19年 号研 第覗 19 センター 発行i宮城県水産研究lTR発 0986-2135 宮城県石巻市渡波字袖ノ浜97の6 8 0225-24-0138 mX 0225-97-3444 中間育成 され たアカガイ種苗 (詳細 は本文 7ペ ー ジを参照) 次 ホ シガ レイ資源 増 大 へ の取 組 … … … …… … … 2 宮城 県 産 トゲ ク リガ ニ の 麻 痺 性 貝 毒 につ いて … … … … …… … … 3 志津 川湾 にお ける ホ シガ レイの種 苗放 流 … … … …… … … 4 ア ユ の 冷 水病 … … … … … … … … … … …… … … 5 前 浜 資源 を有 効 利 用 した 水産 加 工 品の提 案 … … … … … … …… … 6 アカ ガ イ種 苗 生産 につ いて … … … … … … … アカガイ浮遊幼生 、 化後約 3週 間、穀長約 300ミ ク ロン) (応 宮 宮城 県 内水面水産試験場 富城 県栽培漁業 セ ンタ ー 冨 宮 城 県 水 産 研 究 開発 セ ンタ ー 7 ………………… 8 トピックス ……………………………………… 城 県気仙 沼 水産試験場 城 県 水 産 加 工 研 究1 所 みやぎ ・シー ・メール ホシガ レイ の資源増大 へ の取組 と ( 概ね仙 台湾 に留 まるが、福 島 ・茨城県境付近で 水産研究 開発 セ ンタ ー 雁 部 総 明 ホシガ レイは産地市場価格が 3 , 5 0 0 円/ k g 程 第 19号 度 の 再捕報 告 もあ る) 。⑥放流後 約 1 0 0 0 日 の雌 で全 長 4 8 c m 、 雄 で 3 4 c m 程 度 に成長す る こと。な どで とカ レイ 類 のなかで も高価で魅 力ある魚種 で すが、 県 内 の水揚量が 2 ∼ 5 ト ン程度 ( 図 1 ) と 極端 に少 平成 1 8 年 度 は、 特 に今後経済性 を考慮す るため な いため、県 では資源増大 の ために、平成 1 0 年 度か に、 大型群 として どのよ うな場所で、 どの程度 のサ ら放流技術 開発 に取 り組んでいます。 イズが必要か を明確 にす るため、9 月 に 8 ∼ 1 0 c m 、 1 0 ∼ 1 l c m 、1 l c m 以 上の 3 群 に分 けた標識魚 の放 (kg, 流 を石巻市長面浦、万石浦、荻浜 の各地先 で行 い、 サ イ ズ と内湾域 の環 境 の差 で 再捕 率 が どの 程度 異 な って くるのか を調 べ て い ます ( 図2 写 真) 。 1000 図 1 漁 業種 別年別 ホ シガ レイ水揚量 これ まで に、 県 中南部海域 での標識放流等 の調査 結果か らは、次 のよ うな ことが判 ってきま した。 ①全長 1 l c m 以 上の大型群 は、平均全 長 1 0 c m の 無選別群 の約 3 倍 の再捕率が あ り、大型種苗放流が 有効 である こと。 また、そ の理 由は大型魚 による捕 図 2 平 成 1 8 年標識放流魚 食が回避 され る と推定 され る こと。②長面浦、万石 浦、荻浜湾 のような 内湾 の藻場や干潟 の方が 、 砂浜 過去 に長 面浦 で 確 認 され た の と 同様 に、 万石浦 と 域 のよ うな大型魚 による食害 の懸念が少な く、 多様 荻浜 地 先 で も、 放 流直後 の 調査 で 放 流種 苗 が再捕 で な餌料生物 もいて放流 に適 している こと。③放流魚 き、 また 胃内容物 か らは多様 な生物 を利用 して い る は着実 に資源 に添加 してお り、 これ まで に漁獲が終 こ と も確 認 で き ま した。 ま た、 万 石 浦 で は、 放 流 わ って いる放流魚 の再捕率は全体平均 で 5 % 程 度 で l ヶ 月後 に早 くも標 識魚 が見 つ か つて い ます。 今 年 ある こと。④放流魚 の混獲率は水揚量 の増減 ととも の 春 以 降 に、 標 識魚 の 再捕 報告 が多 くな されれば 、 に 2 0 ∼ 5 0 % 程 度 で変動 し、そ の原 因は、天然魚 の 標本船調査、魚市場調査等のデー タとともに更に詳 増減 によるものである こと ( 図 1 で 平成 1 8 年 は平成 しい分析ができると考えて います。