F24マンスリーレポート3月号

FUTURES
24
MONTH
MONT
HLY REPORT
DAIICHI COMMODITIES CO.,LTD.
3/8/2016
フューチャーズ24
フューチャーズ24情報
24情報・
情報・マンスリーレポート 2016
2016年3月号
◆2月の相場概況
●金相場
NY金は2月前半、投資家のリスク回避姿勢による安全資産としての買いや早期の米利上げ観測後退などで、11日
には一時、1263.90ドルと1年ぶりの高値を付けた。2月後半は投資家のリスク回避ムード後退で16日には1
190ドル台前半まで急反落した後、24日にはNY原油と米株価の急落を受けて1250ドル台半ばまで上昇。その
後は為替のドル高・ユーロ安で1210ドル台まで反落したが、世界的な景気先行き不透明感による安全資産としての
買い物が継続したことで、1230ドル台まで値を戻した。
●白金相場
NY白金は2月前半、世界的な景気後退懸念が強まり852ドルまで下落した後、為替のドル安などで安値は買い拾
われた。2月後半は金相場の上伸につれ高となり11日には3カ月ぶりの高値となる高値970.8ドルまで上昇。そ
の後は買い方の手じまい売りに上げ幅を削られたが、欧州の自動車販売台数の減少懸念が後退したことで下げ幅は限ら
れ、値固めを試す展開となった。
●原油相場
NY原油は2月前半、エネルギー消費大国である中国の景気低迷や、産油国による協調減産の期待感後退などにより、
11日には26.05ドルまで急落し、約12年9カ月ぶりの安値を付けた。2月後半は有力産油国4カ国が産油量を
1月の水準で凍結することで合意したことなどで反発、17日には終値で30ドル台を回復。その後もIEAの需給見
通しや有力産油国4カ国が3月半ばに会合開く予定であることで上値を伸ばし、1月28日以来約1カ月ぶりの高値を
付けた。
●穀物相場
シカゴ大豆は上下動を繰り返しながらも水準を切り下げる格好。シカゴコーンは総じて軟調推移。
◆3月の相場見通し
●金相場=投資資金流入継続で上昇へ
NY金は、世界経済の先行き不透明感や米利上げ時期の後ずれ観測などを背景に投資資金の流入継続が予想され、1
300ドルを突破する可能性がある。
●白金相場=15年10月高値を試す展開
NY白金は、100日移動平均線を2月に上抜けたことで、目先は2015年10月高値を試す展開。ただ世界経済
成長に対する懸念が払拭されていないため、同水準では買い方の手じまい売りなどが入ると考えられる。
東京白金はチャート面で昨年10月26日高値3964円を視野に上値を試す展開が見込まれる。
●原油相場=産油国の増産凍結が焦点
3月の原油相場はサウジアラビア、ロシア、ベネズエラ、カタールなどの産油4カ国が合意した増産凍結の実現に向
け、具体的な動きがあるかどうかが注目される。
●穀物相場=下落傾向に
3月のシカゴ大豆は緩やかに売られる展開、シカゴコーンは軟調地合いになると予想。
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◆金相場概況(2月)
●NY金、12年1月以来の上昇率=一時は1年ぶりの高値
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場は、中国と米国経済統計悪化による世界的な景気先行き懸念や
NY原油相場安を背景に、投資家のリスク回避姿勢が強まり、世界的な株安となる一方、安全資産として買われたこと
で上伸、中心限月の期近4月限は8日に約8カ月ぶりに1200ドルを付けた。その後もイエレン米連邦準備制度理事
会(FRB)議長が10日の議会証言で、海外の景気減速や金融市場の変動に警戒感を示した上で、状況に応じて「適
切に調整する」と強調し、3月の追加利上げには慎重な姿勢を示唆したのを受け、米国の追加利上げが後ずれするとの
観測や為替がドル安に振れたことが買い材料となり上げ幅を拡大、11日には一時、1263.90ドルと、2015
年2月6日(1269ドル)以来、1年ぶりの高値を付けた。
2月後半はアジアや米国の株価上昇によるリスク回避ムードの後退で売り物が膨らみ、16日には1191.50ま
で急反落。しかし、安値拾いの買い物に加え、株安や原油安などを背景に安全資産としても買われたことで17日-1
9日まで3営業日続伸。さらに24日にはNY原油と米株価の急落を受けて1254.30ドルまで上昇。その後は米
国の雇用と製造業関連統計の堅調な内容で為替がドル高・ユーロ安に振れたのを受け、1210ドル台まで反落したが、
世界的な景気先行き不透明感による安全資産としての買い物が継続したことで、1230ドル台まで値を戻した。また、
2月は前月末比10.6%上昇と、2012年1月(10.9%上昇)以来の上げ幅を記録。
●東京金=一時は約3カ月半ぶりの高値
東京商品取引所の金先物相場は、NY金が上昇し約8カ月ぶりに1200ドルを付けたことで買われ、先限は9日に
3カ月ぶりとなる4400円台に乗せた。その後、為替の円高・ドル安で売られる場面もあったが、NY金が1年ぶり
の高値を付けたうえ、為替が円安・ドル高に振れたことで、15日には一時、4479円と、2015年10月30日
(4487円)以来、約3カ月半ぶりの高値を付けた。
2月後半はNY金相場安に加え、為替が円高・ドル安に振れたのを受けて、23日は4343円まで下落したが、N
Y金の反発と為替の円安・ドル高により、29日には4447円まで反発した。
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◆金相場展望
●3月のNY金=投資資金流入で1300ドル突破へ
3月のニューヨーク商品取引所の金先物相場は、4日発表された2月の米雇用統計で、非農業部門就業者数が前月比
24万2000人増加と、市場予想の19万人増加を上回ったことで売られ、雇用統計前の1270ドル台から発表直
後に1250.10ドルまで急落。その後、同統計で平均時給と週平均労働時間が減少したのを受け、早期の米利上げ
観測が後退したうえ、為替がドル安・ユーロ高に転じたことから、2015年2月3日(1286.50ドル)以来、
1年1カ月ぶりの高値となる1280.70ドルまで急伸。しかし、連日の上昇の反動から買い方の利食い売りが出た
ことや、米株価の上昇も売り材料となり、7日には1250ドル台後半まで反落した。
世界経済の先行き不透明感に加え、欧州や日本での量的緩和やマイナス金利導入により、信用リスクのない実物資産
であり、無国籍通貨の側面を持つ金に注目が集まり、投資資金流入が継続している。
NY金の取組高は2014年12月31日以来、1年1カ月ぶりの低水準を記録した1月28日の37万3252枚
から増加傾向となり、3月4日には2012年11月26日以来、3年3カ月ぶりの高水準となる49万1665枚ま
で増加。また、ニューヨーク証券取引所に上場されている世界最大規模の金ETF「SPDRゴールド・シェア」現物
保有量は、3月7日現在で前年末比149.56トン増加と、2015年の減少分114.81トンを上回っている。
世界経済の先行き不透明感を払しょくする材料として期待されていた2月26-27日開催の20カ国・地域(G2
0)財務相・中央銀行総裁会議は、各国が世界経済の回復と金融市場の安定に向け、政策手段を総動員することが決定
されたものの、具体的な対策には欠けた。また、3月1日に発表された中国の製造業PMIも景気減速懸念が継続して
いることを示す内容になるなど、世界経済の先行き不透明感は継続している。
また、米連邦準備制度理事会(FRB)が3月15-16日開催する連邦公開市場委員会(FOMC)結果も買い材
料になるとみている。2月の米雇用統計で非農業部門就業者数の増加幅が市場予想を上回ったうえ、過去2カ月分の増
加幅も上方修正されたことで、米短期金利先物市場では11月の米利上げ観測が強まった。しかし、2月のイエレンF
RB議長の議会証言や1月の米FOMC議事要旨で、海外経済の減速や金融市場の混乱が警戒され、追加利上げに慎重
な姿勢が示された。さらに、雇用統計で平均時給が前月比0.1%減少し週平均労働時間も減少したことで、賃金イン
フレが加速する兆しは小さいとの見方もあり、3月の米FOMCでの利上げはないとみている。
3月の米FOMCで利上げが見送られ、声明は1月に続きハト派寄りの内容になることが予想される。また、FOM
C後に発表される参加者の政策金利見通しも昨年12月の年4回利上げから2回に下方修正されれば、NY金は130
0ドルを試す動きになるとみている。さらに、FOMC声明内容やイエレン議長の定例会見でこれまでのように海外経
済の減速や金融市場の混乱に対する警戒感が示されれば、投資家のリスク回避の動きが強まることが予想され、201
5年1月22日の高値1307.80ドルを突破する可能性もある。
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◆外国為替市場概況
▽円・ドル相場=2月前半に一時、14年10月以来の円高・ドル安水準に
中国国家統計局が2月1日に発表した1月の製造業PMIが3年5カ月ぶりの低水準となったことや、3日発表され
た1月の米ISM非製造業景況感指数が2年ぶりの低水準を記録したのを受け、世界経済の先行き不透明感が強まった
うえ、NY原油の急落により、投資家がリスク回避に動き、世界的に株式が売られる一方、相対的に安全資産とされる
円が買われ、1日の1ドル=121円台半ばから8日には約1年3カ月ぶりの円高・ドル安水準となる115円台前半
まで急伸。その後も、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が10日の議会証言で、3月の追加利上げに慎重
な姿勢を示したことが円買い・ドル売り材料となったほか、欧米株式市場が銀行株主導で急落したことやNY原油が2
6ドル台に下落したのを受け、安全資産としての円買いが進み、11日には一時、110円95銭と、2014年10
月31日(109円15銭)以来、約1年4カ月ぶりの円高・ドル安水準を付けた。
2月後半は、12日に発表された1月の米小売売上高が市場予想を上回ったことや、サウジアラビアなど主要4産油
国が原油安への対応策で協議するとの発表により、投資家のリスク回避姿勢が後退し、円は16日に114円80銭ま
で急反落。しかし、産油国の協議が生産量を1月水準に凍結するとの合意にとどまったことやドイツと米国経済統計の
悪化など受け、世界的な株安となったことで再び安全資産として円が買われ、24日には111円付近まで急伸した。
その後は、世界的な株高や堅調な米経済統計が円売り材料となり、26日には114円近くまで急反落した。
3月は、2月の米ISM製造業景況指数(1日発表)が市場予想を上回ったことや株価の上昇が円売り・ドル買い材
料となり、2日には114円台半ばまで下落。その後、2月の米ISM非製造業指数(3日発表)の雇用指数の低下で
113円台前半まで上昇した後、2月の米雇用統計(4日発表)で非農業部門就業者数の増加幅が市場予想を上回った
ことで114円台前半まで下落したが、同統計で平均時給と週平均労働時間の減少で113円台前半まで上昇した。
▽ユーロ・ドル=2月前半に一時、15年10月以来のユーロ高・ドル安水準
2月前半は、ダドリー・米ニューヨーク連銀総裁の発言や1月の米ISM非製造業景況感の低下を受け、米FRBの
利上げペースが緩やかになるとの見方が広がりドルが売られたことで、ユーロは4日に1ユーロ=1.12ドル台に上
昇。その後も原油安や世界経済の先行き不透明感に加え、イエレン米FRB議長の議会証言がハト派的との見方から、
米追加利上げ観測が後退し、ユーロ買い・ドル売りの動きが加速、11日には一時、1.1372ドルと、2015年
10月21日(1.1373ドル)以来、約4カ月ぶりのユーロ高・ドル安水準を付けた。
2月後半は、18日公表された1月の欧州中央銀行(ECB)定例理事会・議事要旨で3月の追加緩和観測が高まっ
たことや、1月のドイツIFO景況感指数低下のほか、英国の欧州連合(EU)離脱懸念がユーロ売り材料となり、1.
10ドルの大台を割り込んだ。
3月は良好な米経済統計やECBの追加緩和観測で2日に1.08ドル台前半まで下落したが、2月の米雇用統計で
平均時給が減少したのを受け、早期の米利上げ観測が後退したことから反発、4日には1.10ドル台前半まで上昇し
た。
円/ドル相場
ドル相場の
相場の推移
ユーロ/
ユーロ/ドル相場
ドル相場の
相場の推移
111
1.14
112
1.13
113
114
1.12
115
1.11
116
117
1.10
118
1.09
119
120
1.08
121
122
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1.07
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◆日米株式市場概況
▽NY株式市場=終値で約2カ月ぶりに1万7000ドルを回復
ダウ工業株30種平均は、NY原油が産油国の協調減産への期待が後退し急落したのを受け、エネルギー株を中心に
売られ、2月3日には1万5900ドル台まで急落したが、翌4日にはNY原油反発や米追加利上げ観測後退によるド
ル安で買われ1万6400ドル台まで急反発。しかし、その後は中国や米国経済統計の悪化による世界経済の先行き不
透明感、原油安による米資源開発会社の経営破たんや融資の焦げ付き懸念、欧州系銀行への経営不安・・・などを背景
に投資家のリスク回避の動きが強まったことで、5日から11日まで5営業日続落し、11日には1万5500ドル台
まで急落した。
2月後半は、欧州市場で売り込まれていた銀行株が買い戻されたことや、1月の米小売売上高が市場予想を上回った
ほか、NY原油がサウジアラビアやロシアなどの主要産油国による増産凍結合意にイランが支持を表明したことで上昇
したのを受け、世界経済の先行き不透明感による過度なリスク回避の動きが一服、12日から17日まで今年初となる
3営業日続伸となり1万6000ドル台を回復。その後も22日にNY原油高で石油関連株が買われたほか、銅など幅
広く商品価格も上昇したことで資源関連株にも買いの動きが広がり、前日比220ドル超の上昇。25日にも堅調な欧
州株価や1月の米耐久財受注が事前予想を大幅に上回ったことで同210ドル超の上昇となり、26日には1カ月半ぶ
りの高値となる1万6800ドル近くで急伸した。
3月は中国人民銀行の追加緩和決定や2月の米ISM製造業景況指数が市場予想を上回ったことが好感され、1日は
前日比350ドル近くの上げ幅を記録。4日発表された2月の米雇用統計で平均時給が減少し利上げ警戒感が後退した
ことで上昇、4日の終値は約2カ月ぶりに1万7000ドル台を回復した。
▽東京株式市場=終値で1カ月ぶりに1万7000円台を回復する場面も
日経平均株価は2月1日、日銀のマイナス金利政策を受けた欧米株高で買い安心感が広がり急伸、1万8000円に
迫る場面もあった。しかし、NY原油相場安を背景にした欧米株価の急落や為替の円高・ドル安が嫌気され、2日から
5日まで4営業日続落し、1万7000円台を割り込んだ。その後も世界景気の停滞懸念を背景とした欧米株価急落や
原油安に加え、円相場が1ドル=110円台後半まで急伸したことで、12日には一時、1万4865円77銭と、2
014年10月21日(1万4761円84銭)以来、約1年4カ月ぶりの安値を付けた。しかし、15日には欧米株
価の上昇や為替の円安・ドル高で急反発、上げ幅が1000円を超え1万6000円を回復した。
2月後半は、欧米株価、NY原油、円相場の動向に左右される動きとなり、1万6000円を挟んでのもみ合いが続
いた。
3月は、米株式市場が米経済の先行きに対する懸念が和らいだことで大幅高となったうえ、欧米株式市場で金融株の
上昇が目立ったのを受け、輸出関連株や銀行株など幅広い銘柄が買われたことで1日から4日まで4営業日続伸し、4
日は終値で約1カ月ぶりに1万7000円台を回復。しかし、7日には4営業日続伸した反動で利益確定売りが出たこ
とで反落、終値で1万7000円を割り込んだ。
(ドル)
ドル)
( 円)
NYダウ
NYダウ平均
ダウ平均の
平均の推移
日経平均株価の
日経平均株価の推移
19000
17500
18500
17200
18000
16900
17500
16600
17000
16300
16500
16000
16000
15500
15700
15400
16/01/04
15000
16/01/22
16/02/10
16/03/07
14500
16/01/04
16/01/22
16/02/10
16/03/07
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◆金需給動向
●WGC金需要報告=今年は増加見通し
有力産金業界団体のワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が2月11日発表した『世界金需要報告』によると、
2015年第4四半期(10月-12月)の世界金需要は前年同期比46.7トン増の1117.7トン、供給は同1
14.9トン減の1037.1トン。15年第4四半期は、インドや中国など伝統的な金消費国の需要が回復した一方
で、同期の金生産量は08年以降で初めて減少を記録した。
15年度通年の金需要は前年度比14.2トン減の4212.2トン。15年上半期は中国の金融市場混乱などで低
調だった金需要だが、下半期に持ち直した。
WGCによると、各国中央銀行の公的金購入の増加と、中国の投資家が人民元の下落に対して安全資産を求める動き
を強めたことが、金需要が増加する要因となった。
中国はインドを上回り、世界最大の金消費国の座を維持。15年第4四半期の同国の投資用の金地金や金貨の需要は
前年同期比9.7トン増の48トンとなり、約25%増加した。ただ、同国の株価下落と経済成長の鈍化懸念が投資家
のセンチメントを悪化させたことで、宝飾需要は小幅に減少している。
各国中央銀行の公的金購入が増加。中銀の金買い越しは前年同期比33.3トン増の167.2トンに達し、米ドル
からの準備多様化を目指す動きが改めて確認された。なお、15年通年の中銀の金買い越しは同4.5トン増の588.
