『安全第一・顧客満足主義 ・技能向上』

KTS-Net
進化はここから生まれる。
激動する時代、メーカーはどのようにこの変化に挑み、取り組んでいるのか。
コマツの製品をお使いのユーザーの方々をレポートしてご紹介いたします。
今回は、長年にわたり板金加工及びプレス加工を手掛け、各社様から確固たる
信頼を得られている、株式会社豊菱製作所 様 にお話をお伺いしました。
Vol. 112
自動車部品・電機部品・車輌部品の製造
株式会社 豊菱製作所
本 社 〒500-8822 岐阜県岐阜市今沢町15番地 鈴木ビル内 TEL. 058-263-0702 FAX. 058-265-8976
工 場 〒504-0957 岐阜県各務原市金属団地116 TEL. 058-383-2311 FAX. 058-383-8244
創 業 1957(昭和32)年 5月 5日 代表取締役 鈴木 純一 資本金 2,160万円 従業員数 49名
創業から今日に至るまでの経緯について
お聞かせ下さい。
創業は 1957(昭和32)年 5月 5日。岐阜市
長良東郷町に於いて、私の父(鈴木 晃)が
それまでの会社勤めで培ってきた技術及び
経験を活かし、個人で板金加工業を始め、
その後 1960年(昭和 35年)に 株式会社 豊菱
製作所を設立しました。
創業当初は主に繊維機械部品の板金加工
を手掛けており、その後次第にバスの運賃
箱や列車・電車の蛍光灯のケースなどの製
造を行うようになりました。これらの製品
は、現在弊社の主力製品となっております。
また、創業から10年間程はこの様な板金
加工のみを行っておりましたが、その後、
自動車部品製造メーカー様とお付き合いを
させて頂くこととなり、それを機に本格的
にプレス加工も行っていくこととなったの
です。
それ以来、プレス加工と板金加工の二本
立てで、様々なお客様にご満足して頂ける
代表取締役社長
鈴木 純一
氏
モノ作りを目指し続けてまいりました。
プレスと板金が一緒に出来る会社として
の特長を活かし、今後も様々なお客様のお
役に立たせて頂きたいと思っております。
御社の方針をお聞かせ下さい。
弊社では今年度の会社方針として「安全
第一・顧客満足主義・技能向上」の三項目
を掲げております。
まずは、大切な社員が怪我をすること等
無い様に、危険ゼロの職場づくり、安全な
職場環境を築くことが最も大事です。
その様な環境のもと、常に「品質第一」
「お客様優先」の心で、お客様に喜んで頂け
るものづくりを行っていきます。
また、社員一人一人が、教養や訓練を通
して獲得した能力を発揮できるような、力
を蓄えることのできる職場づくりを行って
いきたいと思っております。
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
『安全第一・顧客満足主義
・技能向上』
KTS-Net
進化はここから生まれる。
自由な発想と豊かな創造力を発揮し、卓越した技術力を
持つエンジニア集団。工場では徹底した品質管理と原価
低減意識を持ち、社員全員が一丸となって仕事に取り組
んでいる。さらにメーカーの信頼に応えるための積極
的な技術革新も推進している。
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
社員教育についてお聞かせ下さい。
良い人材を育てて行くことは企業にとっ
て何よりも大切なことであると思っており
ます。
弊社では社員教育に対しても、外部に頼
るのではなく、様々なノウハウを持ってい
る社員が教育係となり、若手社員に対して
現場を初めとする実践的な教育を様々行っ
ております。
また、職場及び社員の安全を推進するた
めの安全衛生委員会やISOに関する定期的
な連絡・報告なども各々担当の社員が自主
的に行うなど、社員一人一人が責任感を持
って各々の職務に取り組んでおります。
社員の行動指針としては、 現場に足を
運び、場を確認する。 現物を手に取り、
物を確認する。 現実をこの目で見て、事
実を知る。すなわち「現場・現物・現実」
の三現主義とともに、「スピードある行動」
「業務の質向上への取り組み」「相手の立場
「安全衛生委員会」及び「ISO連絡」各々担当の社員が定期的
に掲示板で様々な報告を行っている。
で思いやりのある行動をとる」といった項
目を掲げております。
御社で製造されているプレス加工製品に
ついてお聞かせ下さい。
