PowerPoint プレゼンテーション

*グローバル投資環境
インドネシアの金融政策~
No.1243 *
ご参考資料
髙木証券投資情報部
マクロ経済の安定を背景に11会合
ぶり利下げ
2016年1月15日作成
インドネシア中銀は14日に金融政策会合を開催、政策金 ▼政策金利及びインフレ率(%)
利を7.50%から7.25%に引き下げた。利下げの背景につい
政策金利7.25% ↓
て声明文は「『強固なマクロ経済の安定性と、米国利上げ
後の世界的な不確実性の後退を考慮すれば、金融緩和の余
地が存在する』という前回の声明に沿うものだ」と述べて
いる。同中銀は2014年11月18日に開いた臨時の政策会合で
25ベーシスの利上げ、昨年2月17日の会合では逆に25ベー
↑インフレ率 (前年同月比)
12月+3.35%
シスの利下げを行った後は10会合連続で政策金利を据え置
いていたが、昨年11月17日に開いた前々回の会合では預金
準備率を8.0%から7.5%に引き下げたほか、12月17日開催 ▼GDP(前年同期比、%) 1Q 4.72%
2Q 4.67%
の前回会合の声明文では上述したような利上げに向けての
3Q4.72%
布石を打っており、米国の利上げ後も通貨ルピアの安定が
持続していることを確認した上で利下げに踏み切ったこと
がうかがえる。
中銀が声明文で述べている「強固なマクロ経済の安定
性」の象徴の一つがインフレの低下であり、CPIは11月の
4.89%から12月は3.35%に低下、現行基準での算出が開始
された2010年以降の最低を記録、中銀は2016~2017年のイ
ンフレ率を4±1%、2018年のインフレ率を3.5±1%と見込
んでいる。また、インドネシアではこのところ経常収支が
改善傾向にあり、中銀は2015年の経常赤字の対GDP比は前
年の3.1%から2%程度への低下を見込んでいる。
かつてインドネシアは、インド、ブラジル、トルコ、南
アフリカと並んで「フラジャイルファイブ(脆弱な5ヶ
国)」と呼ばれていた。この5ケ国には、高インフレと高
水準の経常赤字という共通項があったが、これらを克服し
たと思われるインドネシアは、インドに次いで「フラジャ
イル」から卒業したといえるだろう。
▼経常収支(十億米ドル)
▼外貨準備高(十億米ドル)
▼為替(インドネシアルピア)
円/ルピア
(左軸)↓
昨年第3四半期のインドネシアの成長率は前年同期比
4.72%増で第2四半期の4.67%増を僅かに上回った。声明
文では「第4四半期の経済成長に顕著な改善はみられな
い」と述べているが、今回の金融緩和には、一貫した成長
鈍化局面に終止符を打ちつつあるように思われる景気を後
押しする効果があるように思われる。(文責:勇崎 聡)
ルピア/米ドル(右軸) ↑
(インドネシア中銀、インドネシア中央統計庁及びBloombergデータより髙木証券作成)
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