技術分野:繊維・複合材料 応用分野:CFRP(炭素繊維強化複合材料)品製造 炭素繊維等の強化繊維束の開繊技術と複合材料への応用 シーズ保有機関 : 発 明 者 : 技術の概要 福井県工業技術センター 川邊 和正、他 強化繊維束を驚くほど幅広く薄いテープ状に開繊する技術 ・太繊度炭素繊維束から、極薄の中間基材や、壊れにくい複合材料成形品をつくることを可能とする技術。 ・炭素繊維束等の強化繊維束を元幅の5倍以上で高速(50m/min)に安定して開繊することが可能な加工技術。 ・当該開繊技術による開繊糸を用いて、厚さ0.02~0.04㎜の極薄なプリプレグシートを製造可能。 ・極薄プリプレグシートによる積層成形板は引張り、圧縮、曲げ、疲労などあらゆる力学的特性に優れる。 技術の特徴 繊維束をたわませ、空気流を作用させることで繊維束を広げる 強化繊維束の「開繊技術」 ・繊維強化複合材料の補強材となる炭素繊維束は、樹脂で固める際、繊維束の 内部にまでボイドなく樹脂を含浸させることが重要。 ・直径0.007㎜前後の単糸が10,000本以上集束した炭素繊維束を、放物線状 にたわませながら空気流を作用させると、瞬間的に各単糸が幅方向に移動して、 連続した幅広な薄いシート状に加工される。 世界最薄レベルの「薄層プリプレグシート」 ・幅広く薄い状態に加工された繊維束の開繊糸に樹脂を含浸させると、繊維と樹脂 が均一に分散した厚さ0.02~0.04㎜、Vf50~60%の世界最薄レベルの「薄層 プリプレグシート」を製造することができる。 技術の活用例 信頼性が高い超軽量材、航空系材料にも好適 壊れにくい構造の積層材と新しいタイプの超軽量構造材の実現 ・航空機や自動車部材 ・ゴルフクラブシャフトやテニスラケットなどのスポーツ用品 ・義足や軽量車椅子等の福祉関連用品 車椅子 ラケット 航空機 自動車 技術開発の経緯 世界を視野に入れ、強化繊維の開繊技術を開発 独自の開繊技術 の開発により熱 硬化性樹脂、熱 可塑性樹脂によ る「薄層プリプレ グシート」を高速 で製造できる技 術を確立。さらに、 これらのシートに よる様々な成形 加工技術につい ても取り組みを展 開している。 産官金による連携支援 産 官 金 ・産業支援機関による共同研究、共同開発における体制構築、推進支援 ・研究開発資金獲得支援、販路探索等の事業化支援 ・県外企業と県内企業の橋渡し等共同研究などのコーディネートの支援 ・共同開発による用途開発と実用化支援 ・研究開発、事業化のための資金調達、融資支援 ・事業化、企業経営コンサルティング 企業の方へ一言 当センター保有の装置は量産性を意識した規模にて開発、導入を行って参りました。創造的な複合材料開発を行いたい企 業の皆様、よろしければ、当センターにお声掛け頂ければと思います。 特許の情報、その他 ■ 特許の情報 (1)繊維束の開繊方法と、その方法に使用する装置 登録番号:特許第4740131号(H23.5.13登録) (2)繊維束の開繊方法及び開繊糸シート並びに繊維補 強シートの製造方法 登録番号:特許第5326170号(H25.8.2登録) (3)繊維束の開繊方法及び装置 登録番号:特許第5553074号(H24.6.6登録) 他多数 ■ その他の情報 CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics の略。 樹脂含浸させた繊維束による複合素材(FRP)のなか でも、炭素繊維を利用しているものを指す。金属やアルミ に比べて軽量で強度に優れている。 開繊:炭素繊維束等の強化繊維束は直径が0.01㎜ 前後の単糸が数千~数万本集束した楕円状態の束に なっている。それを連続して幅広く、薄い状態に加工する ことを開繊という。 この資料についての問合わせ先:近畿経済産業局 産学官連携推進室 公益財団法人 新産業創造研究機構 TEL TEL 06-6966-6164 078-306-6805
© Copyright 2024 ExpyDoc