2016年9月28日 ブラジル中銀、2017年のインフレ見通しを下方修正 ブラジル中銀は9月27日公表の「四半期インフレ・レポート」において、2017年のインフレ見通しを小幅引き下げ。 今後の金融緩和の3つの条件のうち、食品価格と財政政策の面で進展みられ、利下げに向けた素地が整いつつある。 ルセフ前大統領の罷免決定以降、レアル相場はテメル大統領の経済改革の進展を見守り、小康状態が続く。 テメル大統領は9月13日には、34件のインフラ・プロジェクトを公表。2017年から2018年に入札が実施される計画。 図1:ブラジル中銀の政策金利とインフレ率 中銀は2017年のインフレ見通しを下方修正 ブラジル中銀は9月27日、「四半期インフレ・レポート」を 公表し、2017年のインフレ見通しを小幅引き下げました。 基準シナリオでは、2017年末のインフレ予想は6月時点の 16 12 公表された2018年末の予想は前年比+3.8%と一段のイ 10 利下げに向けた素地が整いつつある模様 ブラジル中銀は今後の金融緩和について「委員会メン バーがインフレ目標達成への信認を深めることが必要」と 14.25% ブラジル中銀 政策金利 14 前年比+4.7%から+4.4%へ下方修正され、今回新たに ンフレ鈍化が予想されています(図1)。 (%) ブラジル中銀 インフレ見通し(基準シナリオ) (2016年9月時点) インフレ率 (IPCA、前年比) 8 上限 6.5% 6.0% 6 4 の見方を示しました。ブラジル中銀は具体的な金融緩和 2 の条件として、①食品価格上昇の影響が限定的に留まる 0 インフレ目標(中心=4.5%) 13 こと、②金融政策や経済活動に敏感な物価品目の上昇 3.0% 下限 2.5% 14 15 16 17 18 (年) (出所)ブラジル中銀、ブラジル地理統計院(IBGE) (期間)政策金利:2013年1月1日~2016年9月27日 要な経済調整策の実行を巡る不透明感が解消されること、 拡大消費者物価指数(IPCA):2013年1月~2016年8月 (注)基準シナリオは政策金利とレアル相場を一定と仮定した見通し。 の3点を挙げています。 率が適度なペースで鈍化すること、③財政政策などの必 図2:ブラジル・レアル相場の推移 今回のインフレ・レポートでは、①に関しては「食品の卸売 価格の下落が小売価格に転嫁されつつある」、③に関して は「財政改革の進展の面で前向きな兆しがみられる」との 言及がなされ、利下げに向けた素地が徐々に整いつつあ ることが示唆されました。これを受け、市場の一部では10 (円) 50 2016年8月31日 弾劾裁判でルセフ大統領の罷免決定 2016年5月12日 テメル暫定政権発足 45 レアル相場はテメル政権の改革を見守り小康状態 為替市場では、8月31日のルセフ前大統領の罷免決定 40 続きテメル政権の経済・財政改革の進展を見守っている 30 3.5 対米ドル相場(右軸) 35 以降、レアル相場は小康状態を保っており、市場は引き 3.0 2016年3月17日 下院がルセフ大統領 の弾劾審議開始 月18-19日の金融政策委員会(COPOM)での利下げ実 施の観測が浮上しています。 (レアル) 2.5 レアル高 4.0 4.5 対円相場(左軸) とみられます(図2)。テメル大統領は9月13日には、空港 レアル安 ラ・プロジェクトを公表し、2017年から2018年に入札が実 25 15年7月 15年10月 16年1月 施される見通しを明らかにしました。 (出所)ブルームバーグ (期間)2015年7月1日~2016年9月27日 や港湾、道路、送電網など34件の民間投資家向けインフ 5.0 16年4月 16年7月 ●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種 データに基づいて作成したものですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、 将来の成績を予測あるいは保証するものではありません。また記載されている見解、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予 告なく変更されることがあります。●この書面及びここに記載された情報・商品に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面に よる同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で配布することはご遠慮ください。●当資料は情報提供を目的としてのみ作 成されたもので、証券の売買の勧誘を目的としたものではありません。 1
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