技術開発には再 1 6 年 生 まれ の天然魚が多 く、水 揚量が増加) 。⑤放 捕報告 のデ ー タが とて も大切です。標識魚 を見 つ け 流後 は、水深 2 0 ∼ 5 0 m 程 度 の 内湾域 で成長 し、成 た ときには、標識の色や文字、全長、体重、再捕場 長 に従 って 水深 1 0 0 ∼ 1 5 0 m 程 度 まで分布 す る こ 所、漁法 を ご一報下 さるよ う、お願 い 申 し上げ ます。 と。 また、全体 的 に南 の方 に移動す る傾向が ある こ み や ざ ・シ ー ・メ ール 第 19号 宮城県産 トゲク リガニの 麻痺性貝毒 について 水産研 究開発 セ ンタ ー 山 内 洋 幸 「 貝毒」とい うと、どうして も貝の毒化 を連想 しま すが、 ここで は トゲ ク リガ エの麻痺性貝毒 につ いて ご紹介 します。 1.力 二 の麻痺性員毒 5月 6 1日 5 月 郷日 5月 9 日 5月 2 日 4月5 2 日 4月 ﹁ 日 8日 4月 1 4月 4日 3月 盗日 3月 別日 4日 3月 1 3月 7日 8日 2月 2 ました。 ︲ 2月 2 日 よる二 枚只等 の捕食 生物 の毒化 についてJ通 知が出 され ま した。 これ を受けて宮城県が トゲ ク リガ ニ 緊 急調査 を行 った ところ、 宮城県産 トゲ ク リガ ニ も毒 化 している ことが確認 され 毒化状況 の監視が始 ま り 2 0 で 麻痺性貝毒 による毒化が確認 され ました。毒化 し た貝類 の摂取が原 因 と考 え られたため、2004年 (平 麻痺性貝毒 に 成 16年 )4月 に、 厚 生労働省 よ り 「 ま した。 4 2 0 8 6 4 2 0 8 6 4 2 2 2 1 1 1 1 1 とが確認 され ました。 idensは 東北地方 毎硯が 湧σ″し トゲ ク リガ ニ 効 で にされているケガニの や北海道 食用 仲 間です (図 1)。 宮城県石巻市 周辺 では 「 す くもが にJと い う 愛称 で親 しまれています。 宮城県 内では 「くりが にJ 「くりけが に」 といった呼ばれ方 もして いるよ うで す。 この トゲ ク リガ ニ も水産総合研究セ ンター 中央 水産研究所 の福 島県 いわ き市小名浜港 における調査 は まだ まだ 10MU/g肝 膵臓近 い 高 い毒 力 を保持 し ていま した (図 2)。 この ことか ら トゲ ク リガ ニ 自体 を検査 しな い と安全性が確保 できない ことがわか り 8 6 2 2 トリ6羽 も死亡 した とい う恐 ろ しい事例 もあ ります。 そ の後 の研究 で、 毒ガ ニの毒は麻痺性貝毒 である こ ぼ 同 じで したが、 毒力が減少 して い く過程では、貝 類 よ りも遅れ る傾 向 にあ りました。 同 じ海域 のム ラ サキイガイ と比較す る と、 ム ラサキイガイ の毒力が 4MU/g可 食部 を下 回 り終息 して も、ト ゲ ク リガ ニ MU/ g ・肝眸臓︶ 毒力 ︵ 古 くか ら毒 化 したカエ による 中毒事例が世界各地 にあ りますが、根拠 のない伝承や腐敗 中毒 ・ア レル ギ ー の誤認 とも考 え られて きま した。 日本 では南西 諸島で毒ガ ニ 中毒事例が報告 されて い ます。記録 に 残 って いる 中毒事例 の 中 にはカニ汁 を食 べ た 5名 が 中毒 にな り (うち 2名 死亡)、さ らにカニ汁 の残 りを 与えたブタ 1頭 と、 中毒患者 の嘔吐物 を食 べ た ニ ワ で トゲ ク リガ エ の毒化状況 を調査 した ところ、 漁場 によって毒化 の程度は異 な りますが、貝類が毒化 し て いる海域 では トゲ ク リガ ニ も規制値 4MU/g肝 膵 臓 を超 える毒化 をして いる ことがわか りま した。 特 に水深 10mを 超 える荻浜湾 の漁場 では、20MU/g 肝膵臓 を超 える毒化がみ られ ま した (図 2)。 