赤潮 - 日本水産資源保護協会

目
次
2
赤 潮 プ ラ ン ク トン… … … … … … …・… … … ……… … 4
赤 潮 発 生 の し くみ … … … … … … … … … … … … … … 6
発 生 事 例 … … … … ………… … … ………………… … … … …8
赤 潮 とは … … … … …… …・… … … … … … … … … … …
水産 庁 ●東 京都 千 代 田 区霞 が 関 │-2-I
TEL03-502-811(代 )(漁 場保 全 課 内線 5673)
│-35 TEL03-593-248
社 団 法人 日本 水 産 資 源保 護協 会 ●東 京都 千 代 田 区永 田町 │―
昭和 59年 3月
漁 業 被 害 … …… … … … … … … … … … … … … … … … lo
被害 防止対 策 ……… ……… ……… ………… ……… 2
み な さん へ の お ね が い … … … … … … … … … … … … 6
私 た ちが 守 る美 しい 海 … … …… … … … … … … … … 18
続 日本紀 によると、今 か ら1,200年 ほ ど前の奈 良 H寺
代 初期 、天平 3年 6月 に、紀伊 国 (現 在 の 和歌 山県
)
沿 岸 の 海 水 が突 然 血 の ように変 わ り、 この 状 態 が 5
日間 も続 い た と書 か れて い ます。
また、 真珠 で 有 名な二重 県英 虞 湾 で、 明治36年 9
海 の 色 が必 ず赤 くな る とい うわ けで はな く、 赤潮 と
な るプ ラ ンク トンの種類 に よって、 赤褐 色、褐 色、
黄緑 色 な どい ろ い ろの色が あ ります。
赤 潮 は、 古 くか ら降雨性 赤潮 とか 海 水 の無酸 素化
赤潮 な ど と呼 ばれ る よ うに、主 に気 象や 自然 界 にお
月末 か ら10月 初旬 にか けて大規 模 な赤潮が 発生 し、
大 量 の 真珠 貝 の へ い死 が起 こ りま した。 これ は、 ギ
け る生物生 産過程 で生産 され る栄養 物 質 の 変 Illな ど、
ム ノデ ィニ ウム とい うプ ラ ン ク トンに よる赤潮 で し
れ に加 えて化 活 ljF水 とか産 業排 水 とい った人 間活動
た。
に よる産物 との 関連 が強 い とい われ て い ます。
一 方、外 国 で も、 19世 紀 に ダー ウ イ ンが ビー グル
号 の探検航 海 の途 中、南米 の チ リー 沖 で赤 潮 を発見
して い ます。
養 殖漁場 にお しよせ た赤 潮
自然現 象 的要 素 の 強 い もの です 。近 年 の 赤潮 は、 こ
また、琵琶 湖や 諏 訪湖 な どの 淡 水域 に も赤潮 発生
`
が み られ、 これ は 淡 水 赤潮 ″と呼 ばれ て い ます。
近 年 、 赤潮が注 目され るの は、 単 に海や 湖 が 着 色
この ように、赤潮 とは、海 中 で微 小 な生物 (お もに
す るため だ けで はな く、赤潮 に よ り多 くの 漁業被害
植 物 プ ラ ンク トン)が 異 常 に増殖 す るこ とに よって、
が 発生 す るか らです 。 ぜ ひ、 み な さん に 赤潮 の こ と
海 の 色が 変 わ る現 象 を いい ます。 赤潮 とい って も、
い ます。
を い ろ い ろ考 えて もらい た い と思、
赤潮 プラ ンク トンの顕微 鏡 写真
●
:Ⅲ
…ご
11.
