第2章

2章 力と運動
ニュートンの運動の3法則
運動の第一法則
外力を受けない時
外力の和が0を含む
静止している物
動いている物
運動の状態は変化しない
静止状態のまま
等速直線運動
(当初速度を維持して運動し続ける)
ニュートンの運動の3法則
運動の第二法則
F = ma
ニュートンの運動方程式
F: 力(物体に作用する外力)(ベクトル量)
m: 物体の質量(スカラー量)
a: 加速度(ベクトル量)
重力加速度
(経験則)
物体が落下すると、速度を増しながら落ちていく
=この物体は加速度を有している
この加速度を重力加速度という。
なぜだろう?
地球には重力があり、物体を引っ張り続けている。
引っ張る=力が働き続けている。
重力加速度
逆に重力がなくなったら、物体はどうなるだろう?
引っ張り(外力=加速の原因)がなくなることに相当。
物体は落下することもなく、その場に居続けると考え
られる。ただし、地球の重力を切ることはできないの
で、それを見ることはできないのだが、、、、、
ニュートンの運動の3法則
運動の第三法則
作用反作用の法則
物体A
F2
物体B
F1
F1:物体Aが物体Bに及ぼす力
(作用)
F2:物体Bが物体Aに及ぼす力
(反作用)
|F1| = |F2| (力の大きさ(絶対値)が等しい)
F1 と F2 の向きが反対
力の合成
合力
平行四辺形をかいて
力のベクトルの起点から
対角線を書く
F2
F1
1,2の合力
F12
F2
F1
F3
F123
1,2,3の合力
3つ以上の力の合力
2つの力の合力を求める
その合力とその他の力の
合力を求める
残りの力の数分この作業
を行う
力の分解
力
力を分解したい方向に直線を描く
元の力が対角線になるように直線
を描いて平行四辺形をつくる
F2
F1
平行四辺形の各辺のうち元の力
の起点を通る辺が分解された力の
ベクトル
一般に、物体が移動する方向や、物体が置かれている面に対
して垂直な方向に力を分解することが多い。
(このように力を分解したほうが便利なことが多いため)
力を分解する方向は任意にとれるため、分解の方法は一つで
はない
垂直抗力・摩擦力
W : 質量mの物体に働く重力
N
W = mg
N : 机が物体を押し返す垂直抗力
W = −N (運動の第三法則より)
机
f : 物体を押す外力
f
N
机
F
F : 机と荷物の摩擦力
f = −F
(運動の第三法則より)
F = μN
μ : (静止)摩擦係数
物体が動いていない時、μ : 静止摩擦係数
物体が動いている時、μ’ : 動摩擦係数
斜面での垂直抗力・摩擦力
W : 質量mの物体に働く重力
N : 斜面が物体を押し返す垂直抗力
F : 机と荷物の摩擦力
N
物体が静止している場合、
運動の第三法則より
N = −Wcosθ
F
Wsinθ
θ
θ
θ Wcosθ
F = −Wsinθ
W
伝達事項
講義資料ダウンロード(全資料)のページ
http://p.bunri-u.ac.jp/lab05/
分力:直角三角形の各角度の求め方
?
θ
?
分力: 斜面に平衡に下る方向の力 = mg•sinθ の理由?
伝達事項
分力:直角三角形の各角度の求め方
基本原理
?
θ2
θ3
θ1
θ1 = θ2
θ
θ1
θ1 = θ3
θ4
?
θ1
θ1 = θ4
θ + 90 + θ5 = 180°より
θ = 90 − θ5
θ5
θ
θ5
θ6?
θ5
Eq. 1
θ6 + 90 + θ5 = 180°より
θ6 = 90 − θ5 Eq. 2
Eq. 1、Eq. 2より
θ6 = θ
伝達事項
分力:直角三角形の各角度の求め方
基本原理
?
θ2
θ3
θ1
θ1 = θ2
?