貝類 との比較では、毒化 の始 まる時期 は貝類 とほ 図 2 ム ラサキガイと トゲクリガニの毒化状況 ( 荻浜湾 ヽ平成1 7 年) また、 貝類 と異 な リ トゲ ク リガ ニ は移 動 します 。 標識放 流 によ って 移 動 状況 を調 べ た と ころ、 標識 し た カ エ の ほ とん どが 放 流 場所 の 近 くで再捕獲 され ま したが、 中 には万石 浦 で 放流 した個体 が荻浜湾 で 再 捕獲 され るな ど、 予想 以 上 に移 動 して いる個 体 も い る ことがわ か りま した。 水温 の上 昇 と ともに、 水深 の浅 い漁 場 か ら水深 の 深 い漁 場 へ 移 動す る傾 向が み られ、水深 の深 い漁 場 で の 監視 が重 要 と考 え られ ま した。 図 1 トゲクリガニ 2 . 富 城 県 の トゲ ク リガ ニ の調 査結 果 貝 類 の 毒化 状況 と合 わせ て、 宮 城県 内 の主 な漁 場 3 . ト ゲ ク リガ ニ の毒化状況 に関する情報 は ? 宮城県 では、 定期的 に検査 を行 って トゲ ク リガ ニ の毒化状況 を監視 して い ます。肝膵臓か ら規制値 を 上 回 る麻痺性貝毒が検 出された場合は、速やか に情 報提供 しています。水産研究 開発 セ ンター のホ ー ム ベ ー ジか らも貝 毒 に 関す る情報 は御 覧 になれ ます ( 宮城県庁 の関係各課 にもリンク しています) 。 水産研究 開発 セ ンター ・貝毒情報 H P http7/wwwipref.miyagl,jp/suisan resc/kankyo/kaidokurh み や ざ ・シ ー ・メ ール 志津 川湾 にお けるホ シガ レイ の 種苗放流 気仙 沼水産試験場 小 野寺 毅 第 19号 てお り、 放流効果調査等 の技術 開発 には平成 1 2 年 に着 手 して お ります。 放 流種 苗 は県 栽培漁 業 セ ン ター で生産、南 三 陸町海浜高度利用施設で中間育成 された後、平均全長約 1 0 c m で 放流 します。 放流 1 ホ シガ レイ とは してか ら漁 獲サイズ ( 全長 3 0 c m ) に 地方名で 「 はだがれ い」、 「こ うはだJ と 呼ばれ、 な るまで 約 2 年 かか ります。平成 1 2 ∼ 1 8 年 度 の放流尾数 と回 背 びれ、 臀びれ及び尾びれ に黒色斑があるの が特徴 収率 ( 平成 1 8 年 1 0 月 末 日現在) を 表 に示 しました。 です ( 図 1 ) 。 北海道以南 の 日本各地 に生息 しますが、 漁獲が ほぼ 終 了 した平成 1 2 、1 3 年 放流群 の 回収率 水揚量は少な く、 気仙沼市及び南三陸町魚市場では、 ( 放流尾数 に対す る水揚 された放流魚 の割合) は 約 高 い もので 1 5 , 0 0 0 円/ k g 以 上で 取 引 されてお り、 7 % と 栽培漁業対象種 の 中では 高 い方 となって い ま 高級魚 です。 身 も厚 く、刺身や 唐揚げ にして 美味 し す。 また、気仙 沼市 と南 三 陸町両魚市場 にお ける放 い魚 で す。 流魚 の混獲率 ( 全水揚尾数 に対す る放流魚 の割合) は、2 6 . 4 ∼ 5 7 . 2 % であ り、種苗放流 による資源 へ の 添加が確認 されています。 表 志 津川湾におけるホシガレイ放流尾数と回収率の推移 年度 放 流尾数 (炉 1) 放 流 サ イズ r 谷布 、 H12 回収率 (%) 696 H13 H14 5,74 (6.03) H15 22,20〔 (2 18) H16 図 1 ホ シガ レイ 「南三 陸の沿岸魚」 よ り 18,40( H18 21.00( 注 :( )は 2 宮 城県北部の水揚状況 (343) H17 6.5 まだ回収 が 終了 して い な い 数 値 気仙沼市及び南三陸町魚市場 における推定水揚量 ※は 2 魚 市場合計 で 平成 1 2 年 の 9 8 5 k g を 最大 に 4 今 後 の課題 平成 1 6 年 には 2 8 4 k g まで減少 していま したが、 ホ シガ レイ の 種 苗放流 を継続 して い くには、 投 資 平成 1 7 年 か ら増加 に転 じ、平成 1 8 年 は 1 0 月 末 日 対効 果 ( 放流魚 の 水揚金額 ■種 苗 生産 及 び 中間育 成 現 在 で 6 1 6 k g と な って い ます ( 図 2 ) 。 