12月の米雇用統計=確実な改善が続く

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FUTURES
REPORT
DAIICHI COMMODITIES CO.,LTD.
2015/01/10
12月
12月の米雇用統計=
米雇用統計=確実な
確実な改善が
改善が続く
米労働省が1月9日発表した2014年12月の雇用統計によると、景気動向を反映する非農業部門就業者数は、季
節調整済みで前月比25万2000人増(前月は35万3000人増=上方改定)となった。失業率は5.6%と前月
から0.2ポイント低下し、2008年6月に並ぶ6年6カ月ぶりの低水準となった。市場予想(ロイター通信調べ)
は就業者数が24万人増、失業率が5.7%だった。
民間部門の就業者数は24万人増と、前月(34万5000人増=改定)から縮小。このうち物品生産部門は6万7
000人増(前月5万1000人増=改定)
、建設業は4万8000人増(同2万人増)
、製造業は1万7000人増(同
2万9000人増=改定)だった。サービスは17万3000人増(同29万4000人増=改定)だった。
政府部門は1万2000人増で前月(8000人増=同)から伸びた。
平均時給は24.57ドルと前月比0.05ドル減少。週平均労働時間は34.6時間で前月から横ばいだった。
フルタイムを望みながらパート勤務しか見つからない人は679万人と前月から減少。こうしたパート勤務者らも加
味した広義の失業率(U6)も減少したが、依然として11%台で高い水準にある。働く意欲のある人の多さを示す労
働参加率は前月比0.2ポイント低下し、62.7%だった。
○米FRB=雇用回復
FRB=雇用回復の
雇用回復の質を見極め
見極め
2014年12月の米雇用統計は、非農業部門就業者数の増加幅は前月を下回ったものの、雇用の持続的改善を示す
とされる20万人以上の増加を2月以降11カ月連続で維持した。米連邦準備制度理事会(FRB)は4月以降の会合
で実質ゼロ金利の解除を探る方針で、雇用機会や条件などの「雇用の質」の回復が確実かを見極める。
12月の非農業部門就業者数は米国のホリデーシーズンの消費拡大を受け、流通分野などで堅調に推移した。10月、
11月の非農業部門就業者数の増加幅も従来発表より上方修正され、2014年通年では合計295万人以上となった。
また、12月は失業率も5.6%に下がり、リーマン・ショック前の2008年6月と同水準に改善。統計結果は全体
的に、
「労働資源の活用不足は縮小している」というFRBの判断を裏付ける内容となった。
ただ、働く意欲を持つ人の多さを示す労働参加率は前月から低下するなど懸念要因もある。特に、賃金は前月比0.
05ドル減とマイナスに転じた。米ウェルズ・ファーゴのシルビア主任エコノミストは「ホリデーシーズンにパートタ
イム勤務者が増えた可能性がある」と指摘している。
また、米シカゴ連邦準備銀行のエバンス総裁は、12月の米雇用統計発表後のインタビューで、インフレ率が米FR
Bの目標である2%上昇を下回り続けていることや、賃金上昇が鈍いことなどを懸念。利上げ開始時期の決定に当たっ
ては「忍耐強く」あるべきだとし、2016年までは金利を引き上げるべきではないとの持論をあらためて繰り返した。
米雇用統計の
米雇用統計の 推移
60 0,000
1 1.0%
40 0,000
1 0.0%
20 0,000
9 .0 %
0
8 .0 %
-20 0,000
7 .0 %
-40 0,000
6 .0 %
-60 0,000
-80 0,000
-1 ,00 0,000
08 年 1 月
非農業部門雇用者数・
非農業部門雇用者数・ 増減
失業率
5 .0 %
4 .0 %
0 9 年5 月
10 年 9 月
12 年 1 月
13 年 5 月
1 4 年 12月
12 月
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神泉プレイスビル フューチャーズ・
フューチャーズ・24
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○NY金
NY金は反発=
反発=米雇用統計の
米雇用統計の賃金低下を
賃金低下を受け
週末1月9日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場は、米雇用統計で示された賃金低下を背景に買
われ、3営業日ぶりに反発した。中心限月期近2月限は前日終値比7.60ドル高の1オンス=1216.10ドルで
取引を終了。
金相場は早朝から買い優勢で推移し、小高い水準で寄り付いた。米労働省が朝方発表した2014年12月の雇用統
計では、非農業部門就業者数が前月比25万2000人増加。また、失業率も5.6%と前月から0.2ポイント低下
した。発表を受けて、相場は一時上下に11ドル程度振れたが、想定範囲内の改善にとどまったことから、一巡後は発
表前の水準に戻った。その後、雇用統計で平均時給が前月から低下したことが低インフレ懸念を招き、米連邦準備制度
理事会(FRB)の利上げが遅れるのではないかとの思惑につながったため、買いの勢いが加速し、期近2月限は前日
比15.50ドル高の1224ドルまで上昇した。
ABNアムロのアナリスト、ジョルジェット・ボエレ氏は「金はこの狭い1200~1230ドルの値幅で支えられ
ている。インフレ圧力が弱い中、米FRBがすぐには利上げに踏み切らないとの見方が少し残っているからだ」と述べ
た。
○東京金は
東京金は小幅続落=
小幅続落=為替の
為替の円高で
円高で
東京商品取引所の金先物相場は1月13日付けの夜間取引で、昨年12月の米雇用統計発表後のNY金相場の上昇で
買われ、中心限月の2015年12月先限は前日比16円高の4663円まで上昇した。しかし、円相場が米株安や長
期金利の低下で1ドル=118円台半ばまで急伸したのを受けた売り物に、前日比27円安の4620円まで下落した。
日本時間1月10日午前4時現在、2015年12月先限は前日比6円安の4641円。
○円相場は
円相場は上昇=
上昇=米株安・
米株安・長期金利低下で
長期金利低下で
週末1月9日のニューヨーク外国為替市場の円相場は、米株安や長期金利の低下を背景に買われ上伸。
2014年12月の米雇用統計で非農業部門就業者数が前月比25万2000人増と、市場予想の24万人増を上回
ったのを受けて、米早期利上げ観測から、雇用統計発表直後に円は119円70銭台に下落。しかし、欧州株安などを
背景に米株式相場が下落したことで、投資家らのリスク回避の動きが強まり、安全資産として円が買われた。また、米
債券買いに伴う長期金利の低下も円買い・ドル売りを後押し、118円30銭台まで上昇した。
○NYダウ
NYダウは
ダウは反落=
反落=利益確定売りなどで
利益確定売りなどで
週末1月9日のニューヨーク株式市場は、米雇用統計の発表を終えて、当面の利益を確定する動きが広がり、3営業
日ぶりに反落。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比170.50ドル安の1万7737.37ドルで
終了した。ハイテク株中心のナスダック総合指数は同32.12ポイント安の4704.07で終わった。
昨年12月の米雇用統計は、非農業部門就業者数が前月比25万2000人増、失業率は5.6%といずれも堅調だ
った一方、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ時期を占う上で重要な賃金の伸びはマイナスと、強弱入り交じっ
た内容。ダウ平均は前日までの2日間で約536ドル上昇してきたこともあり、統計をきっかけとした利益確定の売り
が優勢となった。欧州株の下げも重しとなり、ダウは一時約221ドル安まで下落した。
市場関係者からは、
「雇用統計では賃金に焦点が当たったが、物価の伸び悩みを受けて利上げが緩やかになるという
ことは株には悪いことではない」との指摘が聞かれた。
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