短期予報解説資料1 2015年 3月18日15時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①長江下流に進んできた上 層トラフ(300hPa 9480m、 500hPa 5700~5760m)に対応 して東シナ海を低気圧が東 進、温暖前線が九州~中国・ 四国に 20mm/h 前後の降水を もたらしている。前線は 850hPa 9~12℃に対応。 ②東シナ海の下層の相当温 位(θe)の東西のコントラ スト(850hPa で見て西は華 南からのびてきた 327K、東 は南西諸島からのびてきた 309K)に従って降水域が変形 しているもよう。 19日にかけて前線や低 気圧に向かって南から 湿った空気が流れ込む。 前線周辺や前線の南側 では、短時間強雨や強 風、高波に注意。 前線記号は、FT24が黒塗り、FT48は白抜き。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①低気圧は 18 日夜にはチェジュ島付近に進み、前線は東日本までのびる。19 日朝には 5700m のトラフ が低気圧を追い越し、朝鮮半島付近の低気圧は前線波動となって対馬海峡付近に進む。この前線波動 は紀伊水道付近に進んだ後 20 日にかけて伊豆諸島付近を南下する。19 日は夜にかけて三陸沖に低気圧 が発生(前線は 850hPa 6℃目安) 。この低気圧も対応するトラフに深まりがなく 20 日朝には日本の東 へ去り、前線も西ほど不明瞭になりがち。 ②前線周辺や暖域では 1 項②の高θe の流入により大気の状態が不安定となる。西日本を中心に落雷や 突風、短時間強雨に注意。低θe も前線とともに東へ移る。19 日夜には低緯度からの高θe が北上する が西からのびてくる高θe とは伊豆諸島付近で合流することはない。前線通過のタイミングで海上を中 心に南西風が強まるため、暖域内での強雨とあわせて強風や高波にも注意。積雪の多い地域では融雪 やなだれに注意。 ③19 日から 20 日にかけて高気圧や低気圧からの東よりの風の続く北日本太平洋側は霧の発生に留意。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①最新初期値の GSM を基本とする。②降水量の予想は実況に近い MSM も参照。 4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雨ポテンシャル(18 時からの 24 時間):九州北部・四国・東海 100、近畿・北陸 80mm。2 項の短時 間強雨に注意。②波(明日まで): 九州北部・四国・近畿 3m。③潮位:大潮期間。九州の東シナ海側は 潮位の上昇と副振動に注意。 5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はない。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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