経 費) を 高 めて い く必 要 が あ ります。 そ の た め に当 1,200 g︶ k 推定水揚 量 ︵ □ 気仙 沼市魚 市場 日商三陸町穐 市場 水産 試験 場 で は県 北部 にお いて 、 種苗 生産 及 び 中間 育 成経 費 に見 合 った 回収率 が得 られ るよ うに、放 流 闘 適期 及 び 適サ イ ズ を検 討 してお ります。 また、 も う一 方 で 価 格 の 低 い 全 長 3 0 c m 未 満 の ホ 岡 閣 シガ レイ につ いて 、 関係機 関 と連 携 して 漁 業者 自 ら 剛 実施 して い る全 長規 制 の 徹底 を図 りた い と考 えてお Hll H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 ります。 図 2 気 仙 沼 市 及 び 南 三 陸 町魚 市 場 にお け るホ シガ レイ の 推 定 水揚 量 の推 移 ※ 推 定水揚量 とは、気仙沼水産試験場、気仙沼地方振 興事務所南三陸支所及び南三陸町職員が魚市場調 3 種 苗放流 の取 り組み 志津川湾 にお ける種苗放流 は平成 1 0 年 か ら行 っ 査 を行 い、調査 日 1 日 あた りのホシガ レイの水揚量 か ら年間 の水揚量 に引き延ば し推定 した もの。 み や ぎ ・シ ー ・メ ール 第 19号 られてお ります。 健康な種首 のみ を河川 に入れ る こ アユ の冷水病 とによ り、冷水病 の発生 をかな り防げ る と考 え られ 内水面水産試験場 熊 谷 明 ますが、残念なが ら現状 では、 外見上正常なアユ か ら冷水 病菌 を高精度 に検 出す る技術 は確立 されてお アユ はそ の味 の良 さか ら、 食材 として珍重 され る りません。放流前の種苗 の検査 では冷水病菌が検 出 とともに、 そ の独特 の釣法か ら遊漁 者 に絶大な人気 を誇 る魚 で もあ り、 内水面 の漁業 ・養殖業 にとって されな くて も、 成熟期 まで飼 育 を続 ける と冷水病菌 が検 出され るよ うにな ります。 放流前 には検 出限界 きわめて重 要 な魚種 です。 以下 の レベルで感染 していた冷水病菌が、成熟 によ ところが、平成 5 年 頃か ら全国的 に河川 のアユで るアユ の免疫機能 の低下 に伴 い体 内で 増殖 し、 検 出 冷水病が発生 し、 内水面漁業関係者や釣 り人 にとっ て深刻な事態が続 いてお ります。 最近 では一 年間 に され るよ うにな る と考 え られ ます。 発病 していない 外見 上正 常なアユ か ら冷水病菌 を確実 に検 出す る技 国内 の 1 0 0 河 川以上で問題 となってお り、県 内で も 術 を開発す る ことによ り、 放流前 に種苗 の保菌 の有 平成 1 0 年 以降 ほぼ 毎年数河川で発 生 してお ります 無 をチ ェ ック し、 健康な種苗 のみ を放流す る ことが 必要です。最近 の研究 にお いて、保菌種苗 を狭 い水 (図 1)。 槽 で 高密度 に飼育 してス トレス を与える ことや、免 200 艦│ 疫抑制剤 を投与す る ことによって、外見上正 常なア ユ か ら冷水病菌 を検 出で きる可能性がある ことがわ 140 全│:: 6県 か ってきました ( 図3 ) 。 4内 国 80 60 40 高密度飼育 によ り発病 20 0 H5 H6 H7 H8 H9 H10 Hll H12 H13 H14 H15 H16 H17 図 3 外 見上正常なアユからの冷水病菌検出方法 図 1 冷 水病の発生流域数の推移 冷水病 は フラボバ クテ リウム サイ ク ロフ ィ ラム とい う細菌が原 因です。 