4トンで、前年から僅かに増加した。
鉱山会社の金生産量は同16.4トン減の824.8トンと、08年第3四半期(7月-9月期)以来7年ぶりの減
少に見舞われた。資源価格安で鉱山各社がコスト削減に乗り出しており、開発予算の減少などが生産減につながった。
また、金のリサイクル供給は同31.6トン減の227.4トンと大幅に減少し、四半期ベースでは07年第3四半期
以来の低水準となった。年間の金産出量は一定で、中国が世界最大の金生産国の座を維持した。
WGCの市場情報責任者アリステア・ヒューイット氏は、世界的な株式市場の混乱を受け、投資家が安全資産として
の金買いを増やすことで、2016年度の金需要は増加すると楽観的な見方を示した。金の投資需要は上場投資信託(E
TF)の現物保有量の増加などに現れる。
「各国中央銀行の公的金購入が強く、金の現物需要は引き続き増加する。また、インドと中国の金購入が継続的に増加
することで、宝飾品や投資用金塊や金貨などの需要は堅調を保つだろう。年間を通してみると、金への投資需要は強い。
株式市場が不安定なとき、金は投資先としてよく機能する」と同氏は述べている。
(トン)
インド・中国の金需要
1400
インド
1200
中国
1000
800
600
400
200
0
1996年
1998年
2000年
2002年
2004年
2006年
2008年
2010年
2012年
2014年
注:上記の数値はWGC統計。
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■世界金需要
宝飾品
エレクトロニクス
その他
歯科
工業・歯科小計
金塊退蔵
公的金貨
メダル類
小売り投資小計
ETF・関連商品
投資合計
中央銀行金購入
需要合計
ロンドンPM・FIX価格
2014 年
2480.8
277.5
49.0
19.9
346.4
725.2
203.0
72.2
1000.5
-185.1
815.4
583.9
4226.4
1266.4
2015 年
2414.9
263.3
48.6
18.9
330.7
731.6
212.6
67.4
1011.7
-133.4
878.3
588.4
4212.2
1160.1
前年比
-3%
-5%
-1%
-5%
-5%
+1%
+5%
-7%
+1%
--+8%
+1%
±0
-8%
Q4・14
Q1・15
Q2・15
Q3・15
Q4・15
宝飾品
677.4
602.7
512.3
628.5
671.4
エレクトロニクス
72.9
64.8
65.9
65.1
67.5
その他
12.6
11.7
12.4
12.1
12.3
歯科
4.8
4.7
4.8
4.7
4.6
工業・歯科小計
90.3
81.2
83.1
81.9
84.5
金塊退蔵
187.0
186.6
148.5
200.4
196.1
公的金貨
54.5
50.5
40.6
74.4
47.1
メダル類
19.3
14.3
12.4
20.5
20.3
小売り投資小計
260.9
251.4
201.4
295.3
263.5
ETF・関連商品
-91.5
25.2
-23.9
-65.9
-68.9
投資合計
169.3
276.7
177.6
229.4
194.6
中央銀行金購入
133.9
122.9
129.2
169.0
167.2
需要合計
1071.0
1083.5
902.2
1108.8
1117.7
ロンドンPM・FIX価格
1201.4
1218.5
1192.4
1124.3
1106.5
注1:単位はトン。 注2:上記のQは四半期。注3:前年同期比はQ4・15とQ4・14との比較。
注4:FIXは平均価格。単位はオンス当たり米ドル。
前年同期比
-1%
-7%
-2%
-4%
-7%
+5%
-14%
+5%
+1%
--+15%
+25%
+4%
-8%
■主要国需要
2015年第4四半期
前年同期比
宝飾品
投資
合計
宝飾品
投資
インド
173.1
60.2
233.2
+6%
+6%
中国(台湾・香港を含む)
218.2
50.1
268.2
-3%
+23%
中国
202.6
48.0
250.6
-1%
+25%
中東
51.4
11.2
62.6
-5%
+1%
トルコ
15.0
4.2
19.2
-26%
-72%
日本
5.2
8.9
14.1
+7%
--米国
45.6
16.4
62.0
+3%
+15%
欧州
35.7
54.5
90.2
-1%
-11%
注1:単位はトン。 注2:前年同期比は15年第4四半期と14年第4四半期との比較。
合計
+6%
+1%
+3%
-4%
-46%
--+6%
-7%
YâàâÜxá EG
8|
■世界金供給
2014 年
3140.5
103.6
3244.1
1169.7
4413.9
鉱山生産
生産者ヘッジ
鉱山生産小計
リサイクル
供給合計
2015 年
3186.2
-20.8
3165.4
1092.8
4258.3
前年比
+1%
---2%
-7%
-4%
Q4・14
Q1・15
Q2・15
Q3・15
Q4・15
鉱山生産
841.2
732.4
788.2
840.9
824.8
生産者ヘッジ
51.8
-13.1
-8.2
15.5
-15.0
鉱山生産小計
893.1
719.3
780.0
856.4
809.8
リサイクル
259.0
355.3
255.8
254.3
227.4
供給合計
1152.0
1074.6
1035.8
1110.7
1037.1
注1:単位はトン。 注2:上記のQは四半期。注3:前年同期比はQ4・15とQ4・14との比較。
(トン)
中国の
中国 の 金宝飾品・
金宝飾品 ・ 投資需要
1000
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
宝飾品
1996年
前年同期比
-2%
---9%
-12%
-10%
1998年
2000年
2002年
2004年
投資
2006年
2008年
2010年
2012年
2014年
2010年
2012年
2014年
インドの
インド の 金宝飾品・
金宝飾品・ 投資需要
(トン)
700
宝飾品
投資
600
500
400
300
200
100
0
1996年
1998年
2000年
2002年
2004年
2006年
2008年
注:上記の数値はWGC統計。
YâàâÜxá EG
9|
●1月の香港経由の中国金輸入=1年5カ月ぶりの低水準
ロイター通信が2月25日、香港統計局から入手したデータによると、2016年1月の中国による香港経由の金純
輸入量は33.041トンと、2015年12月の129.266トンから大幅減少し、2014年8月(27.47
7トン)以来、1年5カ月ぶりの低水準を記録した。
中国では一般的に、2月の春節(旧正月)に贈答用の金需要が増加するため、年末頃に輸入し、在庫を積み上げる。
その後は輸入量が先細りする傾向はあるが、今回の輸入幅は予想以上に減少していた。これは、中国株式市場の下落を
受け、1月のドル建て金価格が上伸したことが要因と考えられている。
GFMSのアナリストは「15年12月の金輸入量増加は春節を控えた在庫の積み増しが影響していると考えられ
る」と指摘すると共に、2月の中国の金輸入量は1月と同程度に留まるとの予想を示している。中国の宝飾品需要は、
金需要が季節的に強くなる時期であったにもかかわらず、中国の汚職撲滅運動を背景に減少。しかし、投資用の金塊や
金貨の需要は増加した。
中国経済成長の減速懸念から、金価格に対する弱気見通しが強まったことも圧迫要因。また、過去数年の価格帯で金
を購入した消費者は、2013年から15年にかけての値位置よりも安い所での購入を狙って買いを手控えていたこと
も中国の金輸入が減少する要因となった。
中国の金輸入許可銀行の幹部からは「春節後の小売が増加するとは考えていない」との指摘が聞かれる。また、サヤ
取り機会の減少も輸入を妨げていた。中国の国内価格が国際価格よりも高いか同水準の場合、為替差分の利益が得られ
るため、サヤ取り商いが活発になり、金輸入も増加する。
中国は世界最大の金消費国だが、公式のデータとして金の輸出入量を発表していない。そのため、香港経由の金輸入
量は、中国本土への金輸入量を推測する手がかりとなるが、北京や上海などを通じて中国本土から直接輸入された数値
は含まれていない。
中国本土の香港からの金輸入量
160
140
単位:トン
120
100
80
60
40
20
0
13年1月
13年7月
14年1月
14年7月
15年1月
15年7月
16年1月
●中国の金投資需要は拡大へ=相場回復続くなら―WGC幹部
国際的な産金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の中国部門の幹部は2月18日までに、中国の金
投資需要が年初来、堅調な状況にあるが、この勢いを保つには相場回復が続く必要があるとの見方を示した。
2015年の金相場は3年連続の下落となったが、16年はこれまでに14%上昇。先週、世界株式市場の混乱を受
けた安全な投資先としての需要から、1年ぶり高値を付けた。
同幹部はロイター通信に対し、先週の春節(旧正月)やその前後の時期に金の延べ棒などへの投資需要が旺盛だった
と明らかにした。金は贈り物として人気が高いことから、通常、春節の需要は堅調だが、その後鈍化する。
YâàâÜxá EG
10 |
●インド金輸入、2月は25トン=13年以来の低水準に―業界筋予想
銀行のディーラーやトレーダーなど業界筋5人を対象とした調査によると、2月のインド金輸入予想の中央値は25
トンとなっている。これは前月比約67%減で、政府が金輸入の20%再輸出を義務付けたことが響いた2013年9
月以来、2年以上ぶりの低水準となる。相場上昇などが背景。
世界2位の金消費国であるインドの輸入減少は、最近の金相場回復にマイナスの影響を与える可能性がある。一方、
金輸入削減に取り組むインド政府には安心感を与えることになる。15年の輸入コストは360億ドルだった。
トムソン・ロイター傘下の英貴金属調査会社GFMSの上級アナリストによると、宝石商や最終消費者は価格下落の
ほか、インド政府が2月の予算の中で輸入関税を4ポイント引き下げることを期待し、購入を遅らせている。
●1月のインド金輸入、前年比62%増=政府筋
通信社ニュースライズは3月1日、政府筋の話として、1月のインドの金輸入量が前年同月比62%増の93.3ト
ンだったと報じた。税金の賦課にもかかわらずインドの金需要が衰えていないことが示された。インドは金の消費が世
界第2位。
●インド、金宝飾品に売上税=4年ぶり、需要抑制目指す
インド政府は、過去最高の税率に設定されている輸入税に上乗せする形で、金宝飾品に対する売上税を4年ぶりに導
入した。旺盛な金需要の抑制を狙う。歴代政府は2013年に10%の輸入税を導入したほか、他の規制も実施したが、
金需要の抑制に苦戦している。
インドの金の年間輸入量は最大1000トンで、貿易赤字の約4分の1を占めている。このため、政府は家庭や寺院
に眠る2万トン以上の金を動員する計画も開始した。
ジャイトリー財務相は、2月29日に提出した予算案で、金やダイヤモンドの宝飾品に対して1%の売上税を課す方
針を発表した。同国では20%の金持ちが約80%の金を購入しており、税の負担感が依然として低いためと説明した。
政府は12年も売上税を導入したが、宝飾品業者がストを決行したため、廃止に追い込まれた。
●ロシアは9カ月連続増加=IMF金準備高統計
国際通貨基金(IMF)が2016年2月23日発表したデータによると、ロシアは金保有高を1月に21.77ト
ン増やし1436.8トンと、11カ月連続の増加。
160 0
140 0
ロシア中央銀行
ロシア 中央銀行の
中央銀行 の 金保有高の
金保有高 の 推移
120 0
100 0
80 0
60 0
単位:
単位 : トン
40 0
2011 年 9 月
2012 年 10 月
2013 年 11 月
2014 年 12 月
2016 年 1 月
YâàâÜxá EG
11 |
●投資需要
▽NY金
NY金ETF=
ETF=2月の増加量、
増加量、10年
10年5月以来の
月以来の高水準
ニューヨーク証券取引所に上場されている世界最大規模の金ETF「SPDRゴールド・シェア」現物保有量は、2
016年2月が1月末比108.04トン増加の777.27トンと、月間の増加量としては2010年5月(108.
