東京市場で円高・金利低下・株安が進行 ~米ドル/円は一時114.2円

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2016年2月9日
マーケットレポート
2月9日、東京市場で円高・金利低下・株安が進行
~ 米ドル/円は一時114.2円近辺、10年国債利回りは史上初のマイナスへ ~
2月9日の東京市場は、前日の海外市場での株価下落、円高加速の流れを引き継ぎ、日経平均株価は寄付直
後から前日比で▲700円以上急落しました。円高による業績悪化懸念から輸出関連株に売りが先行したほか、
欧米での金融株下落を受けて国内の大手銀行株にも売りが強まりました。米ドル/円は株価が下げ止まらない
中、円買いの動きが加速し、昼過ぎには114.2円近辺まで下落しました。10年国債利回りはリスク回避目的の資
金流入に加えて日銀の追加金融緩和への思惑から徐々に水準を切り下げ、昼過ぎには史上初のマイナスとな
り、一時▲0.035%までマイナス幅を拡大しました。
終値では日経平均株価は前日比で▲900円以上の大幅下落となり、1月21日以来の安値となりました。午後は
米ドル/円が114円台でもみ合い推移となった一方、長期金利がマイナスとなったことによる収益悪化への懸念
から銀行株が一段安となったことが響いた模様です。国債市場では中短期ゾーンの利回りが一段と低下し、残
存期間7年程度までの国債利回りはマイナス幅を▲0.2%以上に拡大しました。
◆今後の注目ポイント
本日の国内市場であらためてリスク回避の動きが加速したきっかけは、ドイツの大手銀行や米国の一部のエ
ネルギー関連企業に対する信用懸念の高まりと見られています。もともと欧州ではイタリア、ポルトガルで銀行
の不良債権処理の遅れや処理問題を巡る混乱が懸念されていました。またWTI原油先物は一時30米ドル割れ
となったものの、1月につけた26米ドル台の安値を上回っています。昨日の海外の動きは金融不安と資源関連
企業への不安が相互に作用し、投機的な売買やリスク回避の動きを加速した面もあると思われます。一方、こう
した市場の不安が沈静化するには一定の時間が必要と思われます。特に欧州の銀行に対する懸念の1つがマ
イナス金利による収益力低下とされており、ECB(欧州中央銀行)や日銀による追加金融緩和(マイナス金利幅
の拡大)の観測が株価の反発に寄与しない展開も想定されます。
市場が落ち着くためには、まず米国の金融政策や景気動向を確認することが必要と思われます。10-11日に
はFRB(米連邦準備理事会)議長の議会証言があり、12日には米国の小売売上高や消費者信頼感指数が発表
されます。米国の景気が底堅い一方、米当局が追加利上げに慎重な姿勢を見せれば市場心理の好転につな
がると期待されます。また来週には春節休暇が終わり、中国市場が再開されます。足もとの米ドル高の一服や
米国の利上げ先送り観測は、中国・人民元の反発や中国からの資金流出懸念の後退につながりそうです。
以上
国内の市場および為替の推移
2月9日
国内金融市場
株式
日経平均株価 (単位:円)
(%)
1.4
前日比
変化幅
1.2
騰落率(%)
1.0
16,085.44
▲ 918.86
▲ 5.40
1,304.33
▲ 76.08
▲ 5.51
-0.025%
▲ 0.065
米ドル/円(単位:円) ※
115.35
▲ 1.67
▲ 1.43
0.2
ユーロ/円(単位:円) ※
129.30
▲ 1.07
▲ 0.82
0.0
1,777.92
▲ 43.35
▲ 2.38
TOPIX
債券 日本10年国債利回り
為替
終値
日本国債のイールドカーブの変化
REIT 東証REIT指数
※東京仲値ベース
-
0.8
0.6
0.4
1月28日
2月9日
-0.2
-0.4
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 15 20 30
(年:国債の残存期間)
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
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