この病気 にかかったアユで は体 表 の潰 瘍や顎 等 の 欠損 が特徴 的 に見 られ ます サケ マスの冷水病菌は卵内 に侵入す る といわれて お り、種苗生産 の過程 で卵 を消毒 して も、親か ら子 へ の冷水病菌 の感染 を防 ぐ ことはで きません。 一 方、 ( 図2 ) 。 冷水病 は も とも と 1 9 0 0 年 代 の 半ば にア アユで は幸 いな ことに、卵 内 に冷水病菌が侵入 しな メ リカでサケ マ ス類 の種苗 に発 生 した病気 で、主 に い と考 え られてお ります。 養成親魚や天然魚か ら採 低水温時 に発生す る ことか らこの病名が付 け られ ま 卵 した卵 の表面か らは冷水 病菌が分離培養 され ます した。 アユで も水温が 2 0 ℃ 以 上 の夏 にはあま り発 が、 この卵 を市販 の消毒剤 で殺菌す る と卵 の表面か 生 しませ ん。なお、 仮 に冷水病 にかかったアユ を食 べ て も人体 に全 く影響 あ りませ ん。 らも内容 物か らも冷水病菌は検 出 されな くな ります ( 表 1 ) 。 したが って、卵 を消毒すれば、冷水病菌 を 保菌 していない種 苗 を作 る ことが 可能で ある と考 え られ ます。そ のため の消毒剤 の候補 として、 既 にサ ケ マス 卵や アユ 卵 のミズカ ビ病 の防除剤 として使用 されているブ ロ ノポ ールが挙が ってお ります。試験 管 内 で は、 この 業 剤 で ミズ カ ビ を 防 除 す る 方 法 ( 5 0 p p m 、 3 0 分 問処理) に よ り、高 濃度 の冷水病 図 2 冷 水病 の病魚 と 原 因細菌 A : 病 魚 ( 下顎の欠損) B : 体 表の潰瘍 菌 を殺菌で きる ことがわか ってお ります。 本年度冷 水病菌 に感染 した卵 を使 って、ブ ロ ノポ ール の消毒 効果 を検討す る試験 を行 います。 表 1 消 毒前後のアユ卵からの冷水病菌分離結果 C i 原 因菌 内 0/12 NT 0/13 0/11 0/13 0/11 3/12 NT T 2001A 2001 Bl 部 0/12 4 ︲ オ トリア ユ として 持 ち 込 む ことが原 因 で あ る と考 え 2000A 体数 T 河 川 にお け る冷 水病 の発 生 は、保 菌種苗 を放 流や Loi 検 抑碑卯 ベ 内 T 4 ︲T N N ν 卵 B みやぎ ・シー ・メール 用 利案 効提 有の を品 源工 資加 浜産 前水 ( 生菌数及 び保存性〉 した 水産加工研究所 鈴 第 19号 食品衛 生法上 の一般 生菌 の微 木 永 二 は じめ に 検 体 生物規格 ・基準 は こ うな ご 生食用冷凍鮮魚 い さ だ 単位 :個 /g 一般生菌 大腸菌 300以 下 陰 性 陰 性 介類 では、生菌数 コウナ ゴ ・イサダは本県 の小型漁船漁業 に とって 1 0 万 個/ g 以 下 となってお り、いずれ の製品 も表 の 春季 の重要な漁業対象種 とな っています。 これ らは とお り加熱用 としては もちろんの こと、解凍後そ の 主 に養殖魚等 の飼料 としての利用が多 く、食用加工 へ はほ とん ど利 用 されていないのが現状 です。 この まま食用できる基 準 を十分満た して いる結果 とな り ました。 一 方、6 ヶ 月間 - 2 0 ℃ の冷凍庫 で保存後、室温で ことか ら、水産加工研究所 では、 前浜資源 の有効利 用 を図る ことを目的 として、 コ ウナ ゴ ・イサダ を使 解凍 した結果、 いずれ の製品 も、臭 い、色、 味 とも 用 した、 新たな水産加工品 の提案 を行 っています。 生鮮 のもの と変 わ らず 良好な保存状態で した。 ( 加工 品 の試作〉 試験の方法 石巻魚市場 に水揚げ されたコ ウナ ゴ及 び 女川魚市 コ ウナ ゴにつ いて は 「こうな ご釜揚げ」、「くぎ煮」、 場 に水揚げ されたイサダ を、真空包 装 し凍結 させ た イサ ダ につ いて は、 「 イサ ダ釜揚げJ 、 「 佃煮」 を試 製品 としました。 