弊社がプレス加工を始めた切っ掛けとな
りました自動車部品製造メーカー様とは、
もう40年程のお付き合いをさせて頂いてお
ります。
当初は、バンパーと車体をつなぐ部品の
製造を主に行っていたのですが、時代の流
れとともに、車の構造がバンパーと車体の
一体構造になってしまいその部品自体が無
くなってしまったため、現在弊社で最も多
く手掛けているプレス加工製品は、自動車
のルーフパネル補強材となりました。
この製品の特徴として挙げられることは、
まずその形状です。細長い形状の長尺物の
ため、弊社ではコイル材であってもプレス
の前面から材を入れています。
プレスの前面からコイル材を入れることにより、長尺物に
最も適した加工を行っている。
Vol. 112
通常、コイル材はプレスの側面から入れ
るケースが多く見られますが、幅の広いプ
レスの前面から材を入れることによって、
ステーションは少なくなりますが、より長
尺物に適した加工が出来るのです。
また、ルーフパネルの補強材は、屋根の
形状に伴いその場所毎に使う補強材の形状
及び大きさを変えていかなければならない
ため、1車種毎につき約3∼4種類程の補強
材が必要となります。
そのため、多種多様な形状の製品を製造
することとなります。
弊社では製品毎にプレス機を使い分け、
各々の製品に最適な加工を行っております。
株式会社 豊菱製作所
れ替えることになったため、以前から気に
なっていたサーボプレスを一度使ってみた
いと思い、昨年3月にコマツのサーボプレス
H2W300を導入したのです。
弊社では板金加工において既にサーボの
板金加工機を使っており、サーボの精度の
良さを実感していましたので、プレス加工
においても、より精度の高い加工が行える
こと、さらに絞り加工等にはサーボのフリ
ーモーションが有効であると思い、サーボ
プレスの導入に踏み切りました。
実際に使用してみた所、思った通りの効
果を実感できましたが、さらにサーボプレ
スを保有したことによって、新たなお客様
から注目して頂けるといった思わぬ効果が
ありました。
弊社のような製造業にとって、サーボプ
レスを保有していることが、営業の1つに
なるのですね。
今後はさらにこのサーボプレスの特性を
活かし、様々な製品の加工に挑戦して行き
たいと思っております。
コマツE2G400(左)とE2G300(右)。
製品毎に使い分けられているプレス機。
サーボプレスをご導入された動機をお聞
かせ下さい。
コマツさんとは、プレス加工を本格的に
社内で行うため、初めてプレス機を導入し
てからですから、約35年程のお付き合いに
なります。
この度、30数年使ってきたプレス機を入
昨年の春に導入されたコマツサーボプレスH2W300。
今後の活躍が大いに期待される。
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
自動車部品・電機部品・車輌部品の製造
KTS-Net
Vol. 112
進化はここから生まれる。
自動車部品・電機部品・車輌部品の製造
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
今後の展望をお聞かせ下さい。
自動車産業では昨今、様々なメーカーが
海外に生産拠点を移す傾向にあり、弊社の
様な日本国内の製造業にとって厳しい状況
が続いていますが、弊社も一企業である以
上、どんなに小さくても利益を生み出す会
社で在りたいですね。
そのためにも、まずは最も大切な、良い
人材を確保するために、しっかりした社員
教育を行い、大切な人材を育てて行きたい
と思っています。
現代の若い社員の中にも、自分の時間を
削ってでも会社のために力を尽くしてくれ
ている社員がいてくれます。彼らの様な貴
重な人材を大切にし、育てて行く事こそ弊
社にとって最も重要なことだと思うのです。
その上で、弊社でしか出来ない仕事をや
って行きたいと思っています。
長年、板金加工とプレス加工の二本立て
で行ってきたことこそが、弊社の強みであ
ると思っています。今後もその強みを活か
して行くとともに、この度新たに導入した
サーボプレスを活かし、様々な加工への挑
戦を行っていきたいと思っております。
株式会社 豊菱製作所
今後も常に「品質第一」「お客様優先」の
心で、お客様に喜んで頂けるものづくりを
行っていきます。
2007年11月 ISO14001認証取得