瀬戸 内海
湖 に大 繁殖 した淡水赤潮 (ア オ コ)
霞 ヶ浦
●赤潮 プランク トン
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ホルネリア 乃αι
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通称 ホル ネ リア といい ます。
ラフ ィ ド藻 ・ 赤褐 色。
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ギ ム ノデ ィニ ウム し Й
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ハ マ チな どの 魚類
全国的 に内湾域 で発生 し、養殖
“
及び 貝類 な どに被害 を与 えるこ とが 多 く、悪質 な赤
潮 とな ります。 渦べ ん毛 藻 ・ 黄褐 ∼暗褐 色。
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発光す るので夜光 虫 と呼 ばれ、赤色 の 赤潮 と して
古 くか ら知 られて い ます。 全国的 に発生 しますが、
淡桃色。
漁業被害 はほとんどあ りません。渦べ ん毛 藻 。
ミクロキステイス θttcrο cysι jリ
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プ ロロセ ン トラム ″レO rOcο れι
内湾域 で発生 し、養殖 カキが赤変す る原 因種 と考
え られて い ます。養殖 ハマ チな どの 魚類 に被 害 を与
え るこ と もあ ります。 渦 べ ん毛 藻 ・ 黄 ∼褐色。
湖や池のプランク トン。諏訪湖などで大発生す る
ほか全国の貯水池でろ過槽の 目づ ま りやかび臭の原
因とな ります。 らん藻 。青緑色。
※注
赤潮 となる植物プ ラ ンク トンの種類 は多 く、40種
以上 といわれてい ますが、けい藻 による赤潮発生が
ヘ テ ロシ グマ ″ル″rOsJσ mリ
“
全 国的 に内湾域 で発化 し、魚 貝類 に被 害 を与 える
種 です。 ラフ ィ ド藻・ 黄褐色。
一 番多 く、次 にべ ん毛藻、 らん藻 となって い ます。
また、原生動物 に属す る繊毛 虫に よる赤潮 もあ りま
す。
赤潮は単一の種 か らな ることもあ りますが、 とき
には数種類 のプ ラ ンク トンで構成 され ることもあ り
ます。
:(
)内
は学術 名 です
内湾 や 沿岸域 で は、生活 排 水
や産業 排水 に含 まれ る栄養 物質
が 1可 川 水 とと もに流 入 した り、
また、 有機 物 を多 く合 む海底 泥
か ら、栄養 物 質 が 溶 け出す こ と
に よって、 富栄養化 が進 ん で い
ます 。
この ような海域 で 、 さ らに、
水温や塩 分 な どの環境 条件 が適
ヽ
ミヽ\
当で、 また、 微 量の鉄 な どの重
金属 や特殊 な有機 物 、 い わ ゆ る
揚
生活排水燃礫加石
増殖促 進 物質 が存在 す るこ とが 、
植 物プ ラ ン ク トンの 異 常繁殖 を
ひ き起 こす 引 き金 の一 つ で あ る
と考 え られ て い ます。
同様 に、植 物 プ ラ ンク トン を
食 べ る動 物 プ ラ ンク トンの 存在
が少 な い こ と も大 きな影 響 を も
つ とい われ ます 。 そ の うえ潮流
や風 に よる吹送 流 な どで 、 これ
らのプ ラ ンク トンが特 定 の 場所
に集 め られ る と、 そ の 濃縮 に よ
って 海域 の 色 が変 わ り、 赤潮現
象 を示 します。
しか し、 赤潮発生 の しくみ は 、
まだ十 分 に明 らか に され て い ま
せ ん。 いつ 、 どこで 、 どん な種
類 の 赤潮 が 発生す るのか とい う
こつちは赤潮だ
逃 げないと
死ん じゃうよ
こ とは 、今後 の研 究課題 とな っ
て い ます。
赤潮は こんなに
色々な要因が
複雑に関係 し合つて
発生するのか
ウワッ酸素が
足 りな <て
窒息 しそ ぅだ
赤潮 の 子L生 は 、古 くか ら二陸 沿 岸や 島根 県 中海、
日本 沿 岸 の 赤 潮 発 生 水 域 図
二重 県 の英 虞湾 、東京湾 な ど特 定 の 内湾や 真珠 養 殖
議員[湖
:貢
富栄養 化 の進 行 に と もな い 、昭和 35年 ごろか ら発生
霙最榎湾
:1吾 ,1島
広域 化 の きざ しが み るれ る よ うにな り、昭和 45年 以
::照 計
螢
霙
層 ::革 聴
鰻埼彎 ::糞 偏
伊勢三河湾 29鶏 湖
30
紀伊水道 3+勝
降 は、瀬 戸 内海 の ほは 全域 にわた って 赤潮 の 発生 が
道 331じ 甫
量礎繕
件 数 が年 々 多 くな ったばか りで な く、 しだ い に広 範
島県
」1広ラス
にダ
:メ
卍 [湾
囲にみられるようになり、図に示したように、我が
国沿 岸 の ほ とん どの地域 で赤 潮 の 発生 が み られ ます。
1頼 戸 内海 で は、昭 和 30年
瀬戸 内海 における赤潮発生状況
湾
撮暑
場 にみ られ て い ま した。近 年 、沿 岸 の 内湾や 内海 の
ごろか ら赤潮 発生 海域 の
熊野 濯 諸 内湾
瀬戸 内海
1紫
船川
32
対島
み られ るようにな りま した。最 近 で は、毎年 200件
ぐらいの 赤潮 の 発生 が 報 告 され てお ります。
東 京湾 で もFlじ ように、昭 和 30年 ごろか ら赤潮 の
Lが 多 くみ られ る ようにな り、昭 和 40年 以 降 は 、
発オ
湾奥 部 で は 6∼ 9月 の 間 は、 赤潮 の み られ な い 日の
.
