入門B・ミクロ基礎 (第7回) 第4章続き 2014年12月1日 2014/12/01 1 今後の予定 12月01日 12月08日 12月15日 12月22日 01月05日 2014/12/01 第5章 価格規制と税の効果 第5章付論 弾力性 予備・練習問題 講義のまとめ・試験の注意 期末試験 2 第5章のKeywords 価格の上限(規制) 価格の下限(規制) 税金 2014/12/01 3 1 価格規制 • 価格の上限の設定 ある水準以上に価格を設定することが法的 に禁止されている。 • 価格の下限の設定 ある水準以下に価格を設定することが法的 に禁止されている。 例:最低賃金制度 2014/12/01 4 1 価格規制 • 価格の上限の設定 ある水準以上に価格を設定することが法的 に禁止されている。 • 価格の下限の設定 ある水準以下に価格を設定することが法的 に禁止されている。 例:最低賃金制度 2014/12/01 5 価格の上限は市場の成果に どのような影響を及ぼすか • 価格の上限の設定 ある水準以上に価格を設定することが法的 に禁止されている。 • 価格の下限の設定 ある水準以下に価格を設定することが法的 に禁止されている。 例:最低賃金制度 2014/12/01 6 上限規制の影響 p 供給曲線 需要曲線 p 不足が生じる X 2014/12/01 X 7 上限規制の影響 p 供給曲線 需要曲線 p p* X* X 上限を設定しても,何の影響もない 2014/12/01 8 家賃規制による短期の不足と長期の不足 供給曲線 p 超短期的には,アパートの 数は一定なので,ごくわず かの不足となる。 需要曲線 p 不足 X 2014/12/01 X 9 家賃規制による長期の不足 供給曲線 p 需要曲線 長期的には,アパート経営 をやめることなどによって 供給量が減り,不足は深刻 化する。 p 不足 X 2014/12/01 X 10 価格の上限は市場の成果に どのような影響を及ぼすか(1) • ある一時点をとれば,価格の上限の設定 が消費者にとって利益になることがある。 • 市場には不足が生じているので,その利 益を得られるのは非効率,あるいは不公 正なやり方で財を割り当てられた消費者 である可能性が高い。 2014/12/01 11 価格の上限は市場の成果に どのような影響を及ぼすか(2) • また長期的には,供給側の市場からの退 出を促し,かえって不足を拡大する恐れ がある。 • 不足の拡大は,結局消費者にとっても不 利益になる。 2014/12/01 12 下限規制の影響 p 需要曲線 余りが生じる 供給曲線 p X 2014/12/01 X 13 下限規制の影響 p 供給曲線 需要曲線 p* p X* X 下限を設定しても,何の影響もない 2014/12/01 14 最低賃金法 w 労働需要 曲線 労働供給 曲線 失業 w L 2014/12/01 L 15 最低賃金法の影響 • メリット 仕事を持っている人の所得は上昇する。 • デメリット 失業が増加する。 • もともと高賃金の仕事の人は影響を受けない。 単純労働のような職に従事している人が影響 を受ける。 • メリットとデメリットのどちらが多いかにつ いては,データに基づく計量経済学的分析が 必要となる。 2014/12/01 16 価格規制の評価 • 第6原理:通常,市場は経済活動を組織す る良策である。 • 政府による市場介入は,資源配分の観点 からすると,効率的な資源配分をゆがめ る, 2014/12/01 17 価格規制の評価 • 第7原理:政府が市場のもたらす成果を改善 できることもある。 • 市場の成果の不公平をただすために,様々な 政策を用いる。 • 家賃規制:すべての人に手ごろな価格で住宅 を供給 • 最低賃金法:人々が貧困から脱出するのを助 ける • だが意図したものとは逆の効果を持つことが ある。 2014/12/01 18 2 税金 • 従量税と従価税 (1)従量税 (2)従価税 2014/12/01 19 従量税と従価税 • 従量税:「1単位あたり何円」という税金がか かる。例:タバコ税,ガソリン税(揮発油税+ 地方道路税) • 従価税:「1円あたり何円」という税金がかか る。結局これは「価格のx%」と言っているの と同じだから日本の消費税と同じである。 • 税込価格を式であらわすと, p T 従量税 (1 t) p 従価税 2014年11月17日 初級ミクロ経済学 20 たばこ税について http://www.tioj.or.jp/oth ers/ 2014年11月17日 初級ミクロ経済学 21 売り手に対する課税(1) p 課税後 S1 S0 課税前 売り手に対する課税は,供 給曲線を上にシフトさせる →価格に上乗せされる T X 2014年11月17日 初級ミクロ経済学 22 売り手に対する課税(2) p S1 E1 p1 p0 E0 p1 「均衡」はE1に移動。買い 手の直面する価格は上昇す るが,売り手が実際に受け 取る価格は下落する。 X1 X 0 2014年11月17日 S0 X 初級ミクロ経済学 23 それぞれの負担額 • 消費者(買い手)の負担する額は,税がないと きと税がかかったときの差額に等しい。すなわ ち p1 p0 となる。 • 生産者(売り手)の負担する額は,税がないと きと税がかかったときの差額に等しい。すなわ ち p0 p1 となる。 • わかること (1)税は市場の活動水準を低下させる。 (2)買い手の支払いは増加,売り手の受取額は 減少する。 2014年11月17日 初級ミクロ経済学 24 買い手に対する課税(1) p S0 T 買い手に対する課税は,需 要曲線を下にシフトさせる 課税後 D1 D0 課税前 X 2014年11月17日 初級ミクロ経済学 25 買い手に対する課税(2) p S0 T p1 p0 E0 p1 「均衡」はE1に移動。買い 手の直面する価格は上昇す るが,売り手が実際に受け 取る価格は下落する。 E1 課税後 D1 D0 課税前 X 2014年11月17日 初級ミクロ経済学 26 それぞれの負担額 • 消費者(買い手)は,売り手に p1 を支払い,T の税金を支払うので,合計の支払額は p1である。 • 上のことから,消費者の負担額は p1 p0 とな る。 • 生産者(売り手)の負担する額は,税がないと きと税がかかったときの差額に等しい。すなわ ち p0 p1 となる。 2014年11月17日 初級ミクロ経済学 27 売り手への課税と買い手への課税の比較 • 売り手への課税と買い手への課税は同等である。 つまり,手続き上納税する主体が異なるだけで, (1)売り手が直面する価格と買い手が直面する 価格は変わらない。 (2)市場での取引量は変わらない, のである。 2014年11月17日 初級ミクロ経済学 28
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