AI、PWV、ABIに関するQA - Arterial Stiffness

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A I 、P W V 、A B I に 関 す る Q & A
AI、PWV、ABIに関するQ&A
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り細い部分で076は速くなります。&RANK法では下行
海外論文では、脈波伝播速度(187)を測定する
大動脈のある部分から大腿動脈の脈波計測部までの動脈
場合、頸動脈−大腿動脈(DBSPUJEGFNPSBM 187;
を測定していますが、吉村法では大動脈弁口部から大腿
DG187)にて測定することが多いようですが、日本
動脈の脈波計測部までの動脈を対象としています。吉村
の吉村法の心臓−大腿動脈(IFBSUGFNPSBM187;
法では&RANK法に比べ大動脈弁口から下行大動脈のある
IG187)との捉え方の違いはありますか?
部分までを含んでいるので、太い部分の大動脈を進む
076が測定値に含まれています。そのため吉村法では
" OTXFS
&RANK法に比べやや076が遅く計測されます。
藤代健太郎(東邦大学医学部教育開発室)
.吉村法では拡張期血圧で補正している
海外論文で用いられているCF076と吉村法(図)と
拡張期血圧での補正には、賛否両論があります。
の差異は 点あります。
076に影響を及ぼす因子としては、血圧、脈拍、年齢
などがあり、測定時の血圧が高ければ076は速くなり、
.吉
村法で測定する動脈は大動脈弁口部から大腿動脈
までである
血圧が下がると076も下がります。同一個体で076を
用いて血管の弾性を比べる場合は、その血管にかかって
076を計測する場合には、脈波の進む距離とその距
いる圧は重要な因子であり、圧を含めて血管の弾性を考
離を脈波が進む時間とが必要です。海外の論文では脈波
える必要があります。一方で、個体間で血管の状態を比
の進む距離を&RANK法から算出しているか、鎖骨下動脈
較しようとすると前述の各種因子が関与するので、得ら
と腹部大動脈末端の間を測定しています。&RANK法では、
れた値をそのまま動脈硬化度として評価することは誤解
胸骨上縁から臍までを!、臍から大腿動脈の計測部位ま
が生じやすいと考えられます。吉村法では個体間の比較
でを"、胸骨上縁から頸動脈の測定部までを#として、
を前提に、076への影響因子である血圧を拡張期血圧
脈波が進む距離を!+"−#で求めます。すなわち、脈
MM(Gに補正して評価しています。
波が心臓から頸動脈まで進む距離を、脈波が心臓から大
さらに実際の計測においては、脈波の測定用トランス
腿動脈まで進む距離から差し引いているのです。
つまり、
デューサが異なっています。欧米の論文で076を測定
下行大動脈のある一点から大腿動脈の脈波測定部位まで
する場合は、超音波ドプラ血流速計を用いて頸動脈と大
の距離を脈波伝播する部分として算出しています。
腿動脈で流速を測定し、ドプラスペクトルで表示し、波
吉村法では、大動脈弁口から大腿動脈までの距離を、
形の立ち上がり点から波高の 分のの高さでつの波形
胸骨右縁第 肋間から大腿動脈脈波測定部までの直線距
を比較して、脈波の進む時間を計測しています。一方、
離の 倍としています。概算で&RANK法に比べ約 吉村法では、アモルファスセンサーの圧脈波計測用のト
倍の距離を脈波が進む時間から076を求めています。
ランスデューサを用いていますが、アモルファスセンサ
ーは感度がよいのでほとんど血管を圧迫することなく動
.測
定対象動脈は吉村法の方が'SBOL法より心臓に近
い部分の大動脈を含む
脈波は、血管の太さで速度が変わります。太い部分よ
脈の側圧を計測できます。波形の立ち上がり点を明確に
することができるので、頸動脈波と大腿動脈波の立ち上
がり点の時間差を計測しているのです。立ち上がり点の
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A I 、P W V 、A B I に 関 す る Q & A
計測は、波高に左右されないので波形の測定位置を決定
しやすいと考えられます。使用している機器では自動で
立ち上がり点を判別できますが、時に検者により微調整
を要する場合もあります。
図£ 大動脈脈波速度(吉村法)の計測方法
頸動脈波
心音図
心音図
%
大腿動脈波
大腿動脈波
頸動脈波
UD
U
心電図
187=
%×
(NTFD)
U+UD Q
Q:拡張期血圧