期
方 が む しろ少 な い とさえ い われ るほ どです 。
瀬戸 内海 の 赤潮発生 件数
Eヨ …発生件数
…被害件数
47
(日
召不口)
48
Zitり ,タ
(昭 和58年 7月
167p岡
マ
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ネ
r』 3-景 16
)
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赤潮 はす べ て 魚貝類 に対 して有害 とい う もの で は
な く、無 害 の もの もあ ります。
け い藻類 の 赤潮 に よる漁業被害 はの り養 殖 な どで
少 しみ られ ます が、 魚 貝類 の へ い死 を招 くような直
く赤潮 で へ い死 した養 殖 ハ マ チ と
その除 去作 業
漁業被 害 は再 び 増加 しま した。
今後 と も赤潮 の 発生動 向 に対 す る注意 が必 要 で あ
ります。 一 方、 赤潮 に よる漁業被 害 を防止す るため
の 施 策 と して赤潮 情報 の 交換 、養殖 い けす の避 難 な
どが 行 われ て い ます。 これ らの施策 が赤潮 に よる漁
接 的 な被 害 を与 え る もの は、 渦べ ん毛 藻、 ラフ ィ ド
藻 な どに よる赤潮 が 多 い よ うで す 。 これ らの 赤潮 に
業被害 の 防止 に役立 ってお り、今後 と もこの ような
死 や 中毒死 な どが 考
よる魚 貝類 のへ い死 には 、窒 息、
努 力 を続 けて い くこ と も必要 で あ ります。
また、大 規模 な赤潮 で 、 赤潮 プ ラ ンク トンが死 ん
え られ て い ます 。
瀬 戸 内海 で は、昭和 55。 56年 と赤潮 に よる漁業被
で海 底 にた ま る と、 それが分解 す る とき海底近 くの
害 の 少 な い年 が続 きま したが、 これ はハ マ チ養殖 業
海 水 中 の 酸 素 が 消費 され て少 な くな り、魚 貝類 が ヘ
に大 きな被害 を もた らす 赤潮 の 発生 が なか った こ と
い死 す るこ と もあ ります。 た とえば 、東京湾 の奥 部
に よ ります。 この よ うに、漁業被 害 の 増減 には赤潮
で は、 この 原 因 に よって、天 然 の ハ ゼ や カ レイな ど
の 発生 動 向 が大 き く関与 してお り、昭和 57・ 58年 に
の 大 量 へ い死 が み られ ます 。
は 2年 連 続 して ホル ネ リア赤潮が発生 した こ とか ら
′
﹁ 一
7 2 3
年 4
5 5
赤潮 に よる主 な漁業被害 (瀬戸 内海 )
プラ ンク トン
期
時
被
害
内
容
被害金額
7月
中旬 ∼ 8月 中旬 播
磨
灘
ホルネ リア
養 殖 ハ マ チ 約 :′ 400万 尾 へ い死
71億 円
8月
上 旬 ∼ 9月 上 旬 播
磨
灘
ホルネ リア
養 殖 ハ マチ
約 330万 尾 へ い死
30億 円
7月
中旬 ∼8月 中旬 播
磨
灘
養 殖 ハ マチ
約 280万 尾 へ い死
33億 円
磨
灘
養殖 ハ マ チ
約 104万 尾 へ い死
3.2億 円
中旬 ∼ 9月 中旬 豊 後 水 道 ギムノディニウム
養 殖 ハ マ チ な ど約 70万 尾 へ い死
5億 円
豊 後 水 道 ギムノディニウム
養 殖 ハ マ チ な ど約 53万 尾 へ い死
3.3億 円
灘
養 殖 ハ マチ
約 38万 尾 へ い死
7.7億 円
灘 ギムノディニウム
養 殖 マ ダイな ど約29万 尾 へ い死
l.9億 円
7月
∼8月
播
54
8月
55
7月
下旬 ∼8月 上 旬 播
磨
57
58
8月 中旬
燃
7月 下旬
紀伊水道など
ホルネ リア
養 殖 ハ マチ
約 30万 尾 へ い死
3億 円
多量 にへ い死 して海 岸 に >
打 ち寄 せ られ た貝類
0は 瘍躙弛儡蝙
`
″
赤潮 が、 いつ、どこで、どの くらい、発生 す るのか
″
`
また、 赤潮 に よる被害 を いか に防止 す るのか とい