θ
θ1
θ1 = θ3
θ4
θ1
θ1 = θ4
θ
θ + 90 + θ5 = 180°より
θ = 90 − θ5
θ5
θ
θ6
θ
θ6
θ
θ
Eq. 1
θ6 + 90 + θ5 = 180°より
θ6 = 90 − θ5 Eq. 2
Eq. 1、Eq. 2より
θ6 = θ
伝達事項
分力: 斜面に平行に下る方向の力 = mg•sinθ の理由?
m: 物体の質量
F2
g: 重力加速度
物体にかかる重力F1 = mg
F2: 斜面に平行に下る力
F3: 斜面を垂直に押す力
F2
F1
θ
θ
F1
sinθ = F2/F1
θ
F2 = F1sinθ = mg•sinθ
F1
cosθ = F3/F1
θ
F3
θ F3
F3 = F1cosθ = mg•cosθ
演習問題解答
質量2 kgの箱が机の上にある。箱の体積は
500 cm3、重力加速度は9.8 ms-2とする。
(1) 箱にかかる重力はいくらか。
重力(N) =
質量(kg)×重力加速度(ms-2)
N
W = mg
机
= 2(kg)×9.8(ms-2) = 19.6 (kgms-2) = 19.6 (N)
答 鉛直下向きに19.6 N
(2) 机が箱を押す力はいくらか。
机が箱を押す力(N) = 垂直抗力(N) = −箱に働く重力(N) = −19.6(N)
(運動の第三法則より)
答 鉛直上向きに19.6 N
演習問題解答
質量2 kgの箱が机の上にある。箱の体積は
500 cm3、重力加速度は9.8 ms-2とする。
(3) 机と箱の間の摩擦力はいくらか。静止
摩擦係数0.5とし、左向きに押されている。
f
N
机
F
摩擦力(N) = 静止摩擦係数×垂直抗力(N) = 0.5×|−19.6(N)| = 9.8(N)
摩擦力は押されている向きと逆方向に働くので、摩擦力は右向き
答 右向きに9.8 N
演習問題解答
質量26 kgの箱が右図の斜面に静止
していた時、下記の力を計算しなさい。
ただし、重力加速度をgとする。
N
Wsinθ
5m
(1) 箱に働く重力はいくらか。
θ
12 m
θ
θ (重力)×cosθ
重力
重力(N) = 質量(kg)×重力加速度(ms-2) = 26(kg)×g(ms-2) = 26g (N)
重力は常に鉛直下向きに働く
答 鉛直下向きに 26g N
演習問題解答
質量26 kgの箱が右図の斜面に静止
していた時、下記の力を計算しなさい。
ただし、重力加速度をgとする。
N
Wsinθ
5m
(2) 斜面が箱を押す垂直抗力はいくらか。
垂直抗力
= −(箱が斜面に垂直に押す力(N))
θ
12 m
= −{(重力(N)) × cosθ } これが不明
=
+
三平方の定理から
cosθ = (底辺)/(斜辺) = 12/13
x2
122
52
θ
θ (重力)×cosθ
重力
x = √169 = 13
x←?m
5m
θ
12 m
垂直抗力 = −{26g(N)×cosθ} = −26g(N)×(12/13) = −24g(N)
答 斜面に垂直で上向きに 24g N
演習問題解答
質量26 kgの箱が右図の斜面に静止
していた時、下記の力を計算しなさい。
ただし、重力加速度をgとする。
N
(重力)sinθ
5m
(3) 斜面に平行な方向の力はいくらか。
斜面に平行な方向の力
= {(重力(N)) × sinθ }
θ
12 m
sinθ = (対辺)/(斜辺) = 5/13
θ
θ (重力)×cosθ
重力
斜面に平行な方向の力 = {26g(N)×sinθ}
= 26g(N)×(5/13) = 10g(N)
答 斜面に平行に下る向きに 10g N
13 m
θ
5m
12 m
演習問題解答
質量26 kgの箱が右図の斜面に静止
していた時、下記の力を計算しなさい。
ただし、重力加速度をgとする。
N
摩擦力
(重力)sinθ
(4) 斜面と箱の摩擦力はいくらか。
静止摩擦係数が0.5、動摩擦係数が
0.4とする。
θ
12 m
摩擦力 = −(斜面に平行に下る力)
= −(10g(N)) = −10g(N)
答 斜面に平行に上る向きに 10g N
5m
θ
θ (重力)×cosθ
重力