『お客様に好かれる ユーワとなる』 - コマツ産機

KTS-Net
進化はここから生まれる。
激動する時代、メーカーはどのようにこの変化に挑み、取り組んでいるのか。
コマツの製品をお使いのユーザーの方々をレポートしてご紹介いたします。
今回は、長年にわたり金属プレス加工・金型製作及び精密スプリング製作を
手掛け、ユーザーから確固たる信頼を得られている千葉県流山市の株式会社
ユーワ様にお話をお伺いしました。
Vol. 136
金属プレス加工・精密スプリング製作・金型製作
/事務用品・生活用品製造販売
株式会社 ユーワ
本 社 〒270-0107 千葉県流山市西深井1028-16(本社工場・第2工場・第3工場)
TEL.04-7156-1411 FAX.04-7156-1412
流山工場 〒270-0164 千葉県流山市流山944
創 業 1957(昭和32)年 7月 代表取締役 伊東 秀幸 資本金 2000万円 従業員数 94名
認証登録 ISO9001:2008 本社工場・流山工場 ISO14001:2004 本社工場
創業からの経緯をお聞かせ下さい。
弊社は1957(昭和32)年7月に東京都墨田
区においてスプリング製造会社として創業
致しました。
その後、1971(昭和46)
年に千葉県流山市
に移転し、株式会社正力スプリング製作所
に改組、設立しました。
そして2003(平成15)
年、社名を株式会社
ユーワに変更し、本社を流山工業団地内へ
移転。当初はプレス部門だけの移転でした
が、数年のうちに第2工場第3工場と広げて
スプリング製造・金型製作・組立部門も本
社に集約し、現在に至っています。
創業当時は、主にライターに使用されて
いるコイルバネ等のスプリング製造会社で
したが、現会長(鵜飼 取締役会長)が入社し、
営業を行っている中で、金属プレス加工部
品製造を受注したことがきっかけでプレス
加工を始めるようになったのです。
伊東 秀幸 代表取締役社長
次第にプレス加工の仕事が増加し、今日
に至るまで空圧機器部品、自動車部品、釣
具金物、事務用品、生活用品などを金型製
作からプレス加工、組み立てまで一貫した
生産体制で製造してまいりました。
また、生産と同時に自社製品開発にも積
極的に取り組んでおります。
製造業に携わる弊社にとって、品質は会
社の命と心得、品質の確保なくして会社の
存続はあり得ない、と考えております。品
質方針を定め、品質に対する認識を明らか
にすると共に、その方針が適切であるよう
に定期的に見直しを行なっております。
お客様に好かれるユーワとなるように、
お客様の市場創造に貢献し、常にご満足頂
ける高い品質のモノ作りをこれからも続け
てまいります。
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
『お客様に好かれる
ユーワとなる』
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進化はここから生まれる。
自由な発想と豊かな創造力を発揮し、最良の品質とサービスを追求。
工場では徹底した品質管理と原価低減意識を持ち社員一丸となって
仕事に取り組んでいる。さらに顧客の信頼に応えるための積極的な
技術革新も推進している。
第2工場/第3工場
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
御社の製品についてお聞かせ下さい。
弊社では小型のプレス製品を数多く手掛
けており、ステンレス、鉄、真鍮、アルミ
などの素材で且つ、板厚0.15∼2mmといっ
た比較的材厚の薄い製品を金型の製作から
プレス加工そして組立まで、自社内で一貫
生産しています。中でもステンレスのバネ
材の加工を最も得意としています。製品と
しては、空圧機器の部品や自動車部品、工
業機械部品の割合が多くなっています。
弊社の保有するプレス機械は、小物製品
の製造が中心のため、160トンプレスが最も
大きなプレス機になっています。
金型部門では、試作型・試作品の製作か
ら本型製作及び既存型のメンテナンスに対
応しているため、金型設計のためのCADを
はじめ、ワイヤー加工機・放電加工機・旋
盤・フライス・ボール盤・プレス機等の設
備を揃えています。
弊社の製品には、端先精度がミクロン単
