インドネシアの昨年第4四半期GDP〜投資主導で景気に緩やかな底入れ感

*グローバル投資環境
No.1261 *
ご参考資料
髙木証券投資情報部
投資主導で景気に緩やかな
インドネシアの昨年第4四半期GDP~底入れ感
2016年2月10日作成
インドネシア中央統計局が2月5日に発表した2015年第4四
半期(10-12月)のGDPは前年同期比5.04%増となり、第3四
半期(7-9月)の4.74%から加速、2四半期連続で伸び率が
前の期を上回った。なお、2015年通年の成長率は4.79%と
なり2014年の5.02%から減速した。
第4四半期の成長率を需要項目別にみると、GDPに占める
ウエイトが最も高い民間消費支出が4.92%増加して第3四半
期(4.95%増)を僅かに下回ったものの、安定した伸びを
保ったほか、政府消費支出が第3四半期の7.11%増から
7.31%増に小幅に加速、とりわけ国内固定資本総投資は
6.90%増となり、第3四半期の4.79%増を大きく上回った。
▼GDP(前年同期比、%)
▼需要項目別GDP(前年同期比、%)
四半期(前年同期比)
通年
3Q
4Q 成長率 寄与度
民間消費支出
4.95% 4.92% 4.96% 2.69%
政府消費支出
7.11% 7.31% 5.38% 0.46%
国内固定資本総投資 4.79% 6.90% 5.07% 1.64%
輸出
-0.60% -6.44% -1.97% -0.47%
輸入(減算)
-5.90% -8.05% -5.84% -1.36%
GDP
4.74% 5.04% 4.79% 4.79%
インドネシア中央銀行は先月14日に開催した金融政策会
合で後述の通り政策金利を7.50%から7.25%に引き下げた。
この時の声明文では経済見通しを示していないが、昨年12 ▼政策金利及びインフレ率(%)
月17日に開いた前々回の金融政策会合の声明文では2015年
の成長率の見通しを4.8%と見込んでいたため、着地はほぼ
政策金利7.25%
予想通りだったといえる。また、12月の会合時点では2016
年の成長率について5.2~5.6%を予想していた。
↓
↑インフレ率 (前年同月比)
ところで、前述した利下げの背景について当該会合の声
1月+4.14%
明文はまず「強固なマクロ経済の安定性」を挙げており、
このことは昨年秋以降のインフレ率の急低下を指すととも ▼為替(インドネシアルピア)
円/ルピア
に、もう一つの背景として「米国利上げ後の世界的な不確
(左軸)↓
実性の後退」を挙げている。つまり、昨年12月15~16日に
開かれたFOMCにおいて米国が利上げに踏み切って以降も新
興国の金融市場が大きな混乱に見舞われず、とりわけイン
ルピア/米ドル(右軸) ↑
ドネシアの通貨ルピアに売り圧力がかからないことを見極
めた上で、景気の底入れをさらに確かにするための利下げ
に踏み切ったと思われる。足下のグローバル金融市場は利 ▼ジャカルタ総合指数
下げ時点での同中銀の見立てに反して再び不安定さを増し
ているにもかかわらず通貨ルピアは落ち着きを保っている
ほか、株価指数(ジャカルタ総合指数)も先週末には昨年8
月以来の水準を回復していることは、同国のファンダメン
タルズに対する投資家の信頼を表しているように思われる。
(文責:勇崎 聡)
(インドネシア中銀、インドネシア中央統計庁及びBloombergデータより髙木証券作成)
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