早期RA患者における治療戦略-HOPEFUL1を中心に

成
は
、
現
実
的
な
治
療
ゴ
ー
ル
で
あ
る
こ
と
が
認
識
さ
CLINICIAN ’13 NO. 616
︵
は
じ
め
に
︵
︶
︶
、
構
造
︶ 的
寛
解
︶
、 ︵
機
能
︶ 的
寛 ︵
解
︶ ︵
の
達
⊿ mTSS modified
早
期
R
A
患
者
に
生 対
物 す
学 る
的
製
剤
使
用
の
位
置
付
け
れ
つ
つ
あ
る
。
関
節
リ
ウ
マ
チ
︵
R
A
︶
診
療
に
お
け
る
、
最
近
の
CRP < 2.6
103
生
物
学
的
製
剤
に
つ
い
て
は
、
日
和
見
感
染
症
・
結
イ
22 大
ド
年 き
ラ
ぶ な
イ
り ト
ン ︵ の ピ
改 T 改 ッ
訂4)2 定1)ク
な T と ス
ど ︶ 新 は
、 治 し 、
R 療 い R
A 戦 寛 A
治 略 解 分
療 の 基 類
戦 提 準 ︵
略 唱3)の 診
の 、 提 断
根 M 唱2)︶
本 T 、 基
に X
準
関 ガ
の
HAQ
核
等
の
呼
吸
器
を
は
じ
め
と
す
る
感
染
症
の
発
現
リ
ス
わ
る
重
要
な
治
療
指
針
の
見
直
し
・
追
加
で
あ
る
。
Total Sharp Score < 0.5
ク
、
ま
た
悪
性
腫
瘍
頻
度
を
高
め
る
可
能
性
な
ど
の
懸
︵
M
T
X
︶
を
中
こ
の
よ
う
な
世
界
的
な
R
A
治
療
の
潮
流
を
受
け
て
、
Health Assessment Questionnaire ≦ 0.5
念
も
あ
る
こ
と
か
ら
、
M
T
X
を
含
む
D
M
A
R
D
に
わ
が
国
に
お
い
て
も
Treat
心
と
し
た
抗
リ
ウ
マ
チ
薬
︵
D
M
A
R
D
︶
と
T
N
F
to Target
DAS28
阻
害
剤
を
中
心
と
し
た
生
物
学
的
製
剤
に
よ
る
早
期
か
Methotrexate
ら
の
積
極
的
治
療
に
よ
っ
て
、
臨
床
的
寛
解
︵
︱
H
O
P
E
F
U
L
1
を
中
心
に
︱
早
期
R
A
患
者
に
お
け
る
治
療
戦
略
新
た
な
治
療
戦
略
石
黒
直
樹
(2
2
5)
期
か
ら
の
使
用
に
よ
り
優
れ
た
有
効
性
を
示
し
た
と
い
D
M
A
R
D
の
使
用
経
験
の
な
い
症
例
に
お
い
て
も
早
ん
の
存
在
︶
︶
を
有
す
る
場
合
は
T
N
F
阻
害
剤
を
M
抗
C
C
P
抗
体
陽
性
、
ま
た
は
構
造
的
障
害
︵
骨
び
ら
節
外
症
状
の
存
在
、
リ
ウ
マ
ト
イ
ド
因
子
陽
性
ま
た
は
ン 考
改 慮
訂 す
の る
背 ﹂
景 が
は 追
、 記
ア さ
ダ れ
リ た
ム ︵
マ 図
ブ !