う問題 はなか なか むずか しくて、現 在鋭意研 究 中 で
す。 赤潮 プ ラ ンク トンは Nや Pな どの栄養 物質 をll■
●瀬戸 内海 にお け る赤 潮 防止対策 事葉 の し
テ レフ ァ ック ス
電話
収 して増殖 す るの で 、富栄養 化 が進 め ば、先 にの ベ
た よ うに赤潮 の 発生 は増 加す る傾 向 にあ ります。
国 で 1よ 、す で に、 水質 を規制 す る「水 質 汚濁 防止
法 」や「瀬 戸 内海環境 保 全特 別措 置法 」を制定す るな
ど、 水域 の 富栄 養化対 策 を講 じて い ます。
赤潮対 策 と して は、基 本 的 に(1)富 栄養化 防止対策
(河 川 な どか らの 汚染物質 の 流 入や 泥 か らの NoPの
溶 け出 しを抑 え る)、 (2)赤 潮被 害 防止対 策 (赤 潮 の早
期 発 見 と赤潮 に よる魚 貝類 の へ い死 防止 )の 2本 立 て
が 考 え られ ます 。
水産庁 で は、赤潮 による漁業被害 を未然 に 防「_す る
ため 、 関係 県 に対 し、 赤潮情報 交換事業 及び赤潮予
察事業 を 2本 柱 とす る赤潮 防止対策 事業 の 実施 につ
い て助 成 して い ます。
赤潮情報 交換 事業
機観 測
漁業 者、 漁業 協 同組合 な どの 協 力 を得 て 、 赤潮 の
発生状 況 (分 布範 囲、 色、プ ラ ン ク トン種 )な どの情
報 を収 集 し、 関係 県 な どに通 報 す る事業 で、昭 和 48
年 か ら約 30県 で実 施 され て い ます。
赤潮 予察事業
赤潮 の 発生 な どを予察 す るため、赤 潮発生 時 の 海
洋構 造や、 水質・ 底 質 の状 態、 プ ラ ンク トンの 発生
状 況 な どを調 査す る事業 で 、昭 和 51年 か ら約 30県 で
実施 され て い ます。
これ らの 事 業 は、海域 の 特性 な どか ら、 全 国 を 5
つ のブ ロ ック (瀬 戸 内海、 九州 、東 海、北 海道 。東
北 、 内水面 )に 分 けてそれ ぞれ ネ ッ トワ ー ク を組 ん
で実 施 して い ます。
調査船
この ほか、 赤潮 発生 時 には、航 空機 を使 用 して観
●魚 の へ い死 機構 の解 明 :な ぜ 、 赤潮 に よって、
測 を行 い 、赤潮 の早 期 発 見 に努 め て い ますが、 さ ら
魚 が死 ぬ のか を研 究 す るこ とに よ り、適切 なへ い死
●化 物 を利 用 した 赤潮 防JL対 策 :霞 ヶ浦 に大量 に
発生す るアオ コ をテ ィラ ピア な どの 魚 に食 べ させ て
に、次 の ような事 業 も実施 して 、 赤潮 に よる漁業被
防JL対 策 の確 立 に努 め て い ます。
回収 除去 す る方法 の ほか に、 これ まで に も人工 的 に
赤潮 発生 の 原 FAJの ひ とつ とされ て い る海底 の ヘ ド
ロの しゅんせ つ 、 除去 な どにつ い ての 基礎 資料 を得
害 の 防止や軽減 をはか って い ます。
●水質 ・ 底 質 の 改 善 :漁 場 の 水質 及 び底 質 を改善
す るため の 方策 は い ろ い ろ考 え られ ますが 、水産庁
造成 した 海草 な どに水 中 の Nや Pを 吸収 させ て 、富
るため に海底 にお け るヘ ドロの 堆積 状 況 な ど を調査
し、全 国 の 内湾 の ヘ ドロマ ップ を作 成す る事 業 で、
で は富 栄養 化 した 内湾水 と外 洋水 との交 換 を図 るた
栄養化 を改 善 す る試 み を実施 して きま した。
●養 殖 漁場 の 汚染 防Jヒ :諏 訪湖 な どで 行 われ て い
め 、密 度流 を利 用 した作 れ い効果 の 実証 試験 を実施
る コ イの 養殖 に よる漁場 の 汚染 を防JLす るための餌
料 の 改良 を試 み て い ます 。 また、 これ まで に も、 ハ
止 の ための技 術 開発 を行 う もので 、次 の ような試験
