持分法では投資原価に含まれる 財務諸表上、被投資会社の株式の取 含まれる場合には、投資会社の個別 および一部売却時の持分法と連結と ら派生する被投資会社の株式取得時 本稿では、前述の基本的相違点か 小林 正文 ① 株式取得時の取得関連費用 (付随費用) の取扱い ⑴ 株式取得時の個別財務諸 表および連結財務諸表上の 会計処理 株式取得時の持分 法と連結の比較 新日本有限責任監査法人 公認会計士 の会計処理の相違から、その影響が 分法実務指針において持分法と連結 取得関連費用の 取扱いのポイント はじめに 異なるものとして明文化されている 得原価に含まれた付随費用 (支払手 の比較や、持分法適用にあたり留意 (持分法実務指針2─2項⑶)。 数 料 等 )は、 持 分 法 上 の 投 資 原 価 に が必要となる実務上の論点について 被投資会社が持分法の適用範囲に 含まれ、これに対応する被投資会社 解 説 す る。 な お、 取 得 関 連 費 用 は、 社 の 資 本 を も っ て、 の れ ん( ま た は ─4項)。 負 の の れ ん )の 額 が 算 定 さ れ る こ と となる(持分法実務指針 一 方、 連 結 子 会 社 と な る 被 投 資 会 社の株式を取得した場合には、個別 財務諸表上は付随費用が株式の取得 原価に含まれるものの、連結財務諸 表上は発生した連結会計年度の費用 ─ 項、資本連結実務指 と し て 処 理 さ れ る こ と と な る( 企 業 結合会計基準 針 8 項、 金 融 商 品 Q & A の Q 2)。 そ の た め、 連 結 財 務 諸 表 作 成 にあたり、個別財務諸表上の株式の 取 得 原 価 を 修 正 す る 必 要 が あ る( 付 随費用を投資原価の額に含めない)。 なお、連結財務諸表上費用として処 理された主要な取得関連費用の内容 および金額は、注記による開示が求 、連結財規 め ら れ て い る( 企 業 結 合 会 計 基 準 項⑶④、財規8の の の株式を取得した場合、投資会社の ② 設例による解説 (設例1─1、 設例1─2) の資本との差額によりのれん (また )。 投資会社の株式の取得原価に含まれ 個別財務諸表においては、金融商品 持分法適用会社となる被投資会社 る付随費用だけでなく、より広い範 当 該 相 違 の 比 較 に つ い て は、 株 式 投資会社の個別財務諸表において被 49 15 実務指針 項および 項に従い、付 は 負 の の れ ん )の 額 が 算 定 さ れ る こ ととなる。 一方、被投資会社が連結の範囲に 36 囲 の 支 出 が 含 ま れ る も の で あ る が、 17 分 法 を 適 用 す る 場 合 に も( た だ し、 をご参照いただきたい。個別財務諸 結子会社となった場合の設例1─2 取得により持分法適用関連会社と また、文中の意見に係る部分は筆 持分法適用非連結子会社については 随費用は株式の取得原価に含まれ 用 (外部のアドバイザー等に支払っ 者の私見である旨、あらかじめ申し 本稿においては便宜上同義のものと た 特 定 の 報 酬・ 手 数 料 等 )は 発 生 し 表上の会計処理については両設例に 相違はなく、付随費用は株式の取得 後述の「持分法適用非連結子会社」を 参 照 )、 当 該 付 随 費 用 を 含 ん だ 投 資 原価に含まれる。一方、連結財務諸 添える。 れることとなった。 当該取扱いの相違については、持 原価の額とこれに対応する被投資会 た連結会計年度の費用として処理さ 企業結合会計基準および関連する会 年9月の 15 26 なった場合の設例1─1、および連 含まれる場合には、平成 12 る。このため、連結財務諸表上、持 261 して解説することとする。 25 計基準等の改正に伴い、取得関連費 56 Ⅳ 52 経理情報●2015.4.20(No.1411)
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