作 しま した。 「 釜揚げ」につ いて は、どれ も生原料 と同様な食感 さ らに、包 装後、凍結保存 した 製 品 の生 菌検査 ( 一 般生菌、大腸菌 )に よ り衛 生的な 安全性 を確認 し、 この凍結原料 を使用 した、 加工品 の試作 も行 いまし 及 び仕上が りで差 異は感 じられ ませんで した。 「くぎ煮」及 び 「 田煮J に つ いて は、 いず れ も生 イ 原料 を使用 した とき と同様 の仕 上が りとな り、乾燥 した原料 を使用 した ものに比 べ 、 ソフ トな食感が得 試験の結果 (包装形状〉 コ ウナゴ につ いて は、 長期 に (年内消費)利 用 で き、 家庭 で 食 べ残 しのない量 で、 さ らに、凍結 ・解 凍が均 一 に行われ る形状 を考慮 し、 自動成型真空包 られ、 こうした製品形態であれば、家庭及び飲食店 で も容 易 ( 均一 に) に 解凍 でき、 周年利用可能な製 品で あると考 え られ ます。 装機 (深絞 り機)を 用 い、1パ ック当た り 100gの 包装形態 としま した。 コウナゴ くぎ煮 イサダ佃煮 今 後 の取 り組 み 今 回、 製 品 を作 成す る 際、水 揚 げ 時 に既 に混入 し て い る、 エ ホ ンウ ミ ノミ等 の他 の生 物 の 除去 作業 を イサダ につ いて は、 長期 に ( 年内消費) 使 用 で き、 凍結 ・解凍が均 一 に行われ、 さらに、工 場原料 とし 行 い ま したが、 全 て を除去 す るのは 非常 に 困難 で し て 使 用 す る 形 状 を考 慮 異物 の 除去 につ いて は、 漁獲 時 の漁 網 の洗 浄等 十 し、 ス 千 ンパ ッ ク包 装 分注 意 して操 業す る ことも必要 で あ り、そ の た め に 機 を使 用 し、厚 み の な は生産 者 の 協 力 も非常 に重 要 で あ る と考 え ます。 い形状 ( 厚み 3 0 m m 、 重量 2kgパ ッ ク) で の 製 品 を製作 しま した。 今後 は、 これ らの 異物 を容 易 に 除去 で き るよ うな 方 策等 も検 討 して い きた い と考 えて い ます。 みやぎ ・シー ・メール 第 19号 す。 これ を 「 親 の仕立 てJ と いい ます。親貝 を仕立 て るには、 飼育水 を夏季 の海水温 と同等 の水温 で飼 アカガイ種苗生産 につ いて 栽培漁業 セ ンタ ー 阿 部 修 久 育す る ことと、 餌料 を豊富 に与 える必 要があ ります。 当セ ンター では、1 ∼ 2 月 に仙 台湾 で漁獲 された 殻長 7 0 ∼ 8 0 m m サ イズ のもの を購入 し、飼育水温 を 2 3 ℃ に維持 しなが ら、毎 日、飼育水 の換水 と餌料 ○は じめ に アカガイはフ である植物 プ ランク トン ( エッチア、テ トラセル ミ ス) を 与 え養成 します。 個体差はあ りますが、 早 い ものでは積算温度 ( 飼育水温 - 1 0 ℃ を積算 した温 ネガイ科 の二 枚 貝 で、 殻 の表面 には殻皮 ででき 度) が 3 0 0 ℃ 程度 で性成熟 し、採卵が可能 にな る こ とが確認 されています。 た42∼ 43の 毛 状 の突起があ る のが特徴 です 図 1 仙 台湾で漁獲 された アカガイ (図 1)。 北 海 道南部か ら九州、 朝鮮半島、 中国大陸 にか けて広 く 分布 し、水深 10∼ 50mま での砂泥底 に生息 してい ます。主 に貝桁網漁業 で漁獲 され ます。 肉は ヘモ グ ロビ ンによ り赤色 を してお り、他 の二 枚貝 に比 べ て タンパ ク質や ビタ ミン類 を多 く含 んでいます。 コ リ コ リとした食感が人気で、刺 身、酢 の物、す し種 に され ます。 本県 のアカガイは 「 閑上産 アカガイJと して全 国 にも で の 的 有名 すが、そ 漁獲量は平成 9年 の 375t ー をピ クに急激 に減少 し、平成 17年 には 14tに ま で落 ち込み ま した (図 2)。 