平成 26 年度全国学力・学習状況調査における分析 (北本市・中学校)

平成 26 年度全国学力・学習状況調査における分析
(北本市・中学校)
数学A
1
概要および分析
数学Aの正答者数分布 (北本市中学校全体) ※36点満点
上位層をもう
8.0%
少し伸ばした
6.0%
い。
4.0%
2.0%
●
0.0%
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36
本市の中学校数学Aにおいて、「学習指導要領の領域等での区分」(4区分)のうち①「数
と式」②「図形」③「関数」④「資料の活用」の4項目の結果は、良好です。若干③の「関数」
について課題が見られます。また円柱、円錐の体積を求める公式や三角形の内角の和の公式
をただ文字で覚えるだけでなく、意味を理解し活用できるようにしていくことが大切です。
(単
なる暗記から活用、習得を目指した授業の改善)
またおしなべて(平均化して)しまうと、良好な結果ですが、①上位層をもう少し増やす
こと②山から離れている下位層(●)への指導の必要性の2つを再確認して取り組むことで
生徒一人一人の可能性を伸ばす教育につながると考えます。平均点だけに目を奪われてはい
けません。
2 成果と課題の見られる問題
数学Aで特に正答率の高かった設問
設問
番号
設問の概要
分析及びさらなる改善
4一
2つの線分の長さが等し 線対称の図形を作図する問題です。線対称の意味を理
いことを証明する。
解し、実際に作図できる能力の育成が求められていま
す。まずまずの正答率でしたが、この問題における本
市の無答率が 16.5%でした。無答率を下げることは学
習への意欲向上などの面からも重要なことですので、
無答率を減少させることを目指して取り組んでいきま
しょう。
7
証明で用いられている三 三角形の合同条件を、平行四辺形の性質や平行線の錯
角形の合同条件を選ぶ。
角を利用しながら決定する問題です、図形の性質や合
同条件などを理解していることが求められます。こう
した理解力をあげるためには、授業中、ペアで互いに
説明するなどの協同的な学び取り入れることが有効で
す。個で取り組む問題(作業)、グループで取り組む問
題(作業)、集団(学級)で取り組む問題(作業)と様々
な学習時の形態を工夫していくことが求められます。
中C―1
数学Aで特に正答率の低かった設問
設問
番号
10
四
設問の概要
分析及び対策
反比例のグラフから対応 この問題は、反比例について、グラフと対応表を関連
表を選ぶ。
づけて解答するもので、基本的な問題です。しかし、
本市のこの問題の正答率は40%を切っています。誤
答の中でもxの値がマイナスのときに y の値がプラス
になるという誤答を選択した生徒が16%おり、グラ
フの読み取りや反比例のグラフについての基本的な理
解が不足していることがわかります。TTやグループ
学習などを活用していくことが有効と考えます。こう
した対策を1つずつ実践していくことが求められま
す。
5四
円柱と円錐の体積を比較 底面が合同で高さが等しい円柱と円錐の体積の関係
して、正しい図を選ぶ。 は、公式:円錐の体積=円柱の体積(底面積×高さ)
×1/3であることから推察すればエ(円柱いっぱい
の水は円錐3つ分)であることが導かれるはずですが、
この正答を選んだのは34.3%でした。また、円柱
の体積の2分の1であるという答えを選択した生徒も
36.2%いました。これは正しく公式を理解してい
なかったり、実感の伴わない理解から来るのだと推察
されます。公式などを生徒に教える場合、丸暗記では
なく、作業を伴う学習活動を取り入れること(活用、
習得)が有効なので、各学校で意識して取り組んでい
くことが必要です。
※昨年度(平成25年度)の学力学習状況調査・数学Aより
(1)基礎的な計算問題については80%以上の正答率であり、ほぼ良好だと考えます。しかし、
数%の生徒の無答も見られます。すべての子どもたちに基礎的な学力を身につけさせると
いう公立義務教育諸学校の責務を考え、100%の正答率を目指して、また無答であった
生徒が解答できるように努力、工夫を続けていかねばなりません。
(2)反比例のグラフの読み取りに関する設問に例年課題が見られます。こうした(生徒が苦
手な)単元に関しては、繰り返し指導すること、定期的に振り返りの学習を行うことが必
要だということを全教師が意識して取り組むことが必要です。
中C―2
3
各学校の状況および分析
※A~Dは、それぞれの学校をランダムに当てはめております。現在、各学校毎に、今回の結
果を分析し、対策を検討しております。国語A、国語B、数学A、数学BでのそれぞれA~
Dの学校は異なります。
(数学A)※36点満点→生徒の正答数を4点刻みに分布としました。
※グラフの縦軸は正答者数の割合(%) 横軸は正答数(問)
数学Aの正答者数分布 (A中)
数学Aの正答者数分布 (B中)
40.0%
40.0%
30.0%
30.0%
20.0%
20.0%
10.0%
10.0%
0.0%
0.0%
数学Aの正答者数分布 (C中)
c
40.0%
30.0%
30.0%
20.0%
20.0%
0.0%
●
▲
数学Aの正答者数分布 (D中)
40.0%
10.0%
●
▲
10.0%
●
▲
0.0%
A中は上位層が多いことがグラフからわかります。またB中とC中は平均化するとほとんど
差はありませんが、正答数0~4の層(●)の割合が異なります。B中は、●の層も多いので
すが、上位層(▲)も多く存在するため打ち消し合い、ほぼ平均的な成績となっています。対
してC中は▲の上位層は少ないですが、●の層も少ないので、平均するとB中と同程度の成績
となります。このように学校全体では同じような平均正答率でも、それぞれの学校ごとの課
題があることがわかります。またこうした上位層(▲)、下位層(●)の割合は学年(年度)
によっても変化するものです。生徒の学力を伸ばすためには、教員がそれぞれ、生徒の学力
の強み、弱みを理解し、具体的な対策を1つ1つ繰り返し行っていくこと以外にないと考え
ます。言い古された言葉ですが、「学問に王道無し」です。
またD中も上位層(▲)の割合の増加や●の層の減少に取り組んでいますが、すぐには成
果は出ません。このためには単元ごとや、または導入・まとめなどの学習時期などによって
は習熟度別の指導が効果的だと考えます。
中C―3