93トン増加)以来、5年9カ月ぶりの高水準。
2月1日発表された1月の米ISM非製造業景況感指数が市場予想を大幅に下回り2014年2月以来の低水準と
なったのを受け、米国経済の先行きに不安が強まったことでリスク回避の動きが活発化。さらに、ニューヨーク連銀の
ダドリー総裁が米国の追加利上げに慎重な見方を示したことで、米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げペース
が鈍化するとの見方が強まり、外国為替市場でドル安が進行したことから投資資金が流入し、2月1日から8日まで6
営業日連続増加。
9日に前日比1.49トン減少と1カ月ぶりの減少。しかし、世界経済の先行き不安や原油安に加え、欧州の銀行株
安に伴う金融システムへの懸念により、投資家がリスク回避の動きを強めていることで、株式市場から流出した資金が
安全資産とされる金に流入。さらに、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が10日、米下院での議会証言で
3月の追加利上げに慎重な姿勢を示したのを受け、早期の米利上げ観測が後退したことなどで、外国為替市場でドル安
が進行したことも買い材料となり、11日には前日比13.98トン増加し約9カ月ぶりの高水準となった。
12日に前日比5.06トン減少した後、横ばい状況が続いたが、18日には前日比2.68トン増加と1週間ぶり
の増加。さらに、19日と22日の増加量が前日比19.33トンと、1日の増加量としては2011年8月8日(2
3.62トン)以来の大きさを記録し、その後も増加傾向を継続したことで、2月29日現在では約1年5カ月ぶりの
高水準を記録。
3月に入っても、安全資産としての金の魅力は衰えず、継続増加傾向を継続。3月3日には793.33トンと、2
014年9月1日(795トン)以来、1年6カ月ぶりの高水準を記録。また、7日現在は793.12トンと201
5年12月末に比べ149.56トン増加し、2015年の減少分114.81トンを上回っている。
NY金
NY 金 ETF月間増減
ETF 月間増減の
月間増減 の 推移
200
単位:
単位 : トン
150
1 6 年 2 月 , 108 . 04
10 年 5 月 , 108 . 93
100
50
0
-50
-100
-150
09年
09 年 2 月
10年
10 年 2 月
11年
11 年 2 月
12年
12 年 2 月
13年
13 年 2 月
14年
14 年 2 月
15年
15 年 2 月
16年
16 年 2 月
YâàâÜxá EG
12 |
▽CFTC=
CFTC=ファンド筋
ファンド筋の買い越しポジション、
ポジション、4カ月ぶりの高水準
ぶりの高水準
米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したNY金の建玉報告によると、ファンド筋のポジションは1月末に比べ
買い玉が増える一方、売り玉が減少したことで、買い越しポジションは3月1日現在で15万2413枚(474トン)
と、2015年10月27日(490トン)以来、4カ月ぶりの高水準を記録。
800
600
NYの
NYの金ETF現物保有量
ETF現物保有量の
現物保有量の推移
NY金買
NY金買い
金買い越し残高
780
単位:
単位:トン
500
760
740
400
720
300
700
680
200
660
100
640
単位:
単位:トン
620
15/12/01
0
16/01/04
16/02/04
16/03/07
15/11/03
15/12/15
16/01/26
16/03/01
◆外部要因
●イエレンFRB議長、3月利上げは見送りも=海外リスク警戒
米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は2月10日、下院金融サービス委員会の公聴会で半期金融政策報
告に関して証言した。
「緩やかな政策調整によって、経済は拡大を続ける」と述べ、追加利上げを徐々に進める方針を
維持しながらも、海外の景気減速や金融市場の変動に強い警戒感を示し、状況に応じて「適切に調整する」と強調。次
回3月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げについて、情勢次第では見送る考えを示唆した。
FRBは昨年12月、事実上のゼロ金利を解除し、9年半ぶりに利上げに踏み切った。その際、今年は4回の追加利
上げを行う可能性が示されたが、市場では、年内は1回もできないとの観測が浮上している。
イエレン議長は証言で「海外情勢が米成長へのリスクになっている」と指摘。
「リスクが現実になれば、輸出はさら
に低迷し、金融環境は一段とひっ迫する恐れがある」と述べた。
特に中国について「人民元相場の下落で為替政策や景気見通しへの不確実性が増し、市場の混乱が拡大している」と
分析。原油価格低迷で新興国の経済情勢も悪化しているとして、推移を緊密に監視すると強調した。ただ、
「世界経済
は各国の金融緩和策の支えで、いずれ加速する」との期待も表した。
米経済については、雇用は回復しており、インフレ率も原油価格の安定などで中期的には2%の目標に達するとの見
通しを維持した。一方で、最近の株価下落やドル高が続けば「景気見通しや雇用への重しとなる」との懸念を示した。
インフレの長期見通しに関しては、低水準にあると認めながらも、
「全般的にはおおむね安定している」と述べた。
また、保有する米国債の再投資なども継続する方針を改めて示した。
YâàâÜxá EG
13 |
●米、追加利上げに慎重=先行き不透明感増す―FOMC議事要旨
米連邦準備制度理事会(FRB)は2月17日、追加利上げを見送った1月26、27両日の連邦公開市場委員会(F
OMC)の議事要旨を公開した。委員の多くは、年明け以降の世界的な株安や原油安などによって「先行き不透明感が
増した」と警戒。複数の委員は今後の利上げについて、米経済の底堅さや物価上昇が確認できるまで待つのが「賢明」
と強調していた。
FRBは3月15、16両日に次回会合を開催するが、金融や国際情勢への懸念が払拭(ふっしょく)されない限り、
追加利上げは厳しいといえそうだ。
議事要旨によると、委員の多くは景気見通しが大幅に悪化したか判断するのは時期尚早と述べる一方で、インフレ率
の2%目標達成は従来予想より遅れると指摘した。また、金融情勢のひっ迫が持続すれば、米景気への「下向きリスク
が拡大する」として、情勢を緊密に監視する必要があるとの見解で一致していた。
ただ、一部の委員は下向きリスクは既に拡大していると強調。中国や新興国の景気減速が予想以上なら米経済への悪
影響が強まると懸念していた。
FRBは昨年12月、9年半ぶりの利上げに踏み切った。今後、緩やかに追加利上げを進めるとしているが、市場で
は年内利上げは困難との見方が広がっている。
議事要旨ではこのほか、一部の委員が米経済へのリスクバランスは既に崩れたと発言。数人はインフレ期待の低下に
懸念を示し、政策正常化には「物価上昇の直接的証拠」が重要な要素になると述べていた。
一方、委員の大半は、インフレ率は中期的には目標に向かうとの見通しは維持した。昨年10-12月期に減速した
成長率も今年1~3月期は加速すると予想した。
●不安解消には力不足=上海G20
中国・上海で2月26-27日に開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、混乱する市場の
安定に向け財政を含めた政策を総動員する方針を打ち出した。G20が結束して減速感を強める世界経済の成長回帰に
取り組む決意を示した格好だが、新興国からの資本流出対策など具体策を今後の検討に委ねたものが多い。市場の不安
を解消するには力不足の感が否めない。
G20は、資本流出への監視を強化し、対策の検討を作業部会で進めることを決めた。米国が長年続けた異例の金融
政策で、世界中に余剰資金が膨れ上がったことが問題の元凶だとする新興国側の強い不満が反映された。
ただ、流出を規制すれば、新興国への投資も細る副作用が予想されるため、検討は簡単ではない。実効性のある対策
で意見集約を図る作業は困難が予想される。
また、金融政策に手詰まり感が出る中、米国は財政余力のあるドイツ、中国に加え、日本などに財政政策の活用を要
請。議長国の中国は財政出動に前向きな姿勢を表明したが、ドイツや日本は国内事情を抱え、具体的な景気対策に慎重
姿勢を崩さなかった。声明には、景気刺激のために機動的に財政を運営する方針が掲げられてはいるが、各国の足並み
がそろったとは言えない。
●金融政策に手詰まり感=マイナス金利導入も日銀に課題多く―G20
中国・上海で開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の声明は、
「金融政策のみでは均衡ある
成長につながらない」と指摘した。G20が財政を含む政策の総動員を打ち出したのも、金融政策の手詰まりを反映し
ている。欧州に続き異例のマイナス金利政策を導入した日銀だが、課題は多い。
年明け以降、円高・株安など金融市場の不安定な動きが続き、世界経済は減速懸念が拭えない。ショイブレ独財務相
はG20を前に、
「金融政策の余地は使い果たされた」と緩和策の限界を強調し、構造改革の必要性を訴えた。
黒田東彦日銀総裁は「追加緩和の手段に限りはない」と強気の構えを崩していないが、マイナス金利拡大に向けたハ
ードルは高い。
円安が進めば輸出企業の収益増加が期待できるが、G20声明は通貨安競争の回避を再確認した。日銀が追加緩和に
踏み切れば、海外から批判が高まる恐れがある。 さらに、住宅ローンや貸出金利の引き下げ余地は小さく、経済や物
価の押し上げ効果は限られる。銀行収益悪化などの副作用もある。
YâàâÜxá EG
14 |
●1月のECB議事要旨=3月の追加緩和に前向き
欧州中央銀行(ECB)は2月18日、1月21日に行われた定例理事会の議事要旨を公開した。同日の理事会では
金融政策の現状維持を決定する一方、年初からの株安や原油安といった市場の混乱を背景に、3月の次回理事会での追
加緩和の可能性が示唆されたが、議事要旨で明らかになった当時の議論の内容からは、ECBが追加緩和に前向きな姿
勢であることが改めて確認された。
議事要旨によると、ユーロ圏経済について、年初からダウンサイドリスクが再び強まっているとの現状認識を確認す
るとともに、
「リスクの高まりを考慮すると、リスクの完全な具現化を待つより、先手を打って行動する方が望ましい」
と、追加緩和に前向きな議論が交わされた。
一方、市場の過度な追加緩和期待でユーロ相場が荒れるなどした昨年12月の理事会の反省を踏まえ、ECBの金融
政策が「予測可能ではありつつも、事前の約束と受け止められたり、市場の過剰な期待に応えたりするようなものであ
ってはならない」との見解も示された。
●ドラギECB総裁=3月理事会でリスク拡大の考慮必要
ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は3月1日、ユーロ圏の成長、インフレ見通しは弱まっており、ECBは3月の
理事会で経済見通しの悪化を考慮する必要があるとの認識を示した。1日付の欧州議会宛ての書簡で述べた。
総裁は「新興市場国の経済成長見通しをめぐる不透明性の高まりや金融・商品(コモディティ)市場の変動、地政学
リスクに伴い、
(3月の政策)見直しにおいて、当初見通しへの下方リスク拡大という背景に目を向けなければならな
い」と指摘。
「こうした環境の下、ユーロ圏のインフレ動向は引き続き想定よりも弱まっている」と述べた。
ユーロ圏の景況感、購買担当者景気指数(PMI)関連統計はこのところ下振れが鮮明だ。またコアインフレ率も鈍
化しており、原油安が他の財・サービスに波及する二次的影響の兆候が出ている。
総裁はこうした状況を踏まえ、3月の理事会では、インフレ鈍化による潜在的な二次的影響に関して一段と深い分析
を行うと表明。必要なら行動することをためらわないとした。
その上で、
「正当化された場合、理事会はさまざまな政策手段を有しており、インフレ率を中期的に2%弱とする目
標の達成に向け、われわれが責務の範囲内においてどこまで金融政策手段を講じる用意があるかに制限はない」と述べ
た。
市場では、ECBが3月の理事会で中銀預金金利をさらに10ベーシスポイント(bp)引き下げマイナス0.4%
とすると予想されている。だがその他の緩和措置については見方が分かれており、現在月額600億ユーロとなってい
る資産買い入れ枠の拡大や、預金金利に複数の階層を設ける案などが取り沙汰されている。
●中国、預金準備率0.5%引き下げ=景気下支えで4カ月ぶり追加緩和
中国人民銀行(中央銀行)は2月29日、金融機関から預金を強制的に預かる比率「預金準備率」を3月1日に0.
5%引き下げると発表した。景気下支えのため、昨年10月下旬以来、約4カ月ぶりに追加金融緩和に踏み切った。
人民銀は、追加緩和により人民元安に弾みがつく事態を警戒し、準備率の引き下げなど本格緩和を控えてきた。2月
26、27両日に上海で開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で為替相場の安定維持が確認さ
れ、元急落は避けられると判断したとみられる。
預金準備率の引き下げは、金融機関の貸し出し余力を高める効果がある。大手行の準備率は標準で17.0%になる。
2015年の中国の経済成長率は6.9%と、25年ぶりの低い伸びにとどまった。16年は一層の減速が見込まれ
ており、3月5日開幕する全国人民代表大会(全人代=国会)で、15年に7.0%とした成長率目標が引き下げられ
るかどうかが注目されている。
中国は高度成長から持続可能な安定成長に移行するため、過剰生産設備を解消する必要に迫られている。工場閉鎖に
よる失業者増加は避けられず、金融緩和に加えて公共投資拡大、減税など景気下支えに万全を期す構えだ。
景気減速を背景に国外への資本流出が続き、中国経済をめぐる不安定要因は多い。そのため、金融緩和が継続すると
の見方が根強い。
YâàâÜxá EG
15 |
●G20合意が背中押す=中国の追加緩和
中国の4カ月ぶりの金融緩和は、上海で開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議での為替安定
合意が背中を押した。米国の利上げペースが想定より遅れ、中国からの資本流出圧力は強まらないとの判断も加わり、
人民元急落が回避できるとの自信が背景にある。
G20の共同声明には「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済および金融の安定に対して悪影響を与え得
る」との文言が約2年半ぶりに盛り込まれ、為替の安定維持が強調された。
また、中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は上海で、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長と個別に会
談。米国の利上げ見通しについて意見交換しており、利上げペースは想定より遅くなるとの感触をじかに得た可能性が
高い。
G20後の29日、予想に反し上海株式市場で株価が下落したことも、追加緩和に踏み切った理由の一つとみられる。
エコノミストは「何か手を打たなければとの思いが働いたはず」と話した。
中国の景気減速は出口の見えない状況が続く。株価は一向に落ち着かず、世界同時株安の火種を抱えたまま。今回の
G20では「中国元凶論」を何とかはねつけたが、今後も9月の首脳会議に向けて関連会合が続く。中国当局は金融緩
和と財政出動を繰り返して困難克服を試みる見通しだ。
●中国・上海株式市場=3000の節目が壁に
中国・上海総合指数は、中国国家統計局が2月1日に発表した1月の中国製造業PMIが2012年8月以来の低水
準と事前予想以上に悪化したのを受け、同日に2650台まで下落。その後は資源やエネルギー株主導で2790台ま
で反発。
春節(旧正月明け)明け15日は下落したが、中国の李克強首相が、中国経済が一段と減速すれば、追加の景気刺激
策を打ち出す可能性を示唆したのに加え、原油高や人民元の落ち着きなどが買い材料となり反発、17日は終値で3週
間ぶりの高値を付けた。さらに、中国政府が20日に中国証券監督管理委員会トップの肖鋼主席を更迭すると発表した
ことも買い材料となり、22日には1カ月ぶりの高値となる2933.9640まで急伸。
しかし、株価回復を受けた利益確定売りに加え、26-27日に開催された20カ国・地域(G20)財務相・中央
銀行総裁会議で具体的な対策が打ち出されなかったことによる失望売りや、中国からの資金流出懸念により、29日に
は1カ月ぶりの安値となる2638.9630まで急反落した。
3月は、中国人民銀行による預金準備率引き下げや不動産市場に回復の兆しが見えることが好感され、金融株・不動
産株・資源株などが買われ、2日の上昇率は前日比4.26%高の4カ月ぶりの大きさ。2月29日から3月4日の週
の上昇率は3.9%高と2カ月超ぶりの大きさとなった。さらに、7日には5日から開催されている中国・全人代での
当局者発言が好感され1日から5営業日続伸し、一時は約3週間ぶりの高値となる2911台まで上昇した。
YâàâÜxá EG
16 |
●2月の米雇用統計=雇用改善に勢いが戻る
米労働省が3月4日発表した2月の雇用統計によると、景気動向を反映する非農業部門就業者数は季節調整済みで前
月比24万2000人の増加と、市場予想の19万人増加、前月の17万2000人増加(改定値)から伸びが加速し