位で要求される製品等、高い精度が求めら
れるものが数多くあります。
生産量が少なければまだ容易なのですが、
量産となるとその生産過程で金型の状態も
変化していきますし、油の量によっても微
妙な差が生じてしまう等、量産ならではの
様々な問題に対しての管理、品質維持とい
う点に一番気を使っております。また、金
型製作及びプレス加工の技術を高めるとと
もに、各種検査機による検査を品質保証部
に加え、現場でも検査を随時行なう等、徹
底した品質管理を行なっています。
創業当初から長年手掛けてまいりました
スプリング製品においては、細材の製品を
得意としています。引きバネ・押しバネ・
リング・クリップなどを生産しており、加
工後の熱処理まで対応できる設備を整えて
います。
精密スプリング製作
自社製品の開発も積極的に行なわれてい
るとのことですが。
弊社は長年にわたり、金属プレス加工及
び精密スプリング製作を続けてまいりまし
たが、時には、かなり厳しい状況の時期も
ありました。かつて、その厳しい状況下に
ある時に、現会長がその対応策として自社
製品の開発に取り組んだのです。
Vol. 136
自社製品があれば販売価格を自社で設定
できることで、自分たちの努力が収益増加
に直接結び付くからです。会社経営におい
ても他社に依存する部分が減ります。
自社製品の中でも、様々な文具をカード
形に集約した多機能文具は爆発的なヒット
商品となり、大手文具メーカーから多数問
い合わせを頂きました。
その後も手帳に挟んでおける薄型ペンや引
きバネを使用することによって超コンパク
トサイズを実現したミニホッチキス等、ス
プリング製作やプレス加工といった弊社に
ある技術を活かして、様々な自社製品の開
発に取り組んでまいりました。現在は10年
程前に会長の奥様からの相談をもとに自社
開発した、杖の転倒を防止する「転ばぬ杖」
という杖ホルダーが好評発売中です。
株式会社 ユーワ
新製品を受注するにあたり、自由なモーシ
ョン設定ができるサーボプレスでの加工が
最適と判断、月150万個生産の予定であった
ため110トンのコマツサーボプレスH1Fを
2台導入することにしました。
従来のメカプレスでも加工できたとは思
いますが、やはりサーボプレスでの加工は
精度も高く、安心感がありました。
弊社では、どういう過程で製品を作って
いくかというアイデアが重要なポイントと
考えているため、従来は旋盤で造っていた
製品をプレス化することによって材料を少
なくし、生産スピードを向上させるといっ
た製品を数多く手掛けています。そのため
下死点精度を高める必要性があり、その後
もコマツサーボプレスH1Fを4台導入し、現
在では計6台のサーボプレスを様々な加工
に活用しています。今後は、サーボプレス
の機能をさらに活用し、未知なる様々な加
工に挑戦して行きたいと思っています。
自社製品 杖ホルダー(杖転倒防止器)
「転ばぬ杖」
サーボプレス導入の経緯、ご感想をお聞
かせ下さい。
弊社では2010年に初めてサーボプレスを
導入しました。深めの角絞り加工を行なう
2台同時に導入されたコマツサーボプレスH1F110。
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
金属プレス加工・精密スプリング製作・金型製作
/事務用品・生活用品製造販売
Vol. 136
金属プレス加工・精密スプリング製作・金型製作
/事務用品・生活用品製造販売
まずは、今の仕事を今後も継続させてい
かなければならないという使命感がありま
す。
現在、弊社は様々な部門において世代交
代が行なわれている最中にあります。この
様な状況の中でも、お客様に安心してもら
えるよう、社内を確固たるものにしなけれ
ばなりません。
その上で、今後も常にお客様から相談を
持ちかけて頂けるように、ご提案・アイデ
アを絞り出せる会社で在り続けなければな
りません。それこそが、日本の製造業にと
って今後国内で生き残って行けるか否かの
ポイントであると考えています。
もちろん、自社製品の開発も継続して取
り組んでいきたいと思っております。
今後もお客様にご満足頂けるよう、創意
工夫と品質システムの継続的改善をもって
お客様の要求される品質を確保し、お客様
に好かれるユーワとなるよう、日々力を注
いで参ります。
株式会社 ユーワ