廃液からの貴 属回収を 的としたリユース可能な新規

応⽤分野︓排⽔・廃液処理、貴⾦属回収
技術分野︓⾼分⼦材料
廃液からの貴⾦属回収を⽬的としたリユース可能な新規吸着材
シーズ保有機関
発
明
者
技術の概要
︓ 滋賀県⼯業技術総合センター
︓ 中島 啓嗣 他
リユース可能で環境にやさしい貴⾦属回収⽤吸着材
・排⽔・廃液中に含まれる希少⾦属を選択的に吸脱着することができる⾼分⼦材料。
・リユース可能な吸着材であるため環境への負荷が少ない。
技術の特徴
市販材料で簡単に作製でき、廃液からの貴⾦属回収・再資源化が可能
・本吸着材はPAAm等のアミン系ポリマーとPVAやセルロース等の親⽔性ポリマーをブレンドし、粒状やシート状に加⼯した
ものを熱処理したもので、市販材料で簡単に作製できる。
・吸着には吸着剤を廃液に浸漬するだけでよく、脱着には⽬的物質がAu、Pt錯イオンのようにアニオン性(陰イオン)であ
る場合にはアルカリ性⽔溶液に、Cu、Cdイオン等のようにカチオン性(陽イオン)である場合には酸性⽔溶液に浸漬す
るだけでよい。
・吸脱着性能が⾼く、再⽣性や⻑寿命性にも優れ、新たな廃棄物を⽣じないため環境への負荷も⼩さい。
1.PVA / PAAmブレンド溶液作製
1)DMSO/⽔混合溶媒(=6/4)にPVAを加え、90℃で2〜3時間攪拌
2)20wt%PAAm⽔溶液添加、約30分間攪拌
2.成形
凍結融解法
EtOH
湿式紡⽷法
N2
図1 吸着材の作製⽅法
技術の活⽤例
排⽔・廃液からの貴⾦属回収
①⾦メッキ廃液からの⾦回収
②鉄、銅等の汎⽤⾦属(ベース
メタル)を含む廃液からの貴⾦
属選択回収
Au錯イオンの場合
被処理液
(⾦属イオン⽔溶液)
アルカリ溶液
図2 吸・脱着操作
濃縮
濃縮
技術開発の経緯
環境負荷の⼩さい貴⾦属回収技術が急務
滋賀県では⽇本最⼤の湖である琵琶湖の環境保全を図るため、環境先進県として取り組みを強化している。
従来、⼯場等で発⽣する⾦属を含む排⽔の処理には凝集剤やキレート樹脂等が⽤いられているが、発⽣したスラッジや
使⽤済み吸着材は新たな廃棄物となり環境負荷が⼤きいという課題があり、環境負荷が⼩さく吸脱着性能に優れた吸
着材の開発が急務であった。
⼀⽅、廃棄された家電製品や電⼦機器には⾦や⽩⾦と⾔った貴⾦属や、レアメタルやレアアースと呼ばれる多くの希少
⾦属が含まれており、「都市鉱⼭」として回収技術に期待が寄せられている。
産官⾦による連携⽀援
産
官
⾦
・産業⽀援機関による共同研究、共同開発における体制構築、推進⽀援
・研究開発資⾦獲得⽀援、販路探索等の事業化⽀援
・産官連携よる吸着材の改良に関する共同開発や製品化に向けた開発⽀援
・本吸着材を⽤いた実証プラントの試験分析、測定⽀援
・研究開発、事業化のための資⾦調達、融資⽀援
・事業化、企業経営コンサルティング
企業の⽅へ⼀⾔
当吸着材は、脱着性に優れるため、吸着材そのもののリサイクル性が良好で、回収液中の物質濃度が⾼いという特徴
があります。また、アニオン性染料等、⾦属イオン以外の吸脱着も可能です。これらの基本性能を活かし、共に材料開
発・製品化に取り組む企業を求めます。
また、⾦属物質の回収以外に、吸着物質を当材料内部で保持した状態で還元等の処理を施すことにより、⾦属およ
び⾦属酸化物粒⼦の形成・担持が可能です。これら、新規物質創⽣への利⽤・⽤途提案も期待します。
特許の情報、その他
■ 特許の情報
■ その他の情報
名称︓ポリマーブレンドを含んでなる液中物質捕集材料
登録番号︓特許第4981671 (平24.4.27登録)
出願⽇︓平成18年8⽉4⽇
特許権者︓滋賀県
⽤語解説
・ポリアリルアミン(PAAm)︓⽔溶性カチオン系⾼分
⼦の⼀種。繊維のカチオン化剤や⾦属表⾯処理助剤
等に⽤いられる。
・レアメタル、レアアース︓ レアメタルは、地殻中の存在
量が少なかったり、採掘や精錬のコストが⾼いなどの理
由で、流通・使⽤量は少ないが産業上特に重要な⾦
属元素で国家備蓄の対象となっている。
レアメタルのうち、スカンジウム、イットリウム及びランタ
ンからルテチウムまでの15元素は、⼀般的に「希⼟類
元素」、または「レアアース」と呼ばれる。
この資料についての問合わせ先︓近畿経済産業局 産学官連携推進室
公益財団法⼈ 新産業創造研究機構
TEL 06-6966-6164
TEL 078-306-6805