
しまった感があります。
そこで、この今まで培ってきた金属製ガス
ケットの技術を活かして、単なるガスケット
としてではなく、あくまでもひとつのパッキ
ンとして捕らえ、例えば油圧関係のパッキン
として等、違う分野へも進出して行きたいと
思っております。
製品紹介
仕 様
加圧能力
能力限界
ストローク長さ
定速ストローク数
変速ストローク数
ダイハイト
スライド調節量
スライド寸法(左右×前後)
ボルスタ寸法(左右×前後)
ボルスタ厚さ
許容上型重量
メインモータ
KTS-Net
KTS-Netとは、サーボプレスを活用
して革新的なプレス加工を追求されて
いるユーザーの方々の集まりです。
皆様の情報受発信の場として、是非ご
利用ください。また今後もこの誌面で
KTS-Netのお客様をご紹介させて頂
きます。ご入会をご希望の方は、是非
弊社のサイトをお訪問下さい。
E1W200
E1W150
E1W110
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L
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S
H
S
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2000(200)
1500(150)
1100(110)
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6
5
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300
110
160
130
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150
250
250
45
35
ー
ー
ー
50
50
35
45
32∼65 32∼65 50∼100 27∼55 27∼55 40∼85 25∼50 25∼50 35∼70
420
480
350
450
450
420
380
350
450
120
100
100
850 x 650
700 x 550
620 x 530
1200 x 840
1050 x 760
900 x 680
190
165
150
650
500
350
15 x 4
11 x 4
11 x 4
S
KN(tonf)
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spm
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お問い合わせは
コマツ産機株式会社 鍛圧KBU 企画グループ
〒 140-0013 東京都品川区南大井 6-3-7 アーバンネット南大井ビル
インターネットアドレス http:
//www.
komatsusanki
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co.
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p/kts/
TEL. 03-5561-2692 FAX.03-5561-2877