原油の増産凍結を巡る協議は合意に至らず ~6月のOPEC総会に結論を

楽読
(ラクヨミ)
2016年4月18日
Vol.
1,090
原油の増産凍結を巡る協議は合意に至らず
~6月のOPEC総会に結論を持ち越し~
サウジアラビアやロシアなど、OPEC(石油輸出国機構)加盟・非加盟あわせて18の主要産油国が原油生産量
を今年1月時点の水準で凍結することについて4月17日に協議したものの、合意には至らず、6月2日に予定さ
れているOPEC総会に結論を持ち越しました。これを受け、原油価格が急落し、米WTI先物は電子取引で一時
1バレル=37米ドル台と、前週末比7%近く下落しました。また、米国のルー財務長官が15日、「最近、円高が進
んだが、為替市場の動きは秩序的だ」と述べ、日本が円安誘導に動くことを牽制したことなどもあり、18日には
円相場が一時1米ドル=107円台に上昇したほか、日経平均株価は前週末比600円近い下落となりました。
主要産油国が結論を持ち越した主な背景として、今回の協議を欠席したイランの扱いがあります。同国は、欧
米からの経済制裁が先ごろ解除されたのに伴ない、原油生産量を制裁前の水準まで回復させるべく、増産を続
けています。これに対し、サウジアラビアが、イランを含む主要産油国の増産凍結を強く主張しているだけに、関
係国間で協議は今後も続けられるものの、6月のOPEC総会で合意に至るかどうかは不透明です。こうした中、
原油価格が今後も大きく振れるようであれば、投資家のリスク回避の動きなどを背景に、円高の進行や株安に
つながる可能性も考えられます。ただし、米EIA(エネルギー情報局)は、原油の供給過剰が今後も続くものの、
消費量の増加に加え、米国での生産量の減少などもあり、在庫の増加ペースは大きく鈍化するとして、今年1-3
月期を底に原油価格が緩やかな持ち直しに転じるとの見解を示しています(下グラフ参照)。
また、IMF(国際通貨基金)の最新の経済見通しでは、中国の成長鈍化は続くものの、ロシアが最悪期を脱す
るとみられていることなどから、今年は新興国の成長率が持ち直しに転じるのに伴ない、世界の成長率も持ち直
すと予想されています。さらに、17年には、中国の成長率鈍化が小幅となるほか、ロシアやブラジルが景気後退
を脱することなどを背景に、新興国の成長率が加速し、世界の成長率は3%台半ばに高まると予想されています。
今後、こうした見通しの確度が高まれば、需要増に伴なう原油価格の持ち直し・回復につながると期待されます。
原油の世界需給および平均価格の推移
(万バレル/日)
10,000
(2010年1-3月期~2017年10-12月期予想)
生産量(左軸)
500
消費量(左軸)
9,600
400
9,200
300
(万バレル/日)
8,800
200
8,400
100
8,000
0
7,600
7,200
120
90
60
30
0
-100
在庫増減量(右軸)
EIAの予想
-200
33.35
103.35
45.97
WTI原油の価格(四半期平均)
(米ドル/バレル) 10年
11年
12年
13年
14年
15年
16年
17年
EIAのデータ(2016年4月12日発表分)をもとに日興アセットマネジメントが作成
※上記は過去のものおよび予想であり、将来を約束するものではありません。
■当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘
資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料
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