原子核内で荷電対称性は破れるか? 1.荷電対称性の破れ 2.ρ‐ω混合とはなにか? 陽子と中性子を入れ換えても 電荷以外の性質が変わらない 荷電対称性 ・・・ p N N ρ→ω ρ ω N 陽子 ⇔ 中性子 n ω N n 武居 秀行 ρ中間子が核子間を伝わるとき、ごくまれにωに変わる。 真空中では核子・反核子の対生成、原子核中ではそれに加え核子の励起によって起こる。 ρ n 柴田研究室 p p ρ ω フェルミ海におけるホール 3 性質は変わらない H 相互作用のLagrangian密度 He n LNNω gωψ γψωμ LNNρ gρψ γτ3ψρ μ 0 μ 0 n (クーロン斥力など) Lppρ Lnnρ n ・束縛エネルギーの差は、電荷の違いに よる効果だけでは説明がつかない 0 p p 3 He n ρ τg 3 ρ + ω τg 3 ρ gω + p n ω 第3成分 電磁気的な効果 ω p ρ τ3:荷電スピン行列の 束縛エネルギーの差 ρ p gρ, gω:結合定数 ? H N μ 荷電対称性の破れ p 3 3 - n p gω + n 0 核力の符号が異なる Lppω Lnnω 荷電対称性の破れの主な原因? ・質量数が増すにつれて差も大きくなる 荷電対称性の破れは質量数に依存する p 3 ρ-ω混合がどの程度影響しているのか? n n H n p 3 He p 違いが現れることがある ρ-ω混合の質量数 ρ-ω混合は核子数に依存するか? どの程度依存するか? 荷電対称性が破れている! 依存性を調べる これを調べる 4.γ+A→A’+π+π反応へのρ-ω混合の影響 3.光核反応 ① Vector Meson Dominance Model π 光子は、あるエネルギー以上でvector中間子として ハドロンと相互作用する ~ ρ ~ ω N γ ρ中間子 ~ ~それぞれを ρ 、ω γ 原子核 原子核の中でρになる 原子核 ρ、ωが混合する N 核子の場を考えず、原子核の中を ~ ρ cosθωsinθ ρ 0 0 ~ ωρ sinθωcosθ V 原子核内ではρ中間子として核子と相互作用する ~ ~ 伝わるρ,ωの場だけを考える 混合をθで表現 gρ~ ππ=gρππ cosθ gρππ:ρと2πの結合 gω~ ππ=gρππ sinθ 定数 γρ:ρとγの結合定数 γ ρ ω π π π ρ→2π ω→3π 相互作用のLagrangian密度 σ[fm2 ] 反応微分断面積 γ p p p' dσ g dω 64(2π) mρ4ω2pωk π中間子 ωk ,k γ 2 E, q E',q' φ π ωp ,p ωp ' ,p' 原子核 原子核も含めた k q q'p p' エネルギーと運動量保存 ω ρ γ π中間子 光核反応 ρからωに変わったか どうかが分かる! 2 3 2 2 π dσ g γ {(ωk-m M) -4m } 1 2 2 2 = sin φ(1 sin 2θ) 2 4 2 2 dΩ 32(2π) mρ(ωk mπ M) ωk 2 2 π 2 3 2 2 π γ {(ωk-m M) -4m } 1 2 2 σ= (1 sin 2θ) 4 2 2 48(2π)mρ(ωk mπ M) ωk 2 2 2 ρππ ρ g θ=2° θ=4° 1.6 104 mρ :ρの質量 p,p': πの運動量 π 2 2 ρππ ρ 計算結果 1.4 104 2 2 ρππ ρ 2 ρ θ=0° μ ~ 0 ω LI γρ Aμ cosθγρ Aμ sinθ 1 μ () (-) () () gρ~ ππρ0 (π μπ -π μπ )cosθ i 1 μ () (-) () () gω~ ππρ0 (π μπ -π μπ )sinθ i ①,②を利用すると・・・ 原子核 π エネルギー ωの光子を入射したときの反応断面積を求める k μ ~ 0 ρ 確率はほぼ100% 原子核 ~,ω ~ ρ このdiagramを計算する π π π 0 ② ρ、ωの崩壊確率 γ ~,ω ~ ρ π 1つの粒子と考える ρ N 2 π 1.2 104 ωk [MeV] γ+A→A+π+πの散乱断面積 今後の課題 γ+A→A’+3πの反応断面積を求める 混合角θでの2π、3πの反応断面積の比を取る 2πと3πの反応断面積の実験値から 混合の割合を決定する 混合角θの影響 M:原子核の質量 ρ-ω混合が質量数にどのように依存するか
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