初級ミクロ経済学 -不完全競争(1)独占(続き)- 2014年11月28日 古川徹也 2014年11月28日 初級ミクロ経済学 1 独占は本当に問題なのか? 費用逓減産業:平均費用が生産量の拡大にした がって低下していくような技術のある産業のこ と。 大規模な初期費用(固定費用)が必要となる産 業が,費用逓減産業となることが多い。 以下では,以下のような費用関数を持つものを 考える。 C ( x ) cx F C ( x) F AC ( x ) c x x 2014年11月28日 初級ミクロ経済学 2 平均費用曲線と限界費用曲線 AC (x ) AC (x ) c x 0 2014年11月28日 初級ミクロ経済学 3 平均費用曲線と需要曲線との関係 AC (x ) 2分の1ずつ分 け合う需要曲線 需要曲線 AC (x ) c 0 2014年11月28日 x 初級ミクロ経済学 4 独占での市場均衡 AC (x ) pM MR c 0 2014年11月28日 AC (x ) x M 初級ミクロ経済学 x 5 規制をかける 企業に独占を許す代わりに,政府が 価格を設定する(規制)。 規制には,(1)平均費用価格規制 ,(2)限界費用価格規制,の2種 類がある。 現実においては,(1)の考え方に 基づく場合が多い。 2014年11月28日 初級ミクロ経済学 6 平均費用価格規制 市場にまかせた場合に比べ,生 産量は効率的な水準に近づく。 AC (x ) 企業は赤字にならないが,効率 的な生産量に比べ過少である。 pM p A c 0 2014年11月28日 MR AC (x ) x M 初級ミクロ経済学 xA x 7 限界費用価格規制 AC (x ) AC ( x MC ) 効率的な生産量となるが,企業 は赤字となるので,補てんが必 要となる。 pM p MC c 0 2014年11月28日 MR AC (x ) x M 初級ミクロ経済学 x MC x 8 共通の問題点 平均費用,限界費用は政府から直接 観察できない。 企業からすると,嘘の費用を申告し たり,費用削減の努力をしないイン センティブがある。 それを避けるための制度設計がゲー ム理論の課題となる。 2014年11月28日 初級ミクロ経済学 9
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