Vol. 87

KTS-Net
進化はここから生まれる。
激動する時代、メーカーはどのようにこの変化に挑み、取り組んでいるのか。
コマツの製品をお使いのユーザーの方々をレポートしてご紹介いたします。
今回は、長年にわたりオートバイ部品を主とした金型・プレス・溶接・ASSY
と一貫した製造を行い、豊富な経験と技術力で社会に貢献されている兵庫県
姫路市の千代田金属工業株式会社様にお話をお伺いしました。
Vol. 87
オートバイ部品の金型製作・プレス・溶接加工及びASSY
千代田金属工業株式会社
本社・工場 〒670-0944 兵庫県姫路市阿保甲403-3 TEL.079-223-8215 FAX.079-282-0215
創 業 1950(昭和25)年 5月 1月 代表取締役 名定 徹夫 資本金 3,000万円 従 業 員 数 150名 ホームページ http://www.c-k.jp
『モノ造りへの情熱とたゆまぬ
技術革新で時代のニーズに対応し、
未来に向かって進化しつづけます。」
創業は、昭和25 (1950) 年。先代の社長が
姫路市南畝町に於いて、自動車電装部品の
生産を開始しました。
創業後間もなく、発動機用マフラー各種
及びオートバイ部品の生産を手掛けるよう
になりました。
以来現在に至るまで、様々なオートバイ
部品の製造を金型製作からプレス・板金加
工、溶接、ASSYといった素材から完成品
までの一貫した生産体制で行ってまいりま
した。現在ではこのオートバイ部品が弊社
の主力となるようになりました。
当初は、スタンドやステップといった足
回り部品を中心に生産していましたオート
バイ部品ですが、やがて外装品も手掛ける
ようになり、そして、発動機用で培った技
術を活かしてマフラーの製造もと、次第に
オートバイに関する様々な部品の生産を手
掛けるようになりました。
昭和60 ( 1985 ) 年には、冷間鍛造プレス
L1C 5台をはじめ、NC旋盤等の大量導入を
実施。本格的に冷間鍛造加工に力を入れる
常務取締役
原
進氏
こととなりました。
その後も様々なオートバイ部品の生産を
手掛け、その種類も少しずつ広げてまいり
ましたが、3年程まえからは、本体フレー
ムの製造にも参入ようになり、現在はフレ
ームとマフラーが弊社製品の主体となって
います。
また、今年からはギア部門にも本格的に
参入することになりました。
今後もたゆまず技術を研き、設備の充実
を図り、常にお客様にお喜び頂ける製品造
りを続けて行きたいと思っております。
●長年に渡って作り続けて来た、オートバイのマフラー。
まさに会社の顔と言える。
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
創業から今日に至るまでの経緯について
お聞かせ下さい。
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進化はここから生まれる。
日々変化する顧客のニーズに応え、最良の品質とサービスを追求したモノづくり。
工場では徹底した品質管理と原価低減意識を持ち、社員が一丸となって仕事に取
り組んでいる。
さらに、顧客の信頼に応えるための積極的な設備投資も推進している。
技術課 課長
櫛橋 謙雄 氏
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
御社では、どのような社員教育を行って
いますか。
弊社では社員教育というものは必要不可
欠でとても大事ものと捉えています。
資格試験などの挑戦や様々な講習会や勉
強会への参加、優良な協力会社を見学させ
て頂いたりと、会社の内部・外部に関わら
ず積極的な教育を行っています。
社内活動も活発的に行っています。本年
度の年度目標として「E V 0. 123(エボリュ
ーション ワン・ツー・スリー)」を掲げ、
①労働災害0件達成、②機械稼働率1割向
上、③流出不具合ポイント2割低減、④対
売上在庫比率3割低減、④年間営業利益1
億2千3百万といった目標達成に向け全社
員が取り組んでいます。
また、各職場をグループ分けし、現場で
問題点を見付け、改善していくといった改
善活動も行っており、年始には各職場でグ
ループ毎に改善事例を発表する機会を設け
ております。
御社技術の特徴をお聞かせ下さい。
弊社は創業以来、様々なオートバイ部品
の生産を手掛けてまいりましたので、曲げ
加工や絞り加工など幅広く様々な加工を経
験してまいりました。
また、昨今のオートバイの進化により、
使用される素材も多種多様になり、幅広い
素材を扱うようになってきました。
3年程前からオートバイのフレームの生
産も手掛けていますが、スーパーバイクと
呼ばれているオートバイには、SUS、アルミ
やチタンなど非鉄金属が多く使われ、又、
形状も大きく傷の問題もあるため、現在は
単発で加工しています。元々オートバイの
生産台数は、自動車に比べて圧倒的に少な
いものなので自動化がとてもしづらいもの
ですが、いずれはフレームも順送加工して
行きたいと思っています。そのためにもサ
ーボプレスを活用して行きたいと思ってい
ます。
弊社では、殆どの製品を金型製作からプ
レス加工・溶接・Assyまで一貫して自社内
で行っております。
金型の内製化の強化の為に6年間掛けて、
Vol. 87
CAD・CAMや解析システム、計測器等、年々
設備の充実を図っています。また、今年か
ら本格的に生産を開始することとなりまし
たギアの加工に対しましても、昨年からそ
のための機械を導入するなど、常に技術の