た。海外の景気減速などの逆風を受けながらも、雇用が堅調に回復していることが示された。失業率は4.9%と市場
予想・前月と同水準だった。
2月の民間部門の就業者数は23万人増加(前月18万2000人増加=同)
。このうち物品生産部門は1万500
0人減少(同2万9000人増加=同)と昨年9月以来5カ月ぶりのマイナス。内訳は鉱業・林業が1万8000人減
少(同9000人減少)とマイナスが続き、建設業は1万9000人増加(同1万5000人増加=同)
、製造業は1
万6000人減少(同2万3000人増加=同)と5カ月ぶりのマイナスとなった。一方、小売りや医療保険関連など
サービス部門は24万5000人増加(同15万3000人増加=同)と大きく伸びた。政府部門は1万2000人増
加(同1万人減少=同)と2カ月ぶりのプラスに転じた。
平均時給は25.35ドルと前月比0.1%減少し、市場予想の0.2%増加、前月の0.5%増加を下回った。前
年同月比では2.2%増加と前月の2.5%増加から伸びが鈍化した。週平均労働時間は34.4時間と0.2時間減
少。
働く意欲のある人の多さを示す労働参加率は62.9%と前月から0.2ポイント上昇。半年以上の長期失業者は増
加し、フルタイム勤務を望みながらパートしか職が見つからない人は増減なしだった。
2月の非農業部門就業者の増加幅が市場予想を上回ったうえ、1月が当初発表の15万1000人増加から17万2
000人増加、昨年12月が同26万2000人増加から27万1000人増加にそれぞれ上方修正されたのを受け、
市場では米連邦準備制度理事会(FRB)による年内の追加利上げ観測が強まりそうだ。ただ今回、物価上昇につなが
るとされる賃金は減少したほか、FRB高官らは金融市場の混乱などによる影響に懸念を示しており、3月15-16
日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、利上げが見送られるとの見方が多い。
○11月
11月の米利上げ
米利上げ観測が
観測が浮上=
浮上=2月の米雇用統計受け
米雇用統計受け上昇
2月の米雇用統計が雇用の拡大が示されたのを受け、米短期金利先物市場は11月の米利上げ観測が強まった。
先物が織り込む今年11月の利上げ確率は、統計発表前の約45%から53%に上昇。2月の米雇用統計発表前では
米連邦準備制度理事会(FRB)が年内は利上げを見送るのではとの観測が流れていた。ただ、3月米FOMCで利上
げが実施される公算は低いとの見方には変わりはない。
米雇用統計の
米雇用統計 の 推移
6 0 0,0 00
1 1 .0 %
4 0 0,0 00
1 0 .0 %
2 0 0,0 00
9 .0%
0
8 .0%
-2 0 0,0 00
7 .0%
-4 0 0,0 00
6 .0%
-6 0 0,0 00
-8 0 0,0 00
非農業部門雇用者数・
非農業部門雇用者数 ・ 増減
失業率
5 .0%
- 1 ,0 0 0,0 00
4 .0%
0 8 年 1 月 0 9 年 3 月 1 0 年 5 月 11 年 7 月 1 2 年 9 月 13 年 11 月 1 5 年 1 月 1 6 年 2 月
YâàâÜxá EG
17 |
◆白金相場概況(2月)
●NY白金=上伸後、値固めを試す展開
2月のNY白金は上伸。1日は、中国の製造業関連指標が低調だったほか、原油先物相場が大幅反落したことで、世
界的な景気後退懸念が強まると共に、白金相場は軟化した。また、米サプライ管理協会(ISM)の1月の製造業景況
指数や2015年12月の米個人消費支出も全体的に弱い数字になったことも弱材料視され、3日には安値852ドル
をつける動きとなった。その後は、4日に米労働省が発表した2015年10~12月期の労働生産性(速報値)が前
期比3.0%低下と、市場予想の1.8%を大きく下回ったことや、2月の米製造業受注も前月比2.9%減となり、
市場予想よりも悪化したことで、米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げペースが鈍化するとの見方が広がり、
外国為替市場ではユーロなどの対主要通貨でドル安が進行。ドル建てNY白金は割安感からも買い拾われる展開となっ
た。
2月中旬には金相場の上伸につれ高する形で値を伸ばし、11日には3ヶ月ぶりの高値となる高値970.8ドルを
つけた後は、買い方の手じまい売りに上げ幅を削られる展開となった。ただ、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が
15日、欧州議会で、最近の金融市場の混乱やエネルギー価格安による長期的影響で低インフレが続く恐れがあるなら、
3月に追加金融緩和に踏み切る用意があると述べたことや、欧州自動車工業会(ACEA)が16日発表した1月の欧
州連合(EU)域内の新車(乗用車)販売台数は、前年同月比6.2%増の106万1150台と、2年5カ月連続で
プラスとなり、同地域の自動車販売台数の減少懸念が後退したことで下げ幅は限られ、値固めを試す展開となった。
●東京白金=上下動、為替に上値を押さえられる展開
東京白金は上下動。海外高をみた買いに上伸したが、為替の円高傾向をみた売りに上値を押さえられ、狭い範囲での
レンジ取引となった。17日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が発表され、当局が追加利上げに慎重な
姿勢を示していることが明らかとなったことや、キャメロン英首相は20日、英国が欧州連合(EU)に残留するか離
脱するかを問う国民投票を6月23日に実施すると発表したことで、安全資産としての円買い圧力が強まった。
YâàâÜxá EG
18 |
◆白金相場展望
●NY白金=1000ドル台を回復、4ヶ月ぶりの高値圏に
NY白金は上伸し、3月7日には高値1011.1ドルを記録。2015年10月30日以来、約4ヶ月ぶりに10
00ドル台を回復する展開となった。米労働省が3月4日に発表した2月の雇用統計では、非農業部門の就業者数の伸
びが市場予想を大きく上回った。これを受け景気悪化への過度な懸念が後退したことや、順張り志向の強い中国の実需
筋が出遅れ感のある白金を積極的に買っていることなどを背景に値を伸ばす展開となった。
2016年2月8日から11日にかけて南アフリカ共和国のケープタウンで実施されたアフリカ鉱山投資会議では、
自動車の排ガス除去装置の触媒用需要について、欧州の排ガス規制の強化に伴う使用量の増加が見込まれているほか、
電気自動車の蓄電池に使用される白金の需要は、今後5-10年間は堅調であるとの見方が示され、業界関係者の間で
中・長期的な需要増加見通しが強まっている。また、中国経済の減速により白金の個人消費が冷え込んでいる事実はあ
るものの、同国におけるブライダルジュエリーの5割を白金が占めることから、需要増の余地があると考えられている。
白金業界団体ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)が3月2日に発表した需給報告に
よると、2015年の白金需給バランスは、白金の鉱山生産高は回復したものの、自動車産業用需要の増加やリサイク
ル回収量減少などを要因に11.82トンの供給不足。16年度は4.20トンの供給不足予想が予想されている。
長引く白金価格の低迷を受けて、鉱山会社がリストラを進めるなかで、南アフリカの国家エネルギー規制機関(NE
RSA)は3月1日、国営電力会社エスコムに対し、2016-17年度に関しては9.4%の電気料金引き上げを承
認すると発表。白金は精錬に大量の電力を必要とするため、電気料金の引き上げは、生産コストを押し上げるため、鉱
山生産高の縮小が懸念されていることも白金価格の支援材料になると考えられる。
英資源大手アングロ・アメリカンは経営立て直しのため、資産売却を加速。ダイヤモンド、白金族、銅の3事業に集
約する方針を表明。世界第一の白金鉱山会社アングロ・アメリカン・プラチナム(アムプラッツ)は同社の傘下。白金
大手ロンミンも3日、白金相場下落による事業再編で、5000人以上の人員を削減したと発表した。
チャート面でもNY白金は、100日移動平均線を2月に上抜け、目先は2015年10月20日高値1024.9
0ドルを試す展開。米連邦公開市場委員会(FOMC)声明発表を16日(日本時間17日午前3時)に控えているこ
とや、独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)によるディーゼル車排ガス不正問題や世界経済成長に対する懸念が払
拭されていないため、同水準では買い方の手じまい売りなどが入ると考えられる。
また、東京白金も直近のレンジを上抜け、年初来高値を更新。為替の円高に上値を押さえられているものの、需給環
境は強く、チャート面では昨年10月26日高値3964円を視野に上値を試す展開が見込まれる。
YâàâÜxá EG
19 |
◆白金需給動向
●2016年の白金需給は5年連続で供給不足見通し―WPIC
白金業界団体ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)が3月2日に発表した需給報告に
よると、2015年第4四半期(10月~12月)の需給バランスは約2.33トンの供給過剰。2015年の白金需
給バランスは、白金の鉱山生産高は回復したものの、自動車産業用需要の増加やリサイクル回収量減少などを要因に1
1.82トンの供給不足。16年度は4.20トンの供給不足予想が示され、白金の需給バランスは5年連続で供給不
足となる見込みとなった。
独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)によるディーゼル車排ガス不正問題の影響は限られ、西欧諸国の自動車販
売台数の増加により、白金の自動車産業需要は増加。15年通年で前年度比約5%増の107.46トン。また、16
年度は同2.6%増の110.26トンの見通し。欧州での環境規制が厳格化されるなかで「ユーロ6」規制が実施さ
れ、車両1台当りの白金の消費量が増加した。
白金の国際価格の減少にともない、回収可能な白金の流通量が減少。更に、鉄鋼価格の低迷により、廃自動車のリサ
イクル量が減少したことも、スクラップ触媒の流通を減少させ、15年通年のリサイクル供給は前年度比15%減の5
3.65トン。ただ、環境規制の厳格化により自動車1台当りの白金消費量が増加することで、16年のリサイクル回
収は同13.6%増60.96トンに増加するとの見通しが示された。
2016年の白金鉱山生産高は、前年度比0.5%減188.80トンの見通し。南アフリカ共和国は同1.8%減
の見通し、同国の鉱山生産高は14年のストライキの影響で減少していたが、15年にはスト前の水準に回復。しかし、
南ア鉱山での賃金交渉や、事故にともなう安全調査のための操業停止などの影響で再度減少すると見られている。16
年のリサイクル供給は同13.6%増の60.96トンの見通し。また、宝飾需要は中国の景気回復やインドの需要増
加により、1.4%増加すると見られている。
2014
供給
鉱山採掘
南アフリカ
ジンバブエ
北アメリカ
ロシア
その他
その他
鉱山採掘合計
鉱山会社在庫放出
2015
2016
Q2 2015
Q3 2015
Q4 2015
(トン)
(トン)
(トン)
増減(%)
(トン)
(トン)
(トン)
96.89
136.54
134.06
-1.8%
34.99
36.70
35.61
12.60
11.97
13.37
11.7%
2.49
3.58
2.80
12.44
12.29
12.13
-1.3%
3.11
2.80
3.42
23.02
22.24
20.99
-5.6%
5.91
5.91
4.98
6.84
4.82
5.13
6.5%
1.09
1.24
1.24
151.79
10.89
10
.89
187.87
1.87
185.69
3.11
-1.2%
66.7%
47.59
-0.16
50.23
0.62
48.05
-0.47
鉱山生産量合計
リサイクル
162.67
189.73
188.80
-0.5%
47.43
50.85
59.87
自動車
宝飾品
39.03
37.01
42.30
14.3%
9.64
9.18
12.29
24.11
16.48
18.51
12.3%
5.13
3.73
8.40
工業品
リサイクル
イクル合計
リサ
イクル
合計
0.31
0.16
0.16
0.0%
0.00
0.00
0.00
63.45
53.65
60.96
13.6%
14.77
12.91
14.62
226.12
243.38
249.76
2.6%
62.21
63.76
59.87
自動車
宝飾品
102.33
107.46
110.26
2.6%
27.37
25.82
27.06
93.31
89.58
90.82
1.4%
20.84
24.73
20.99
工業用
投資
48.37
50.08
48.83
-2.5%
12.13
12.75
12.75
4.67
8.09
4.04
-50.0%
3.11
8.55
-3.27
248.67
-22.55
83.82
249.76
-11.82
72.00
253.96
-4.20
67.81
1.7%
-64.5%
-5.8%
63.45
71.85
57.54
-1.24
-8.09
2.33
供給合計
需要
需要合計
需給バランス
需給バランス
白金地上在庫
(2014年、2015年は推計値、16年度は予想値)
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20 |
●世界の自動車販売台数
▽米国=
米国=2月としては1
としては15年ぶりの高水準
ぶりの高水準
米調査会社オートデータが3月1日発表した、2月の米新車販売台数は前年同月比6.9%増の134万4225台
と、2月としては15年ぶりの高水準。ガソリン安や低金利が追い風となったほか、1月下旬に東海岸を襲った暴風雪
の影響で販売が2月にずれ込んだとみられている。
前年実績を上回ったのは2カ月ぶり。季節要因を調整した年換算では1754万台と前年同月(1640万台)を上
回った。業界関係者によると、消費者の購買意欲が旺盛で、原油安が一部の関連業者には逆風だが、消費者の負担軽減
に一役買っているという。
また、排ガス不正問題が尾を引く独フォルクスワーゲン(VW)は同13.2%減の2万2321台と4カ月連続で
前年割れとなった。
米国の
米国 の 新車販売台数の
新車販売台数 の 推移
20 0
30%
新車販売台数(
新車販売台数 ( 単位:
単位 : 万台 )
前年同月比
15 0
20%
10 0
10%
50
0%
0
-10%
15 年 2 月
15 年 4 月
15 年 6 月
15 年 8 月
15 年 10 月
15 年 12 月
16 年 2 月
▽日本=
日本=14カ
14カ月連続の
月連続のマイナス
日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会が3月1日発表した、2月の国内新車販売台数は前
年同月比6.4%減の45万1330台と、14カ月連続で前年同月比マイナスとなった。
内訳を見ると、軽以外の乗用車は4.1%減の23万9409台で3カ月ぶりに前年同月水準を下回った。トヨタ自
動車のグループ企業の工場爆発事故を受け、同社が国内工場で生産を休止した影響が出たという。ただトヨタを除けば
微増となり、自販連は「新型車を中心に販売回復の動きもあり、悲観ばかりではない」とみている。
一方、軽自動車は9.1%減の17万6165台で14カ月連続のマイナス。昨年4月の軽自動車税増税による販売
減が続いている。
80
20%
日本の
日本 の 新車販売台数の
新車販売台数 の 推移
60
新車販売台数 ( 単位 : 万台 )
前年同月比
10%
40
0%
20
-10%
0
-20%
15 年 2 月
15 年 4 月
15年
15 年 6 月
15 年 8 月
15 年 10 月
15 年 12 月
16 年 2 月
YâàâÜxá EG
21 |
▽中国=
中国=5カ月連続の
月連続のプラス
中国自動車工業協会が2月19日発表した、1月の新車販売台数は前年同月比7.7%増の250万600台と、5
カ月連続でプラスとなった。乗用車は減税効果が継続したが、商用車は引き続き前年割れだった。
乗用車は9.3%増の約223万台。このうち都市部の若年層を中心に人気が急上昇しているスポーツ用多目的車(S
UV)は60.5%増と大きく伸びた。商用車は3.5%減少した。
中国の
中国 の 新車販売台数の
新車販売台数 の 推移
新車販売台数(
新車販売台数 ( 単位:
単位 : 万台)
万台 )
前年同月比
3 00
2 80
2 60
2 40
2 20
2 00
1 80
1 60
1 40
1 20
1 00
35 %
30 %
25 %
20 %
15 %
10 %
5%
0%
-5 %
-1 0 %
-1 5 %
15 年 1 月
15 年 3 月
15 年 5 月
15 年 7 月
15 年 9 月
15 年 11 月
16年
16 年 1 月
▽インド=
インド=7カ月連続の
月連続のプラス
インド自動車工業会が2月12日発表した、1月の国内乗用車販売台数は前年同月比0.6%増の23万2016台
と、7カ月連続のプラスとなった。日本勢4社は販売台数を減らし苦戦した。スズキ子会社でインド最大手のマルチ・
スズキも0.8%の微増にとどまった。一方、排ガス規制逃れ問題があったドイツ自動車大手フォルクスワーゲンは7.
