国語A・・おおむね良好です。 (PDF:263.2KB)

平成 26 年度全国学力・学習状況調査における分析
(北本市・中学校)
国語A
1
概要および分析
国語Aの正答者数分布 (北本市中学校全体) ※満点32点
12.0%
10.0%
8.0%
6.0%
4.0%
2.0%
0.0%
ここの分布の生徒へ
の支援が必要です。
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32
本市の中学校国語Aにおいて、学習指導要領の領域等での区分」(4区分)のうち①
「話すこと・聞くこと」②「書くこと」③「読むこと」の3項目は、おおむね良好です
が、④「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」において課題が見られます。中
でも歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直す問題が昨年度に続いて正答率が低かったので、
この項目についての「計画的・系統的な指導」「意図的な復習(振り返り)」を行うこと
が求められています。
2
成果と課題の見られる問題
国語Aで特に正答率の高かった設問
設問
番号
設問の概要
分析及びさらなる改善
8一
2
漢字を書く(円のハンケイ この漢字の設問は正答率が良好でした。しかし、
を求める)
設問の他の漢字(地域の人をショウタイする)
(計
画を行動にウツす)は課題が見られます。特に「行
動にウツす」は、無答率の高さが目立ちます。
「同
音異義語」などを楽しみながら習得させるなどの
工夫をし、無答率を減尐させていきたいと考えま
す。さらには他の授業や学級活動など様々な場面
で漢字を正しく使い、文章を書くことを意識して
取り組むことが求められています。
2一
主人公の気持ちの変化に 「心情が相手に効果的に伝わるための工夫」とい
ふさわしい空の描写とし う設問の条件に合わせて解答できている生徒が多
て適切なものを選択する。 かったです。道徳や他の授業、日頃の生活での言
語活動を大切にすることで、こうした問題を正答
する能力は養われるので、今後も言語環境を整え
ていくことを意識していくことが大切です。
中A―1
国語Aで特に正答率の低かった設問
設問
番号
設問の概要
分析及び対策
8五
一
歴史的仮名遣いを現代仮 普段使わない語句であるため、授業で何を押さえ
名遣いに直す。
るべきか、教師が確認し、限られた時間を有効に
(まうけて)
使って指導することが大切です。また時間が経つ
と学習内容を忘れてしまうので、計画的に授業で
の話題に取り入れるなどの意図的・計画画的な復
習による定着が必要です。
8四
国語辞典で調べたことを 辞書を活用する力の不足が見られます。授業で意
基に、語句の意味を書く。 識的に辞書を使う場面を設け、生徒の技能を高め
(英気を養う。)
ることが必要です。
※昨年度(平成25年度)の学力学習状況調査・国語Aより
(1)漢字は、書き取りの3問中2問「大きなキボウを持つ」「おやつをキントウに分け合う」
の正答率は良好でした。しかし「着物に合わせてオビを選ぶ」の正答率は低く、課題が見ら
れます。これは、着物の「帯」というものを見たことがないため、実感のない生徒が多いこ
とも影響があるのではないかと推察できます。今後は、ますますそうした日本の伝統や文化
に触れる機会が減ってくるので、学校の教育活動で、日本の伝統や文化に触れる機会を設
けていくことが求められています。
(2)歴史的仮名遣い(にほふ)を現代仮名遣いに直す問題が、正答率が低かったです。歴史的仮
名遣いを現代仮名遣いに直す問題は、本市の国語教育の1つの弱点ですので、各中学校の
教科部会で対策を練り、授業の工夫を検討していかなければなりません。
(3)「筆者が感じた理由を説明する」、などの正答率は良好です。これは日頃の授業での発言や、
丁寧な読み取りの成果であると考えます。今後も教員が授業で、生徒が自分の言葉で、自分
の考えを説明する機会を設定していくことを意識し、市内全校で取り組んでいくことが大切
です。
中A―2
3 各学校の状況および分析
※A~Dは、それぞれの学校をランダムに当てはめております。現在、各学校毎に、今回の結
果を分析し、対策を検討しております。国語A、国語B、数学A、数学BでのそれぞれA~
Dの学校は異なります。
(国語 A)※32点満点→生徒の正答数を3点刻みの分布としました。
※グラフの縦軸は正答者数の割合(%)
横軸は正答数(問)
国語Aの正答者数分布(A中)
国語Aの正答者数分布(B中)
40.0%
40.0%
30.0%
30.0%
20.0%
20.0%
10.0%
10.0%
0.0%
0.0%
国語Aの正答者数分布(D中)
国語Aの正答者数分布(C中)
40.0%
35.0%
30.0%
25.0%
20.0%
15.0%
10.0%
5.0%
0.0%
●
40.0%
30.0%
20.0%
★
10.0%
◎
0.0%
A中はバランスよく分布しております。ただ生徒にはそれぞれの課題があるので、その課題を
捉え、すべての生徒が成長するように、発言などの機会を設定するなど、指導の工夫を行ってい
くことが大切です。
B中もバランスよく、適切に指導されていることがわかりますが、●の正答数3~5問の層が
見られます。この層の生徒には漢字などの基本や言葉の力に弱い点が見られるので、ノート指導
などを丁寧に行うこと、スモールステップで漢字を習得させるなどの指導が必要です。
C中は上位層が多く、平均正答率も大変良好です。しかし、その数値だけに注目すると★の層
の生徒への指導がおろそかになってしまいます。★の層の生徒にとって必要な指導(漢字、言葉
の意味を考えて適切に使うこと等)を計画的に行っていくことが必要です。また本市の課題であ
る歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直す問題(まうける)は、正答率が低く平均点の高いC中に
おいても課題が見られます。
中A―3
学校の平均正答率の高低に一喜一憂することなく、自校の課題の解決、強みを伸ばすことを目
指し、教育課程を実施していくことが大切であることがわかります。
D中の分布は適正ですが、若干◎の層の生徒が幅広く分布しております。またこの層の生徒の学
習意欲には課題が見られます。生徒にとって興味・関心のある学習課題を設け、また学習規律など
を小中一貫教育の中で小学校から継続的な指導を行い、しっかりと身につけさせることが必要で
す。
中A―4