*グローバル投資環境 No.1330 * ご参考資料 髙木証券投資情報部 ニュージーランド準銀理事会 ~政策金利据え置きも、追加利下げの可能性も示唆 2016年5月2日作成 *ニュージーランド準備銀行は4月28日に理事会を開催、【図1】政策金利(%)及びCPI(前年同期比,%) 政策金利を2.25%で据え置いた。同準銀は昨年6月以 降断続的に125ベーシスの利下げを実施しており、3月 10日に開かれた前回の理事会でも25ベーシスの利下げ を行っている。 政策金利 2.25% *グローバル経済について声明文は、「中国や他の新興 市場の弱い成長によって、グローバル成長見通しは悪化 1-3月+0.4% した。石油を含むいくつかの商品価格は持ち直したが、 CPI 引き続き弱い」と述べている。一方、国内経済について は、「経済は、強い移民の流入超、建設活動及び緩和 【図2】GDP成長率(%) 10-12月 的な金融政策によってサポートされている。乳製品の輸 前期比 出価格は僅かに改善したが、ほとんどの農業従事者に +0.9% とってのブレークイーブンレベルを下回っている」と指摘し 前年同期比 ている。 +2.3% *為替について声明文は、「我が国からの低い商品輸出 価格に照らせば為替レートは高く、輸入インフレの押し上 げと、通商セクターをアシストするためには、ニュージーラ ンドドル安が望ましい」と述べている。 *声明文は住宅価格について、「オークランドの住宅価格 【図3】乳製品国際電子入札価格 が上向きそうないくつかの指標がみられる。住宅価格は (米ドル/メタリックトン) なお高く、追加の住宅供給が必要だ。住宅市場の圧力 は、他のいくつかの地区で高まっている」として引き続き 警戒感を示している。 *声明文が「見通しには多くの不確かさが存在する」と述 べており、具体的には、対外的には、中国周辺を中心と するグローバル成長見通しと世界の金融情勢、国内要 因としては、弱い乳製品セクター、インフレ期待の低下、 【図4】為替(ニュージーランドドル) 高水準の純移住者数が継続し、住宅市場に圧力がかか る可能性を指摘している点は前回と変わらない。 *インフレについて声明文は、 「燃料価格と他の輸入物 ↑対円(左軸) 価が低いことを背景にヘッドラインインフレはなお低位に あるが、コアインフレはターゲットレンジ内にある。長期の ↓対米ドル(右軸) 期待インフレは2%で十分に固定されているが、以前にも 指摘したように、短期の予想は本質的に低下している」と 述べている。 *金融政策の先行きについて声明文は、 「低い石油価格の影響のドロップアウトや、能力面か らの圧力が徐々に生起ことにより、インフレは強まることが見込まれる」と述べているが、「将来 の平均インフレ率を目標レンジ(1~3%)の中央付近で確実に安定させるためには、さらなる 政策の緩和(further policy easing)が必要になるかも知れない」との見方は前回から変わら ない。前回理事会で利下げを実施した上で、さらなる利下げの可能性をほのめかしていたにも かかわらず、ニュージーランドドルがその後も比較的堅調に推移している背景としては、声明 文も指摘している乳製品価格の底入れがあるとみられるが、もう一段の利下げの可能性が排 除されていない現状では、一段の上昇余地は限られよう。 (文責:勇崎 聡) (ニュージーランド準備銀行、同統計局及びBloombergより髙木証券作成) 《ご注意いただきたいこと》当資料は投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資の最終決定はご自身でなさるようお願い いたします。当資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、その正確性・完全性を保証するものではありませ ん。株式、債券、投資信託等は、価格の変動や発行者の信用状況の悪化等により投資元本を割り込むおそれがあります。また、当資料の いかなる部分も一切の権利は髙木証券に帰属しており、電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転 送等を行わないようお願いいたします。 当社で取り扱う商品等へのご投資には、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、お客様向け資料等をよく お読みください。 商号等:髙木証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第20号 【広告審査済】 加入協会:日本証券業協会 髙木証券インターネットホームページ:http://www.takagi-sec.co.jp/ 1/1
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