Vol. 13 - コマツ産機

進化はここから生まれる。
コマツ コミュニケーション レポート
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
激動する時代、メーカーはどのようにこの変化に挑み、取り組んでいるのか。
コマツの製品をお使いのユーザーの方々をレポートしてご紹介いたします。
今回は、開発主導型メーカーとして画期的な新製品を次々と生み出し、
また独創性とニーズ先取り精神によりお客様から高い評価を得ている、
愛知県刈谷市一色町の武田工業株式会社様にお話をお伺いしました。
Vol. 13
精密部品加工・精密プレス製品加工メーカー
武田工業株式会社
トップに聞く。
本社・テクニカルセンター・工場 〒448-0022 愛知県刈谷市一色町3丁目6番地6 TEL.0566-21-2321
設 立 1960(昭和35)年11月1日 代表取締役 武田 昭俊 資本金 4,800万円 従業員数 137名 『変革による豊かさを』
現在、開発主導型メーカーとして高い評価を
得られているとお聞きします。創業から今日
に至るまでの経緯について、お聞かせ下さい。
創業は大正10年、家庭用金物(ガラスのコー
スター等)の製造・販売からスタートしました。
代表取締役 武田 昭俊 氏
その後、昭和25年に大ヒットとなった自社開 ISO9002取得
内では『一回のプレス成形でこのような形状
発の特許製品「万能かせくり器(毛糸玉をほど
ができるのは画期的な事だ』と発想を転換、
いて伸ばす機械)」の製造・販売等を経て、昭
その結果独自の製品を開発してしまった事が
和30年前後に自動車産業の発展に伴いこれから
はプレスの時代だと感じ、大転換を図りました。 あります。
失敗作を商品化してしまう、そんなユニークな
当時はプレス機械が珍しい時代ですから、当
発想が当社の特長のひとつといえます。
然金型も自社製作しなければなりません。実は
このことが非常に功を奏し、当社が商品開発に
強いという、その基盤になっているといえます。
そして昭和35年に武田工業株式会社を設立、
現在に至ります。
柔軟な発想やプラス思考をとても大切にされ
ているとお聞きしますが。
当社では特に加工の難しい製品を受注するこ
とが多いので、自ずと製品開発に力が注がれま
す。新製品を開発するには何より柔軟な発想が
必要です。
それと失敗を恐れず、失敗をプラスに転換で
きる発想も重要です。
例えば、ある日注文とは異なる複雑な形状
を持った失敗作が出来てしまったのですが、社
難易度の高い製品の受注も拒まない、その
基盤にあるものはなんですか。
当社のスローガンである『変革による豊か
さを』の『豊かさ』とは、ひとつには仕事を通
じての『生きがい』を示します。それは単に
仕事をこなすだけではなく、新製品開発など
に伴う達成感から生まれるのではないでしょ
うか。社員一人ひとりが成功体験を重ねるこ
とで、仕事へのやりがいが生まれ、心が豊か
になっていくと考えています。
そのためにはどんなに難しい製品でも、あ
きらめずに完成するまでチャレンジしていく
ことが大切ですし、それが必ず財産になると
確信しています。
当社にはそんな精神が満ちています。
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
KT-Net
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KT-Net
進化はここから生まれる。
現場を捉える。
技術の殿堂を目指し、開発の拠点として建設された
テクニカルセンター。
平成12年6月にISO9002品質目標(一人一人の
創意と工夫で品質とコスト)を選定しました。
新製品・新技術の開発拠点、テクニカル
センターについてお聞かせください。
コマツの様々なプレス機
製品開発をメインとしているメーカーに
とって、『あそこに行けば何とかなる』と
いった安心感の伝わる受け皿がきちんとあ
ることが大切です。
そんなお客様の相談の場として、また当
社の開発拠点として平成元年にテクニカル
センターを建設しました。
開発部門・設計部門と金型製造部門を集
中させ、さらにCAD/CAMシステムにより
スピーディな対応を実現、お客様のどんな
注文にも応えられる万全の体制を整えてい
ます。加えて様々な新製品開発プロジェク
トチームも発足させ、社内で発想力・技術
力をつねに進化させることも積極的に推進
しています。
最新鋭の金型設備
独自の生産方式を確立されているとお聞き
しますが。
金型設計
金型加工もコンピュータで管理
受注から設計、生産加工、デリバリーまで
の全行程をトータルで管理することで合理化
・高付加価値化を実現する、独自の生産方式
「TAPS(タケダ生産方式)」を導入してい
ます。
お客様の要求変動に敏感に対応できる体制、
必要なものを、必要な時に、必要なだけつく
れる体質を目指します。さらに完成品に対し
ても徹底した品質管理を行い、お客様の信頼
に応えています。
精密部品加工・精密プレス製品加工メーカー
