松本 繁彦 関する会計基準」 項なお書き)。 「貸借対照表の純資産の部の表示に か ら 控 除 さ れ る( 企 業 会 計 基 準 5 号 に直接純資産の部の繰延ヘッジ損益 延税金負債も損益計算書を経由せず め、対応する繰延税金資産または繰 に直接純資産の部に計上されるた 有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 在外子会社への持分投資のヘッジに注意 公式見解ではない。 繰延ヘッジにおけ る税効果会計 ⑴ 繰延ヘッジ損益への税効 果会計適用の概要 繰延ヘッジ損益に対する税効果会 により海外子会社等への持分投資が 資産の部において繰り延べるが、当 れるまで「繰延ヘッジ損益」として純 は、ヘッジ対象に係る損益が認識さ 益と繰延ヘッジ損失とに分けたうえ と い う )に よ る た め、 繰 延 ヘ ッ ジ 利 指針」(以下、「個別税効果実務指針」 表における税効果会計に関する実務 針 項)。 ⑵ 繰延ヘッジ損失の回収可 能性の判断 こ の 回 収 可 能 性 の 判 断 に 関 し て、 繰延ヘッジ損益特有の取扱いが認め られており、繰延ヘッジ損失の回収 可能性を将来年度の収益力に基づく 課税所得によって判断する場合に 翌期における回収可能性 を判断する ヘッジ会計に係る税効果の ポイント はじめに 本稿では、 「金融商品」の税効果会 計のうち、ヘッジ会計に関連するも のとして、繰延ヘッジにおける税効 果会計の一般的な考え方を解説する とともに、それとの比較で時価ヘッ 計の適用は、日本公認会計士協会会 増加し、近年の円高を背景として当 該繰延ヘッジ損益は税務上は資産ま で、 将 来 加 算 一 時 差 異 で あ る 繰 延 繰延ヘッジを適用した場合、ヘッ 該持分投資の為替変動リスクをヘッ たは負債となるため一時差異が生じ ヘッジ利益については繰延税金負債 ジ に お け る 税 効 果 会 計 を 概 観 す る。 号「 個 別 財 務 諸 ジするために在外子会社等に対する ることから、税効果会計を適用しな を計上し、将来減算一時差異である 計制度委員会報告 持分への投資に係るヘッジを実施し 号 ジ手段に係る損益または評価差額 ている事例が見られることから、そ け れ ば な ら な い( 企 業 会 計 基 準 さらに、日本企業の海外投資の増加 の概略とそれに係る税効果会計適用 収可能性を判断したうえで繰延税金 繰延ヘッジ損失については個々に回 お 書 き )。 こ の 際、 認 識 さ れ た 繰 延 資 産 を 計 上 す る( 個 別 税 効 果 実 務 指 回収可能と判断する ③ 「金融商品に関する会計基準」 項な なお、当該記事は執筆者の私見で ヘッジ損益は損益計算書を経由せず ④但書き 回収可能と判断する ② 重要な税務上の繰越欠損金が存在する会社等 ④ 回収可能と判断する ① 重要な税務上の繰越欠損金が存在する会社等であるが、非 回収可能と判断する 経常的要因を除けば課税所得を毎期計上している会社 過去連続して重要な税務上の欠損金を計上している会社 回収不能と判断する 等 ⑤ の考え方を紹介する。 あり、有限責任監査法人トーマツの 21 例示区分 10 32 繰延ヘッジ損失の取扱い 例示区分の内容 期末における将来減算一時差異を十分に上回る課税所得 を毎期計上している会社等 業績は安定しているが、期末における将来減算一時差異を 十分に上回るほどの課税所得がない会社等 業績が不安定であり、期末における将来減算一時差異を十 分に上回るほどの課税所得がない会社等 (図表1) 例示区分に応じた繰延ヘッジ損失の取扱い 26 10 Ⅱ 16 経理情報●2012.11.20(No.1331)
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