※青字は内部学生向けの情報です。 高原生態学実習 1.5 単位, 生物学類2・3 年次, 夏期休業中, 集中 担当教員 大橋一晴、横井智之、田中健太 対象者 全国の国公私立大学の学生。また、筑波大学生物学類の授業科目としても同名で開講する。募集人数26人 (うち他大学が5人)。受講希望者が募集人数を上回る場合は、二回に分けて開講することで希望者を受け入 れることを検討します。また、H26年度以降は募集人数の増加を検討します。 履修形態 「特別聴講学生・公募型」全国の国公私立大学に対して公募形式で受講生を募集し、特別聴講学生として受入 れ、筑波大学が単位を付与し、学生はそれを卒業要件の単位として読み替えられます(読み替えは所属大学 の判断による)。 授業概要 日本で絶滅に瀕している動植物には、かつて氷期に大陸から分布を広げ、後氷期以降わずかに残された逃避 地(レフュジア)で存続しているものが多い。高山植物やライチョウなど寒冷地を好む生物が氷期の終わりに高 山帯へ逃れたのに対し、より気候の穏やかな明るい環境を好む生物は、人間活動によって維持される「半自然 草原」を主な逃避地として生きのびてきた。半自然草原は秋の七草など日本人に古くからなじみ深い生物を多 く含むものの、近年の草地減少によりその存続が危ぶまれている。菅平高原では、スキー場や牧場で草刈りや 火入れがおこなわれるため、こうした貴重な野生動植物が未だに多く残っている。この草原での調査や作業に よって、訪花昆虫と植物の結びつきや、人間と草原との結びつきを学ぶ。 備考 開講期間:2015/9/1-9/5 菅平高原実験センター集合・解散。 参加費用: 期間中の宿泊費・飲食費として約10000円。 やむをえず欠席の場合は5日前までに連絡すること。それ以降は食事代(上記費用の半額以上)のみ全額負 担。 授業形態 実習・実験・実技 授業目的 本実習では,とくに動物媒花と送受粉(花粉の授受)をになう訪花昆虫の関係に着目し,半自然草原における これらの生物相の定量的な調査をつうじ,以下の3項目を達成する:(1)訪花昆虫の採集・標本作成・大まかな 分類法について学ぶ,(2)植物と昆虫のむすびつきにみられる特徴的なパターンについて学ぶ,(3)山野草の 保全活動や草刈りの生物相への影響の調査をつうじ,人間と花と昆虫の間の相互作用によって維持される生 物群集について理解を深める. 授業内容 第1日:集合(菅平センター、昼前)、(ダボスの丘)ポリネーターの採集・標本作製・分類、開花植物の調査 第2日:(菅平センター)山菜採りがある場所・ない場所の、ポリネーター・開花植物調査 第3日:(峰の原高原)山野草保全のための草刈り活動、ポリネーター・開花植物調査 第4日:(ツバクロ山)ポリネーター・開花植物調査、標本整理 第5日: まとめの講義、レポート課題の解説、後片付け、解散(昼前) 単位取得条件・成績評価基準 実習への取組姿勢とレポートによる 準備学習・事後学習 受講者の理解度に応じ、授業中に指示する。 指定教科書 なし 参考書 草地と日本人―日本列島草原1万年の旅. 須賀 丈・丑丸 敦史・岡本 透. 築地書房. 菅平など全国の草原がどのような自然と人間の営みによって成立したのかが分かる良書。 備考 (受講生に望むこと)
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