平成 24 年度 (2012 年度) 西武台新座中学校入試問題 プレ問題 国 語 (50 分) 〔注意事項〕 1. 合図があるまで、この問題用紙を開かないで下さい。 2. 机の上には、受験票と筆記用具以外は置かないで下さい。また下 敷きは使用しないで下さい。 3. 受験番号、氏名は、問題・解答用紙両方の定められた場所に書い て下さい。 4. 試験中は監督者の指示に従って下さい。 5. 試験中に、不正行為、またはそれと疑われる行為があった場合は 退場を命ずることがありますので十分に注意して下さい。 6. 問題、解答用紙は持ち帰らないで下さい。 受 験 番 号 氏 名 一、次の文章は黒人解放運動に取り組んだマーティン・ルーサー・キング牧師の学生時代を描いたものです。文章を読んで設問に答えなさい。 * * べっし レ イ シ ズ ム しかし、この頃から、マーティンの思想に少しずつ影響をあたえる授業がでてきました。指導教授のウォルター・チヴァース先生は、黒人 を蔑視する人種主義の根底には経済的な制度が関係していると教えてくれました。彼の教えを受けるなかで、マーティンは資本主義的な考え a に反対する立場が理解できるようになりました。そして、大学三年目には、ジョージ・ケルサー先生の授業で、政治や社会の見方とキリスト あつ 教神学の見方を総合することを学びました。この先生は、聖書のヒハンテキな読み方を研究する人で、マーティンは、父とは異なったその手 ① 法にあらためて目を見開きました。チヴァースとケルサーは、二人とも信仰心の篤い牧師で、現代のあらゆる思想についての豊かな学識を持 っていました。 しげ き しかし、それにもまして強い影響をあたえた先生がいました。それは、ベンジャミン・メイズ学長でした。背が高く、聡明で知的な先生は、 のが 黒人解放の思想と運動の先頭に立つ人でした。毎週火曜日の朝、チャペルの説教壇に立つメイズ先生の話はとても刺激的で、マーティンは一 b ② 、資本主義のような個人主義でもありません。」メイズ先生の話には、おおげさなしぐさはあ c 威厳のあるものに聞こえました。先生は、なによりも、黒人のクキョウを改善するために心血を注 A 言一句、聞き逃すまいとノートをとりました。「宗教は、人に進むべき方向をさし示すものでなければなりません。そして、その方向は、共 B 産主義でもファシズムでもありません。 りませんでしたが、物静かな口調は ロ ぐ人で、幅広い知識に裏づけられた彼の立場は、黒人協会が、信者の抱いている抵抗の精神を社会の改善に向けて導くことをテイショウする ば んの う ものでした。知性に訴えかける彼の説教を聞くようになってマーティンは、初めて本当の牧師の道をみた気がしました。 メイズ先生が知性を重視したからといって、彼は知性が万能であると言っているのではありません。そのことをよく理解していたマーティ らしんばん ンは、その頃、キャンパスの学生新聞に次のようなエッセーを寄せています。 きょうあく イ だ 道徳をともなわない教育は、羅針盤のない船のようなものである。教育が効率だけを教えるようになると、それは社会にとって最大の きょう い めい き 脅威になる。もっとも 凶 悪 な犯罪人でも知恵と理性をもち合わせていることがあるが、その人には道徳が欠けているのだ。…… けでは十分でないことを銘記しよう。 多くの刺激を受けた三年目が終わった一九四七年の夏、マーティンはコネティカット州へ行き、ふたたび北部の空気にふれました。ぼく ハ も牧師になろう。このとき、彼はもう牧師の道をめざす決意ができていました。その心境をマーティンは、 「神が私の肩にその荷を負わせら れたことが、やっとわかるようになりました。それから逃れようとすればするほど、私はますます満たされない気持ちになったのです。」と 語っています。(中略) 一九四八年九月、マーティンは、ペンシルヴェニア州チェスターにあるクローザー神学校の門をくぐりました。