平成 26 年度全国学力・学習状況調査における分析 数学B 1 (北本市・中学校) 学力の二極化が顕著です。 概要および分析 数学Bの正答者数分布 (北本市中学校全体) ※16点満点 10.0% 8.0% 6.0% 4.0% 2.0% 0.0% 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 本市の中学校数学Bにおいて、「学習指導要領の領域等での区分」(4区分)のうち①「数 と式」②「図形」③「関数」④「資料の活用」の4項目の結果は、②の「図形」について良 好な結果でした。これは児童生徒が苦手としている図形の単元において、様々な教具を活用 して授業を行っている教員の指導の成果であると推察されます。 2 成果と課題の見られる問題 数学Bで特に正答率の高かった設問 設問 番号 設問の概要 分析及びさらなる改善 1二 外から校舎を見た図で案 図形の位置を読み取る問題ですが、94.9%という 内図に示された非常口の 高い正答率でした。無答率も0.2%と良好な結果で 位置を選ぶ。 した。しかし、0.2%と少ないからこそ、この生徒 たちに必要な力を身につけさせること、そのための工 夫を考えていくことが大切です。 4 2つの線分の長さが等し 三角形の合同を利用し、線分の長さが等しいことを証 いことを証明する。 明することができる生徒が多く見られました。しか し、まだ課題のある生徒が見られます。さらにこうし た問題を正答できる生徒が増えるように計画的に取 り組んでいくことが必要です 中D―1 数学Bで特に正答率の低かった設問 設問 番号 設問の概要 分析及び対策 2一 2つの偶数の和は、偶数に なることの説明を完成す るために、式2m+2nを 変形する。 2(m+n)と変形し、偶数となることを説明するの ですが、この変形ができなかった生徒が50%近く見 られました。無答率も9%と高い状況です。文章を読 み、答えることが億劫になっている生徒も多いので、 1つ1つ丁寧に指導していくことが必要と考えます。 5二 1点と2点のとりやすさ について正しい記述を選 び、その理由を確率を用い て説明する。 不確定な事象の起こりやすさの傾向を考え、判断の理 由を説明するという数学的活動を正確にできるか、と いう問題です。正答できたのが約28%。無答率も1 0%以上でした。こうした難しい問題、今まで行った ことのない問題になるとあきらめてしまう生徒が増 えてしまうのが残念です。より多くの問題に効果的に 取り組ませるようにしていきたいと考えます。 ※昨年度(平成25年度)の学力学習状況調査・数学Bより (1)2つの辺の長さが等しいことを証明する際に、根拠として用いる平行四辺形になるため の条件を選ぶ問題が正答率60%以上と、B問題としてはよくできました。また、無答 率も1.3%と低かったです。証明などの問題には、教員が工夫して取り組んでいるの でその成果があらわれていると推察されます。 (2)1辺に5個ずつ碁石を並べて正三角形を作ったときの碁石の数を求める問題の正答率が 50%以下でした。問題が記述式になったときに、無答率があがりますが、この問題の 無答率は5.3%でした。これは生徒が頑張って解答を求めようとしていたことが伺え ます。このように悩んで、答えを導き出すこと、そして問題が解けたときの喜びは数学 の醍醐味でもあります。授業の中で「チャレンジ問題」として、ときには難問に挑戦す ることも大切です。 中D―2 3 各学校の状況および分析 ※A~Dは、それぞれの学校をランダムに当てはめております。現在、各学校毎に、今回の結 果を分析し、対策を検討しております。国語A、国語B、数学A、数学BでのそれぞれA~ Dの学校は異なります。 (数学B)※15点満点→生徒の正答数を3点刻みに分布としました。 ※グラフの縦軸は正答者数の割合(%) 横軸は正答数(問) 数学Bの正答者数分布 (A中) 数学Bの正答者数分布 (B中) ★ 40.0% 30.0% 30.0% 20.0% ● ▲ 20.0% ● ▲ 10.0% 10.0% 0.0% 0.0% 0~2 3~5 6~8 9~11 12~14 0~2 15 数学Bの正答者数分布 (C中) 3~5 6~8 9~11 12~14 15 数学Bの正答者数分布 (D中) ★ 40.0% ★ 40.0% 30.0% 30.0% 20.0% ★ 40.0% ● ▲ 20.0% 10.0% 10.0% 0.0% 0.0% 0~2 3~5 6~8 9~11 12~14 0~2 15 ▲ ● 3~5 6~8 9~11 12~14 15 数学Bに対して、A~Dの中学校の生徒の正答者の分布はバランスよいと分析します。これ は各学校ごとに適切な指導が行われている証拠であると考えます。正答数0~2の●の割合、 そして満点(正答数15)の▲の割合も全体の平均点の高い学校では●が少なく、▲が多くな ります。そして、★で示した点線で囲まれた層の正答数9~11の割合と正答数12~14の 差が上位に偏ることは理解度の高さを示す1つの指標です。0~2の正答数の生徒(●)が、 3問、4問と正答できるようにすること、長くて読み取りがややこしくて、手をつけるのが億 劫な問題に挑戦して、仮に間違えても無答ではないようにすること。そうしたことを目指して、 自分の頭で考え、自分で判断できる生徒を育成していくことが求められています。 中D―3
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