学力調査考察

平成28年度 全国学力・学習状況調査について
今年実施された標記調査結果が出てきましたので、本校生徒の概要をお知らせいたします。
国語A(主として知識)数学A(主として知識)→ 国・県の平均正答率をやや下回った。
国語B(主として活用)数学B(主として活用)→ 国の平均正答率は上回ったが、県の平均正答率をやや下回った。
[国語]○高正解率の出題趣旨 ●低正解率の出題趣旨
○文章を書き直した意図を適切に理解する。 ○古典仮名遣いを現代仮名遣いに直す。○目的に応じて文章を要約する。
●漢字を正しく読み書きする。 ●語句の意味を理解し、文脈の中で正しく使う。●話を聞き自分の考えと比較する。
例年どおり、宿題を含めた漢字学習への取組みを継続して行ってきたが、今年度の結果は残念なものとな
った。毎年国・県を上回る高正解率を残して来ただけに、チャレンジテストを含めて取組みの方法を、再検討
しなければならない。また、入学時より読解力の低さが指摘されていた学年で、読書活動や音読などに力を
入れて指導してきたが、なかなか力がついてきていないので、意欲の低下を招かないように工夫を加えなが
ら、継続的に指導をしていきたい。今後の方策として国語の授業だけでなく、総合的な学習など他教科とも
横断的に、実際の場面設定をし、日常生活に使える言語能力を育てていきたい。
[数学]○高正解率の出題趣旨 ●低正解率の出題趣旨
○自然数の理解、正負の加減計算。 ○多角形の角の性質を理解している。 ○確率に関する理解、及び求め方。 ○一次関
数を表とグラフを関連づけて理解している。
●分数・小数の乗法計算。 ●一元一次方程式の解。 ●垂線・図形の作図。 ●比例に関する理解。
毎時間の計算ドリルやチャレンジテストの成果が計算力の向上につながっている。ただ、小数・分数にお
いては、解説などにより細かな指導が必要である。関数指導においては、比例・反比例や1次関数を表・グ
ラフ・式の特徴を比較して扱うなどの指導に工夫が必要である。学力が2極化傾向にあるので、生徒が興味
を持つ課題を作成することや、分からないことを聞きあったり教え合ったりできる授業展開を進めることが
必要である。また、深く考えたり見通しをもって考えたりすることが苦手なので、課題追究では、ペア学習
や小集団学習を取り入れ、自分の考えをしっかりと述べ、相手に伝えることなどに重点を置き一人一人の学
力の向上に努めていきたい。
[学習状況調査から] ○国や県に比べ良い傾向の設問
●改善したい設問
○今住んでいる地域の行事に参加していますか。 ボランティアも含め全国の2倍以上の割合となっている。
○人の気持ちが分かる人間になりたいと思いますか。 ○いじめは、どんな理由があってもいけないことだと思いますか。
○家で学校の宿題をしている。 していると答えた生徒は全国・県より7 ポイント高く、しないと答えた生徒はゼロ。
○学校の授業時間以外に、普段(月~金)、1日当たりどれくらいの時間、勉強をしますか。(学習塾や家庭教師に教わって
いる時間も含む) 3時間以上の割合は全国・県と比べると1/6しかないが、30分以下・しないの割合は少なく、全国・
県の約1/2 となっている。30~60 分の割合が多く、全国・県の2倍である。
●家で学校の授業の復習をしていますか。 していると答えた生徒の割合が全国・県と比べ6 ポイント下回る。
●家で、自分で計画を立てて勉強していますか。 去年より良くなっているが、全国より9ポイント低い。
●新聞を読んでいますか。
毎日読むは去年に引き続きゼロ。全く読まないが8割弱と去年より増えている。全国も割合が増え、6割を越えた。ニュー
スはテレビやインターネットで見るという傾向が全国的にも強くなっている。
●朝食を毎日食べていますか。 全国と比べ3 ポイント低いだけだが、初めて下回った。
●学校の規則を守っていますか。 守っていると答えた生徒は全国と比べ、11 ポイント下回っている。
●家の手伝いをしていますか。 すると答えた生徒は全国と1ポイントしか変わらないが、しないと答えた生徒は全国の割合
の約2 倍となっている。
国語A・数学Aの二つが全国平均を下回ったが、昨年と比べると国語Bも全国平均を上回り、2教科
とも活用の面で成果が上がっているという結果となった。各教科の分析と、今後の対策については上記
に記したとおりである。家庭学習については、昨年より改善がみられ、全くしないという生徒がほとん
どなくなってきているが、掛ける時間は短く、宿題のみをやって終わらせてしまっているという傾向が
みえている。今回特に気になったのは、朝食を毎日は取らない生徒や家の手伝いをしない生徒が増えて
いることである。朝食の摂取率と学力には相関関係があることは知られていることで、基本的な生活習
慣の根幹となっている。また、家族の一員として協力して家庭生活を送ることは、社会生活を営む心構
えとして大切となる。学校でも授業改善と併せて、生活習慣の指導を行っていきたい。