現代ヨーロッパ論

専門
学期
22 年度以降
授業科目
単位
授業科目
区
分
学年
入学年度
区
分
担当教員
2 現代ヨーロッパ論
2 後
臼井陽一郎(情報文化)
21 年度以前
専門
選択
<授業目的>
第二次大戦後、ヨーロッパは恒久平和の誓いのもと、地域統合の理想へと歩みを進めていった。それは
やがて、EU・欧州連合の誕生という高みへ到達する。時あたかも米ソ冷戦構造崩壊の轟音響き渡る、ま
さに歴史的転換のときであった。世界の政治と経済に与えたインパクトは計り知れない。ただし、EUと
いう巨大で複雑な機構を創り進化させることだけが、ヨーロッパ統合の意味ではない。ヨーロッパ統合の
過程では、ドイツとフランスの、西ヨーロッパと東ヨーロッパの、そしてバルカン半島の、和解へ向けた
果てしのない努力が、曲がりなりにも積み上げられてきた。ヨーロッパ統合とはこの意味において、和解
のプロジェクトであると理解することができる。もちろん画に描いた餅、ただのキレイごと、非現実的な
夢想といった部分、決して少なくない。そもそも統合を進めること自体、統合の根本目的を阻害してしま
うという皮肉な事態も生じてしまった。この講義では、こうしたヨーロッパ統合の理念と現実に迫ってい
く。
<各回毎の授業内容>
第1回 :授業のねらい――<現代>とはいつからか? <ヨーロッパ>とはどこまでか?
第2回 :ヨーロッパ統合の意味――統合とは何を意味するのか? EUリスボン条約の前文より
第3回 :ヨーロッパ統合の背景――ドイツ問題と米ソの冷戦
第4回 :ヨーロッパ統合の概史――三つの共同体からEUの設立へ
第5回 :ヨーロッパの国際組織①――欧州審議会(CE)・統合理念の確立
第6回 :ヨーロッパの国際組織②――北大西洋条約機構(NATO)
・統合の軍事的条件
第7回 :ヨーロッパの国際組織③――全欧安保協力機構(OSCE)
・広域欧州の信頼醸成装置
第8回 :ヨーロッパ統合史・40年代~70年代――西欧統合の発展と限界
第9回 :ヨーロッパ統合史・80年代~90年代――ワンマネー・ワンマーケットへ
第 10 回 :ヨーロッパ統合史・2000年代以降 ――東方拡大の成功と憲法条約の挫折
第 11 回 :東西ドイツの統一――ヨーロッパ統合へのインパクト
第 12 回 :東欧革命――東西ヨーロッパの和解へ
第 13 回 :ユーゴ内戦――西バルカンの和解へ
第 14 回 :ユーロ危機の行方――通貨統合の崩壊か?財政統合の進展か?
第 15 回 :統合ヨーロッパの理念――さまざまなヨーロッパ像
第 16 回 : 定期試験
<成績評価方法>
学期末試験100%。
<教科書・参考文献>
授業中に指示する。
<受講に当たっての留意事項>
ノートをしっかり取って、試験前にきちんと復習することが大切。授業を通じて最新のヨーロッパ情勢
を紹介していくので、ニュースのフォローも確実に。
<学習到達目標>
ヨーロッパ統合について基本的なことがらに習熟して、新聞・雑誌の現代ヨーロッパ関連の記事を読ん
で理解できるようになること。また東アジアの現在と比較する視点を手に入れること。