この学校は、アメリカでも ちょっとユニークなところで、中国やインドなど諸外国からの留学生を数多く受け入れており、九〇人を越える学生のうち、黒人も一一人を 数えました。とくに変わっていたのは、寮のドアに鍵をかけるのが禁止されていたことです。クローザーでは、ほんとうの意味でのコミュニ ティー意識が学生のあいだで生まれるように工夫されていたのです。この考えにはマーティンも大賛成で、そうした人と人との信頼感が、や がて社会全体にまで広がる日が来ないものかと思いました。 開放的な神学校に進んだものの、彼はそれまでにないプレッシャーを感じました。それまでとちがって、この学校は、黒人が少数で、いつ d も白人など周囲の目を気にしなければならなかったからです。モアハウス大学時代で成績がよくなかったことも、ひけ目を感じる原因の一つ でした。なにしろ、たとえ成績がよくても黒人は白人より劣っているというヘンケンが、何世紀にもわたって社会に根深くしみついているの です。マーティンは、そんな人種ヘンケンが少しでも「正しい」ものだと思われてはならないと気をつかいました。 一分でも授業に遅れると、みんな、やっぱり黒人はだめだと思うだろうと、ほとんど病的なまでにそのことが気になりました。また、 いつも笑ってばかりいると思われたくなかったので、いくらか気むずかしそうにふるまいました。身なりも必要以上によく見せるように していました。寮の部屋はゴミひとつないようにし、靴はぴかぴかに磨きあげ、服はシミひとつないように気をつけました。 三年生になって、哲学や神学を学び始め、本もたくさん読むようになった一九五〇年の春のことです。近くのフィラデルフィアで、ハワー ド大学学長の、モーデカイ・ジョンソン博士の講演があることを知り、マーティンは出かけてみることにしました。独立直後のインド共和国 から帰ったばかりの博士は、マハトマ・ガンディーが大英帝国の支配下で苦しむ民衆をどのようにしてひきいたかについて、熱っぽく語りま 心のどこかでリ e した。そのガンディーの考えは、誰かに憎しみをもって応じるなら、それは、もっと大きな憎しみと不正義、争いをもたらすことになるとい ③ うものでした。そこから導き出されるのは、イギリスの支配に、あくまで暴力を用いずに抵抗するという、非暴力不服従の戦法でした。 かしゃ く これだ。これこそアメリカの黒人が求めていたものだ。マーティンは思わず膝を打ちました。人は、悪いことには、 C ホ こそは、きっと世の中を変えるにちがいない。マーティンは、すでにモアハウス大学時代に、メイズ先生からガンディーのことを聞いて ョウシンの呵責を感じるものだ。 「汝の敵を愛せ」というキリストの教えも、これに通じるもので、愛の力で人を動かすことができるのだ。 ニ はいましたが、これほど新鮮で具体的に、その考えをすなおに信じることができたのは、このときが初めてでした。講演が終わると彼は、さ っそく本屋にかけ込み、ガンディーに関する本を半ダースほど買い求め、それから数日というもの、それに読みふけりました。 このときの鮮烈な印象は、マーティンの脳裏に焼きつきましたが、当時はまだ、アメリカでその考え方が通用するかどうかわかりませんで した。そもそも、完全な平和主義で暴力に勝てるという保障はどこにもありません。たとえば、第二次世界大戦のとき、もし連合国側が平和 *この頃 大学二年が過ぎたころ *蔑視 さげすむこと。見下げること ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4.いわんや 5.もっとも 5.まさに (辻内鏡人・中條献『キング牧師』より) 主義に固執していたなら、ヒトラーを倒すことができただろうか。マーティンには、まだまだ解決されない疑問や迷いがありました。 注 【問1】本文中のa~eのカタカナを漢字に改めなさい。 