この状況 を踏 まえ当セ ンター では、 第 5次 栽培漁 業基本計画 に基 づ き、平成 17年 度か ら放流用 とし て 殻長 1∼ 2 mmサ イズ の稚 貝 1,000千 個 を 目標 ○種苗生産 当セ ンター では、 温度 と紫外線照射海水 による刺 激 を与える ことで産卵 を誘発 します。卵は受精か ら 約 2 4 時 間後 にはふ化 して 幼生 とな り約 3 週 間浮遊 します。そ の 間 の餌 料 は市 販 され て い る濃縮餌 料 ( 千― トセ ラス ・カル シ トランス、キ ー トセ ラス ・ グ ラシ リス等 のま 環) を 給餌 します。 採苗は幼生 に眼 点 の形成が確認 で きた ら、予め作 製 してお いた採苗器 ( プラ ス テ ッ ク テー プを左右 に輪 を作 りなが ら束ね、 に種苗生産 に取 り組んで い ます。生産 した稚 貝 は、 県 の 中部 と南部 の 2漁 協 に無償配布 し、 漁協 による 中心 に糸 を通 して 繋げた もの) を 水 海 上での 中間育成 を経て、殻長 20∼ 30mmに した稚貝 は漁場 に放流 され ます。 槽 に投 入 し ます (図 3)。 採 苗 か 成長 採苗 図 4 出荷 ら更 に 2 ヶ 月程度 水槽 内 で飼育 した 400 330 0 0 生産金額 ︵ 万円︶ 1 ト ン︶ 漁獲量 ︵ 図 3 300 250 200 150 100 50 0 S57 59 61 63 2 4 6 3 10 12 14 16 図 2 ア カガイ漁獲量の推移 ○親 員養 成 多 くの 二 枚貝 は 夏季 に性 成熟 ( 卵や精 子 を持 つ こ と) し 産 卵期 を迎 え ます。 しか し、 栽 培漁 業 の 場合 は 「 春 ∼ 初夏」 に種 首 を生産 し、 水温 の 高 い 時期 に 後、殻 長 1∼ 2 mmに 成 長 した 稚貝 を漁協 へ 出荷 します (図 4)。 平 成 1 8 年 度 は、平 均殻長 1.2mmの 稚貝 2 , 0 0 0 千個 を 生産 し中間育成用 に出荷 しま した。 ○今後の取 り組み 中間育成 へ の種苗 の 出荷サイズ を出来 るだ け大 き くす るために、更な る早期採卵 ・早期 出荷 を 目指す 海 に 出す ことで 天 然物 よ りも早 く稚貝 を成長 させ る とともに、種苗生産 の安定化 ・効率化 を図って い き た い と考 えて い ます。 必 要 が あ ります。 この よ うに、 天 然 よ り早 く採卵 し 辛アカガイ人 工 種 苗を効率 的に付着させて養殖 稚 貝 を得 た い ときは、 親貝 を人為 的 に性 成熟 させ ま できる採 苗器と養殖篭 : 特許第 3 6 8 4 4 4 2 号 み や ぎ ・シ ー ・メ ー ル 第 19号 卜│ ピ│ ッl ク1 ス 一 スル メイ カ漁 は 今期好 調 で した。 6 ∼ 8 月 には 沿岸 イ カ釣 りが 多 く、 9 ∼ 1 1 月には底 曳網が多 く水 揚げ しま した。 宮城県 を除 く青 森県 か ら福 島県 の水揚げ は 前年 を下 回 りま したが、 宮城県 では前年 を上回 りま した ( 前年比 1 0 7 % : 6 ∼ 1 1 月 ) 。特 に 6 ∼ 8 月 では、本県 だ けが前年 を上回 る好漁 で した ( 前年比 1 2 4 % ) 。 こ れ は、親 潮 が強 くてスル メイ カが 北上で きず に、 本県沿岸 に長 く留 まったため と 考 え られ ます。 アナグ シ ト ン︶ 水揚 量 ︵ 丹 ″ イカ の水 疹 状況 だ つι〕 て 一 3月 7月 3月 9月 10月 スルメイカの水揚量の推移 ( 県内 1 0 魚 市場の合計) ンポノウム 「 アサ リ等 二 枚貝 の食害 問題 の解決 に向けて」 と題 した シンポ ジウムが 1 1 月 7 国に塩釜市 にお いて 当協議会 ( 水産庁 。( 独) 水産総合研 究 セ ンター) に よ り開催 され ま した。 