適切に減損処理を行うには? 非上場株式の取引 における基本的な 会計処理 照されたい。 評価差額の科目としては投資有価 証券評価損などが考えられ、臨時的 か つ 巨 額 と 認 め ら れ る 場 合 を 除 き、 通常、営業外費用として処理するも のと考えられる。 なお、減損処理を行った非上場株 式については、減損処理後の取得原 項) 、翌 価を翌期首における取得原価とする こととなるため (会計基準 期以降の減損処理の要否について 小川 枝津子 との対応関係が明確でないものを除 は、実質価額と減損処理後の取得原 く )を 含 め る( 実 務 指 針 した非上場株式は、投資先が子会社 または関連会社でない限り、その他 有価証券として保有するものと思わ 処理は、一連の取引の流れに基づく ⑵ 保有に伴う会計処理 ける貸借対照表価額と売却価額との 場株式の消滅を認識し、売却時にお 非 上 場 株 式 を 売 却 し た 場 合、 非 上 ⑶ 処分に関する会計処理 価を比べて判定することとなる。 項 )。 取 得 有限責任 あずさ監査法人 公認会計士 非上場株式の評価に係る 会計上の取扱いと留意点 はじめに 一般事業会社において、業務上関 係のある企業の株式を保有するなど みられる。この非上場株式について と次のとおりとなる。 れる(実務指針 項)。 は、市場がないことから、その処理 差額は当期の損益として処理する 項) 。売却差額の科目は あることから、毎決算時において時 投資有価証券売却益または投資有価 (会計基準 非上場株式を取得した場合、取得 証券売却損などとし、臨時的かつ巨 認会計士協会会計制度委員会報告 営業外収益または営業外費用として 号 「金融商品会計に関する実務指針」 質価額が著しく低下したときは、相 当の減額を行い、評価差額は当期の 90 93 に関する注記として、次の開示を行 非上場株式については、有価証券 ⑷ 開 示 )。 されるが、本稿では第三者間での取 (以下、 「実務指針」という) 項、 損失として処理する(会計基準 項、 、 引に基づくものを対象とする。 なお、 項) 。 こ の 取 得 原 価 に は、 売 買 契 約 実務指針 項)。この「財政状態の悪 う 必 要 が あ る( 連 結 財 務 諸 表 規 則 21 14 63 処理する(財務諸表等規則 文中の意見に関する部分は、筆者の に 基 づ く 非 上 場 株 式 の 対 価 の ほ か、 化」と「実質価額が著しく低下したと 92 29 行会社の財政状態の悪化によって実 私見である。 支払手数料など取得時における付随 の6、財務諸表等規則8の7)。 項 ⑵ )。 た だ し、 非 上 場 株 式 の 発 価 評 価 は 行 わ ず、 取 得 原 価 を も っ 非上場株式は、時価を把握するこ とが極めて困難と認められる株式で 非上場株式に関する基本的な会計 22 号 「金融商品に関する会計基準」(以下、 原 価 で 認 識 す る( 企 業 会 計 基 準 説する。なお、非上場株式の取引と 「 会 計 基 準 」と い う ) 項 ⑵、 日 本 公 いについて、日本基準の観点から解 上場株式の評価に係る会計上の取扱 が多いと考えられる。本稿では、非 に際しては慎重な判断を要すること ⑴ 取得の会計処理 で、非上場株式を保有するケースが 56 額 と 認 め ら れ る 場 合 を 除 き、 通 常、 しては、企業集団内での取引も想定 10 き 」の 詳 細 に つ い て は、 図 表 1 を 参 19 費用 ( 経 常 的 に 発 生 し、 非 上 場 株 式 15 19 て 貸 借 対 照 表 価 額 と す る( 会 計 基 準 11 59 第1章 10 経理情報●2016.10.10(No.1459)
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