PowerPoint プレゼンテーション

*グローバル投資環境
英国第2四半期GDP~
No.1410 *
ご参考資料
髙木証券投資情報部
第1四半期を上回る伸びも、今後は「Brexit」の
影響が本格化か?
2016年7月28日作成
7月27日に発表された英国の第2四半期GDP速報値は前期 ▼成長率の推移(%)
比0.6%増となり、第1四半期(0.4%増)から加速した。ま
た、前年同期比の成長率も2.2%増となり、第1四半期
(2.0%増)を上回った。前期比の成長率を産業別でみると、
製造業が第1四半期の0.2%減から2.1%の増加に転じたが、
サービス業は0.6%増から0.5%増へ小幅に鈍化、農業が第1
四半期の横這いから1.0%の減少に転じ、建設業は0.4%減
少、第1四半期(0.3%減)に続いてマイナス成長となった。
前期比
+0.6%
前年同期比
+2.2%
英国の財務省は6月23日の国民投票実施以前に、EUから
の離脱した場合には、EUに加盟し続けた場合に比べて今後▼英財務省が試算する「Brexit」の影響
の2年間でGDPが3.6%減少することを試算していたと同時
(基本シナリオ)
に、国民投票の実施そのものは四半期の終わりに近い時期
だったものの、英国の中央銀行(Bank of England)は、春
ごろから、国民投票の結果を巡る不透明感が経済活動を抑
制している兆しがみられることを折に触れて指摘していた
にもかかわらず、冒頭で述べた通り、第2四半期の成長率 ▼物価の推移(前年同月比、%)
は第1四半期を上回っている。ちなみに、英国の株式市場
は、国民投票直後に瞬間的に大きく下落した後は極めて堅
調に推移しており、その背景としては通貨ポンドの下落が
輸出産業に恩恵を与えるとみられる点を挙げる向きが多い
が、英国のGDPは速報値段階では生産項目別のアプローチ
のみで算出され、支出項目別のデータは公表されないため、
8月26日に発表される改定値において純輸出の寄与度を確
▼英ポンドの推移
認する必要がある。
英国の財務省はまた、EUからの離脱によって物価が今後
2年間で2.3ポイント押し上げられると見込んでいるが、CPI
は5月の前年同月比+0.3%に対して6月は同+0.5%、コアCPI
も5月の前年同月比+1.2%から同+1.4%に加速しており、
「Brexit」の影響は、通貨ポンドの下落を通じて、成長よ
りも先に物価に現れているようだ。
米ドル/ポンド(右軸)
円/ポンド
(左軸)
英中銀は今月12日から13日(結果の公表は14日)に開い
た金融政策会合において、何らかの緩和策が講じられると▼5月の英中銀インフレレポートより
成長率
インフレ率
の市場の大方の見方に反して現状の金融政策を維持したが、 2016年
2.0
0.9
2.2
1.8
6月30日のカーニー総裁の講演を踏まえれば、現状維持に 2017年
2018年
2.2
2.2
違和感はない。また、金融政策会合の声明文は一方で、
(前年比、%、インフレ率は各年の4Q時点)
「企業や消費者の信頼感を示す一部の指標の急低下には、▼物価の推移(前年同月比、%)
投票結果が企業や家計の心理に影響を与えている初期の兆
しがみられる」ことや、「投資計画を遅らせたり、採用活
動を延期する企業がみられる」ことを記述した上で、「大
半のメンバーが8月の会合(8月4日に結果公表)で政策を
緩めることを見込んでいる」と述べているため、次回の会
合では同時に公表されるインフレレポートにおいて成長率
とインフレの見通しを修正するとともに、政策金利(現在
は0.5%)の引き下げなどが行われる可能性が高そうだ。
(文責:勇崎 聡)
(出所:英国国家統計局、Bank of England、英国財務省及びBloombergのデータより髙木証券作成)
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