2015年度 一般社団法人 橿原青年会議所 理事長所信 理事長 梶谷 親祥 For my community ~行動しよう!責任世代として~ はじめに 私は、一般社団法人 橿原青年会議所(以下、橿原JC)に入会しなければどんな人生を歩ん でいたのだろうか。本気でこのまちのことや次世代のことを考えていなかったかも知れない。 橿原JCに出会えたことで、私の人生は確実に変わり、たくさんの人との出会いが、私の価値観 を変えていった。毎年新たに出会うメンバーに加え、出向、先輩方との出会い、志を共有する仲 間に巡りあう度にそれぞれ感動がある。目的達成に向かいJC運動を真剣に取り組むことで、友 情を深め、利害関係を超えた信頼関係を築くことは、JC運動の醍醐味であり根幹だといえる。 この出会いの数が多ければ多いほど、人としても大きく成長していくものと確信する。そして、 人としての成長が未来の希望へとつながり、社会を変革する力にもなっていくのである。 ■未来を創る実直な強いJC 私が橿原JCに入会し、日本におけるJC運動を誇りに思ったことが、2011年3月の東日 本大震災の時の支援活動にある。この大震災の時の日本人の行動は海外メディアから、「日本に は最も困難な試練に立ち向かうことを可能にする『人間の連帯』が今も存在している」 、ほかの国 ならこうした状況下で簡単に起こり得る混乱や暴力、略奪がなかったことなどが称賛されている のを耳にしたことがあるかもしれない。震災直後には大混乱の日本の中で全国民が自分たちにで きることは何かと心を痛めたが、混乱で物資を届けるルートさえ確保できず、報道だけを目にし ていた。この時、日本JCは逸早く立ち上がり、我々の地域でも物資供給の支援活動網を行政や 他団体よりも迅速に開始できた。近所の方々からは「どこに物資を持って行っていいのか分から ないのでJCさんお願いします」と何度も言われた。この活動において速さが素晴らしいのでは なく、有事の時に団結でき行動を起こせるのがJCだと確信した。 日本におけるJC活動の広がりの原点は、実直な日本人の国民性でもある。JCI CREED から始まるセレモニーをJCの決まり事として大切にする文化が世界でもトップの組織力を誇る 青年の団体に成長させたと言われている。本年、橿原JCにおいても意識統一のための基本的活 動を意識して取り組んでいきたい。JC組織の基本である委員会活動をしっかりと機能させ、会 議所という名に恥じない会議をしっかり重ね、事業計画を構築していきたい。 また、地域に対しての情報の発信と報告も重要と考える。ホームページなどを積極的に有効活 用し、様々な運動や活動を発信し続ける必要がある。結果報告も随時更新し、私たちの活動をよ り明確な形で発信する。これが実直な強いJCを創造する第一歩だと確信している。 ■未来を創る会員拡大運動 2015年度橿原JCは43年目の歩みを始めようとしている。我々の運動は先輩たちの熱い 想いを持った運動が地域に信用され、成り立っていることを忘れてはならない。10年後、20 年後も地域社会に必要とされる団体であり続けるには、急速な時代の変化に対応し進化し続け、 会員拡大運動を展開していく必要がある。そして、常に組織が何を目指しているのかを明確にし、 メンバー自身の魅力を高めることが重要である。 また、会員拡大運動は自分たちの団体を良く知り、冷静に分析して魅力を伝える必要がある。 これは企業家である我々が自社商品をセールスすることにも相通ずるものがあると考える。JC という商品をどれだけ魅力あるものとして伝えることができ、団体に対する愛情を伝えることが できるか、これが多くのメンバーを招き入れることにつながると考える。会員拡大運動こそ自己 修練の絶好の機会となるのは間違いない。そして本年度は、入会後の育成にもこだわり、入会し たメンバーが少しでも早くLOMの環境に馴染める機会を提供する。このことが更なる拡大につ ながるスパイラルとなり、意識統一されたJCは大きな運動につながる基本であると考える。 ■未来を創る指導力ある青年経済人の育成 JCは世間からどのように見られているのであろうか。 「JCは余裕があるからできるんですよ ね」とか「JCは2代目、3代目だからできるんですよね」と言われるのを聞いたことがある。 そんな言葉を聞いてどのように感じるのであろうか。入会当初の私はJCメンバーであることを 胸を張って言えてない時もあった。これはなぜだったのか?今振り返ると自分自身が活動してい る内容に誇りを持ち、強い信念を持ち合わせていなかったからに違いない。自分に厳しく、己を 律し、信じる道を歩むうえで恥じること、後ろめたいことは何もないはずである。 本年度は私たちがJAYCEEとして、青年経済人として、地域のリーダーとして、地域にお いての確固たる信念、そして、ぶれない指導力が向上できる運動を展開していく。この指導力の 向上が、まちづくりにおいては地域の説得力あるリーダーとして信用を得、また企業活動におい ては強い経営基盤を築くことにもなり、地域で必要とされる企業に成長するに違いない。 ■未来を創る青少年の育成 責任世代である我々は、先人たちの不断の努力による有形無形の資産の上に生きている。