初級ミクロ経済学 -生産者行動理論- 2014年11月07日 古川徹也 2014年11月07日 初級ミクロ経済学 1 長期の企業行動 短期であっても長期であっても,企業の行動は 利潤最大化として特徴づけられる。 短期と長期の違い:生産要素がすべて可変生産 要素 すべて可変によって・・・ (1)「生産要素の代替」という問題が発生 (2)「赤字であっても生産を続ける」がなくな る。 2014年11月07日 初級ミクロ経済学 2 長期の費用曲線の考え方(1) 短期の費用曲線の包絡線をとったものが長期の 費用曲線。 各生産量に対して,もっとも費用が低くなるよ うな資本の投入量を選ぶことができる(短期で は固定要素だった)。その結果,それが選べな いときにくらべて費用を下げることができる。 → 最適な生産要素投入量を選ぶことができる。 2014年11月07日 初級ミクロ経済学 3 長期の費用曲線の考え方(2) 等量曲線:同じ生産量を生産する生産要素の組 合せを平面にあらわしたもの。無差別曲線と同 じ考え方。 w 等量曲線上のそれぞれの点をとおり,傾きが r となる右下がりの直線を描く。その直線の縦軸 との交点は,必ず総費用を r で割ったものと なっている。 したがって,総費用最小化=縦軸との交点を もっとも原点に近づけること。 2014年11月07日 初級ミクロ経済学 4 等量曲線と等費用直線 K C1 r ( L1, K1) C* r C wL rK ( L* , K * ) ( L1, K1) x0 f ( L, K ) L 2014年11月07日 初級ミクロ経済学 5 長期の費用曲線の考え方(2)続き 等量曲線と等費用線の接点を考えることで,各 生産量に対して費用を最小にする生産要素の組 合せを考えることができる。それが生産要素需 要関数と言える。 生産要素需要関数を総費用を求める式に代入し たものが,費用関数である。これを図に描いた ものが総費用曲線となる。 C ( y; w, r ) wL( y; w, r ) rK ( y; w, r ) 2014年11月07日 初級ミクロ経済学 6 短期と長期の違い 短期の場合,固定生産要素が与えられると,生 産量と可変生産要素需要とは1対1の対応関係 ができて,生産要素需要量は生産要素の価格に 依存しない。 C ( y ) wL( y ) rK しかし長期の場合には価格に依存する。これは, 生産要素価格に応じて企業がもっとも費用を安 くできる生産要素の組合せを選べるということ を意味している。 2014年11月07日 初級ミクロ経済学 7 等量曲線と等費用直線 K 労働の価格が相対的に高い場合には, 1の組合せ,資本の価格が相対的に 高い場合には,2の組合せを選ぶ。 ( L1 , K1 ) ( L2 , K 2 ) L 2014年11月07日 初級ミクロ経済学 8 C( y) 長期の費用関数 C( y) 原点を通ることに 注意 y 0 2014年11月07日 初級ミクロ経済学 9 MC ( y ) AC ( y ) p* 長期の限界費用曲線と平均費用曲線 長期の損益分岐点 かつ生産中止点 0 2014年11月07日 y 初級ミクロ経済学 10 長期の損益分岐価格 長期では, (1)市場価格が損益分岐価格より高ければ参入 が起こり,供給曲線が右にシフトし,長期の損益 分岐価格へと近づく。 (2)市場価格が損益分岐価格より低ければ退出 が起こり,供給曲線が左にシフトし,長期の損益 分岐価格へと近づく。 各企業は長期の損益分岐価格に等しい量の生産 を行う。 2014年11月07日 初級ミクロ経済学 11 参入と退出の効果 p p* X 2014年11月07日 初級ミクロ経済学 12
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