す る とと もに、 漁場 の 容量 を把握 、評価 す る手法 を
確 立 し、養 殖 負荷 を肖1減 す る技術 開発 を進 め て い ま
が 実施 されて い ます。
す。 また、琵琶 湖 にお い て は間欠 ば っ気 法 とい う新
すの を防」
Lす るため、 水 中 で散 らば りに く く、魚 に
増殖機 構 の 研 究 を、 また 、東 海 区水産研 究所 で は、
しい 手法 で底質 改善 を試 み て い ます。
とって 食 べ や す い餌 (モ イ ス ト・ ペ レ ッ ト)を 利 用 し
た 自家 汚染 防止技術 の 開発 を進 め て きま した。
富栄養化 防JLに 関す る浅海域 の浄化機 能 の 研 究な ど、
す で に開発 され た技術 はマ ニ ュアル 化 され広 く利
用 され て い ます。
めの い ろ い ろな研 究 を行 って い ます 。
赤潮対 策技術 開発試験
赤潮 に よる漁業被 害 の 防止 と、効 用 の低 下 した 漁
場 の 回復 を図 るた め に、 水質 。底質 の 改善や被 害 防
係 を コ ン ピュー タ ー な どを用 い解 析 す る とと もに、
さらに、これまでにも①底泥の除去 (し ゅんせつ
②底泥をきれいな砂でおおう(覆 砂)③ 海底をかくは
航 空機 を利 用 した リモー トセ ン シング技 術 の 開発 を
ん して有機 物 の分 解 を促 進 す る (耕 うん 、 ば っ気 )な
積極 的 に進 め て い ます。
どの技 術 開発 を行 って い ます。
●赤潮 の 予 察技 術 の 開発 :赤 潮 発生 と環境 との 関
)
被害 防 止 の た めの
色 々 な基礎 言
式験
:iffi 1
・ペ レ
モイ ス ト
に よる飼 育
マ チ養 殖 な どで 用 い られ る餌 の 食べ 残 しが 漁場 を汚
漁場 改良復 旧基 礎 調 査
昭和 49年 か ら全 国 30以 上 の 海域 につ い て調 査 が進 め
られ て い ます 。
この ほか 、南 西海 区水産研 究所 で は、赤潮 の 発生 。
赤潮発生予 察 及び被害 防JL対 策 の 基礎 資料 とす るた
み な さんへの おねが い
海や 湖 の 富栄養 化 の 進 行 をお さえ、赤潮 の 発生 を
防止 す るため の 方策 は、 い ろ い ろ と試 み られ て い ま
す。「水産 用水基 準 (改 訂版 )」 (社 団法 人 日本水産 資
源保 護 協会 )で は、海域 の 場合、 CODで 1鴨 /2以
/
生 活排 水 は、 し尿 な ど も加 わ った雑 llF水 です。 と
くに、 Pに つ い て大 きな部 分 を 占め て い るの は、 こ
の な か で も洗濯 lll水 です。 最 近 まで、洗濯 に用 い る
/2以 下 、 Pは 0.015m9/2以 下 の 場合 、長期 にわ た
合成洗 斉1中 の Pは 、 海や 湖 に流 入す る Pの お よそ 20
%も 占め て い ま した。現 在 で は、水域 の富 栄養 化 の
る赤潮 は発生 しな い とされ て い ます。 この 基 準 に よ
進 行 を防 ぐた め に、無 りん洗 斉1や 天 然石 けんが市場
って、赤潮 の 発生 その もの を防止 す るため には、公
に出て い ます。 で きるだ け Pを 含む洗 斉1を 使 用 しな
害 防止 の ための諸法令 を守 る こ とは も とよ り下 水道
の 整 備 、 生 活 。産 業排 水 な どの N及 び Pの 負荷規 制
い ようにす る とか 、上 手 に洗櫂 して無駄 に洗 剤 を使
が必 要 です。 さ らに、海底 にす で に堆積 して い る有
い な い ところで は、 台所 llF水 と、 し 排 水 につ い て
機 汚泥 の 除去 な ど も必要 です。 これ らの実現 には、
多額 の 設備投 資、新 しい技 術 の 開発 な どが必 要 な こ
は 、浄化槽 を と りつ け るな どの 対策 が必 要 で しょう。
下
(ノ