︵ ︶
ヒ 。
ュ ガ
ミ イ
ラ"ド
︶ ラ
が イ
有
す
る
場
合
に
は
、
M
T
X
と
の
併
用
に
よ
る
使
用
を
性
又
は
画
像
検
査
に
お
け
る
骨
び
ら
ん
を
認
め
る
︶
を
更
に
予
後
不
良
因
子
︵
R
F
陽
性
、
抗
C
C
P
抗
体
陽
T
X
と
併
用
ま
た
は
非
併
用
で
使
用
す
る
と
さ
れ
て
い
︶
で
か
つ
予
後
不
良
因
子
︵
機
能
的
障
害
、
関
期
R
A
患
者
に
お
い
て
、
高
疾
患
活
動
性
︵
の 使
用
に
つ
い
て
は
、
5)
で 米
は 国
、 リ
発 ウ
症 マ
6 チ
カ 学
月 会
︵
未 A
満 C
の R
早 ︶
E
S
R
が
5
・
1
超
︵
罹
病
期
間
が
6
カ
月
未
満
の
患
者
で
は
、
D
A
︶ S
で 28
、
−
験8)う
﹂ 、
の 本
結 邦
果 初
が の
評 エ
価 ビ
さ デ
れ ン
た ス
こ ﹁
と H
に O
よ P
る E
。 F
U
L
1
試
る
。
ま
た
、
ヨ
ー
ロ
ッ
パ
リ
ウ
6)
マ
で チ
は 学
、 会
D ︵
M E
A U
R L
D A
R
︶
に
よ
る
recommendation
(2
2
6)
未
治
療
の
場
合
で
も
、
非
常
に
高
い
疾
患
活
動
性
、
あ
high disease activity
H
O
P
E
F
U
L
1
試
験
の
目
的
と
方
法
る
い
は
早
期
の
関
節
の
構
造
的
障
害
を
認
め
る
等
予
後
DAS28
罹
患
期
間
2
年
以
内
で
M
T
X
ま
た
は
レ
フ
ル
ノ
ミ
不
良
因
子
を
有
す
る
患
者
に
お
い
て
は
最
初
か
ら
生
物
> 5.1
学
的
製
剤
と
M
T
X
の
併
用
投
与
を
行
う
べ
き
患
者
が
recommendation
い
る
と
さ
れ
、
い
ず
れ
に
お
い
て
も
一
部
の
患
者
に
限
薬
︵
D
M
A
R
D
︶
に
よ
る
治
療
歴
の
な
い
場
合
で
も
、
対
し
使
用
す
る
薬
剤
と
し
て
位
置
付
け
ら
れ
て
い
る
。
作
用
等
に
よ
り
D
M
A
R
D
が
使
用
で
き
な
い
患
者
に
イ リ
ド ウ
ラ マ
イ チ
ン ︵
﹂ R
が A
改 ︶
訂 に
さ 対
れ7)す
る
、
﹁ T
既 N
存 F
の 阻
抗 害
リ 薬
ウ 使
マ 用
チ ガ
わ
が
国
に
お
い
て
も
、
2
0
1
2
年
8
月
に
﹁
関
節
D
M
A
R
D
未
治
療
例
に
対
す
る
生
物
学
的
製
剤
の
CLINICIAN ’13 NO. 616
よ
り
十
分
な
効
果
が
期
待
で
き
な
い
患
者
、
ま
た
は
副
り
そ
の
使
用
が
推
奨
さ
れ
て
い
る
。
104
!
※2
0
1
2年8月現在 アダリムマブ(ヒュミラ")のみ使用が認められている
DAS28>5.1
対 ︵
象
患
者
に
お
い ︶
て の
、 患
2
6
週 者
時 が
に 約
5
は9
ア %
ダ を
リ 占
ム め
マ る
ブ 試
+ 験
105
臨
床
症
状
の
改
善
に
つ
い
て
は
、
高
疾
患
活
動
性
H
O
P
E
F
U
L
1
試
験
の
結
果
た S 週 リ
。 28 目 ム
、 、 マ
関 52 ブ
節 週 40
破 目 !
壊 に を
評 そ 26
価 れ 週
に ぞ 間
は れ 、
m 、 隔
T 疾 週
S 患 皮
S 活 下
を 動 投
用 性 与
い に し
評 は た
価 D 。
し A 26
CLINICIAN ’13 NO. 616
は
、
全
被
験
者
に
非
盲
検
下
で
M
T
X
に
加
え
て
ア
ダ
下 ブ
投 40
与 !
し ま
た た
。 は
26 プ
週 ラ
目 セ
以 ボ
降 を
︵ 26
非 週
盲 間
検 に
継 わ
続 た
投 り
与 隔
期 週
︶ 皮
M
T
X
︵
4
∼
8
!