このシ ンポ ジウムでは、 ここ数年大 きな問題 とな って いる アサ リの 食害 ( 他生物か ら) を テ ー マ として、 ッメタガ イ類 とそ の他 の生物 ( ヒトデ、 ナ ル トビエイ等) に よる被害状況等 につ いて、 各県 の研究者等 よ り報告が あ りま し た。宮城県 か らは当セ ンター の須藤技師が 「 サ キグ ロタマツメタによるアサ リ等 二 枚貝 の被 害状況J に つ いて報告 しま した。 気仙沼水産試験場 内水面水産試験場 2θ年ぶ グ│こ 異 常冷水″「= だ 接岸 近年、暖冬 の年が続 く傾 向 にあ りま したが、平成 1 8 年 の冬 は 寒 波 が強 く、春 季 には三 陸沿 岸 に親潮 が南 下接 岸 し、 一 部地 域 で 影 響 が あ った よ うです。 この よ うな状況 の 中で、平成 1 9 年 1 月 1 1 日 岩手県 宮古市 で「 三 陸沿岸 にお ける春季異常冷水 の接岸 と水産 業 ヘ の影響」 と題 した シンポ ジウムが水産海洋学会 ・ 岩手 県水産技術セ ンター ・ (独)水産総合 研究セ ンタ ー 等 の共催 で 開 催 され、 当試 験 場 の 児 玉場長が 「 春季 の親 潮 南 下 に 対 す る水 産 資源 の応答Jに つ いて 報告 しま した。 当試験 場 で は、 N P O と 協 働 で 在来 イ ワナ 資源保 存 の取 り組 み を始 め ま した。 河 川渓流 域 で は、河 川毎 に異 な った 遺伝 子 を持 った イ ワナが 生息 して い ま したが、 多 くの場 所 で 放 流 が行 わ れ遺 伝 子 が か く乱 して い ます。 しか し、 源 流 で は未 だ に放流歴 がな く、そ の河 川在来 のイ ワナが 生息 し て い る と こ ろ が あ ります。 ハプロタイプー覧表 この在来イ ワナ を保存、 管理 す る ことを 目的 として、 本年 度 は 遺 伝 子 解 析 技 術 を用 い た在来イ ワナ の確 認、親魚採 捕、採卵 を行 いま した。3年 後 には、 この卵か ら生 まれた 魚 を親 魚 として採卵 し、 この 卵 を放流す る予定 です。 栽増漁業セ ンター ・宮城県水産公社 水産カロエ研究所 7 カ メを職R う たデブー トの作 グ方 ワカ メ に含 まれ る 食物 繊維 の アルギ ン酸 の性 質 を 利用 しま した。 湯 通 し塩 蔵 ワカ メ を洗 って 水 に漬 け、3時 間位 ふ や か します。 これ を ミキサ ー で ペ ー ス トに し、 同量 の牛 乳 と好 み の 量 の砂 糖 を混 ぜ る と、 プル プル した デザ ー トので き あが り。 これ をアイ ス ク リー マ ー で 回 ま らせ る と低 カ ロ リー のアイス にな ります。 物 の/ ドイ ナ ッフ物 示 ヤ人王採 近年 の ホヤ ブ ー ム によ り養殖 生産地 では 親 ホヤ の不足 が 起 きて い ます。そ れ に伴 い、種苗 の不足 に も陥 り宮城県 の ホヤ養殖 の存続 が懸念 され て い ま 。 そ こ▼ で当セ ンタ ー で は、 ホヤ の 人工採苗技 術 の確立 と普及 を 目的 に宮 城県水産公社 と共 同で、 ホヤ の 人工採苗 に取 り 組み ま した。 採苗器 には 現在、天然採苗で使 用 さ れて いるカキ殻ではな く、 パ ー ム コー ド( シュ ロ縄) を使用 し大量 生産 に成功 しま した。 ▲ホヤ幼生 「原油価格 高騰対策情報ホ ー ムベ ー ジについ て」 宮城県ホームベージ内│こ エネルギー対策や石油関連産業及び県民生活│こ 関連する各種憧報を一元化 したベ ージを開設 しましたのでlrl覧 下さい。 RL htゅ 〃www pref mWagLjp/nosu70unfO htmめ (∪ 詳 しくは、県農林水産郡 農林水産総務課 (電話 022-211-2882)ま で。 このシー ・メールは、 1,000部 作成 し 1部 あた りの経費は 97円 です。 韓 す 套倶憾暑
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