短期予報解説資料1

短期予報解説資料1 2016年 6月15日 3時40分発表
気象庁 予報部
1.実況上の着目点
①東北から関東の沿岸では、日本の
東海上の低気圧を波源とするうねり
が加わり、3m を超える高波となって
いる。
②前線が日本の南海上から東シナ海
に停滞。2 時現在、南西諸島に広範囲
の活発な対流雲はないが、先島諸島
周辺の海上では局所的に対流雲が発
達し、発雷を検知。
③ボッ海から華北に 500hPa 5640~
5700m のトラフがある。14 日 21 時観
測では、トラフ前面の広い範囲に
850hPa 330K 以上の暖湿気が流入し
ており、黄海では対流雲が発達している。
2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点
①東北から関東の沿岸では、15 日、うねりを伴った高波に注意。
②南西諸島では、15 日、850hPa 345K を越える下層暖湿気が流入し、500hPa では正渦度が移流するた
め、大気の状態が非常に不安定となる。落雷や竜巻などの激しい突風に注意し、発達した対流雲の動
向に留意。また 16 日にかけて等圧線の走向が変わらずやや強い風が吹くので、高波が継続する。16 日
にかけて高波に注意。
③15 日から 16 日にかけて、日本付近の 500hPa は次第に西南西流場となり、北日本から西日本にかけ
て、南から暖かく湿った空気が入りやすくなる。前線は、500hPa 5820m 付近の強風帯に対応して波動
を形成し、前線上の波動は 16 日朝には九州西海上、夜には紀伊半島付近に進む。前線に向かって 850hPa
345K 以上の暖湿気が流入するため、前線近傍では大気の状態が不安定となり、激しい雨や局地的には
非常に激しい雨の降る可能性がある。16 日は、西日本の太平洋側を中心に落雷や突風、短時間強雨に
注意。17 日には東日本太平洋側で大雨の可能性がある。
④16 日は、1 項③の 500hPa トラフが北東進し、夜には日本海北部に進む。北日本にはトラフ前面の下
層暖湿気(850hPa 327K 以上)が流入し、大気の状態が不安定となる。16 日午後から 17 日にかけて、
北海道を中心に北日本では落雷や突風、短時間強雨に注意。また、千島近海の高気圧の勢力が強いた
め、北日本では、日本海の低気圧の北東進とともに気圧の傾きが大きくなる。強風や高波にも注意。
3.数値予報資料解釈上の留意点
①総観場は最新の GSM を基本とする。降水や風の予想は MSM も参考にする。
4.防災関連事項[量的予報と根拠]
①大雨ポテンシャル(06 時からの 24 時間):高い所(100mm 以上)はないが、2 項の短時間強雨に注意。
②波浪(明日まで)
:北海道・東北・近畿・九州・奄美・沖縄 3m。
5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はありません。
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量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。