武田工業株式会社
自動倉庫
コマツOBSも活躍中
大活躍のコマツE1W200
今も健在、自社製プレス機
今回、ソリッドフレームプレスを導入され
た経緯をお聞かせください。
オリジナルのアイデア製品も、数多く
発明されているそうですが。
日頃からCフレーム型の「口開き」現象の
発生をなんとか抑えられないかと考えていま
した。
特に今回はとても難しいベアリング部品の
受注が急増し、門型ならばできるのは分かっ
ていたのですが、ご存じのように値段が高い。
そこで開発してもらったのが、ソリッドフ
レームプレス「E1Wシリーズ」です。門型の
高性能とCフレーム型の低価格を組み合わせ
たもので、これなら新素材加工も行えるし、
中小メーカーでは今後主流になるのではない
でしょうか。精度も上がり、なおかつ過酷な
条件下でも金型の寿命を約2∼3倍に向上さ
せることができました。大変満足しています。
現在発売に向け開発しているのが、プ
レス製品取出し装置「キャッチくん」。
これはもともと生産の合理化やエア騒
音の低減のために自社用に開発した製品
なのですが、たまたま工場見学に来られ
た方が気に入られて引き合いがあり、さ
らに新聞等に取り上げられて注目を浴び
たものです。
またTVでも紹介された空き缶を六角
形にプレスして重ねて使った「缶防音壁」
や、重いものを運ぶのに便利な「全方向
移動可能キャスター」など、様々な製品
が社員のユニークな発想から生まれてい
ます。
今後の主流になるであろう、コマツE1Wシリーズ
特許取得済み、オリジナルアイデア商品の
プレス製品取出し装置「キャッチくん」
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Vol. 13
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Vol. 13
進化はここから生まれる。
精密部品加工・精密プレス製品加工メーカー
武田工業株式会社
●貴社の今後の展開についてお聞かせくだ
さい。
当社では「長期経営5ヵ年計画」を策定し、
将来への明確なビジョンを社員全員が持つよ
うにしており「私たちの会社づくり」に努め
ています。
5年後に期待出来る会社であるから、若い
社員も安心でき、がんばれるのではないでし
ょうか。
また通産省の助成制度を活用して開発した
金属板の打抜工法「ファイン・シェービング
加工」や、高齢者雇用促進事業共同研究開発
の一環としてバレル加工ラインの整備を行う
といった活動も積極的に推進しています。
さらに時代の主流であるインターネットの
活用にも本格的に取り組んでいくつもりです。
当社はつねに前向きに進化する会社である
ことを目指します。
そこには創業当時から変わらない、自社に
しかできないものを作るという「モノづくり」
の精神があると思います。
今後も社員一人ひとりが
この精神を持ち、個性あふ
れる武田工業を創造してい
きたいと考えています。
KTS-Netとは、プレス機械を活用して
革新的なプレス加工を追求されている
ユーザーの方々の集まりです。皆様の
情報受発信の場として、是非ご利用く
ださい。また今後もこの誌面でKT-Net
のお客様をご紹介させて頂きます。
ご入会をご希望の方は、下記のお問い
合わせ先までご連絡ください。
製品紹介
仕 様
加圧能力
能力限界
ストローク長さ
定速ストローク数
変速ストローク数
ダイハイト
スライド調節量
スライド寸法(左右×前後)
ボルスタ寸法(左右×前後)
ボルスタ厚さ
許容上型重量
メインモータ
KTS-Net
E1W200
E1W150
E1W110
L
L
L
H
S
H
S
H
2000(200)
1500(150)
1100(110)
6
6
5
200
300
110
160
130
200
150
250
250
45
35
ー
ー
ー
50
50
35
45
32∼65 60∼150 50∼100 27∼55 27∼55 40∼85 25∼50 25∼50 35∼70
420
480
350
450
450
420
380
350
450
120
100
100
850 x 650
700 x 550
620 x 530
1200 x 840
1050 x 760
900 x 680
190
165
150
650
500
350
15 x 4
11 x 4
11 x 4
S
KN(tonf)
mm
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spm
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mm
mm
kW
お問い合わせは
コマツ産機株式会社 鍛圧KBU 企画グループ
〒 140-0013 東京都品川区南大井 6-3-7 アーバンネット南大井ビル
インターネットアドレス http://www.komatsusank.co.jp/kts/
TEL. 03-5561-2692 FAX.03-5561-2877