3.たとえば 4.たぶん 5.必ず に入る適切な語句を次の中から選んでその番号を書きなさい。 2.あたかも 3.少し 4.さしずめ C 1.ともすれば 2.驚くべきことに 3.きっと ~ A 1.かえって 2.いうまでもなく A B 1.もしかしたら 【問2】本文中の C 【問3】本文中の①~③の語句の意味として適切なものを次の中から選んでその番号を書きなさい。 ① 聡明 1.自分の意見がはっきりと言えること 2.賢く、慈悲深いこと 3.頭がよく、道理に通じていること 4.はきはきとして、元気が良いこと 5.優しく、朗らかなこと ② 心血を注ぐ 1.工夫をこらすこと 2.全力で行うこと 3.神経質になること 4.励ますこと 5.よく注意しておくこと ③ 膝を打つ 1.むきになること 2.感心すること 3.嬉しく思うこと イ に入る適切な語句を本文中から漢字二字で抜き出して書きなさい。 5.納得すること 4.悔しがること 【問4】 【問5】次の文が入るのに適切な場所を指摘し、直前の文章の終わり十字を抜き出して書きなさい。(句読点も含む) 「そんな先生たちからマーティンが多大な影響を受けたことは間違いありません。」 【問6】二重傍線部ロ「初めて本当の牧師の道をみた気がしました。」とありますが、マーティンの考える本当の牧師の道として適切と考え られるものを次の中から選んでその番号を書きなさい。 1.効率のみだけでなく、道徳の大切さを教えること。 2.物静かにし、イゲンを示すこと。 3.知性を重視し、それのみを大切にすること。 4.幅広い知識を身につけておくこと。 5.知性によって社会をよい方向に導くこと。 ニ 2.愛と神様 3.愛と信仰心 4.愛と非暴力 に入る適切な語句を次の中から選んでその番号を書きなさい。 【問7】二重傍線部ハ「それ」の指す内容を解答用紙に合うように本文から抜き出しなさい。 【問8】 1.愛と無抵抗 5.愛と許し 】この文章から推察されるマーティンの姿勢として最も適切なものを次の中から選んでその番号を書きなさい。 【問9】二重傍線部ホ「その考え」として最も適切な部分を本文中から五十字前後で抜き出して書きなさい。 【問 5.自分の意見を主張することに力を入れ、その情報収集に関しては努力を惜しまなかった。 4.一つのことに夢中になると周りが見えなくなるが、その分知識を得ることができた。 3.自ら行動し、知識を得て、それを発信することもしていた。 2.説教を聞き逃すまいとしてノートを活用するなど授業と講演の二つに力を入れていた。 1.本や講演などから、人から与えられたものに関しては理解することができた。 10 てつかんし とししゅん てつかんし が び ざ ん 二、次の文章は、鉄冠子という仙人のはからいによって二度までも大金持ちになったものの、お金が無くなると自分のそばを離れていく人の き 心に嫌気がさし、自分も俗世を離れて仙人になろうと考えた杜子春という男の話です。鉄冠子はそんな杜子春を峨眉山の山頂へ連れて行き、 ) 自分がいない間、一言も口を利くな、と言い残して姿を消します。以下の文章を読んで設問に答えなさい。 尚(、現代にそぐわない表現も が び ざ ん ありますが著作を尊重してそのままにしてあります *えんまだ いお う *きざはし 「こら、その方はなんのために、峨眉山の上へすわっていた?」 てつかんし いまし *おし 閻魔大王の声は雷のように、 階 の上から響きました。杜子春はさっそくその問いに答えようとしましたが、ふとまた思い出したのは、 しゃく さ か だ かしゃ く あ いたけだか 「決して口を利くな」という鉄冠子の 戒 めのことばです。そこでただ頭を垂れたまま、 唖 のように黙っていました。すると閻魔大王は、持 っていた鉄の 笏 をあげて、顔じゅうのひげを逆立てながら、 あ い か くちびる 「その方はここをどこだと思う? すみやかに返答すればよし、さもなければ時を移さず、地獄の呵責に遇わせてくれるぞ」と威丈高にの のしりました。 * し ん らで ん しょうねつ ほのお ごっ か ん が、杜子春は相変わらず 唇 一つ動かしません。それを見た閻魔大王は、すぐに鬼どもの方を向いて、荒々しく何か言いつけると、鬼ども つるぎ は一度かしこまって、たちまち杜子春を引き立てながら、森羅殿の空へ舞い上がりました。 地獄には誰でも知っているとおり、 剣 の山や血の池のほかにも、 焦 熱 地獄という 焔 の谷や極寒地獄という氷の海が、まっくらな空の下 は きね つ なべ に どくじ ゃ の う み そ に並んでいます。鬼どもはそういう地獄の中へ、かわるがわる杜子春をほうりこみました。ですから杜子春は無残にも、剣に胸を貫かれるや くまたか さ いげ ん せ く ら、焔に顔を焼かれるやら、舌を抜かれるやら、皮を剥がれるやら、鉄の杵に撞かれるやら、油の鍋に煮られるやら、毒蛇に脳味噌を吸われ がまんづよ ひ とこ と るやら、熊鷹に眼を食われるやら、――その苦しみを数え立てていては、とうてい際限がないくらい、あらゆる責め苦に遇わされたのです。 それでも杜子春は我慢強く、じっと歯を食いしばったまま、一言も口を利きませんでした。 けし き ごんじょう これにはさすがの鬼どもも、あきれ返ってしまったのでしょう。もう一度夜のような空を飛んで、森羅殿の前へ帰って来ると、さっきのと ざ いに ん おり杜子春を階の下に引き据えながら、御殿の上の閻魔大王に、 まゆ しあ ん ① 「この罪人はどうしても、ものを言う気色がございません」と、口をそろえて 言 上 しました。 ちちはは ちくしょうどう 閻魔大王は眉をひそめて、しばらく思案にくれていましたが、やがて何か思いついたとみえて、 「この男の父母は、 畜 生 道 に落ちているはずだから、さっそくここへ引き連れて来い」と、一匹の鬼に言いつけました。 けもの ② や 鬼はたちまち風に乗って、地獄の空へ舞い上がりました。と思うと、また星が流れるように、二匹の 獣 を駆り立てながら、さっと森羅殿 の前へおりて来ました。その獣を見た杜子春は、驚いたの驚かないのではありません。なぜかといえばそれは二匹とも、形は見すぼらしい痩 ③ せ馬でしたが、顔は夢にも忘れない、死んだ父母のとおりでしたから。 おど つご う 「こら、その方はなんのために、峨眉山の上にすわっていたか、まっすぐに白状しなければ、今度はその方の父母に痛い思いをさせてやる ぞ」 ④ 杜子春はこう嚇されても、やはり返答をしずにいました。 みれんみしゃく 「このフコウ者めが。その方は父母が苦しんでも、その方さえ都合がよければ、いいと思っているのだな」 閻魔大王は森羅殿もくずれるほど、すさまじい声でわめきました。 むち 「打て。鬼ども。その二匹の畜生を、骨も肉も打ち砕いてしまえ」 ひ に く 鬼どもはいっせいに「はっ」と答えながら、鉄の鞭をとって立ち上がると、四方八方から二匹の馬を、未練未釈なく打ちのめしました。鞭 はりゅうりゅうと風を切って、所きらわず雨のように、馬の皮肉を打ち破るのです。馬は、――畜生になった父母は、苦しそうに身をもだえ ⑤ て、眼には血の涙を浮かべたまま、見てもいられないほどいななき立てました。 「どうだ。まだその方は白状しないか」 かた 閻魔大王は鬼どもに、しばらく鞭の手をやめさせて、もう一度杜子春の答えをうながしました。もうその時には二匹の馬も、肉は裂け骨は ⑥ 砕けて、息も絶え絶えに階の前へ、倒れ伏していたのです。 しあ わ けっこ う 杜子春は必死になって、鉄冠子のことばを思い出しながら、緊く眼をつぶっていました。するとその時彼の耳には、ほとんど声とはいえな いくらい、かすかな声が伝わって来ました。 「心配おしでない。私たちはどうなっても、お前さえ仕合せになれるのなら、それより結構なことはないのだからね。