売買高からみる日経平均株価の位置

楽読
(ラクヨミ)
Vol.
1,165
2016年11月22日
売買高からみる日経平均株価の位置
~景気回復基調が確認されれば、20,000円回復も
足元で日経平均株価が堅調に推移しています。その背景として、米国の次期大統領に選出されたトランプ氏が公
約に掲げている経済政策が市場で好感されていることに加え、14日に発表された日本の7~9月期のGDP(国内
総生産)速報値が市場予想を大幅に上回り、国内景気の底固さが確認されたことがあります。さらに、17日に
FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長が議会証言で12月の利上げを示唆したことなどから、米国の長期
金利が上昇し、円安が進行したことを受けて、輸出企業の業績拡大期待の高まりを背景に上昇の勢いを強めて
います。
価格帯別累積売買高(下図)をみると、日経平均株価は上昇が期待できる好位置にあることがわかります。価格
帯別累積売買高とは一定期間の売買高を「株価の価格帯」ごとに累積したもので、どのくらいの株価でどのくらい
売買された(出来高があった)のかを示す指標です。過去の経験則から、相場の上昇局面において、「売買が多
かった価格帯」は、戻り待ちの売りや利益確定の売りが出やすいことから、相場に相当の力強さがないと上回りに
くい価格帯として、また、「売買が少なかった価格帯」は、戻り売り圧力などが弱まりやすく上昇しやすい価格帯と
して意識されます。日経平均株価は、現在、「売買が多かった価格帯(下図①16,500円~18,000円)」を抜け、
「売買が少なかった価格帯(同②18,000円~19,500円)に入ったところで、価格帯別累積売買高からは好位置に
あると考えられます。
日本経済が円安を背景にした輸出拡大によって、設備投資の底堅さや消費の緩やかな回復が期待される中、
今後、 12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げについての見極めがつき、トランプ氏の諸政策が明ら
かになれば、価格帯別累積売買高から好位置にある日経平均株価は、「売買が少なかった価格帯」を早い段階
で上抜けることが期待されます。
過去約2年の日経平均株価と同価格帯別累積売買高
(期間:2014年11月4日~2016年11月21日)
(億株)
200
400
600
800
1,000
1,200
1,400
1,600
(円) 0
21,000
20,500 価格帯別累積売買高(上軸)
日経平均株価(左軸)
20,000
19,500
価格帯①を上抜けて売買高
19,000
の少ない②に入ると、売り圧
②
18,500
力が弱まると考えられる
18,000
17,500
①
17,000
16,500
16,000
株価が価格帯①の下に位置する場合は
15,500
①が上値抵抗帯に、反対に、
株価が①の上に位置する場合は
15,000
①が下値抵抗帯になると考えられる
14,500
14年11月
15年05月
16年11月
15年11月
16年05月
■価格帯別累積売買高のグラフについて・・・例えば、14,500円~15,000円の表示は、14,500円以上15,000円未満を示します。
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