6%増加。
業界関係筋は「インド政府の大気汚染対策をにらんで買い控えが起きている可能性がある」と指摘している。
インドの
インドの 新車販売台数の
新車販売台数 の 推移
30
40%
25
30%
20
20%
15
10%
10
0%
新車販売台数 ( 単位:
単位 : 万台)
万台 )
前年同月比
5
-10%
15 年 1 月
15 年 3 月
15 年 5 月
15 年 7 月
15 年 9 月
15 年 11 月
16 年 1 月
YâàâÜxá EG
22 |
▽EU=2
EU=2年5カ月連続の
月連続のプラス
欧州自動車工業会(ACEA)が2月16日発表した、1月の欧州連合(EU)域内の新車(乗用車)販売台数は前
年同月比6.2%増の106万1150台と、2年5カ月連続でプラスとなった。
シェアで首位の独フォルクスワーゲン(VW)は0.8%増にとどまった。シェアは1.3ポイント低い24.2%
と低下傾向が続いた。
国別ではイタリアが17.4%増、スペインが12.1%増と大きく伸びたほか、ドイツ(3.3%増)やフランス
(3.9%増)など主要市場が堅調な伸びを示した。
欧州の
欧州 の 新車販売台数の
新車販売台数 の 推移
新車販売台数(
新車販売台数 ( 単位:
単位 : 万台 )
前年同月比
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
18%
16%
14%
12%
10%
8%
6%
4%
2%
0%
15 年 1 月
15 年 3 月
15 年 5 月
15 年 7 月
15年
15 年 9 月
15 年 11 月
16 年 1 月
●南ア、鉱業セクターの人員削減加速か=相場低迷で
南アフリカの鉱山セクターでは、スイスのグレンコアや英アングロ・アメリカンは商品相場低迷への対応に追われて
おり、人員削減が加速しそうだ。
南ア政府は、世界最大の金属消費国である中国の経済成長鈍化による金属相場下落を背景に、3万2000人が失職
する可能性があると警告している。一方、業界幹部は5万人以上に達すると予想する。
南ア鉱山業界の企業は約50万人を雇用し、国内総生産(GDP)の約7%に貢献している。企業は人員を削減する
とともに、経営難の鉱山を閉鎖せざるを得ない状況だと明らかにしている。
しかし、既に労働人口の4分の1以上が失業中であり、人員削減は労働争議を引き起こす可能性がある。5月以降に
行われる見込みの地方政府の選挙で、アフリカ民族会議(ANC)への支持率が下がるかもしれない。
鉱山会議所のロジャー・バクスター所長によると、業界は2012-15年第1四半期に約4万7000人を削減し
た。
●南ア規制当局、9.4%の電気料金引き上げを承認=16-17年度に関し
南アフリカの国家エネルギー規制機関(NERSA)は3月1日、国営電力会社エスコムに対し、2016-17年
度に関しては9.4%の電気料金引き上げを承認すると発表した。値上げの実施は4月1日からとなる。
9.4%の値上げによるエスコムの増収分は112億4100万ランド(810億円)に上る。エスコムは昨年11
月、約228億ランド相当の値上げを申請した。だがNERSAは申請のほぼ半分しか認めなかった形だ。
エスコムのモレフェ最高経営責任者(CEO)は声明で、
「NERSAの決定は、エスコムの財務的な持続可能性の
問題に対処していない」と指摘。
「決定理由の詳細を検討する」と強調した。
エスコムは資金繰り難に陥り、増加する電力需要に対応できず、南アは電力不足に見舞われている。
YâàâÜxá EG
23 |
●16年度インド乗用車販売、最大12%増へ=農村部の需要がけん引
インド自動車工業会(SIAM)は2月12日、2016年度(16年4月-17年3月)の乗用車と多目的車販売
台数が最大で前年度比12%増と、15年度予想(同8%増)を上回るとの見通しを示した。
マトゥールSIAM事務局長は記者団に、干ばつによる農作物生産の落ち込みにより打撃を受けた農村部で消費が持
ち直すと予想され、自動車販売を後押しするだろうと語った。
モディ政権は、過去2年間に農家が被った損失を軽減するため、16-17年度予算で福祉支出の拡大を迫られてい
る。これは農村部の消費を増やし、耐久消費財や自動車の需要を膨らませる要因になりそうだ。
マトゥール事務局長は「全ての政策は(経済に)波及効果を及ぼす。農村部人口の所得水準が向上する」と指摘。今
年は降雨に恵まれることから農村部の経済を活気づけるだろうとも語った。
●インド=新車販売に環境税導入、最大 4%
インド政府は2月29日発表した2016-17年度予算案で、重度の大気汚染と交通渋滞の軽減を図るため、新車
販売に最大4%の環境税を課す制度を導入した。
新制度では、全長4メートル未満かつエンジンが1200cc以下の、ガソリン車、液化石油ガス車、圧縮天然ガス
車に対する税率が1%。全長4メートル以下でエンジンが1500cc未満のディーゼル車の税率は2.5%、これよ
り大きいディーゼル車には4%の税率が課される。
新たな課税による税収は300億ルピー(4億3900万ドル)と試算されている。一方、自動車メーカーは新たな
課税によって販売が伸び悩む可能性を懸念している。
●投資需要
▽南アフリカの
アフリカの白金ETF
白金ETF
南アフリカのアブサ・キャピタルの白金上場投資信託(ETF)
、ニュー・ゴールド・プラチナム(ニュープラット)
の現物保有高は、3月7日現在で1月末比1.58トン減少の26.94トンと、2013年12月3日(26.81
トン)以来、2年3カ月ぶりの低水準。
単位:
単位 : トン
南 ア 白金ETF
白金 ETF現物保有量
ETF 現物保有量と
現物保有量 と NY白金価格
NY 白金価格の
白金価格 の 推移
単位:
単位 : ドル
40
1050
南 ア 白金ETF
白金 ETF
NY白金価格
NY 白金価格
35
1000
30
950
25
900
20
850
15
800
15/11/02
15/11/20
15/12/10
16/01/04
16/01/22
16/02/11
16/03/07
YâàâÜxá EG
24 |
▽NYの
NYの白金ETF
白金ETF
ニューヨーク証券取引所(NYSE)で上場されている、英国のETFキュリティーズの子会社が運営する白金ET
F「ETFフィジカル・プラチナム・シェアーズ」の現物保有量は、3月7日現在で1月末比0.58トン増加の14.
68トン。
▽米CFTC
米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したNY白金の建玉報告によると、ファンド筋の買い越しポジションは2
月23日現在で3万3507枚(52トン)と、2015年11月3日(3万2563枚、55トン)以来、2カ月半
ぶりの高水準を記録。
15
60
NY白金買
NY白金買い
白金買い越し残高
50
14
NY白金
NY白金ETF
白金ETFの
ETFの現物保有量推移
13
40
30
20
12
10
単位:
単位:トン
単位:
単位:トン
11
15/12/01
0
16/01/04
16/02/04
16/03/07
15/11/03
15/12/15
16/01/26
16/03/01
◆外部要因
●中国
▽1月の中国輸出、
中国輸出、11.
11.2%減=輸入は
輸入は18.
18.8%減―景気減速、
景気減速、一段と
一段と
中国税関総署が2月15日発表した1月の貿易統計によると、輸出は前年同月比11.2%減の1775億ドル(約
20兆円)
、輸入は18.8%減の1142億ドルと、いずれも2桁の大幅な落ち込みとなった。景気減速が一段と深
刻化し、世界経済に悪影響が及ぶ恐れがある。
中国経済を支えてきた輸出は7カ月連続の前年割れ。欧州連合(EU)向けが11.9%減、東南アジア諸国連合(A
SEAN)が17.9%減となったほか、昨年通年でプラスを確保していた米国は9.7%減。日本向けは5.3%減
だった。
輸入も落ち込みが止まらない。輸出不振で原材料輸入が減っていることに加え、長引く内需低迷を背景に、中国が世
界からモノを買う力が衰えているとみられる。
1月は、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は633億ドルの黒字だった。
YâàâÜxá EG
25 |
▽2月の中国製造業PMI、
中国製造業PMI、49
PMI、49.
49.0=4年ぶり低水準
ぶり低水準―
低水準―国家統計局
中国国家統計局が3月1日発表した2月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は49.0と前月から0.4ポイン
ト悪化し、2011年11月以来4年3カ月ぶりの低い水準となった。景気判断の分かれ目の50を下回ったのは7カ
月連続。中国当局は追加金融緩和に踏み切ったばかりだが、今後、公共投資拡大や減税も急ぐ見通しだ。
統計局とともに集計に携わった中国物流購買連合会は「経済成長に下振れ圧力が依然あることが示された」と説明し
た。PMIを構成する指数のうち、受注指数は0.9ポイント低下の48.6と、2カ月続けて50を下回った。
景気減速で需要が減退していることに加え、今年は、習近平国家主席の号令で、政府が本格的な過剰生産設備の解消
に乗り出す。鉄鋼など重厚長大型産業では、短期的な業績回復は期待できず、失業者増加による社会不安も懸念されて
いる。
製造業だけでなく、雇用の受け皿と政府が期待するサービス業にも、景気減速の影響が及び始めた。2月の非製造業
PMIは52.7と、依然50を上回りながらも、2カ月連続で悪化した。
中国PMI
中国 PMIの
PMI の 推移
52 .0
51 .0
50 .0
49 .0
50が
50 が 製造業の
製造業 の 拡大・
拡大 ・ 縮小の
縮小 の 分岐点
48 .0
1 3 年1 月
1 3 年7 月
1 4 年1 月
1 4 年7 月
1 5 年1 月
1 5 年7 月
1 6 年1 月
▽2月の財新・
財新・マークイット中国製造業
マークイット中国製造業PMI、
中国製造業PMI、48
PMI、48.
48.0=予想下回る
予想下回る
英調査会社マークイットと中国メディア「財新」が3月1日発表した2月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は
48.0と、市場予想の48.3を下回った。1月の48.4から低下し、5カ月ぶりの低水準となった。景気判断の
分かれ目の50を12カ月連続で下回った。
詳細の項目では、雇用指数が46.0と、前月の47.0から低下し、2009年1月以来の低水準となった。人員
削減が7年ぶりの急速なペースで進んでいることが示唆された。人員削減に取り組む企業では事業規模の縮小やコスト
削減を行っており、退職者の補充をしないケースが増えているという。
今回の数字は、政府が、急激な失業者増をもたらさずに過剰生産能力の削減を進められるか、懐疑的な見方を強める
内容だ。
▽中国の
中国の16年成長率
16年成長率、
年成長率、株取引減少なら
株取引減少なら下押
なら下押し
下押し=FRBエコノミスト
=FRBエコノミスト
米連邦準備理事会(FRB)のエコノミストは、中国の株式取引量がさらに通常の水準に向かって減少すれば、20
16年の同国成長率を0.5%ポイント以上押し下げる可能性があるとの論文を公表した。
今回の分析は、中国の経済指標が実態を正確に反映していないかもしれないとの懸念を踏まえ、独立の立場から検証
することを目的に行われた。
執筆したカンザスシティー地区連銀のエコノミスト、ジュン・ニエ氏は中国の成長率を測る代替モデルを構築。それ
によると、中国成長率は過去10年の公式データに緊密に連動しており、中国当局は統計を操作していないとの見方を
裏付ける結果となった。
また、同氏の分析によると、昨年の中国国内総生産(GDP)は金融市場の取引量増加により押し上げられた可能性
がある。そのため証券会社の手数料収入増加などを通じた金融セクターの押し上げ効果が、2000-15年の平均水
準に戻れば、
「16年の金融セクターによるGDPへの寄与度は、前年を0.6%ポイント下回る可能性がある」との
見方を示した。
YâàâÜxá EG
26 |
▽ムーディーズ=
ムーディーズ=中国の
中国の格付け
格付け見通しを
見通しを「
しを「安定的」
安定的」から「
から「ネガティブ」
ネガティブ」に引き下げ
有力格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは3月1日、中国の信用格付けの見通しを「安定的」から
格下げの可能性がある「ネガティブ(弱含み)
」に引き下げた。政府債務の増加、資本流出による外貨準備高の減少に
加え、経済改革をめぐる不透明さを理由に挙げた。格付けは「Aa3」に据え置いた。
ムーディーズは、政府債務は今後一段と増加すると予想。また、
「信頼性がある効率的な改革がなければ、国内総生
産(GDP)の伸びはさらに顕著に鈍化するだろう」と指摘し、
「
(その場合)政府債務はわれわれの現在の予想より急
激に増加する」と警告した。
●米国
▽15年
15年10-
10-12月期
12月期の
月期の米GDP=
GDP=1.0%増に上方修正
米商務省が2月26日発表した2015年10月-12月期の実質GDP(国内総生産)改定値は、季節調整済み年
率換算で前期比1.0%の増加となった。在庫投資が上方修正される一方で輸入は下方修正され、全体で速報値の0.
