『今日の技術を未来のために』

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進化はここから生まれる。
激動する時代、メーカーはどのようにこの変化に挑み、取り組んでいるのか。
コマツの製品をお使いのユーザーの方々をレポートしてご紹介いたします。
今回は、長年に渡り、常に時代の最先端の技術を取り入れながら、製造メー
カーとして自らの水準を高めてこられ、その豊富な経験と高い技術力で社会
に貢献されている、岐阜県各務原市の株式会社樋口製作所様にお話をお伺い
しました。
Vol. 61
精密金属及び一般金属プレス加工/各種金型設計・製造
/プラスチック成形品/各種溶接・切削・組立加工
株式会社 樋口製作所
本社工場 〒504-0957 岐阜県各務原市金属団地44 TEL.0583-83-1141(代表) FAX.0583-83-1144
那加工場 〒504-0957 岐阜県各務原市金属団地185 TEL.0583-82-0974
FAX.0583-82-2944
前渡工場 〒504-0924 岐阜県各務原市下切町1012 TEL.0583-71-3234
FAX.0583-71-5926
創 業 1937(昭和12)5月 代表取締役 樋口 徳室 資本金 2,000万円 従業員数 138名
インターネットアドレス http://www.hig-jp.net
『今日の技術を未来のために』
昭和12(1937)年 5月、私の祖父が旋盤工
場として創業しました。
創業当初は、カギやランプ等の自転車部
品、扇風機といった家電部品をはじめ、戦
時中という事もあり、航空機の部品など幅
広く手掛けていました。
昭和38年に、現在地へ移転し「株式会社
樋口製作所」として創立しました。
昭和40年頃からは時代の流れとともに手
掛ける製品も自転車から自動二輪車、そし
て四輪の自動車部品へと移り変わってきま
した。
創業当初は、切削で行っていた加工も、
生産時間の短縮を図るべく、それまで培っ
て来た切削技術を活かして、プレス加工に
置き変えて来ました。
現在では、ハイレベルな強度・精度の求
められる自動車の重要保安部品を中心に、
プレス加工、切削、溶接など、クオリティ
の高い製品を生産しています。また、きめ
の細かい作業ができるように、金型なども
100%自社で設計・製造しています。
代表取締役
樋口 徳室 氏
凄く綺麗な社屋に加え、高級ラウンジの
様な社員食堂など、環境整備にとても力
を入れらている様ですが。
社員の人生において、仕事に費やす時間
はおそらく最も長い時間のはず。その時間
を過ごす場所には、家庭と同様にゆったり
寛げるスペースがあることが理想ではない
でしょうか。これは先代の社長であった私
の父も常に口にしていました。
働くスタッフの気持ちに最大限配慮した
労働環境の整備は、社員やその家族をひと
つの大きなファミリーとして考える弊社独
自のスタンスから生まれたものなのです。
高級ラウンジの様な社員食堂。これならばブレイクタイム
には完全にリフレッシュでき、仕事の効率も上がりそうだ。
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
創業から今日に至るまでの経緯について
お聞かせ下さい。
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進化はここから生まれる。
日々変化する顧客のニーズに応え、最良の品質とサービスを追求した
モノづくり。工場では徹底した品質管理と原価低減意識を持ち、社員
が一丸となって仕事に取り組んでいる。
さらに、顧客の信頼に応えるための積極的な設備投資も推進している。
那加工場
前渡工場
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
貴社で生産されている自動車部品の加工
上の特徴をお聞かせ下さい。
弊社では現在、自動車の安全装置関連部
品の製造を主として行っています。そのた
め、常に高い製品品質が求められています。
また、近年自動車部品で使用されるよう
になった超高張力鋼板を、弊社ではいち早
く冷間プレス加工に取り組みました。
また、高速自動連続絞りや、複雑な形状
製品の製作、独創的な金型による特殊な加
工と工夫を施したメンテナンス可能な金型
などの各種技術により、お客様に納得して
いただける品質・納期・コストを 新規に受
注してから短期間で確立することができる
ようになりました。
貴社ではどの様な加工を得意とされてい
ますか。
製造メーカーの可能性は、まず確固たる
技術があり、さらにそれを応用する発想が
加わって初めて広がるものと考えます。
そのためにも、常に他社が難しいと思っ
ていることにチャレンジして行きたいと思
っています。
弊社では、金属加工、とりわけ大型プレ
ス機による“深絞り”を得意とし、金型の
設計・製造、高精度の溶接、切削技術など
関連する技術も高めてきました。
そして、CAD/CAMに集約された技術情
報をFAとのトータルシステムへと発展させ、
設計から加工、アッセンブリーまで、一連
の流れを省人化した生産ラインとして構築
しています。
弊社では、お客様から部品製作の御注文
を頂いた段階で開発プロジェクトがスター
トします。
コストや耐久性などを考慮し、使用する
材質を検討。そして具体的な加工方法の検
討に入ります。
弊社の製品に、長い筒状の製品の壁面に
数箇所∼数十箇所、穴をあけるといった加
工があます。
従来は外側から何工程もかけて穴をあけ
ていたのですが、内側にバリが出てしまう
ため、その都度バリ取りをしなければなら
ず、大変工数の掛かる加工でした。
そこで全ての穴をプレスのワンストロー
クで内側より穴をあける金型を開発し、大
幅な工期の短縮を図る事ができました。
弊社に持ち込まれる御注文の多くは、こ
れまでに前例のない加工が殆どです。この
様なチャレンジも弊社では得意としていま
す。加工工程の設計から専用治具の開発に
いたるまでのほぼ全てを自社でまかなうこ
とで、迅速かつ緻密な対応を可能としてい
ます。