少子 高齢化社会においては、未来の担い手として子どもたちに期待するところが大きくなってしまっ ているのが現実である。いずれ責任世代となる子どもたちにおいては、人格の形成途上にある多 感な青少年期をいかに過ごすかということが、将来に大きな影響を与えるのは紛れもない事実で ある。 礼儀を大切にし、 「他人を思いやる心」、 「周りへの感謝の心」 、など豊かな精神性を育み、そし て大いなる夢を抱き、夢に向かい決して諦めることなく、たくましく歩む力を育成する機会を提 供しなければならない。全ての子どもには無限の可能性が秘められている。心豊かな人間として 成長することこそが未来の力となり、これを左右するのも我々責任世代の責務である。 ■未来を創るまちづくり運動の展開 橿原JCは橿原市を中心として高市郡、磯城郡の1市4町1村をテリトリーとしている。私自 身は橿原JCのテリトリーの中心である橿原市ではなく隣町の高取町で生まれている。高取町か ら橿原市の夢まつりに向かうのが夏の楽しみでもあった。小さな頃なのでこのまつり自体を誰が 汗を流して企画準備しているなんて当然考えることもなかった。ただ、記憶にあるのはこの時期 にはここに行こう、ここで仲間に再会しようというワクワク感であった。このまつりの成熟して きた形が今の「橿原夢の森フェスティバル」である。本年で14回目を迎えることとなるが、事 務局を担ってきた橿原JCとして再度検証してみようと思う。年数を重ね多くの市民の方々の支 持を得て、完成形に近いような感覚を持っていないだろうか。橿原JCが誇る最大のまちづくり 運動である橿原夢の森フェスティバルにおいて、LOM内の士気はどうであろうか。LOMメン バー一丸となって取組めているであろうか。決して私自身は満足していない。我々橿原JCが関 わってきた目的はまつりの無難な運営ではない。企画する側は、喜んでいただける市民の顔を想 像し、参加する子どもたちや市民に夢を与え、心躍らせる市民交流の場となるべきであると考え る。 変化する事は周囲の反発を買うかもしれない。しかし変化を恐れず挑戦し続けることが、JC が関わる、青年が関わる、最大の理由なはずである。あきらめず、妥協せず、最後までやり通す ことが市民の理解にもつながり、まつりの更なる進化につながる。橿原夢の森フェスティバルは JCの3信条である「奉仕」「修練」「友情」のすべてが結集しないと成し得ない事業であるが故 に、すべてのメンバーで取組み経験する必要がある。 また、橿原夢の森フェスティバル以外にも春の神武祭や各市町村のイベントによって我々橿原 JCが他の団体と関わることが多くある。中南和地区のJCとして、それぞれの団体にしっかり とJCを理解していただき、実際に行動することが地域の連携につながり、新たな効果を生む機 会となる。その結果、JC自体の存在意義も高まり、更なる活気あふれる地域の創造にもつなが るはずである。 ■未来を創るJCネットワーク 橿原JCには過去42年に亘ってJAYCEE精神を持った先輩方をこの地域に輩出してきた。 つまり我々と同じ心意気をもった同志がこの地域に多くおられるということである。歴史により 培われてきたこのネットワークは我々現役メンバーが行動を起こすときには良き理解者として、 運動推進の原動力となるのは間違いない。また、LOM内ではメンバー全員の意識のベクトルを 合わせ、相手の立場を理解し、お互いの優れたところを見習い、伸ばし合いながらLOM力を向 上させ、運動推進をする必要がある。 また、日本JCのネットワークの大きさにふれる機会はLOMの更なる進化にもつながり、個々 の新たな可能性を見つける機会にもなると考える。2015年は多くのメンバーがこのネットワ ークにふれあう機会を提供し、出向者に対しては日本・地区・ブロックと全面的な支援を行って いく必要がある。そして、国際的な広がりを見せるJC運動は100周年を迎える。この記念す べき年の世界大会JCI WORLD CONGRESSは国内の金沢で開催される。日本人と しての誇りを感じ新たな自分に出会う機会ともなろう。 おわりに JC運動を思いきって全力で活動できているメンバーはどのぐらいいるのだろうか。思い切っ てできる環境や時期は、人によって違うと思う。無理しすぎる必要はない。少し背伸びをして頑 張りなさいとも言われたこともあるだろう。常に伝統に守られてきた橿原JCは、まっすぐに進 化し続けている。真剣なあなたを裏切ることはない。できる時には、がむしゃらに青年の強みを 生かしてJC運動をしよう。それが自分自身の成長となり、明るい豊かな社会の創造にもつなが ると信じて。 ― 基本理念 ― For my community ~行動しよう!責任世代として~ ― 基本計画 ― 責任世代としての指導力ある人材育成 魅力あるJAYCEEが展開する拡大運動 橿原夢の森フェスティバルに象徴される活気ある地域の創造 次代を担う青少年の育成 日本人らしい実直な強いJCの創造
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