7%増から上向きに修正された。市場予想は0.4%増で、これも上回った。
景気の減速が当初ほどの落ち込みではなかったことが示された。連邦準備制度理事会(FRB)は、3月の連邦公開
市場委員会(FOMC)で国内外の景気動向を踏まえて追加利上げの是非を判断するが、金融市場の混乱や海外の景気
減速への懸念は払拭されておらず、市場では金利は据え置かれるとの見方が大勢だ。
GDPの7割を占める個人消費は2.0%(速報値2.2%増)に下方修正。このうち自動車などの耐久財は3.4%
増(同4.3%増)
、ガソリンや衣料など非耐久財が1.2%増(同1.5%増)にそれぞれ下方修正され、前期から
落ち込んだ。サービスは2.1%増(同2.0%増)だった。
在庫積み増し幅は速報値の686億ドルから817億ドルに上方修正された。
住宅投資は8.0%増(同8.1%増)
。設備投資は1.9%減(同1.8%減)とマイナス幅を拡大した。
ドル高などで低迷する輸出は2.7%減(同2.5%減)に下方修正。輸入はモノの部門が下方修正され、0.6%
減(同1.1%増)と14年7月-9月期(0.8%減)以来5期ぶりのマイナス。輸出から輸入を差し引いた純輸出
マイナス幅は速報値の5665億ドルから5568億ドルに縮小した。
インフレ関連指標では、個人消費支出(PCE)物価指数が0.4%上昇(同0.1%上昇)
。エネルギーと食料品
を除いたコアは1.3%上昇(同1.2%上昇)といずれも上方修正された。GDPデフレーターは1.0%上昇(同
0.8%上昇)した。
米国内総生産(GDP)
米国内総生産 (GDP) の 推移
6%
4%
2%
0%
- 2%
- 4%
- 6%
- 8%
- 1 0%
08Q1
09Q1
10Q1
11Q1
12Q1
13Q1
14Q1
15Q1
15Q4
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27 |
▽米FRB景況報告
FRB景況報告:
景況報告:大半地区で
大半地区で経済拡大=
経済拡大=原油安や
原油安やドル高
ドル高、金融市場混乱
金融市場混乱の
混乱の悪影響も
悪影響も
米連邦準備制度理事会(FRB)が3月2日発表した12地区連銀景況報告(ベージュブック)によると、米経済は
1月中旬から2月下旬にかけて、大半の地区で拡大した。消費や雇用は改善が続いた。ただ、原油安やドル高、世界経
済の減速懸念に加え、金融市場の混乱が製造業や輸出、消費に悪影響を及ぼしていることも確認された。
地区別では、リッチモンドなど2地区は「緩やか」に、クリーブランドなど4地区は「緩慢」に、フィラデルフィア
は「わずか」に経済活動が拡大。セントルイスは「まちまち」
、ボストンは小売業や製造業の販売は伸びたものの内容
にばらつきがあった。ニューヨークなど2地区は「横ばい」
、カンザスシティーは「小幅に減速」した。一方、企業関
係者らは経済成長見通しについてはおおむね楽観的だった。
消費支出は半数以上の地区で増加したが、カンザスシティーとダラスは幾分減少した。自動車販売は高水準を維持し
たものの、地区ごとにばらつきがあった。
非金融サービス部門はわずかに伸びた。運輸部門はエネルギー、農業部門の弱さや輸出不振の影響でまちまちの内容
だった。
製造業は全般的に横ばいだったが、地区ごとに大きなばらつきがあった。大半地区では、エネルギー部門からの需要
の少なさが大きな逆風となった。ただ、サンフランシスコは原油安が鉄鋼生産のコストを押し下げた。多くの地区では、
ドル高や世界経済の減速見通しが輸出に悪影響を及ぼした。
住宅不動産販売は大半地区で伸び、住宅建設も堅調に拡大した。銀行・金融部門では、ローン需要がわずかないし小
幅に増加した。
農業は商品価格の低下や世界経済の減速で所得に下げ圧力がかかり、活動は横ばいか緩やかに低下した。エネルギー
部門の活動は一段と縮小した。 労働市場は改善が持続。過半数の地区は小幅に拡大した。一部地区では、幅広い職種
で人材難が確認された。賃金の伸びは横ばいから大幅まで差があった。大半地区では物価は安定的だった。
●ユーロ圏
▽15年
15年10月
10月-12月期
12月期の
月期のユーロ圏
ユーロ圏GDP=
GDP=0.3%増
欧州連合(EU)統計局が2月12日発表した、2015年10月-12月期のユーロ圏実質GDP(域内総生産)
は季節調整済みで前期比0.3%増となった。原油安や欧州中央銀行(ECB)の量的緩和を背景に緩やかな回復傾向
が続いた。伸び率は前期から横ばいだった。
ユーロ圏最大の経済国ドイツは、輸出が低迷したものの内需が堅調で0.3%増。11月にパリが同時テロに見舞わ
れたフランスは個人消費が冷え込み、0.2%増に減速した。
EUからの金融支援を受けているギリシャは0.6%減。フィンランドも0.1%減と、それぞれ景気後退の目安と
なる2四半期連続でのマイナス成長となった。EU全体のGDPは0.3%増と前期の0.4%増から小幅減速した。
EU欧州委員会は2月4日、16年のユーロ圏実質GDPが1.7%増になると予想。ただ欧州株式市場ではこれま
で、大手銀行株が収益懸念を背景に大きく売り込まれるなどしており、実体経済に影響を与えかねないとの懸念も出て
いる。
◇15年
15年10月
10月-12月期
12月期の
月期のユーロ圏
ユーロ圏GDP
・ユーロ圏
0.3( 0.3)
・ドイツ
0.3( 0.3)
・フランス
0.2( 0.3)
・イタリア
0.1( 0.2)
・ギリシャ ▲0.6(▲1.4)
・EU全体
0.3( 0.4)
・英国
0.5( 0.4)
(注)数字は%。▲はマイナス。カッコ内は15年7月-9月期
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28 |
◆原油相場概況(2月)
●NY原油=一時は約12年9カ月ぶりの安値
2月の原油相場は、1日に1月の中国製造業購買担当者景況指数(PMI)が、官民調査ともに好不況の分岐点とさ
れる50を下回り、エネルギー消費大国である中国の景気低迷が裏付けられたことから大幅安となった後も、産油国に
よる協調減産の期待感が後退したことで、2日に1月26日以来30ドルの節目を割り込んだ。ドルが対ユーロで軟調
となったことで、ドル建てで取引される原油の割安感が生じ、3日に急反発する場面も見られたが、供給過剰の長期化
懸念に加え、9日に国際エネルギー機関(IEA)が発表した月報で、今年の石油需要見通しを下方修正。米エネルギ
ー情報局(EIA)が公表した短期エネルギー見通しでも、今年は世界的に石油消費が伸び悩むとの見方が示された。
また、10日に米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の議会証言テキストで、海外の景気減速や金融市場
の変動に強い警戒感を示したことから、エネルギー需要の減退懸念が再浮上し、11日にかけて6営業日続落となり、
2月の安値(26.05ドル)を付けるとともに、2003年5月以来約12年9カ月ぶりの安値を付けた。
ただ、12日にアラブ首長国連邦(UAE)のマズルーイ・エネルギー相が、石油輸出国機構(OPEC)加盟国に
は協調減産の用意があると発言したことを手掛かりに買い戻しが殺到し急反発。有力産油国であるサウジアラビア、ロ
シア、ベネズエラ、カタールの4カ国石油相は16日、カタールの首都ドーハで非公式会談を行い、産油量を1月の水
準で凍結することで合意したほか、17日には増産凍結にイランも加わるとの期待感から終値ベースで30ドル台を回
復。
その後も22日にIEAが2017年までに需給が均衡する見通しを発表したほか、25日にベネズエラのデルピノ
石油相が、サウジ、ロシア、カタール各国石油相との会合を3月半ばに開く方針を明らかにしたことで、26日に2月
の高値(34.69ドル)を付けるとともに、1月28日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。その後も産油国の増産凍
結への期待感から、3月2日には1月6日以来35ドルの節目を回復している。
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29 |
◆原油相場展望
●3月の展望=産油国の増産凍結が焦点
3月の原油相場はサウジアラビア、ロシア、ベネズエラ、カタールなどの産油4カ国が合意した増産凍結の実現に向
け、具体的な動きがあるかどうかが注目される。
原油相場は2月16日に産油4カ国が増産凍結を発表してから戻りを試す格好となっており、他の主要産油国が同調
するかどうかといった不透明感はあるものの、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟国は3月中に会合を開く見通しと
なっているため、価格安定への期待感が高まる格好となっている。
ただ、核開発疑惑をめぐる経済制裁が1月に解除されたばかりのイランは石油輸出拡大の意向を堅持しており、3月
中とされる会合で、イランの処遇がどのようになるかも注意が必要となりそうだ。また、需給改善に対する思惑で戻り
を入れている側面もあり、世界的な供給過剰が改めてクローズアップされた場合は利食い売りが強まり、一段安を招く
可能性もありそうだ。
米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが4日発表した統計によれば、石油採掘リグ稼動数は前週比8基減の392
基となり、2009年12月以来の低水準を記録したうえ、11週連続の減少となっていることで、今後も減少傾向が
続くようであれば、原油相場の下支え材料となりそうだ。
さらに、NY原油のチャート上では、1月28日の高値34.82ドルを上抜いたことで、ダブルボトムを形成して
おり、100日移動平均が通る37.22ドル水準も上抜いたことで、一段高となる可能性もありそうだ。ただ、40
ドルを回復すると米国のシェールオイル生産が息を吹き返すとの観測もあるため、40ドルが近付くに連れて上値が重
くなる可能性もありそうだ。
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◆原油需給動向
●増産凍結は15カ国以上が支持し、イラン抜きでも有効=ロシア・エネルギー相
タス通信によると、ロシアのノバク・エネルギー相は3月1日、ロシアやサウジアラビアなど有力産油4カ国が合意
した増産凍結について、既に15カ国以上が支持を示したことを明らかにした。
ロシア、サウジ、ベネズエラとカタールの4カ国は先月、カタールのドーハで会合し、他の産油国の賛同を条件に、
産油量を1月の水準で凍結することで合意した。既に石油輸出国(OPEC)加盟のイラクやアラブ首長国連邦(UA
E)
、非加盟のオマーンなどが合意支持を表明している。
ノバク氏は「15カ国以上が(凍結の)用意を既に公式に認めた」と指摘。これら諸国の産油量を合わせれば、世界
生産の73%に達すると強調した。
ただ、OPEC有力メンバーのイランは、増産凍結に支持を示す一方、核開発疑惑をめぐる経済制裁が1月に解除さ
れたばかりのため、石油輸出拡大の意向を堅持している。ノバク氏は「イラン抜きでも増産凍結合意は有効だ」と強調。
「イランの生産量は最低の水準という特別な状況にある」とし、同国に関して「個別の決定」を行う可能性があると述
べた。
ノバク・エネルギー相はさらに、3月中にもOPEC諸国とOPEC非加盟の産油国が会合し、増産凍結で最終合意
する見通しを示した。だが、凍結実施の方法についてなおも議論しているとした上で、
「最も重要な問題は合意が履行
されているかの監視だ」と話した。
●ロシア石油会社、年内の増産凍結で合意=ロシア大統領
ロシアのプーチン大統領は3月2日、国内石油各社が産油量を1月の水準に維持することで合意したと述べた。プー
チン氏が増産凍結について公に語ったのは初めて。
プーチン氏は、自らが議長を務め、大統領府で1日開かれた石油会社幹部との会合の結果について、
「全体として(2
016年の)産油量を1月の水準に据え置くことで合意に達した」と話した。
ロシアは2月中旬カタールの首都ドーハで、他の有力産油国と増産凍結で合意した。これまでプーチン大統領は、ロ
シアの産油量据え置きという問題について自身の立場を公表していなかった。
この日明らかになった統計によると、2月の同国産油量は前月と横ばいの日量1088万バレルだった。
ロシアのペスコフ大統領報道官は、主要産油国全てが一致団結して努力することが必要との認識を表明。電話記者会
見で1日の会合に言及し、
「他の有力産油国と継続的に連携する必要性が強調された」と語った。
●OPECと非加盟国の会合=3月20日~4月1日開催の可能性
ロシアのノバク・エネルギー相は3月4日、原油増産凍結に関する、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産
油国との会合は、3月20日~4月1日に行われる可能性があることを明らかにした。インタファクス通信が報じた。
開催地は、ロシアかウィーン、またはドーハになる見通しという。
また、同相は石油市場安定化に向けたOPECとの会合について、他の旧ソ連主要産油国カザフスタンとアゼルバイ
ジャンも参加することを望んでいると述べた。
同相は記者団に対し、
「現在、OPECと非加盟国で話し合いが行われている。全てのOPEC加盟国と、ロシア、
カザフスタン、アゼルバイジャンなどの非加盟国が参加して決定を下すことを望む」と語った。
YâàâÜxá EG
31 |
●増産凍結には前向きだが「減産はない」=サウジ石油相
ロイター通信によると、サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は2月23日、米テキサス州ヒューストンで講演
し、主要産油国による原油の増産凍結に前向きな姿勢を示したものの、
「減産はない」と明言した。
ヌアイミ氏は「均衡に向けた主要産油国による増産凍結はあり得る」と指摘。その上で「うまくいけば、3月に増産
凍結の合意がさらに広がるだろう」と述べ、サウジ、ロシア、ベネズエラ、カタールの4カ国で今月合意した枠組みに
他の産油国も加わり、増産凍結が実現することへの期待を示した。
一方で「われわれの目的は市場シェア(の獲得)ではなく、顧客の需要を満たすことだ」と語り、自国としては一定
の生産量を維持する立場を強調。減産に踏み込むことには否定的な考えを示した。
●増産凍結合意に続く「別の措置」検討の可能性示唆=バドリOPEC事務局長
石油輸出国機構(OPEC)のバドリ事務局長は2月22日、米ヒューストンで開かれたエネルギー業界会合「IH
Sセラウィーク」で、増産凍結に向けた先日の暫定合意が3~4カ月間維持できれば、
「別の措置」を検討する可能性
をにじませた。
バドリ氏は、世界的な原油供給過剰の解消を目指す石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国の連携に向け準備
はできていると述べた。その上で、サウジアラビアやロシアなど主要産油国が増産凍結で暫定合意したことは始まりに
すぎないと語り、
「増産凍結は第1段階。これが成功すれば、先行き別の措置を講じるかもしれない」と述べた。
また、現在の原油安が回復に転じる時期に関し、現在の1バレル=30ドルの原油相場が60ドルまで回復すれば、
米シェールオイルの掘削が直ちに再開する可能性があると指摘。ここ20カ月で70%余り下落した原油価格の動きは、
従来の周期的な変動と同じではなく、
「17年と18年に原油価格が上昇しても、米シェールオイルが抑制要因になる
かもしれない。今回はこの点が異なる」と語った。
●イラン・イラク=今後5年で産油量拡大へ
イランのザンギャネ石油相は2月23日のエネルギー関連会合で、2021年までの5カ年計画の下で、産油量を日
量460万バレルに引き上げる方針を明らかにした。石油省傘下のシャナ通信が報じた。石油輸出国機構(OPEC)
月報によると、現在の同国生産量は日量290万バレル程度。
サウジアラビアとロシアなど有力産油国は先に、生産量を1月の水準で凍結することで合意した。イランも増産凍結
合意に支持を表明したが、依然として増産を志向していることが示された形だ。
核開発問題に絡む経済制裁解除を受けて、イランは石油輸出拡大により制裁中に失われた自らの市場シェア回復を目
指している。
イラクのアブドルマハディ石油相は2月22日、イラクが今後5年間で石油生産を日量700万バレル超に拡大し、
うち600万バレルを輸出する計画だと語った。石油省報道官は今月、ロイター通信に対し、1月の石油生産が過去最
高の日量477万5000バレルに達したと明らかにした。
●2月のOPEC産油量=日量3237万バレルに減少
ロイター通信が2月29日に公表した調査結果によると、石油輸出国機構(OPEC)の2月の原油供給量は日量3
237万バレルと、月ベースでこのところの最高水準だった前月(3265万バレル=改定値)から28万バレル減少
した。
最大輸出国サウジアラビアの供給量は横ばい。16日にOPEC加盟国のサウジとベネズエラ、カタールが、非加盟
国ロシアと合意した増産凍結の履行の兆しが早くも表れた。
供給減少は、非自発的な要因が大半を占めた。減少幅が最大だったのは昨年OPECで最も供給が伸びたイラクで、
北部クルド自治区から原油を輸送するパイプラインの操業中断が響いた。
このパイプラインはここ数カ月間に日量60万バレル前後を輸送していたものの、2月17日に停止した。操業中断
は3月中旬まで続く見通し。
YâàâÜxá EG
32 |
◆大豆相場概況(2月)
●シカゴ大豆=上下動を繰り返しながらも水準を切り下げる格好
2月前半は、2日の取引でアルゼンチン産地の降雨不足などを背景に買い進まれ、1月19日高値888セントを上
抜いて年初来高値を更新する場面もあったが、その後は大豆の消費大国である中国の低調な経済指標や、南米産大豆の
豊作観測などを背景に売り物が先行する展開。
9日に米農務省が発表した農産物需給報告で、米大豆期末在庫が上方修正されたことも相場を圧迫し、同日の取引で
は一時、1月12日以来の安値水準となる850ドル台を付けた。しかし売りが一巡すると、米週間輸出成約高の強い
内容を受けて買い戻され、これまでの下げ幅を半分程度縮小した。
2月後半は、米国産大豆の輸出需要拡大観測や原油相場の上昇を背景に買い進まれ、22日の取引では一時、2日高
値889.50セントに迫った。しかしその後は、南米産地での豊作観測などから世界的な供給過剰懸念が根強いこと
に圧迫されたほか、ブラジルでの収穫進展に伴うハーベストプレッシャー(収穫期の売り圧力)も下げ足を強め、26
日の取引では一時、年初来安値(1月6日の852セント)を試すなど水準を切り下げる格好となった。
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◆とうもろこし相場概況(2月)
●シカゴトウモロコシ=総じて軟調推移
2月前半は、アルゼンチン産地での乾燥懸念に支えられて約6週間ぶりの高値を付けた後、テクニカル要因による売
りやアルゼンチン産地での降雨予報を嫌気する向きからの売りに押される格好。9日の米農務省発表で米トウモロコシ
期末在庫が10年ぶり高水準になるとの予測が示されたことも相場を圧迫し、360セント付近まで水準を切り下げた。