向上と設備の充実に力を注いでおります。
現在は切削とプレスを使った抜き加工で
行っていますこのギアは、もともと3年程
前に冷間鍛造プレスL1Cを使用して試作し
たところ、門型で口開きが無いこともあり、
上手くできたので、量産化に踏み切りまし
た。今後はサーボプレスを用いて、プレス
だけで加工したいとも考えています。
また、このギアに関しましてもいずれは
歯切り・焼入れ最終工程までトータル的に
社内で一貫した生産を行いたいと思ってい
ます。
千代田金属工業 株式会社
また、弊社では“見える職場・魅せる職
場”創りを目指しています。“見える職場”
とは、管理するといった社内的な視点から
見た職場で、“魅せる職場”とは、製品の作
り方や品質、環境への配慮といった、お客
様の立場から見た魅力ある職場を創りたい
と思っているのですが、その“魅せる”と
いった点からも、様々な未知なる可能性を
秘めたサーボプレスは今後お客様にとって
も魅力ある設備になるのではと思い、サー
ボプレスの導入に踏み切りました。
H1Fを使用して2年半程経ちますが、金型
寿命が大幅に伸びた事、音がとても静かで
ある事、また、実際に計測してみると30%
程消費電力が少なく済んでいる事など様々
な効果を実感しております。
これからも徐々に、従来のプレス機から
サーボプレスへの転換をして行きたいと思
っています。また、H1Fの“見える化”シ
ステムを今後もっと有効に使って行きたい
と思っています。
サーボプレスH1F御導入の動機と実際に
御使用された感想をお聞かせ下さい。
今まで単発加工していた製品を順送加工
するには、加減速出来るサーボプレスが良
いと思っていました。また、今年から本格
的に手掛けるようになったギアの生産を手
掛けるにあたってもサーボが最適と思い、
2年半程前にコマツのサーボプレスH1Fを
導入しました。
独自の発想で、金型交換の
手間も大幅に減少している。
2台のサーボプレスH1F110。今後の更なる活躍が期待される。
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
オートバイ部品の金型製作・プレス・溶接加工及びASSY
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進化はここから生まれる。
オートバイ部品の金型製作・プレス・溶接加工及びASSY
千代田金属工業 株式会社
今後の御社の展望をお聞かせください。
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
元々生産台数が少なかったオートバイで
すが、昨今では、650cc以下の製品は海外
生産に順次移行が決定しており、又、今年
は新車が少ないといったさらに厳しい状況
が続いています。
このような状況下ではございますが、今
後も弊社では、プレス・溶接加工をはじめ
様々な技術を研き続け、お客様には常に、
安定した品質・コストでお応えして行きた
いと思っております。
長年、オートバイのマフラーを製造し続
けてまいりました中で培った技術を活かし、
今後もマフラー作りの幅を広げるとともに、
フレーム、ギアを柱に全ての製品に対して
素材から完成品まで一貫した生産を行って
いきたいと思っております。
今後も弊社では、モノ造りへの情熱とた
えまぬ技術革新を続け、お客様に喜んで頂
け、従業員も喜べるモノ創りを続けて行き
たいと思っています。
KTS-Net
KTS-Net とは、サーボプレスを活用し
て革新的なプレス加工を追求されてい
るユーザーの方々の集まりです。
皆様の情報受発信の場として、是非ご
利用ください。
また、今後もこの誌面でKTS-Net のお
客様をご紹介させて頂きます。
ご入会をご希望の方は、是非弊社のサ
イトをお訪問下さい。
製品紹介
能 力
能力限界
ストローク長さ
最大ストローク数
ダイハイト
スライド調節量
スライド寸法
シャンク穴径
ボルスタ寸法
許容上型質量
左右 L-R
前後 F-B
左右 L-R
前後 F-B
厚さ
単位
kN
mm
mm
1/min
mm
mm
mm
mm
mm
mm
mm
mm
kg
H1F35
350
4.5
~80
~80
210
55
350
300
38.5
700
400
86
50
H1F45
450
5.5
~100
~70
250
60
400
350
50.5
800
450
110
80
H1F60
600
6.0
~120
~60
300
65
500
400
50.5
900
550
130
130
H1F80
800
5
~130
~75
320
80
550
450
50.5
1000
600
140
190
H1F110
1100
5
~150
~65
350
100
620
530
50.5
1100
680
150
350
H1F150
1500
6
~200
~55
420
100
700
550
50.5
1250
760
165
500
H1F200
2000
6
~250
~50
450
120
850
650
50.5
1450
840
190
650
お問い合わせは
コマツ ハイブリッドACサーボプレス
KOMATSU HYBRID AC SERVO PRESSES
コマツ産機株式会社 鍛圧KBU 企画グループ
〒 140-0016 東京都大田区大森北1-6-8 KDX大森ビル3階
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