企 業 結 合 会 計 基 準 等 の ポ イ ン ト

非支配株主との取引、取得関連費用など
いて解説する。
⑴ 会計基準等の改正
国 際 的な比 較 可 能 性の向 上、および
わが国において重 視 されてきた親 会
社株主の視点等が総合的に勘案され
た。 国 際 的 な 会 計 基 準の背 景には、
子 会 社 株 式の追 加 取 得や一部 売 却は、
親 会 社 と非 支 配 株 主の取 引、つまり
株 主 間の取 引であるという 考 えがあ
ると思われる。このような取引を、い
わゆる資 本 取 引として捉 えると、持
分変動による差額は、損益ではなく、
資本剰余金に計上することとなる。
また、次の点も規定された。
従来の「少数株主持分」は、改正に
一部売却した場合、改正後の会計基
子会社株式を追加取得した場合や
資本剰余金を零とし、当該負の値を
値となる場合には、年度末において
に計上する結果、資本剰余金が負の
■持分変動による差額を資本剰余金
より
「非支配株主持分」に名称が変更
準では、支配継続中の親会社の持分
利益剰余金から減額する
(連結会計
非支配株主持分の
取扱い
PwCあらた監査法人
公認会計士
矢農 理恵子
企業結合会計基準等の
ポイント
年9月、企業会計基準委員
はじめに
平成
「企業結合に関する会計基準」(以下、
された。これは、他の会社の議決権
変動による差額を、連結財務諸表上、
① 会計処理
「 企 業 結 合 会 計 基 準 」と い う )等 の 改
の過半数を所有していない株主で
。
基準 ―2項)
号
正 を 公 表 し た。 ま た、 A S B J に
資本剰余金に計上する
(連結会計基
項 )。 そ の 際、 の れ ん の
■ 子 会 社 の 時 価 発 行 増 資 等 に 伴 い、
親会社の払込額と親会社の持分の
項、
未 償 却 額 は 減 額 し な い( 連 結 会 計 基
増減額との間に差額が生じた場合
準
な 表 現 と す る た め の 変 更 で あ る( 企
準 ―2項)(設例1、設例2)。改
日以後開始する事業年度から適用さ
する会計基準」(以下、「連結会計基
正前は、親会社の持分変動による差
も、一部売却と同様に、差額を資本
業会計基準
号「 連 結 財 務 諸 表 に 関
となり得ることを踏まえ、より正確
あっても、他の会社を支配し親会社
よる改正に対応するため、平成
2月、日本公認会計士協会は、関連
する実務指針等の改正を公表した。
年4月1
30
剰余金に計上する
(連結会計基準
これらの改正は、平成
29
額は、追加取得の場合にはのれん(ま
66
準」
という) 項、 ─2項)。つまり、
27
28
年
会
(ASBJ)
は、企業会計基準
25
れている
(一部は、
早期適用も可能)
。
22
26
21
Ⅱ
整理して解説する
( 図 表 1)
。 な お、
合会計基準等の主な改正ポイントを
本稿では、3月決算を前に、企業結
ている場合、当該「少数」株主以外の
している株主が、他の会社を支配し
過半を持たず「少数」の持分のみ所有
い た( の れ ん が 計 上 さ れ て い た 場 合
場合には子会社株式売却損益として
た は 負 の の れ ん )と し、 一 部 売 却 の
あると認められる場合には、利益剰
の判断を著しく誤らせるおそれが
理を原則とするものの、利害関係者
項)
。
改正前は、差額について損益処
とされていた。
は、売却した株式に対応するのれん
改 正 後の処 理は、国 際 的な会 計 基
株主のことを、「少数株主」と呼ぶの
が正確ということである。以下、非
準と同 様である。 改 正にあたっては、
文中の意見にわたる部分は筆者の私
見である。
支配株主との取引に関する改正につ
余金に直接加減することができる
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未償却額を減額)。
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ではなく、「非支配株主」と呼ぶほう
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経理情報●2016.3.20(No.1441)