吃音・言語聴覚療法 4、練習方法 50音 50音を順に練習しましょう。一音ずつ、声た てに集中して行うことが大切です。 慣れてきたら、あ段(あ、か、さ、た、な、は、 ま、や、ら、わ、が、ざ、だ、ば、ぱ)を順番に 言ってみましょう。 単語を言う 50音を言った方法と同様に最初の音を出し、 そこからつなげて単語をいってみましょう。 始めの音だけが長くならないよう、気をつけて ください。 挨拶ことば(例、おはようございます) 氏名、住所、学校名・勤務先など 数字 その他の苦手なことば 文章の音読 文章を読んでみましょう。 文の最初と、息継ぎの後は、声たてに注意し て読み始めます。 次の息継ぎまで、声が途切れないようにしま しょう。 難しいと感じる言葉の前で息継ぎし、そのこと ばをゆっくり言いましょう。 うまく読めたら、少し声を大きくして練習しま しょう。 文章例(北風と太陽) ある日、北風と太陽が力くらべをしました。旅 人の外とうを脱がせた方が勝ちということに 決めて、まず、風から始めました。風は「ようし、 ひとめくりにしてやろう。」と激しく吹きたてまし た。風が吹けば吹くほど、旅人は外とうをぴっ たりと体に巻きつけました。次は太陽の番に なりました。太陽は雲の間から顔を出して、暖 かな日差しを送りました。旅人はだんだん良 い心もちになり、とうとう外とうを脱ぎ捨てまし た。そこで風の負けになりました。 文を話す 文章を読んだ方法と同じ方法で、まず日常的 なテーマ(一日の出来事、学校、クラブ活動、 仕事など)を独り言で練習してみましょう。 同じ速度で話すよう注意して下さい。 今度は話しやすい相手がいても同じように話 せるか試してください。一文から徐々に話す長 さを伸ばしていきます。 会話 相手の話す速度、急いでいる様子によって、話 にくいことがある場合があります。 ことばの出にくさを感じたら、 ① 手を挙げて、話すのを一旦止めます。 ② 息を吐いて、のどの力を抜きます。 ③ 練習している方法で、改めて言い直します。 コミュニケーション生活の工夫 吃音のことを誰にも相談したことが無いという方があ ります。誰かに少し聞いてもらうだけで、気持ちが多 少楽になるのではないでしょうか。 聞き手側に配慮することで、結果的に、話し手側の 心理的負担を減らせる場合もあります。話し始める前 や後に、「お聞き苦しいところが、あるかもしれません が・・・」などとことわりを入れる方法もあります。 相手(友人、先生、上司など)にどのように対応して 欲しいか、直接お願いするのも良いでしょう。 「吃音」のことで人から何か言われた場合、相手が 「吃音」のことを全く知らない可能性もあります。これ を機会に吃音について説明し、相手の理解を促すこ ともできます。 誰でも「吃るとき」と「吃らないとき」があります。「吃音」 にとらわれすぎず、学校生活や日常生活を積極的に楽 しむことで、結果的に「吃音が以前程、気にならなくなっ た。」という方もあります。 毎日の練習 これまでの発話習慣を変えるには、毎日の練 習の積み重ねが重要です。 2-3分の練習を就寝時、車中、入浴時など同じ 時間に行うと、継続しやすいようです。 50音、音読、言いにくい言葉などを、どのように 言うか(例:音を伸ばす)が練習のポイントです。 言いにくい場面を想像して、言いにくい言葉を 練習するのもよいでしょう。 練習の自己管理 苦手なことばやフレーズは、ノートに書いて、 練習しましょう。 同じ言い回しで、繰り返し練習することが重要 です。 自分自身を励ますために記録をつけましょう。 吃ったかどうかではなく、練習している方法を 再現できたかどうかを記録します。 (例:12月16日 「おはようございます」 ○)
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