2月後半は、前半までの下落トレンドに対し売り過剰感が高まったことなどから買い戻しが入ったほか、原油や株の
上昇といった外部環境の強さにも支えられて堅調に推移する場面もあった。しかしその後は、小麦相場が2010年以
来の安値圏へと下落したことに追随したほか、米農務省の農産物展望会議(アウトルックフォーラム)で、トウモロコ
シの作付面積が拡大すると見通されたことや、期末在庫が12年ぶり高水準に達すると予想されたことで、世界的な供
給過剰感がますます強まるとの見方が広がったため、一時は350セントの節目割れを試す水準へと下落した。
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◆穀物相場展望
●3月の展望=下落傾向に
▽大豆
3月のシカゴ大豆は、2月末までの下落トレンドが一服。1日は低迷する輸出需要や南米での収穫進展に圧迫された
ものの、その後は安値拾いやテクニカル要因の買いが入り水準を切り上げる格好。7日の取引では880セントの節目
を回復し、2月下旬にかけての下落幅をほぼ相殺するなど堅調に推移している。
ただ、大豆独自の材料としては積極的に買い進める材料はそれほど見当たらない。南米産地では引き続き豊作観測が
広がっているほか、ブラジル産地では今のところ収穫が進展していることでハーベストプレッシャーがかかっている。
3月に入ってからの上昇が大豆独自の材料によるものではないため、買いが一巡すれば3月のシカゴ大豆は緩やかに売
られる展開になると予想する。
▽トウモロコシ
トウモロコシ
3月のシカゴトウモロコシは、大豆とは対照的に狭いレンジ内取引。世界的な供給増見通しが依然相場の頭を押さえ
ており、大豆高やショートカバーに支えられながらも戻りは限られている。
米農務省のアウトルックフォーラムでの予測が、トウモロコシにとって全般的に弱い内容となったことが引き続き供
給過剰感を強めており、南米産地での豊作見通しが根強いことも上値を重くする要因となっている。米国でエタノール
需要が高まっていることは相場にとって支援材料となるものの、根強い供給過剰感を考慮すれば、3月のシカゴトウモ
ロコシは軟調地合いになると予想。350セントの節目を維持できるかが焦点となるだろう。
◆穀物需給動向
●トウモロコシ作付け、市場予想上回る=米農務省アウトルックフォーラム
米農務省は2月26日の農産物展望会議(アウトルックフォーラム)で、2016/17年度の米農産物の作付け予
測を発表。トウモロコシの作付けは前年度(8800万エーカー)をわずかに上回る9000万エーカーを見込み、ロ
イター通信がまとめた市場予想(8964万8000エーカー)も上回った。一方、大豆の作付けは前年度(8270
万エーカー)をやや下回る8250万エーカーと予測。市場予想(8330万2000エーカー)も下回った。
トウモロコシのイールド(1エーカーあたりの収量)は168.0ブッシェル(前年度168.4ブッシェル)
、生
産高は138億2500万ブッシェル(同136億0100万ブッシェル)と予想。前年まで豊作が続いたことで期初
在庫が増加し、総供給は過去最高の157億0200万ブッシェル(同153億8200万ブッシェル)と見込んだ。
需要側では、飼料や輸出が緩やかに増えるものの供給増が影響し、期末在庫は19億7700万ブッシェル(同18万
3700万ブッシェル)と12年ぶりの高水準になると見込んだ。
大豆のイールドは46.7ブッシェル(同48.0ブッシェル)
、生産高は38億1000万ブッシェル(同39億
3000万ブッシェル)と予測。需要側では輸出が18億2500万ブッシェル(同16億9000万ブッシェル)と
増えるものの、期末在庫は4億4000万ブッシェル(同4億5000万ブッシェル)と高い水準が続く見通し。
一方、米大豆協会(ASA)のウィルキンス会長は3月4日、今春の米大豆の作付面積は「前年比150万~200
万エーカー増」と、アウトルックフォーラムでの見通しと相反する予測を明らかにした。会長は「大豆は作付面積当た
りのコストが(トウモロコシより)低い」と説明。相場の低迷で農家所得が減少する中「トウモロコシから大豆に切り
替える農家が増えるだろう」との見方を示した。また、全米トウモロコシ生産者協会(NCGA)の担当者は、今春の
米トウモロコシの作付面積について、アウトルックフォーラムと同じ予測を示している。
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●根強いブラジルの豊作観測
ブラジル植物油産業協会(Abiove)は2月22日、2015/16年度の大豆生産量予想を9850万トンと、
昨年12月時点の予想(9940万トン)から下方修正した。ただ、前年度実績(9620万トン)を上回る見通し。
輸出量についても5450万トンと、従来予想(5500万トン)から引き下げた。ただ、こちらも前年度(5432
万トン)を上回るとしている。
Abioveは下方修正の原因については明らかにしなかったが、ブラジルの大豆生産地一帯は今期、強いエルニー
ニョ現象(東太平洋の赤道付近で海水温が上昇する現象)の影響を受けて天候不順に見舞われており、これが下方修正
の原因とみられる。それでも、過去最高水準となった前年度をいずれも上回っていることから、豊作観測の根強さがう
かがえる。
また、貿易業者筋によると、米穀物調査会社インフォーマ・エコノミクスは3月2日、2015/16年度のブラジ
ルのトウモロコシ、大豆の生産見通しをそれぞれ上方修正したという。同社は月報で、ブラジルの大豆生産量見通しを
1億0050万トンから1億0130万トンに引き上げ、トウモロコシ生産量見通しは8160万トンから8250万
トンに修正した。
アルゼンチンについては、15/16年度のトウモロコシ生産量見通しを2600万トンから2700万トンへ上方
修正。一方、同年度の大豆生産見通しは6000万トンから5900万トンに下方修正した。ただ、これらの見通しに
ついてインフォーマからコメントは得られていない。
●15/16年度の世界トウモロコシ生産予想を上方修正=IGC
国際穀物理事会(IGC)は2月25日公表の最新月報で、2015/16年度の世界トウモロコシ生産予想を9億
6900万トンとし、前月予想(9億5900万トン)から上方修正した。ただ、これは前年度実績(10億1600
万トン)を下回る水準。
15/16年度の世界穀物期末在庫予想は、1000万トン引き上げ4億6500万トンとし、約30年ぶりの高水
準に達する見通し。15/16年度の世界トウモロコシ在庫は2億1300万トンと、前年度の2億トンから増加する
見通し。
15/16年度の世界小麦生産予想は7億3200万トンと、前月予想から100万トン上向き改定。16/17年
度は、2100万トン減少すると予想した。IGCは「作付面積が若干減少し、平均イールドも前年度ほど高くないか
もしれない」と指摘。大量在庫が生産減少の影響を和らげるとの見方を示した。
●昨年の米エタノール生産=過去最高の148億ガロン
米再生可能燃料協会(RFA)は2月29日、2015年の米国のエタノール生産量は前年比3.4%増の148億
0600万ガロンとなり、過去最高を更新したと発表。9割超が燃料としてガソリンに混ぜて使われ、ガソリンのエタ
ノール含有率は0.01ポイント上昇の9.75%と、これまでで最高となった。
RFAは、米エネルギー情報局(EIA)が公表したデータを基にエタノール生産量を集計。それによると、総生産
量のうち136億8600万ガロンが燃料として使われ、8億4400万ガロンが輸出された。米環境保護局(EPA)
はガソリンへの混合比率を現行水準にとどめる考えだが、RFAは「米エタノール業界はさらに生産を増やす用意があ
る」と、一段の引き上げを求めている。
米国産エタノールはトウモロコシが主原料のため、エタノールの需給動向はトウモロコシにとって重要な材料となる。
業界側は混合比率を15%などに高めるよう訴えているが、15%に対応できる車は一部に限られているとして、EP
Aは10%以下にとどめる方針を示している。
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●中国の需要動向
▽中国=
中国=国家備蓄から
国家備蓄から古
から古めのトウモロコシ
めのトウモロコシ放出
トウモロコシ放出を
放出を準備
業界筋が2月17日に明らかにしたところによると、中国政府はエタノールやスターチなどの製造を手掛ける企業に
対し、長期間保管されている古めのトウモロコシの国家備蓄を売却する準備を進めているという。ただ、売却量や価格
は最終決定されていない。
業界筋の1人は「2011/12年度産のトウモロコシの品質を考えると、価格は非常に低くなる可能性がある」と
指摘。その上で「品質を考慮すると、飼料生産に適していないかもしれない」とし、価格はトン当たり1500元(2
29.89ドル)を下回る可能性があると述べた。
調査会社の上海JCインテリジェンス(JCI)によると、3年以上保管されている中国のトウモロコシ在庫は約1
000万トン。中国は15/16年度の備蓄計画で、すでに予想を上回る量を買い付けている。計画が終了する4月ま
でに、在庫は9000万トン超と、過去最高に達する可能性がある。買い付け量は、2月5日時点で8260万トンに
達した。国家統計局によると、15年のトウモロコシ生産量は前年比4%増の2億2460万トンに達し、過去最高と
なった。
▽中国=
中国=国内コーン
国内コーン価格引
コーン価格引き
価格引き下げへ
中国共産党の中央農村工作指導小組幹部は3月1日、国産トウモロコシが安い外国産と競争できるようにするため、
3月にも価格引き下げを発表するとの見方を示した。引き下げ幅については言及しなかったが、5日開幕の全国人民代
表大会(全人代)の後、4月の作付け期より前に発表される見込み。
一部の市場参加者は、中国が2016/17年度のトウモロコシ価格をトン当たり1400元(213.85ドル)
とし、15/16年度の2000元から大幅に引き下げる可能性があると語った。この幹部によると、トウモロコシ農
家は補助金を受ける見込みで、補助金を盛り込んだ予算案の承認は全人代に委ねられる。
同幹部は1月、記者団に対し、中国のトウモロコシ在庫が過去最高を記録したを背景に、中国が下流部門の需要を促
進して、安価な輸入物の削減を目指し、国内価格を引き下げるだろうと述べていた。中国の国家備蓄政策を受けてトウ
モロコシの国内相場は国際相場を約30~50%上回り、代替品である大麦、蒸留穀物、ソルガムなどの15年輸入量
は過去最高に達した。
▽15/
15/16年度
16年度の
年度の大豆輸入は
大豆輸入は前年比6
前年比6%増へ=コーンは
コーンは減少
中国穀物調査会社COFCOフューチャーズの幹部は3月2日、業界会合で、2015/16年度(15年10月~
16年9月)の中国の大豆輸入が8300万トンと、前年度(7835万トン)比6%増加するとの見通しを示した。
飼料用の需要増加が理由。同幹部は「養豚マージンが魅力的なため、中国の養豚用飼料の需要が若干増えるとみている」
と指摘した。
一方、15/16年度のトウモロコシ輸入については、積み上がっている国内在庫圧縮に取り組むため、減少する見
通し。同幹部は「トウモロコシの輸入割当枠を設けるが、政府が国産トウモロコシの使用を推奨するため、輸入は減る
見通しだ」と説明した。
米農務省の推計によると、15/16年度の中国のトウモロコシ輸入は250万トンと、前年度の約550万トンか
ら減少する見通し。また、14/15年度のトウモロコシ期末在庫は1億トン超と、世界の在庫全体の2億0600万
トンのほぼ半分を占めたとみられる。
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◆2016
2016年2月の価格データ
価格データ
*東京金は夜間取引を含んだ価格で、25日からは2017.2月限。 *NY金は中心限月。
東京金 2016.12月限
日 始値 高値 安値 終値
1
2
3
4
5
8
9
10
11
12
15
16
17
18
19
22
23
24
25
26
29
4299
4346
4329
4310
4310
4307
4363
4376
4346
4362
4344
4316
4319
4367
4433
4387
4282
4323
4296
4272
4295
4281
4353
4345
4356
4440
4406
4379
4380
4386
4416
4377
4361
4368
4419
4445
4447
4479
4423
4418
4418
4470
4445
4386
4395
4434
4458
4447
4330
4411
4361
4360
4367
4365
4375
4343
4343
4364
4402
4394
NY金
始値
4342
4329
4308
4303
4308
4362
4362
4354
1118.00
1128.50
1129.40
1142.50
1155.70
1174.00
1189.50
1189.70
1197.50
4436 1247.10
4429
4372 1236.30
4380 1201.90
4393 1209.50
4427 1231.20
4384 1226.90
4360 1208.90
4376 1226.00
4419 1228.90
4440 1232.50
4412 1223.10
2016.4月限
ドル建て金現物
高値
安値
終値
始値
高値
安値
終値
1130.20
1131.50
1146.20
1157.90
1175.00
1201.40
1199.30
1198.10
1263.90
1248.70
1115.30
1122.60
1124.80
1139.70
1145.50
1164.50
1185.90
1181.60
1196.30
1232.90
1128.00
1127.20
1141.30
1157.50
1157.70
1197.90
1198.60
1194.60
1247.80
1239.40
1236.30
1214.40
1240.60
1235.30
1226.90
1229.00
1254.30
1244.40
1241.30
1241.80
1191.50
1196.20
1201.30
1220.60
1202.50
1207.60
1222.40
1221.80
1212.00
1216.30
1208.20
1211.40
1226.30
1230.80
1210.10
1222.60
1239.10
1238.80
1220.40
1234.40
1117.50
1128.41
1128.76
1142.56
1155.34
1170.51
1190.76
1188.56
1197.06
1246.56
1232.16
1208.93
1199.81
1208.76
1232.73
1225.75
1208.36
1227.01
1229.06
1234.06
1222.35
1129.70
1130.30
1145.60
1157.20
1174.50
1200.60
1198.90
1197.36
1260.60
1248.66
1234.17
1216.80
1213.50
1239.50
1234.40
1225.96
1227.16
1252.91
1242.70
1239.66
1240.90
1115.86
1122.04
1123.95
1139.05
1144.96
1163.70
1185.10
1180.90
1195.83
1231.85
1201.65
1190.40
1195.40
1200.35
1219.40
1201.63
1206.80
1221.55
1220.80
1211.20
1217.60
1128.46
1128.71
1142.53
1155.36
1173.29
1190.76
1188.46
1197.11
1246.51
1237.66
1209.30
1199.96
1208.76
1231.95
1227.81
1208.36
1227.06
1228.96
1234.26
1222.21
1237.76
*東京白金は夜間取引を含んだ価格で、25日からは2017.2月限を提供。 *NY白金は中心限月。
東京白金 2016.12月限
日 始値 高値 安値 終値
1
2
3
4
5
8
9
10
11
12
15
16
17
18
19
22
23
24
25
26
29
3386
3404
3343
3308
3364
3398
3425
3417
3411
3418
3355
3373
3415
3445
3463
3460
3345
3333
3271
3285
3350
3378
3374
3410
3425
3439
3438
3434
3421
3449
3426
3375
3341
3365
3393
3330
3458
3479
3466
3439
3477
3459
3446
3381
3396
3415
3398
3380
3401
3429
3411
3405
3415
3411
3378
3328
3330
3354
3325
3323
3396
3339
3295
3367
3400
3421
3408
3414
NY白金
始値
870.40
872.40
857.30
881.90
910.00
913.10
929.10
932.70
937.30
3439 962.80
3443
3424 955.00
3431 932.00
3457 943.70
3433 948.30
3380 942.90
3344 929.50
3363 945.40
3399 939.00
3328 926.80
3339 914.00
2016.4月限
ドル建て白金現物
高値
安値
終値
始値
高値
安値
終値
877.60
873.40
883.80
910.80
916.00
934.30
939.90
937.10
970.80
964.00
865.50
853.50
852.00
880.30
896.60
901.00
922.50
922.90
934.50
951.70
870.10
855.70
880.10
906.30
903.70
928.70
939.40
934.20
963.20
958.10
957.30
952.20
949.60
951.70
943.50
946.70
957.40
947.40
931.10
938.30
928.00
930.50
936.00
940.10
920.00
926.30
936.50
918.40
911.00
911.00
937.30
949.70
945.60
945.60
927.80
943.50
943.70
927.00
915.10
934.30
867.50
868.96
854.41
879.78
907.71
909.71
924.95
929.49
935.40
959.50
950.50
934.00
929.70
942.41
940.24
936.49
926.50
944.00
938.10
926.30
912.90
875.62
871.12
881.64
908.63
913.27
931.76
937.50
935.50
967.17
960.60
953.21
939.23
949.22
947.00
949.06
939.50