大王がなんとおっし ゃっても、言いたくないことは黙っておいで」 、 貧乏 人 に な れ ば イ まろ 世間の人たちに比べると、なんというありが の心を思いやって、鬼どもの鞭に打たれる ⑦むすこ それは確かになつかしい、母親の声に違いありません。杜子春は思わず、眼をあきました。そうして馬の一匹が、力なく地上に倒れたまま、 ア 悲しそうに彼の顔へ、じっと眼をやっているのを見ました。母親はこんな苦しみの中にも、息子 こころざ し ことを、うらむ気色さえも見せないのです。大金持ちになれば たい 志 でしょう。なんというけなげな決心でしょう。杜子春は老人の戒めも忘れて、転ぶようにそのそばへ走りよると、両手に半死の馬 くび ⑧ の頸を抱いて、はらはらと涙をおとしながら、「お母さん」と一声叫びました。 かす み か づ き その声に気がついて見ると、杜子春はやはり夕日を浴びて、洛陽の西の門の下に、ぼんやりたたずんでいるのでした。霞んだ空、白い三日月、 で し 絶え間ない人や車の波、――すべてがまだ峨眉山へ、行かない前と同じことです。 すがめ 「どうだな。おれの弟子になったところが、とても仙人にはなれはすまい」 ⑨ 片目 眇 の老人は微笑を含みながら言ひました。 「なれません。なれませんが、しかし私はなれなかったことも、かえってうれしい気がするのです」 しんらでん むち 杜子春はまだ眼に涙を浮べたまま、思わず老人の手を握りました。 おごそか ウ 「いくら仙人になれたところが、私はあの地獄の森羅殿の前に、 鞭 を受けている父母を見ては、黙っているわけには行きません」 てっかんし 「もしお前が黙っていたら――」と鉄冠子は急に 厳 な顔になって、 ) 杜子春を見つめました。 ( 「もしお前が黙っていたら、おれは即座にお前の命を絶ってしまおうと思っていたのだ。――お前はもう仙人になりたいといふ望みも持って ( ( ) 愛想がつきたはずだ。 オ お前はこれから後、何になったらいいと思うな」 ) A 」 いまい。大金持ちになることは、 エ 「 あ 杜子春の声には今までにない晴れ晴れした調子がこもっていました。 「そのことばを忘れるなよ。ではおれは今日かぎり、二度とお前には遇わないから」 ) たいざん ふもと カ 歩き出していましたが、急にまた足を止めて、杜子春の方を振り返ると、 ( さいは 鉄冠子はこう言ううちに、 「 お お 、 幸 い 、 今 思 い 出 し た が 、 お れ は 泰 山 の 南 の 麓 に 一 軒 の 家 を 持 っ て い る 。 そ の 家 を 畑 ご と お 前に や る か ら 、 さ っ そ く 行 っ て 住 ま う きざはし ) ( ) *唖…口の不自由な人 おし 芥川龍之介『杜子春』より キ 愉快そうにつけ加えました。 ( しんらでん *閻魔大王…仏教における地獄の責任者。地獄の王・総司として死者の生前の罪を裁くと考えられる。 * 階 …階段 えんまだいおう がいい。今ごろはちょうど家のまわりに、桃の花が一面に咲いているだろう」と、 注 のこと。 *森羅殿…地獄にあるといわれている罪人を裁く法廷 【問1】傍線部①「何か思いついた」とあるが、何を思いついたのか、本文中の語句を用いて具体的に書きなさい。 3.すばやく 4.わかりやすく 3.閻魔大王 4.杜子春 5.正確に 5.鉄冠子 仙(人 ) 【問2】鞭の鳴る音を表した、傍線部②「さっと」と同じ種類の表現を本文中から抜き出しなさい。 2.正直に 【問3】傍線部③「まっすぐに」の意味を次の中から選んでその番号を書きなさい。 1.すぐに 【問4】傍線部④「フコウ」に当てはまる漢字を書きなさい。 2.鬼ども 【問5】傍線部⑤「その方」が指し示す人物を次の中から選んでその番号を書きなさい。 1.馬となった父母 【問6】Ⅰ.傍線部⑥「鉄冠子のことば」が指し示す部分を本文中から具体的に抜き出して書きなさい。 イ あ い ず 3.