紫外線吸収性を有する高分子微粒子

応用分野:紫外線吸収剤(化粧品等)
技術分野:高分子材料
紫外線吸収性を有する高分子微粒子
シーズ保有機関 : 和歌山県工業技術センター 他
発
明
者 : 伊豫 昌己、仲 幸彦、森 一 他
技術の概要
安全性に優れた製法による均一粒子径の紫外線吸収剤
・ 紫外線吸収部位に天然植物(米ぬか)由来素材(フェルラ酸)を利用。
・ 製造時に乳化剤を使用しない(ソープフリー法)ため、残留物の懸念が少ない。
・ 簡便な製造装置、方法で、均一粒子径の微粒子を製造。
技術の特徴
紫外線の主要吸収帯を吸収、微粒子の粒子径が均一
・ 紫外線吸収帯は320nm付近であり、化粧品等に有用な帯域である。
・ 製法上乳化剤を使用していないので、残留物の製品への影響がすくない。
・ 均一な粒子径の微粒子であるため、滑らかさが向上(既存の酸化チタン系と比べて)
透過率
・微粒子のまま、 積分球付きUV 測定装置で測定
図 1.均一な粒子径
技術の活用例
化粧品等の紫外線吸収剤
・化粧品用紫外線吸収剤
図 2.微粒子の紫外線吸収スペクトル
技術開発の経緯
地域資源の有効活用、環境調和型ものづくりプロジェクトから生み出された
和歌山県工業技術センターでは、環境調和型ものづくりの活動として、域内の天然資源を活かしたものづくりを検討し
てきました。 これまでに築野食品工業(株)と共同開発した「米ぬか由来のフェルラ酸」を利用した各種機能性材料開
発を進めてきました。その開発の中で、フェルラ酸の紫外線吸収能力に着目した高分子化可能な紫外線吸収剤の製造
に成功しました。本技術開発は、前述の紫外線吸収剤をベース材料として、新中村化学工業(株)、近畿大学、和
歌山県工業技術センターが連携し、応用化の検討を行った成果です。当センターでは、本技術について実用化に向けた
活動を進めています。
産官金による連携支援
産
官
金
・産業支援機関による共同研究、共同開発における体制構築、推進支援
・研究開発資金獲得支援、販路探索等の事業化支援
・産官連携よる新たな製品の共同開発及び新たな試験研究支援
・公設試等との間で、本技術シーズを活用した新たな製品の共同開発
・研究開発、事業化のための資金調達、融資支援
・事業化、企業経営コンサルティング
企業の方へ一言
・本件の紫外線吸収性微粒子は化粧品などへの利用が期待されます。 化粧品やその他の応用商品に向けた製品化
と事業化をしていただける企業の方を求めています。
・利用にかかる技術的な相談・支援を本センターで行います。
特許の情報、その他
■ 特許の情報
名称:紫外線吸収性を有する高分子微粒子およびその
製造方法
公開番号:特開2013-199596
出願日:平成24年3月26日
特許権者:新中村化学工業株式会社、
学校法人近畿大学、和歌山県
■ その他の情報
用語解説
紫外線:波長が10‐400nmの範囲の光線の総称。太
陽光にも含まれる。エネルギーが比較的高く、 人体等へ
の影響もあることから紫外線吸収剤や遮蔽剤が多く利用
されている。
乳化剤:混じりにくい液体同士を均一に分散させるため
に利用。分散した液滴が微粒子形状(球体)を示すこ
とから、微粒子製造の際にも多く利用される。
この資料についての問合わせ先:近畿経済産業局 産学官連携推進室
公益財団法人 新産業創造研究機構
TEL
TEL
06-6966-6164
078-306-6805