Vol. 61
株式会社 樋口製作所
技術者にたいするサークル活動を積極的
に行われているとお聞きしましたが。
サーボプレスH1Fをご導入になられた動
機と感想をお聞かせ下さい。
「何でも作ってしまえ!」という先代から
のモノ創りのスピリットを基に、製造・設
計・開発のスタッフがひとつになって、課
題として挙げたテーマについて研究を行う
「TTC (Technical Training Circle)」という社
内サークルがあります。
方向性は私が出すのですが、テーマは自
分達で挙げています。
新素材や自社製省力化設備、各加工技術
の深化などのテーマをグループ毎に設定し、
ミーティングを行い、定期的に研究成果の
発表を行うことで最新技術に関する社内で
の情報共有を推進しています。
研究のひとつとして、高張力鋼板の深絞
りへの挑戦があります。80kg/mm2材での絞
り加工を経て、100kg/mm2材もほぼクリア
しつつある現在、それ以上の材での絞り加
工のさらなる挑戦を続けています。
また、角絞り加工の研究にも力を入れて
います。より深く、絞り幅をより薄く、究
極の角絞り加工を追い求めています。
そもそもは研究の材料として導入しまし
た。早速その威力を発揮したのが、板厚よ
り小さな穴を空けるといった加工です。
サーボプレスの場合、穴をあける瞬間だ
け極端にスピードを落とすことが出来る事
でパンチ寿命の向上につながり、その結果
研究用として先に導入した60トンのサーボ
プレスは量産ラインに置いてしまいました。
その他、ファインブランキング加工でも
サーボプレスのモーションを利用して研究
段階から現実性の高い物へと変化していま
す。
また、サーボプレスの低騒音には驚きま
した。ハイテン材で板厚の厚いモノの加工
となると、とても大きな音が出てしまうも
のですが、110トンのサーボプレスで行った
ところ、騒音が全く違うのです。
すでに様々なメリットを実感したサーボ
プレスを使い今後も新たな加工に挑戦して
行きたいと思っています。
社内サークル「TTC」
現在挑戦し続けている
「角絞り加工」
ACサーボプレスH1F60及びH1F110。今後のさらなる活躍
が期待される。
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
精密金属及び一般金属プレス加工/各種金型設計・製造
/プラスチック成形品/各種溶接・切削・組立加工
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Vol. 61
進化はここから生まれる。
精密金属及び一般金属プレス加工/各種金型設計・製造
/プラスチック成形品/各種溶接・切削・組立加工
株式会社 樋口製作所
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
今後の展望などをお聞かせください。
自動車業界における日本の技術は世界的
に見てもトップレベルにあると思います。
今後はものづくりという観点を世界規模
で捕らえ、この優れた日本の技術を海外の
お客様に対してもご提案させて頂き、ご満
足して頂ける製品作りをして行きたいと思
っています。
日本国内に留まり、生産コストの低い中
国等の影響を恐れていてはいけません。
地球規模で物事を考え、世界に貢献する
ものづくりを行っていくべきです。
我々が身を置く自動車業界では非常に技
術革新が進んでいます。その中で、我々日
本が誇る技術を積極的にアピールしてきた
いのです。
そのためにも社員一丸となってこれまで
培ってきた技術をよりいっそう磨き、高め
ていかなければらないと考えています。
持っている発想と技術が世界ナンバーワ
ンであることを誇りに感じ、そのポジショ
ンをより確実なものとするために、我々は
邁進いたします。
市場ユーザーの詳細なニーズを忘れず、その大切なマイン
ドをダイレクトに感じるため、一般消費者の手に直接渡る
雑貨用品などの製造も手掛けている。
KTS-Net
KTS-Netとは、サーボプレスを活用し
て革新的なプレス加工を追求されてい
るユーザーの方々の集まりです。
皆様の情報受発信の場として、是非ご
利用ください。
また、今後もこの誌面でKTS-Netのお
客様をご紹介させて頂きます。
ご入会をご希望の方は、是非弊社のサ
イトをお訪問下さい。
製品紹介
能 力
能力限界
ストローク長さ
最大ストローク数
ダイハイト
スライド調節量
スライド寸法
シャンク穴径
ボルスタ寸法
許容上型質量
左右 L-R
前後 F-B
左右 L-R
前後 F-B
厚さ
単位
kN
mm
mm
1/min
mm
mm
mm
mm
mm
mm
mm
mm
kg
H1F35
350
4.5
~80
~80
210
55
350
300
38.5
700
400
86
50
H1F45
450
5.5
~100
~70
250
60
400
350
50.5
800
450
110
80
H1F60
600
6.0
~120
~60
300
65
500
400
50.5
900
550
130
130
H1F80
800
5
~130
~75
320
80
550
450
50.5
1000
600
140
190
H1F110
1100
5
~150
~65
350
100
620
530
50.5
1100
680
150
350
H1F150
1500
6
~200
~55
420
100
700
550
50.5
1250
760
165
500
H1F200
2000
6
~250
~50
450
120
850
650
50.5
1450
840
190
650
お問い合わせは
コマツ ハイブリッドACサーボプレス
KOMATSU HYBRID AC SERVO PRESSES
コマツ産機株式会社 鍛圧KBU 企画グループ
〒 140-0013 東京都品川区南大井 6-3-7 アーバンネット南大井ビル
TEL. 03-5561-2692 FAX.03-5561-2877
インターネットアドレス http://www.komatsusanki.co.jp/