眼で合図をし 4.涙を落とし に入るのにふさわしい言葉を次の中から選んでその番号を書きなさい。 2.口も利かない せ じ 5.お世辞を言い こ わだ か むしょう 6.声高に非難し 字程度で抜き出して書きなさい。 Ⅱ.鉄冠子の外見的な特徴を表している言葉を本文中から抜き出して書きなさい。 ・ 【問7】傍線部⑦「息子の心を思いやって」いると考えられる部分を母の言葉の中から ア 1.人も寄せ付けない 【問8】 15 字以内で書きなさい。 【問9】傍線部⑧「『お母さん』と一声叫びました。」の部分で杜子春が鉄冠子 仙(人 と)の約束を破って口を利いた理由を、「無償の愛」とい う語句を入れて *「無償」というのは「見返りを求めないこと」 45 【問 】傍線部⑨「 仙人に ) 私はなれなかったことも、かえってうれしい気がするのです」という杜子春の言葉の意味を説明した次の文章 ( 分のもとを去っていく人の心の移ろいやすさに愛想をつかしたためである。杜子春は世俗を超えた仙人になることで、お金や贅沢はも ちろんのこと、それに価値を見出す「人」からも離れて生きてゆきたいと考えたのであろう。しかし師である鉄冠子は「自分がいない あ 間、一言も口を利くな」と言い残して杜子春を一人蛾眉山の山頂に置いたまま姿を消してしまう。様々な妖怪・鬼がその杜子春の周り に現れて口を開かせようとする。杜子春はしかし口を開かない。仙人になる、という固い決意は欲望だらけの「人」の存在に ( ) けっこ う い が言った次の言葉である。 ( ( ) ( ) ( になること」よりも大切なものがこの世にあることに気が ) 5.仙人 6.憎む 7.母 8.欲 9.発見した ) 心の裏返しでもある。どうしても口を利かない杜子春に閻魔大王は一計を案ずる。畜生道に落ちていた杜子春の父母を目の前で鞭打つ しあ わ のである。それでも杜子春は固く口を閉ざす。彼が口を開いたのは馬に成り果てた 「心配おしでない。私たちはどうなっても、お前さえ仕合せになれるのなら、それより結構なことはないのだからね。大王がなんと おっしゃっても、言いたくないことは黙っておいで」 お 気持ち以外には何もないことに杜子春ははたと気が付く。そしてこの時、彼は仙人になろうとする気持ち え 」であったことに気が付くのである。そして「 母の言葉には息子を う さえも自分の「 3.父 4.感謝 付いた杜子春は「なれなかったことも、かえってうれしい」と述懐するのである。再び「人」を信ずる気持ちを回復した杜子春の声は 2.絶望した 「晴れ晴れした調子がこもってい」るのである。 ] 1.思いやる [ A 」に入る杜子春の言葉を次の中から選んで番号で答えなさい。 4.農地を耕して地に足のついた生活をおくろうと思います。 3.何にも今は考えられません。しかし生きている実感はあります。 2.何になっても、人間らしい、正直な暮しをするつもりです 1.何になっても、自分の力でお金を作る生活をしていこうと思います。 】「 語群 【問 仙人になろうと杜子春が思ったのは、何度もお金持ちにしてもらって、そのつど裕福な生活をしてきたものの、お金がなくなると自 の中の空欄に適する語を、後の語群から選んでその番号を記しなさい。 10 11 【問 ウ 5.何になっても、自分で納得できる人生を送りたいと思います。 】空欄 ( ) 1.『坊っちゃん』 3.もう 4.では 2.『銀河鉄道の夜』 5.じっと 3. 『バッテリー』 4. 『西の魔女が死んだ 』 】この文章の作者、芥 川 龍 之 介 の著作を次の中から選んでその番号を書きなさい。 あくたがわりゅうのすけ 2.さも ~ キ に入る適語を次の中から選んでその番号を書きなさい。 ) 1.もとより ( 【問 12 13 く も 5.『蜘蛛の糸』
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