/
週
︶
に
加
え
て
、
ア
ダ
リ
ム
マ
が
実
施
さ
れ
た
。
二
重
盲
検
期
間
の
用
法
・
用
量
は
、
る
継
続
投
与
期
間
︵
非
盲
検
非
対
照
︶
か
ら
な
る
試
験
無
作
為
化
二
重
盲
検
並
行
群
間
比
較
︶
と
非
盲
検
に
よ
た
め
、
二
重
盲
検
に
よ
る
投
与
期
間
︵
プ
ラ
セ
ボ
対
照
に
、
ア
ダ
リ
ム
マ
ブ
の
有
効
性
と
安
全
性
を
検
証
す
る
ド
の
投
与
歴
が
な
い
日
本
人
活
動
性
R
A
患
者
を
対
象
(2
2
7)
!ベースラインおよび投与2
6週時の DAS2
8-ESR
を
対
象
と
し
て
、
ア
ダ
リ
ム
マ
ブ
を
中
止
し
た
場
合
の
な
お
、
H
O
P
E
F
U
L
1
試
験
を
完
了
し
た
患
者
(2
2
8)
要
性
が
示
唆
さ
れ
た
。
か
ら
ア
ダ
リ
ム
マ
ブ
+
M
T
X
の
早
期
治
療
介
入
の
重
の
差
は
埋
ま
ら
ず
、
H
O
P
E
F
U
L
1
試
験
の
結
果
し
た
が
、
ア
ダ
リ
ム
マ
ブ
導
入
前
に
生
じ
た
関
節
破
壊
い
て 26
も 週
、 以
52 降
週 に
時 、
に ア
臨 ダ
床 リ
的 ム
寛 マ
解 ブ
を を
45 併
・ 用
8 し
% た
が 群
達 に
成 お
者
の
関
節
破
壊
の
進
行
を
防
ぐ
こ
と
が
で
き
た
︵
図
#
︶
。
り
、
M
T
X
群
と
比
較
し
て
約
30
%
の
差
を
も
っ
て
患
ア
ダ
リ
ム
マ
ブ
+
M
T
X
併
用
を
開
始
す
る
こ
と
に
よ
・
0
%
の
患
者
が
構
造
的
寛
解
を
達
成
し
、
早
期
か
ら
の あ
変 る
化 投
を 与
み 26
る 週
と 時
、 の
ア m
ダ T
リ S
ム S
マ の
ブ ベ
+ ー
M ス
T ラ
X イ
群 ン
で か
62 ら
関
節
破
壊
の
進
行
抑
制
に
つ
い
て
は
、
主
評
価
項
目
で
ま
で
M
T
X
群
に
対
し
有
意
な
改
善
を
示
し
た
︵
図
"
︶
。
群
で
53
・
2
%
が
A
C
R
20
反
応
率
を
達
成
し
、
26
週
さ
ら
に
は
投
与
2
週
目
か
ら
ア
ダ
リ
ム
マ
ブ
+
M
T
X
CLINICIAN ’13 NO. 616
M
T
X
群
で
31
%
が
臨
床
的
寛
解
を
達
成
し
︵
図
!
