*グローバル投資環境 No.1387 * ご参考資料 髙木証券投資情報部 S&Pが英国の格付けを「AAA」から「AA」に引き下げ ~フィッチも「AA+」から「AA」へ格下げ 2016年6月28日作成 大手格付け会社のS&Pは27日、英国で23日に実施さ れた国民投票において発表されたEUからの離脱を問う 国民投票において離脱支持が過半数を占めたことを受 けて、同国に対する格付けを最上級の「AAA」から 「AA」へ2段階引き下げた。 ▼成長率の推移(%) (2016年以降はS&Pの予想) S&Pのウェブサイトに掲載されたリリースは、格下 げの理由として以下の点を挙げている。 ① EUからの離脱決定は、英国に対する予見可 能性、安定性や政策の枠組みの有効性を低 下させる ▼米ドル/ポンドの推移 ② 格下げは同時にまた、海外への依存度が極 度に高い同国の金融情勢を悪化させるリス クを反映している ③ スコットランドと北アイルランドが残留を 支持していることがまた、国全体にとって の憲法上の問題を生起する ▼米ドル/ポンドの長期チャート S&Pは見通しを「ネガティブ」としており、その背 景については、「経済見通し、財政及び対外パフォー マンスと準備通貨としてのポンドの役割に対するリス ク」とともに、「スコットランドの独立に関する再度 の国民投票が実施される場合には、英国にとって憲法 上及び経済上のリスクになり得る」ことを挙げている。 なお、S&Pは英国の成長見通しを下方修正しており、 2016年から2019年の間の平均成長率の予想を4月時 点の2.1%から1.1%に引き下げている。 S&P以外の格付け会社では、フィッチは24日に英国の格付けの見直しに着手するこ とを明らかにしていたが、その結果27日には格付けを「AA+」から「AA」に引き下 げ(見通しは「ネガティブ」)、英国の成長見通しを2016年が1.9%から1.6%、 2017年と2018年はいずれも2.0%から0.9%に引き下げた。 また、ムーディーズも24日に英国の格付け「Aa1」の見通しを「安定的」から「ネ ガティブ」に変更、その理由について「EUからの離脱にあたって英国は、今後数年間 にわたってEUと通商関係の交渉を行う必要があり、その間には不透明感の高まりや信 頼感の低下、支出や投資の減少が、成長を弱めることが予想される」と述べるととも に、「長期的にも、英国の成長見通しは従来の想定を本質的に下回るだろう」と指摘 している。 (文責:勇崎 聡) (出所:各格付け会社及びBloombergのデータより髙木証券作成) 《ご注意いただきたいこと》当資料は投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資の最終決定はご自身でなさるようお願い いたします。当資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、その正確性・完全性を保証するものではありませ ん。株式、債券、投資信託等は、価格の変動や発行者の信用状況の悪化等により投資元本を割り込むおそれがあります。また、当資料の いかなる部分も一切の権利は髙木証券に帰属しており、電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転 送等を行わないようお願いいたします。 当社で取り扱う商品等へのご投資には、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、お客様向け資料等をよく お読みください。 商号等:髙木証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第20号 【広告審査済】 加入協会:日本証券業協会 髙木証券インターネットホームページ:http://www.takagi-sec.co.jp/
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