リ養 殖 場 で は COD
2m9/2以 下
)、
Nで 0.l
m9
川や海を
私 たちの手 で
守 つていき ま しょ
① 生活排水
工場には懃ず
排水 処理施設を
つ けましょう
わ な い ように しま しょう。 また、下 水道 の 完備 して
1/1●
とか ら、 国や 地方 自治体 が それ ぞれ の立 場 で長 い地
②
道 な努 力 を続 けて い ますが、 それだ けで は十 分 で な
■1場 で は、 Nや Pを 除 くた めの 排 水 処 理 を確 実 に
く、地域住 民 の理 解 と協 力 が 不可欠 で あ ります。 み
実 行 しま しょう。 Nや Pを 肥料 そ の 他 に再 利 用す る
な さん それ ぞれ の立 場 にお い て、次 の ような こ とを
な ど、 で きるだ け排 水 を きれ い に、 しか も少 な くす
心 が け るこ とが必要 で あ ります。
るこ とが 必 要 です。
できるだ け流さない
産業排 水
トイレには
あ ず浄化槽を
とりつ けましょぅ
③ 魚貝類の養殖による自家汚染
みんなで 力 を合わせ て
大切な海を守 りま しょう
閉鎖 的 な水城や 内湾 で は、魚 貝類 の 養殖 に よる水
質や 底 質 の 汚染 が起 こ りや す くな ります。そのため、
魚 貝類 養 殖 は密殖 を さけ、漁 場 の 適正 利 用 を図 り、
また、給餌 方法 の 改善 を図│る とと もに、環境 汚染 を
防 ぐた め に 開発 され た モ イス ト・ペ レットを使 用す る
な ど、 漁場環 境 の保 /・Nに 努 め るこ とが 必 要 です 。
④ 農畜産排水
わ 一い
サカナ が
つれたぞ
洗剤やせ つけんは
多 <使 い過ぎても
ありません
施 肥 はや りす ぎな い よう有効 利 用 を考 え ま しょう。
家 畜 の 糞 尿 は有効 な肥料 です。 で きるだ け、 た い肥
に して tに もどす努 力 が必 要 です。
工夫 を しま しよう
′口を '
´
“
´
・
等
私 たちが 守 る美 しい海
、
●
ゴ
″
ぜ
‐」亀r‐ `・
―
私 た ちの生 活や 活動 に伴 う排 水 な どが 、河 川 や 湖
リ
´Jけ
い
い
・‐
lt,
'
′
沼や 豊 か な海 を汚 し、富栄 養化や 赤潮 の 発生 な どを
ゴ
起 こ し、 さ らに、漁 業被 害や 美 しい景観 をそ こね て
ユ
i、
ゞ
轟
い ま丸 また、200カ イ リ時代 をむ か えた現 在 、我 が
‐‐ ■
国周 辺海域 、 と りわ け沿岸 漁場 の 重 要性 が 高 まるな
_」
湖
ド
`
かで、富栄養 化 の進 行 を止 め 、赤潮 の 発生 を防止 す る
い ます。
昭 和 30年 ごろ まで の 東京湾 は、 多 くの 魚 の住 む 青
ザ
‐ へ
ヴ・
F″
こ とは、 水産業 の振 興上 非 常 に重 要 な課題 とな って
C
ヾ
ヽ
く美 しい海 で した。 そ の 後急速 に汚 れて、一 時 は死
`
。
ご
J.
(′
ゃぶおF
′
の 海 の ようにな って しまい ま した。最近 にな って 、
私 た ちは環境 保 全の重 要 さを認識 し、反 省す る とと
美 しく豊 か な海や 湖 を と りもどす ため には、私 た
リ
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ち一人ひ とりが それ ぞれ に富栄養 化や赤潮 の 多発 とい
ゞ
撤 タ
の きざ しが み られ る ようにな りま した。
ψ
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もに、 そ の 対策 を考 え る ようにな り、少 しづ つ 回復
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う問題 を理解 し、積極 的 に環境 保 全 に努 め る必要が
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