944.80
955.70
945.30
929.20
936.06
859.75
847.50
846.00
874.50
890.00
894.74
915.46
916.30
927.00
944.60
927.04
920.85
924.74
929.25
933.80
913.50
919.50
930.00
913.00
907.50
907.49
869.66
850.00
879.73
907.79
907.50
920.99
932.20
932.24
956.49
951.24
932.25
926.99
942.63
943.40
938.70
926.50
944.10
938.00
925.70
913.30
929.99
YâàâÜxá EG
38 |
*東京原油は夜間取引を含んだ価格。 *NY原油は中心限月。
東京原油
日
1
2
3
4
5
8
9
10
11
12
15
16
17
18
19
22
23
24
25
26
29
始値
高値
2016.7月限
安値
終値
27380
26970
25340
24360
26190
24880
25000
23490
27950
27550
25500
26140
26300
25540
25250
23930
26410
25080
23860
24020
24840
24490
23200
21370
27110
25140
24070
26110
24870
25080
23280
21850
22090
21940
23670
25050
22320
24480
23470
23060
23430
22760
23490
24220
22620
23840
25080
25250
24900
24960
23780
24190
24060
23970
24300
25340
21450
21530
23170
22420
22200
23350
22520
23050
22380
22210
22960
23860
22070
23790
24780
22470
24810
23480
23050
23550
22440
23830
24100
23910
始値
2016.3月限
23日から4月限
高値 安値 終値 始値
33.83
31.37
29.75
32.71
31.64
30.97
30.17
28.36
27.34
27.30
34.18
31.53
32.75
33.60
32.45
31.38
30.61
29.22
27.48
29.66
31.29
29.57
29.40
31.53
30.63
29.57
27.74
27.24
26.05
26.95
31.62
29.88
32.28
31.72
30.89
29.69
27.94
27.45
26.21
29.44
29.08
29.14
31.35
30.60
29.72
33.34
31.28
32.19
33.04
32.72
31.53
31.49
31.98
30.73
32.05
33.53
32.40
33.49
34.69
33.98
28.70
28.73
30.27
29.05
29.48
31.22
30.56
31.07
32.64
32.32
29.04
30.66
30.77
29.64
31.48
31.87
32.15
33.07
32.78
33.75
NY原油
121.40
120.95
119.91
117.82
116.74
116.90
115.80
115.08
113.29
112.35
113.50
114.48
113.98
114.03
113.05
112.55
112.81
112.04
111.99
112.94
113.65
ドル・円
高値
安値
終値
121.46
121.00
120.01
118.21
117.40
117.49
115.82
115.22
113.56
113.51
114.69
114.85
114.47
114.29
113.34
113.36
113.02
112.23
112.99
113.96
113.83
120.64
119.80
117.02
116.49
116.27
115.14
114.18
113.09
110.95
111.64
113.24
113.57
113.31
113.05
112.28
112.38
111.74
111.02
111.86
112.53
112.62
120.93
119.94
117.82
116.74
116.70
115.80
115.05
113.28
112.35
113.09
114.53
114.00
114.03
113.05
112.47
112.81
112.04
112.14
112.94
113.96
112.64
*シカゴ穀物は中心限月、29日のみ2016.5月限。
シカゴ大豆
2016.3月限
シカゴ・コーン 2016.3月限
ユーロ・ドル
日
始値
高値
安値
終値
始値
高値
安値
終値
始値
高値
安値
終値
1
2
3
4
5
8
9
10
11
12
15
16
17
18
19
22
23
24
25
26
29
883.00
880.25
885.50
878.00
875.75
867.50
862.75
863.50
862.25
873.00
883.25
889.50
886.00
884.25
879.00
868.75
866.50
866.25
874.25
875.50
876.00
878.25
874.25
872.75
867.25
861.50
859.50
861.50
862.00
868.50
880.75
886.25
876.75
874.50
867.50
862.50
863.25
862.25
873.50
872.75
371.00
371.25
372.00
371.00
369.00
366.00
362.25
361.00
360.00
361.00
371.75
373.75
373.25
373.50
369.50
367.00
362.75
361.75
363.25
362.00
367.75
369.00
370.25
368.00
365.50
361.50
359.25
359.25
358.50
358.25
371.25
372.50
371.00
368.50
365.75
362.25
361.00
360.25
360.25
358.75
875.50
879.00
882.25
879.50
881.75
880.00
869.25
867.00
860.00
862.75
882.75
885.25
882.75
881.75
887.50
880.25
870.50
871.00
862.50
865.00
873.25
876.75
878.00
877.75
880.25
868.00
864.50
858.50
854.50
860.00
879.75
882.50
879.75
878.25
881.00
869.25
867.50
859.00
855.00
861.00
359.75
362.75
367.00
365.25
366.50
367.00
362.00
359.75
355.50
360.00
363.50
367.50
368.00
367.50
369.25
367.25
362.75
361.50
356.25
361.75
359.00
362.00
365.25
364.75
366.25
361.50
358.75
355.00
352.50
356.75
363.00
367.25
365.50
365.50
367.50
362.00
359.75
355.50
354.50
357.00
1.0823
1.0873
1.0912
1.1086
1.1202
1.1142
1.1188
1.1288
1.1283
1.1313
1.1236
1.1147
1.1136
1.1121
1.1093
1.1113
1.1023
1.1015
1.1009
1.1011
1.0913
1.0909
1.0936
1.1141
1.1235
1.1241
1.1212
1.1333
1.1307
1.1372
1.1329
1.1237
1.1189
1.1175
1.1145
1.1135
1.1120
1.1048
1.1042
1.1046
1.1064
1.0959
1.0811
1.0873
1.0899
1.1065
1.1105
1.1082
1.1158
1.1156
1.1270
1.1210
1.1124
1.1120
1.1102
1.1067
1.1063
1.0999
1.0986
1.0953
1.0983
1.0908
1.0855
1.0873
1.0913
1.1086
1.1203
1.1139
1.1187
1.1285
1.1284
1.1318
1.1246
1.1147
1.1136
1.1120
1.1102
1.1121
1.1023
1.1013
1.1008
1.1013
1.0922
1.0866
YâàâÜxá EG
39 |
*東京一般大豆は夜間取引を含んだ価格。
2016.12月限
東京一般大豆
16日から17.2月限
日 始値
高値
安値
終値
1
2
3
4
5
8
9
10
11
12
15
16
17
18
19
22
23
24
25
26
29
48200
48450
48490
48600
48690
47980
47310
46310
48960
48450
49090
48600
48690
48200
47500
46310
48200
48450
48340
47980
47800
47400
46040
45400
45600
45230
46300
47480
46120
45750
45570
45400
44890
43500
44090
44240
46310
46960
47490
47480
46440
45910
45570
45500
44890
44000
44500
44700
43840
45230
46270
46150
45670
45500
45100
44300
43700
43500
44020
44000
NYダウ工業株30種平均
始値
48460
48450
48340
48240
47800
47500
46310
45780
16453.63
16420.21
16186.20
16329.67
16417.95
16147.51
16005.41
16035.61
15897.82
45500 15691.62
46290
47290 16012.39
46150 16217.98
45760 16483.76
45680 16410.96
45450 16417.13
44900 16610.39
43700 16418.84
44000 16504.38
44240 16712.70
44350 16634.15
高値
安値
終値
16510.98
16420.21
16381.69
16485.84
16423.63
16147.51
16136.62
16201.89
15897.82
15974.04
16299.47
16108.44
15960.45
16266.16
16129.81
15803.55
15881.11
15899.91
15503.01
15691.62
16449.18
16153.54
16336.66
16416.58
16204.83
16027.05
16014.38
15914.74
15660.18
15973.84
16196.41
16486.12
16511.84
16410.96
16664.24
16610.39
16507.39
16697.98
16795.98
16726.12
16012.39
16217.98
16390.43
16278.00
16417.13
16403.53
16165.86
16458.42
16623.91
16510.40
16196.41
16453.83
16413.43
16391.99
16620.66
16431.78
16484.99
16697.29
16639.97
16516.50
*東京とうもろこしは夜間取引を含んだ価格。
2017.1月限
東京とうもろこし
16日から17.3月限
日 始値
高値
安値
終値
1
2
3
4
5
8
9
10
11
12
15
16
17
18
19
22
23
24
25
26
29
日経平均株価
始値
高値
安値
終値
22430
22610
22540
22320
22180
21850
21640
21150
22730
22650
22550
22440
22230
21890
21640
21240
22330
22410
22310
22110
21800
21570
20780
20800
22600
22520
22350
22170
21840
21640
21050
20880
17699.60
17716.52
17497.41
17071.11
16790.53
16620.91
16666.79
16127.86
17905.37
17864.70
17515.18
17209.56
16893.12
17099.01
16668.70
16163.03
17666.48
17684.66
17080.57
16941.88
16627.80
16552.30
16025.94
15429.99
17865.23
17750.68
17191.25
17044.99
16819.59
17004.30
16085.44
15713.39
20940
20660
21020
21150
21090
21550
21300
21410
21390
20980
21140
21010
20980
20930
21220
21330
21560
21570
21410
21550
21390
21260
21260
21160
20440
20510
20750
20970
21050
21220
21110
21300
21000
20810
20960
20810
20620
20920
21190
21100
21470
21280
21400
21410
21010
21240
21020
20850
15426.27
15248.38
15849.47
16035.35
16138.08
16050.40
15851.39
16230.38
15851.13
15983.47
16311.52
16313.31
15437.22
16155.10
16341.56
16214.46
16337.59
16050.46
16187.40
16350.38
16006.45
16218.29
16472.50
16464.75
14865.77
15243.88
15809.58
15632.12
16118.80
15799.35
15816.83
16001.19
15753.77
15953.93
16188.41
16026.76
14952.61
16022.58
16054.43
15836.36
16196.80
15967.17
16111.05
16052.05
15915.79
16140.34
16188.41
16026.76
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マンスリー予定表
マンスリー予定表(
予定表(経済・
経済・商品3
商品3月)
9日(水) 3月1日現在の米農務省・穀物需給報告
10日(木) 2月の米財政収支
2月の中国消費者物価指数(前年比)
2月の中国卸売物価指数(前年比)
欧州中央銀行(ECB)定例理事会
ECB記者会見
11日(金) 国際エネルギー機関(IEA)・石油市場月報
12日(土) 1-2月の中国小売売上高(前年比)
1-2月の中国鉱工業生産(前年比)
14日(月) 日銀政策委員会・金融政策決定会合(15日まで)
米国市場が夏時間に移行(取引時間が冬時間より1時間繰り上げ)
石油輸出国機構(OPEC)・石油市場月報
15日(火) 2月の米小売売上高
2月の米卸売物価指数
同コア指数
3月のニューヨーク連銀・製造業景況指数
3月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅建設業者信頼感指数
米連邦公開市場委員会(FOMC、17日まで)
日銀政策委員会・金融政策決定会合
16日(水) 2月の米住宅着工件数
2月の米消費者物価指数
同コア指数
2月の米鉱工業生産指数
2月の米設備稼働率
米連邦公開市場委員会(FOMC)声明発表
米FOMC、政策金利・経済見通し発表
イエレン米FRB議長・定例会見
17日(木) 3月のフィラデルフィア連銀・製造業景況指数
15年第4四半期の米経常収支
2月の米景気先行指数
1月の米JOLTS(求人労働移動調査)求人件数
2月の日本貿易統計
2月のユーロ圏消費者物価指数・確定値(前年比)
欧州連合(EU)首脳会議(18日まで)
18日(金) 3月の米ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値
欧州連合(EU)首脳会議
21日(月) 2月の米中古住宅販売件数
日本市場休場(春分の日の振替休日)
23日(水) 2月の米新築住宅販売件数
24日(木) 2月の米耐久財受注
3月の米製造業PMI(購買担当者景況指数)・速報値
欧州中央銀行(ECB)・経済報告
25日(金) 15年第4四半期の米国内総生産(GDP)・確定値
2月の全国消費者物価指数(前年比、生鮮食品除く)
米国商品・株式・債券市場休場(聖金曜日、外為市場は通常通りの取引)
英国など主要海外市場休場(聖金曜日)
28日(月) 2月の米個人所得
2月の米個人消費支出
29日(火) 1月のS&P/ケース・シラー米住宅価格指数(前月比)
1月のS&P/ケース・シラー米住宅価格指数(前年同月比)
3月の米消費者信頼感指数
30日(水) 3月のADP全米雇用報告・民間就業者数
31日(木) 3月のシカゴ購買部協会景況指数
3月のユーロ圏消費者物価指数・速報値(前年比)
米農務省・今年度米穀物作付け意向面積
米農務省・四半期穀物在庫報告
注) 日付はすべて現地時間。上記の予定は予告なく変更される事があります。
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重要事項のご
重要事項のご説明
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自身の判断と責任によりお取引下さい。
※ 当社必要証拠金の額は1枚当たり最高で 225,000
225,000 円、手数料は1枚当たり最高で 23,
23,328 円(税込)となりますが、
相場の変動によって変更される場合もあります。詳しくはその都度お問い合わせ下さい。
(平成28年3月1日現在)
※ 当社お客様相談窓口
(東京本社)℡01200120-770770-266
※ 日本商品先物取引協会相談センター ℡0303-36643664-6243
※当社の企業情報は本・支店及びHP、並びに日本商品先物取引協会のHPでご覧頂けます
当社HPアドレス
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