生物薬剤学 講 義 必 修 2 単位 20 講 3 年 前期 1 クラス Biopharmaceutics 科目担当者 渡辺 一弘 授業概要 薬物の吸収から排泄までの動き(薬物動態)及び薬物相互作用について学ぶ。 一般目標 1. 薬物の生体内運命を理解するために、吸収、分布、代謝、排泄の過程に関する基本的知識 (GIO) とそれらを解析するための基本的技能を修得する。 1. 薬物の主な吸収部位を列挙できる。 2. 消化管の構造、機能と薬物吸収の関係を説明できる。 3. 受動拡散(単純拡散)、促進拡散の特徴を説明できる。 4. 能動輸送の特徴を説明できる。 5. 非経口投与後の薬物吸収について部位別に説明できる。 6. 薬物の吸収に影響する因子を列挙し説明できる。 7. 薬物が生体内に取り込まれた後、組織間で濃度差が生じる要因を説明できる。 8. 薬物の脳への移行について、その機構と血液一脳関門の意義を説明できる。 9. 薬物の胎児への移行について、その機構と血液一胎盤関門の意義を説明できる。 10. 薬物の体液中での存在状態(血漿タンパク結合など)を組織への移行と関連づけて説明 できる。 11. 薬物分布の変動要因(血流量、タンパク結合性、分布容積など)について説明できる。 12. 分布容積が著しく大きい代表的な薬物を列挙できる。 13. 代表的な薬物のタンパク結合能を測定できる。(技能) 到達目標 (SBO) 14. 薬物分子の体内での化学的変化とそれが起こる部位を列挙して説明できる。 15. 薬物代謝が薬効に及ぼす影響について説明できる。 16. 薬物代謝様式とそれに関わる代表的な酵素を列挙できる。 17. シトクロム P-450 の構造、性質、反応様式について説明できる。 18. 薬物の酸化反応について具体的な例を挙げて説明できる。 19. 薬物の還元・加水分解、抱合について具体的な例を挙げて説明できる。 20. 薬物代謝酵素の変動要因(誘導、阻害、加齢、SNPs など)について説明できる。 21. 初回通過効果について説明できる。 22.腎における排泄機構について説明できる。 23. 腎クリアランスについて説明できる。 24. 糸球体ろ過速度について説明できる。 25. 胆汁中排泄について説明できる。 26. 腸肝循環を説明し、代表的な腸肝循環の薬物を列挙できる。 27. 唾液・乳汁中への排泄について説明できる。 28. 尿中排泄率の高い代表的な薬物を列挙できる。 29. 薬物動態に起因する相互作用の代表的な例を挙げ、回避のための方法を説明できる。 30. 薬効に起因する相互作用の代表的な例を挙げ、回避のための方法を説明できる。 区 分 項 目 1. 序論 1 2. 生体膜の構造と透過 機構 (1) 2 1. 生体膜の構造と透過 機構 (2) 授 1. 授業の進め方 2. 生物薬剤学序説 3. 生体膜の構造 (対応 SBO 1) 1. 薬物の生体膜透過機構 (対応 SBO 3,4) 業 内 容 3 1. 生体膜の構造と透過 機構 (3) 4 1. 薬物の吸収 (1) 5 1. 薬物の吸収 (2) 6 1. 薬物の吸収 (3) 1. トランスポーター (対応 SBO 2,4) 1. 消化管の構造と吸収 (対応 SBO 1,2,3,4) 1. 消化管の構造と吸収(2) (対応 SBO 1,2,3,4) 1. 消化管吸収に影響を及ぼす因子 (1) (対応 SBO 6) 1. 消化管吸収に影響を及ぼす因子 (2) 7 1. 薬物の吸収 (4) 2. 消化管以外の部位からの吸収 (1) (対応 SBO 1,5,6) 1. 消化管以外の部位からの吸収 (2) 8 1. 薬物の吸収 (5) 2. 小括および小テスト (対応 SBO 1,5) 9 10 11 1. 薬物の体内分布 (1) 1. 薬物の体内分布 (2) 1. 薬物の体内分布 (3) 1. 組織分布を支配する要因 (1) (対応 SBO 7,10,11,12) 1. 組織分布を支配する要因 (2) 2. リンパ管系移行 (対応 SBO 7,10,11,12,13) 1. 脳移行 2. 胎児への移行性 3. 小括および小テスト (対応 SBO 8,9) 1. 薬物代謝と薬効 12 1. 薬物の代謝 (1) 2. 薬物代謝の様式 (対応 SBO 14,15,16) 1. 薬物代謝酵素 13 14 1. 薬物の代謝 (2) 2. 薬物代謝の変動様式 (1) 1. 薬物の代謝 (3) (対応 SBO 17,18,19,20) 1. 薬物代謝の変動様式 (2) 2. 小括および小テスト (対応 SBO 17,18,19,20,21) 15 1. 薬物の排泄 (1) 16 1. 薬物の排泄 (2) 1. 腎排泄(1) (対応 SBO 22,28) 1. 腎排泄(2) (対応 SBO 22,23,24) 1. 腎排泄(3) 17 1. 薬物の排泄 (3) 2. 胆汁中排泄と腸肝循環 (1) (対応 SBO 23,24,25,26) 18 19 1. 薬物の排泄 (4) 1. 薬物相互作用 (1) 1. 胆汁中排泄と腸肝循環 (2) 2. その他(唾液、涙液、呼気、乳汁)からの排泄 3. 小括および小テスト (対応 SBO 25,26,27) 1. 薬物相互作用の分類 2. 薬物動態学的相互作用 3. 薬力学的相互作用 (対応 SBO 29,30) 1. 薬物相互作用 (2) 20 2. まとめ 1. 飲食物・嗜好品・健康食品との相互作用 2. 薬物の臨床検査値への影響 3. 小括および小テスト 4. 総括 (対応 SBO 29,30) テキスト 金尾義治 他編「New パワーブック生物薬剤学(改訂第 2 版増補版)」(廣川書店) 参 考 書 加藤隆一 著「臨床薬物動態学(改訂第 4 版)」(南江堂) 岩城正宏 他編「コンパス 生物薬剤学」(南江堂) 林 正弘 他編「生物薬剤学(改訂第 2 版)」(南江堂) 武田真莉子 著「生物薬剤学 FUNDAMENTAL」(京都廣川書店) 成績評価 中間試験(20%)、定期試験(70%)、単元毎に実施する小テスト(10%)により評価する。 科目責任者 教員室:B409、メールアドレス:watanabe(at)hokuyakudai.ac.jp との連絡 *(at)は@に置き換えてください。 事前学修・ 1. テキストの該当部分を事前に予習しておくこと。 事後学修 関連科目 2, 各単元終了時に小テストを実施するので、復習をしておくこと。 生化学Ⅰ、生化学Ⅱ、生化学Ⅲ、ゲノム薬学、物理薬剤学、薬物動態学、製剤学、臨床薬物 動態学Ⅰ、臨床薬物動態学Ⅱ 1. 授業の補完のため、プリントを配付する。配付済みのプリントはファイリングし、毎回 備 考 持参すること。 2. 配付資料は「HPU-Moodle」にアップロードする。
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