初級ミクロ経済学 -宿題解説&独占復習- 2014年12月1日 古川徹也 2014年12月1日 初級ミクロ経済学 1 1.下の表は,各生産量における平均費用,限界費用,平均 可変費用を表している。以下の各設問に答えなさい。また解 答の理由(簡単な計算式等)についても説明すること。 生産量 1 1.5 3 4 5 限界費用 1 1.25 5 10 17 平均費用 31/3 7.25 5 35/12 107/15 平均可変 費用 4/3 1.25 2 2/3 16/3 2014年12月1日 初級ミクロ経済学 2 (1) この企業が生産する財の価格が10のとき ,利潤を最大にする生産量を求めなさい。 答え:4 企業の利潤を最大にする生産量で は,価格=限界費用が成立してい るから。また価格10が生産中止 価格をこえていることが,次の問 題から確認できるから。 2014年12月1日 初級ミクロ経済学 3 (2) (1)における,企業の利潤を求めなさい。 答え:85/3 計算式 35 85 10 4 12 3 プラスの利潤が出ている と言うことは,10は生 産中止価格をこえる。 2014年12月1日 初級ミクロ経済学 4 (3) 損益分岐価格を求めなさい。 答え:5 損益分岐価格は,「限界費用=平均費用」が成 立するときの限界費用(または平均費用)に対 応する大きさだから。 2014年12月1日 初級ミクロ経済学 5 (4) 操業中止(生産中止)価格を求めなさ い。 答え:1.25 生産中止価格は,「限界費用=平均可変費用」 が成立するときの限界費用(または平均可変費 用)に対応する大きさだから。 2014年12月1日 初級ミクロ経済学 6 短期では,赤字であっても生産を続けたほうが望ましい 場合がある。その理由について,丁寧に説明しなさい。 短期では,固定費用がプラスになるときがあ る。固定費用にマイナスをかけた大きさは,企 業が生産を中止したときの利潤(損失)に対応 する。 もし価格が損益分岐価格を超えないが生産中 止価格を超える場合は,プラスの生産を行うこ とで,固定費用を除けばプラスの利潤が得られ るから,固定費用よりも小さな損失額に抑える ことができる。したがって,企業はプラスの生 産量を生産したほうがよい。 2014年12月1日 初級ミクロ経済学 7 短期では,費用を最小化する可変生産要素(L)の投入量 は可変生産要素の価格とは無関係に決まるが,長期では2 つの可変生産要素(L,K)の価格は費用の最小化のために とても重要である。その理由を説明しなさい。 短期では,固定生産要素Kは与えられている ので,企業にとっては,与えられた生産量を達 成するのに最低限必要であるLの水準を決める ことが,費用最小化となる。最低限必要なLの 水準は技術的(生産関数)に1対1できまるの で,可変生産要素の価格とは無関係である(続 く)。 2014年12月1日 初級ミクロ経済学 8 短期では,費用を最小化する可変生産要素(L)の投入量 は可変生産要素の価格とは無関係に決まるが,長期では2 つの可変生産要素(L,K)の価格は費用の最小化のために とても重要である。その理由を説明しなさい(続)。 これに対して長期では,与えられた生産量を 達成するのに,様々なLとKを選ぶことができる 。様々なLとKを選べると言うことは,その中で 費用を最小にするLとKの組み合わせを選べるこ とになるが,そこでは相対価格(LとKの生産要 素価格比)が重要となる。 Lの相対価格が下がればLを相対的に多く使う 技術が採用され,逆にKの相対価格が下がればK を多く使う技術が採用される。 2014年12月1日 初級ミクロ経済学 9 2013年度 ある財の市場における需要曲線は p 200 2 X であらわされるとする(P:価格,X:需要量) 。この市場で財を供給する企業は独占企業であ り,また限界費用は40で一定であるとする。こ の市場の市場均衡需給量と市場均衡価格はそれ ぞれいくつになるか,下の中から選びなさい。 なお,それぞれは(市場均衡価格,市場均衡需 給量)のように書かれている。 (a) (180,10) (b) (160,20) (c) (140,30) (d) (120,40) 2014年12月1日 初級ミクロ経済学 10 2013年度 完全競争市場と独占の状態にある市場に関する以下の4つ の文章の中で,正しいものを選びなさい。 (a) 完全競争市場では「限界収入=限界費用」となっている が,独占では「限界収入>限界費用」となっている。 (b) 完全競争市場では「限界収入=限界費用」となってい るが,独占では「限界収入<限界費用」となっている。 (c) 完全競争市場では「市場価格=限界収入」となっている が,独占では「市場価格>限界収入」となっている。 (d) 完全競争市場では「市場価格=限界収入」となってい るが,独占では「市場価格<限界収入」となっている。 2014年12月1日 初級ミクロ経済学 11 2012年度 ある財の市場における需要曲線は p 300 3 X であらわされるとする(P:価格,X:需要量) 。この市場で財を供給する企業は独占企業であ り,また限界費用は60で一定であるとする。こ の市場の市場均衡需給量と市場均衡価格はそれ ぞれいくつになるか,下の中から選びなさい。 なお,それぞれは(市場均衡価格,市場均衡需 給量)のように書かれている。 (a) (180,40) (b) (50,50) (c) (120,60) (d) (60,60) 2014年12月1日 初級ミクロ経済学 12 2011年度 ある財の市場における需要曲線は p 250 2 X であらわされるとする(P:価格,X:需要量) 。この市場で財を供給する企業は独占企業であ り,また限界費用は10で一定であるとする。こ の市場の市場均衡需給量と市場均衡価格はそれ ぞれいくつになるか,下の中から選びなさい。 なお,それぞれは(市場均衡価格,市場均衡需 給量)のように書かれている。 (a) (130,60) (b) (10,60) (c) (10,120) (d) (130,120) 2014年12月1日 初級ミクロ経済学 13
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