中学校道徳授業指導案 1 主題名 人間の気高さ 2 資料名 『虹』6月号1頁「巻頭言:人はなぜ、美しく強くなれるのか」 3 主題設置の理由 (1)ねらいとする価値について 人生において不慮の事故や災害を避けることは不可能といえる。今回の大地震にと もなう津波や原発事故は千年に一度ともいわれる甚大な被害をわが国にもたらした。 しかしその中にあっても、理性と良識を忘れず、悲しみに耐えながら黙々と復興に励 む住民の姿は、国内外に大きな驚きと感動を与えた。さらに時がたつにつれ、一命を 投げ出してまで他人を救おうとした数多くの人々がいたことも明らかになっている。 大きな危機や悲運に見舞われたとき、私たちはどのように生きるべきなのかという 重い問いかけに対し、ひるむことなく正面から考えさせていきたい。 (2)資料について 筆者は長らく経営者として活躍し、同時に社会教育や奉仕活動に長年取り組んでき た経験を持っている。資料は大震災にともなう多くの人間模様に心を揺り動かされた 筆者の感動を中心につづられており、その中で、日本人がなぜこのような行動をとる ことができたのかという理由を歴史の中に見出している。国民的悲運に対し、ただ同 情したり、物資の支援をするだけではなく、人間としての生き方をこそ学ばなくては ならないという筆者の強い思いを読み取らせたい。 4 本時の指導 (1)ねらい 大震災に遭遇した人々に対する深い共感を持たせるとともに、人々の生き方に学ぶ なかから自分のできることを見つけ出そうとする態度を培う。 (2) 展開 学習活動と主な発問 教師の支援 導 入 1.もし今、東日本大震災規模の災害が起きたら自分はど ○何もかも捨てて逃げる、など うするだろう。 本音を語らせる。 2.そのような「本音」の行動をとらなかった人々に、どんな ○記事等を用意し数例を提示 人がいたか、知っていることを発表させる。 する。(本誌8-10頁参照) 3.資料を朗読する。 ○教師が範読する。 4.「心に残った部分」「みんなでもっと考えてみたい点」 「疑問に思うところ」を発表する。 ○発表させる中で資料を読み ほぐしていく。 展 開 5.中心発問 混乱と絶望のただ中にあって人々が秩序や他人への 配慮を持ち続けられた理由は何だろう。 ・日本人の中に、自分よりも他人を優先する心が根づ いていた。 ・同じ不幸を背負った人同士の連帯感があった。 ・悲しみが大きすぎて、争う気がおきなかった。 ・これ以上、傷つけあいたくなかった。 ・少しでも人の役に立ちたいと思った。 ○中心発問に迫る手立てとして 次の部分について考えさせ る。 ・「人が人であるときには」とはど ういう意味だろう。 ・なぜ、日本人はこのような行動 がとれたのだろう。 ・「先祖の積み上げてきた遺産」 とは何だろう。 まとめ 6.あなたが被災した人々から学ぶものは何だろう。 ・どんな時も、他人を思いやる心。 ・「人」であることを片時も忘れないこと。 ・自分よりもつらい思いをしている人が必ずいるというこ と。 ・自分の命より大切なものがあるということ。 ○ノートに記入させ、いくつか発 表させる。 7.自分が今だれかのためにできることは、どんなことがあ るだろうか。 ○自分自身の生活にあてはめ て考えさせる。
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