短期予報解説資料1 ２０１６年４月２日１５時４０分発表気象庁予報部１．実況上の着目点 ①日本の南を南東進している低気圧は衰弱傾向にあるが、これまでの強風により発生した高波を波源とするうねりが東日本から西日本の太平洋側に到達しており、3m 前後の高波を観測。 ②水蒸気画像では、アムール川中流に寒冷渦がみられる。また、その周りをまわる500hPa の5460～ 5520m 付近の強風軸に対応してボッ海付近から沿海州付近に暗域と明域の境界が確認できる。２．主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①1 項①の低気圧は衰弱し、3 日には解析できなくなる見込みだが、東日本から西日本の太平洋側を中心に 3 日にかけてうねりが続く。高波に注意。 ②北海道付近では千島近海から南下する高気圧とアムール川中流の低気圧の間で気圧の傾きが大きな状況が続く。強風や高波に注意。また、500hPa の 5460～5520m 付近の強風軸に沿って、850hPa の 0℃ 付近に南西風と西風のシアーラインが形成され、3 日から 4 日にかけて北日本から東日本に接近・通過する。シアーライン付近では大気の状態がやや不安定となるため、降水の強まりや落雷、突風に留意。 ③2 日夜には、華中の 850hPa の 12℃付近で風の収束が強まり、前線が顕在化する、前線は 3 日夜には九州南部を通って四国沖にのび、東シナ海の前線上に低気圧が発生する。低気圧や前線に向かって暖湿気が流れ込むため、九州や西日本太平洋側では大気の状態が不安定となる。短時間強雨、落雷、突風に注意。３．数値予報資料解釈上の留意点 ①総観場は最新 GSM を基本。降水や風は MSM も参考にする。４．防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雨ポテンシャル(18 時からの 24 時間)：高い所(100mm 以上)はない。 ②波浪(明日まで)：四国・伊豆諸島・小笠原諸島 4、北海道・東海・近畿・九州南部 3m。５．全般気象情報発表の有無発表の予定はありません。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。