信頼性をもった見積りはどう行う? 田中 淳一 工事進行基準適用に関する 会報告書 「会計上の見積りの監査」 号6項⑶)。工 の工事収益および工事原価を認識す る方法をいう(基準 事 完 成 基 準 と は、 工 事 契 約 に 関 し て、工事が完成し、目的物の引渡し を行った時点で、工事収益および工 事 原 価 を 認 識 す る 方 法 を い う( 基 準 号6項⑷)。 工 事 契 約 に 関 し て、 工 事 の 進 行 途 上においても、その進捗部分につい は工事進行基準を適用し、この要件 て成果の確実性が認められる場合に いい、受注制作のソフトウェアにつ を満たさない場合には工事完成基準 い て も 適 用 さ れ る( 基 準 号 4 項、 有限責任 あずさ監査法人 公認会計士 会計・監査のポイント 工事 契 約に関 する会 計 処 理は、平 を中心に、 (以下、「監基報 」という) を適用する(基準 年に 企 業 会 計 基 準 委 員 会 か ら 5 項 )。「 基 本 的 な 仕 様 や 作 業 内 容 を ごく短いものについては、通常、金 成 関連する監査基準委員会報告書の要 顧 客 の 指 図 に 基 づ い て 行 う 」請 負 契 額的な重要性が乏しいばかりでな う) および企業会計基準適用指針 号 号9項)。工期が 求事項を適切に適用 するために留意 約が対象となるため、法的には請負 く、工事契約としての性格にも乏し る会計基準」(以下、「基準 号」とい する事項を適用指針として取りまと 契 約 で あ っ た と し て も、 た と え ば、 日 めたものとして、平 成 い場合が多いと想定されるため通 年4月 「工 事 契 約に関 する会 計 基 準の適 用 標準品である機械装置を製造するよ 号 項)。工事契約に金 事契約において当事者間で合意され 工 事 契 約 に 係 る 認 識 の 単 位 は、 工 工事契約に係る 認識の単位 い点に留意する。 を使い分けることは認められていな 基準により工事契約に係る認識基準 い工事契約を除き、請負金等の金額 り、個別に原価管理が行われていな 額的な重要性がない等の理由によ なる(基準 に同 協会から監査・保証実務委員会 項)。 指針」(以下、「指針 号」という) が公 実務指針 用に関する監査上の取扱い」が公表さ (基準 号 常、工事完成基準を適用することと 号「工事 契 約に関 す 15 うな場合は適用範囲には含まれない 企業会計基準 15 15 53 表され、すでに実務にかなり定着して いるものと推 測 する。 他 方、工 事 進 れた。 Ⅵでは会計基準の概要、監査上の 行基準では、一般的に会計上の見積り の不 確 実 性の程 度が大 き く、会 計 上 留意点について解説する。なお、文 工事進行基準とは、工事契約に関 の見積りに関 する重要な虚偽表示リ 工事契約に係る 認識基準 対 価 が 支 払 わ れ る 請 負 契 約 の う ち、 して、工事収益総額、工事原価総額 中の意見に関する部分は筆者の私見 土木、建築、造船や一定の機械装置 および決算日における工事進捗度を スクが高 く なることが多いことから、 工事契約に関して工事収益および 工事原価を認識するための工事契約 に係る認識基準には工事進行基準と の製造等、基本的な仕様や作業内容 合理的に見積り、これに応じて当期 工事完成基準の2種類がある。 を顧客の指図に基づいて行うものを 15 30 であることを申し添える。 31 27 日本公認会計士協会監査基準委員 会計基準の概要 適用範囲 工事契約とは仕事の完成に対して 15 号「工 事 進 行 基 準 等の適 15 540 91 18 18 15 15 540 Ⅵ 19 40 経理情報●2016.3.20(No.1441)
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