︶
、
106
!ACR2
0反応率の推移
破
壊
進
展
を
抑
制
す
る
こ
と
を
明
ら
か
に
し
た
日
本
人
す
る
こ
と
で
、
M
T
X
単
独
療
法
に
比
べ
有
意
に
関
節
107
ア
ダ
リ
ム
マ
ブ
+
M
T
X
併
用
療
法
を
初
め
か
ら
実
施
因
子
を
有
す
る
M
T
X
ナ
イ
ー
ブ
の
患
者
に
対
し
て
、
早
期
R
A
患
者
で
か
つ
、
高
疾
患
活
動
性
で
予
後
不
良
そ
の
根
拠
と
な
っ
た
H
O
P
E
F
U
L
1
試
験
は
、
ン
に
も
そ
の
旨
が
追
加
さ
れ
た
。
訂
さ
れ
、
さ
ら
に
は
生
物
学
的
製
剤
使
用
ガ
イ
ド
ラ
イ
こ
と
に
な
っ
た
。
こ
れ
に
合
わ
せ
て
、
添
付
文
書
が
改
CLINICIAN ’13 NO. 616
D
︶
に
よ
る
治
療
歴
が
な
い
場
合
で
も
使
用
で
き
る
﹂
れ
る
患
者
に
対
し
て
は
、
抗
リ
ウ
マ
チ
薬
︵
D
M
A
R
唯
一
﹁
関
節
の
構
造
的
損
傷
の
進
展
が
早
い
と
予
想
さ
リ
ム
マ
ブ
の
適
応
が
拡
大
さ
れ
、
生
物
学
的
製
剤
で
は
H
O
P
E
F
U
L
1
試
験
の
結
果
を
受
け
て
、
ア
ダ
T
2
T
実
践
の
た
め
の
新
た
な
治
療
戦
略
い し リ
る た ス
。 H ク
O と
P ベ
E ネ
F フ
U ィ
L ッ
2 ト
、 を
3 検
試 討
験 す
が る
現 こ
在 と
進 を
行 目
し 的
て と
(2
2
9)
!mTSS のベースラインから投与26週時の変化量の累積確率分布図
Aletaha D, et al : 2010 Rheumatoid arthritis
classification criteria : an American College of
Rheumatology/European League Against Rheumatism
collaborative initiative. Ann Rheum Dis, 69, 1580-1588
(2010)
Felson DT, et al : American College of Rheumatology/
European League Against Rheumatism Provisional
Definition of Remission in Rheumatoid Arthritis for
教
授
︶
108
CLINICIAN ’13 NO. 616
(2
3
0)
初
の
貴
重
な
エ
ビ
デ
ン
ス
で
あ
る
。
ア
ダ
リ
ム
マ
ブ
の
適
応
拡
大
と
そ
れ
に
合
わ
せ
た
ガ
イ
ド
ラ
イ
ン
改
訂
に
よ
り
、
本
邦
で
も
よ
う
や
く
海
外
同
様
の
治
療
が
実
現
可
能
に
な
っ
た
と
言
え
る
。
わ
れ
わ
れ
は
患
者
の
関
節
破
壊
抑
制
を
念
頭
に
お
き
、
患
者
と
共
に
T
2
T
を
実
践
す
る
こ
と
が
求
め
ら
れ
る
。
ア
ダ
リ
ム
マ
ブ
が
も
た
ら
し
た
新
た
な
治
療
戦
略
は
、
T
2
T
を
実
践
す
る
た
め
の
強
力
な
武
器
と
な
り
、
本
邦
の
R
A
治
療
を
次
の
ス
テ
ー
ジ
に
導
く
と
考
え
る
。
︵
名
古
屋
大
学
大
学
院
医
学
系
整 研
形 究
外 科
科
学
1)文
献
2)
Clinical Trials. Ann Rheum Dis, 70, 404-413 (2011)
Smolen JS, et al : Treating rheumatoid arthritis to
target : recommendations of an international task force.
Ann Rheum Dis, 69, 631-637 (2010)
:
Singh JA, et al : 2012 Update of the 2008 American
College of Rheumatology Recommendations for the
Use of Disease-Modifying Antirheumatic Drugs and
Biologic Agents in the Treatment of Rheumatoid
Arthritis. Arthritis Care Res (Hoboken), 64, 625-639
(2012)
Smolen JS, et al : EULAR recommendations for the
management of rheumatoid arthritis with synthetic and
biological disease-modifying antirheumatic drugs. Ann
Rheum Dis, 69, 964-975 (2010)
:
関
節
リ
ウ
マ
チ
︵
R
A
︶
に
対
す
る
T
N
http : //www.ryumachi-jp.com/info/guideline_TNF_
120704.html
(2
3
1)
CLINICIAN ’13 NO. 616
109
3)
4)
員 日
会 本
編 リ
ウ
関 マ
節 チ
リ 学
ウ 会
マ M
チ T
治 X
療 診
に 療
お ガ
け イ
る ド
メ ラ
ト イ
ト ン
レ 策
キ 定
サ 小
ー 委
ト
︵
M
T
X
︶
診
療
ガ
イ
ド
ラ
イ
ン
2
0
1
1
年
版
、
羊
土
5)
社
、
東
京
︵
2
0
1
1
︶
6)
7)
日
本
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