純輸出が成長を押し下げ(2016/5/16作成)

*グローバル投資環境
マレーシアの第1四半期GDP~
No.1346 *
ご参考資料
髙木証券投資情報部
5四半期連続で伸び鈍化。純
輸出が成長を押し下げ
2016年5月16日作成
* 13日に発表されたマレーシアの第1四半期のGDPは前年
▼GDP成長率(前年同期比,%)
同期比4.2%増となり、昨年第4四半期の4.5%増から鈍化、
5四半期連続して前の四半期を下回る伸びにとどまった。ま
た、前期比の成長率は1.0%増となり、当初発表の1.5%増
から1.2%増に下方修正された昨年第4四半期を下回った。
*前年同期比の成長率を需要項目別でみると、民間消費
が昨年第4四半期の4.9%増から5.3%増に加速、2015年
第1四半期の8.8%増をピークに鈍化していたが、ここ2四半
期連続で前四半期を上回る伸びとなり、中央銀行はその背
景について、賃金と雇用の継続的な伸びを挙げている。一
方、民間投資は主として鉱山セクターにおける慎重な投資
姿勢を背景に、昨年第4四半期の4.9%増から2.2%増に減
速した。また、公的消費は昨年第4四半期の3.3%増から
3.8%増に拡大したが、公的投資は昨年第4四半期の0.4%
の小幅増から4.5%の減少に転じている。
*また、輸出が昨年第4四半期の4.0%増から0.5%の減少
に転じ、輸入も昨年第4四半期の4.0%増から1.3%増に鈍
化したものの、先に述べた民間及び公的部門双方の投資の
落ち込みとともに、純輸出のマイナス寄与がGDPを押し下げ
ており、このことは世界経済の伸びの鈍化が、マレーシアの
経済にとっての逆風になっていることを示していよう。
* マレーシア中央銀行は2015年の7月に25bpの利上げを
実施して以降、10会合続けて政策金利を3.25%で据え置
いている。CPIが2月の+4.2%から3月は+2.6%に大きく低下
していることもあり、成長の鈍化を受けて利下げ圧力も台頭
しそうだが、中銀は昨年後半以降、通貨リンギの動向に高い
注意を払っているため、通貨安を招来する可能性のある利
上げに簡単には踏み切らないと思われる。
▼政策金利及び消費者物価(前年同月比,%)
↑政策金利
3.25%
消費者物価→
▼為替(マレーシアリンギ)
(円)
↓対米ドル[右軸] (リンギ)
対円[左軸]↓
▼株価指数(ブルサマレーシアKLCIインデックス)
(文責:勇崎 聡)
需要項目
15/ 15/
2Q 3Q
民間消費
民間投資
公的消費
公的投資
輸出
輸入
6.4
3.9
6.8
-8.0
-3.7
-2.8
4.1
5.5
3.5
1.8
3.2
3.2
15/
4Q
16/
1Q
4.9 5.3
4.9 2.2
3.3 3.8
0.4 -4.5
4.0 -0.5
4.0 1.3
▼項目別のGDP成長率
(前年同期比,%)
15/
2Q
農林水産業 4.6
鉱業
6.0
製造業
4.2
建設業
5.6
サービス業 5.0
生産項目
15/ 15/ 16/
3Q 4Q 1Q
2.4 1.5 -3.8
5.3 -1.3 0.3
4.8 5.0 4.5
9.9 7.4 7.9
4.4 5.0 5.1
1/1
(マレーシア統計庁、Bloombergのデータより髙木証券作成)
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